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ワイが文章をちょっと詳しく評価する【91】
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0001ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE
垢版 |
2018/05/31(木) 10:51:37.67ID:e9HLf/lY
オリジナルの文章を随時募集中!

点数の意味
10点〜39点 日本語に難がある!
40点〜59点 物語性のある読み物!
60点〜69点 書き慣れた頃に当たる壁!
70点〜79点 小説として読める!
80点〜89点 高い完成度を誇る!
90点〜99点 未知の領域!
満点は創作者が思い描く美しい夢!

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前スレ
ワイが文章をちょっと詳しく評価する【90】
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0173美世閲覧注意
垢版 |
2018/06/01(金) 04:45:23.81ID:U0Yprzse
 鷹山は今日いつもより仕事を早めに切り上げて帰ってきた。みんなで美味しいもん食べて飲もうという美世の提案を先ほど思い出したのだ。外から帰って喉がカラカラだった
鷹山はお茶を飲もうと食器棚からグラスを取り、冷蔵庫まで歩いて行こうとしたがふとシンクの中を見ると、みかんを入れるような袋が水を張った洗い桶の中に浸かっていた。
「なんだコレ」
 鷹山が袋の結び目を持ってチョイっと持ち上げると中身がバタバタと暴れてブシューと排気音のような音がした。
「うわぁ!」
 腰を抜かして一歩下がった鷹山だが気をとり直してもう一度顔を近づけて見た。
「亀?いやスッポンか、どこで売ってるんだコレ、っていうかどうすんだ」
 鷹山は美世とのやりとりを思い出した。
「は?鍋?、もうすぐ夏なのに?」
「暑い時こそ鍋やがな、体力つくで」
「なんの根拠があってだよ」

「鍋の材料か……そりゃ体力つくかもな」
 鷹山がスッポンをチョイチョイとつついていると、美世が山田を連れて帰ってきた。
「トモ兄ただいま」
「お邪魔します」
「やあ、いらっしゃい山田くん調子どう」
「はい、美世さんのおかげですこぶる調子いいです」
 美世は笑顔で言った。
「そやろ、今日も球がバシバシ来てたもんなぁ」
 そう言いながら冷凍庫からタオルを出して山田に手渡すと、かわりに山田の上着を脱がして腕に掛けた。
「そりゃよかった、それはそうと美世、お前スッポン鍋する気なの?」
「ああ、ウチ大好きやねん、男衆には精力つけてもらわなあかんし、コラーゲンたっぷりで美容にもええんや」
 鷹山は美世と山田の妙に近い距離感と変な言い回しが引っかかったが、気の回しすぎだと思い直した。
「でもお前スッポンなんて捌けるの」
「見た事はあるけど捌いた事ない、そのまま入れたらええやろ?」
「おい、ちょっと待て」
「なんや、なんか問題あるか?」
「大ありだろ!そんな適当な感じでいいのか? 俺が見たことあるすっぽん鍋はそういうのじゃないぞ」
山田も顔をひきつらせて同調する。
「み……美世さん僕もさすがにそれは無いと思います」
「テレビで見た事あるで、姿煮みたいなん」
「いやそれネタ料理じゃねーの?普通は解体するだろ」
「そんな事言うたかて出来ひんもんはしゃーないやろ」
「だったら買わねーだろ、ノープランで買ってきたのか?なんとなく精力付くイメージだけで」
「切って入れてもそのまま入れてもおんなじ事やろ?」
「同じじゃねーよ、同じなはずがない!」
「炊けたらハサミで切ったらええやんか、男がごちゃごちゃ細かいこと言うなやスギちゃん見習え」
「お前が男前すぎるんだろ、いくらスギちゃんでも生きたスッポンをドボンてそこまでワイルドじゃねぇよ!
除去する所とかあんじゃないの?それにあんなイキのいい凶暴な生物誰が投入するんだよ」
「心配すな、抜かりはない」
 美世が冷蔵庫の横に置いてあった買い物袋から今まで見たことないような
ゴツい、大型で刺々しいトングのような物を取り出した
「メタルアリゲーターDELAXや!」
「だからドコに売ってるんだよそれ!」
「男の七つ道具、虎政ツールズや」
「工具店だよね? 努力するベクトルを間違えてるよ!」
 鷹山はもがき苦しむスッポンをアリゲーターでグラグラと沸く熱湯に押し込む美世の姿を頭に思い浮かべた。
「誰かこの蛮族の宴を止めて!そうだ雛子だ、解剖のプロフェッショナル居た!」
 鷹山は慌てて電話をかけた。
「俺だ、まだ研究室? そうか、早く来てくれ、狂ったワイルド鍋を阻止してくれ!」
0174美世閲覧注意
垢版 |
2018/06/01(金) 04:50:58.16ID:U0Yprzse
 1時間後雛子が到着した。仕事は残っていたが、大した事ではないし、何よりすっぽんに興味を引かれたようだった。リビングに入って荷物を投げ出すなり、ちょうど風呂から上がってきた山田に雛子が声をかける。
「亮介くんオッス」
「あ、どうもっす」
 鷹山があれっという顔をした。
「お前ら面識あんの?」
「言ってなかったっけ、この前美世ちゃんと二人で応援に行ったんだよ、美世ちゃんの新車で」
「あれ?トモ兄には言うてなかったかいなぁ」
「そうなんだ……まあ紹介する手間が省けたけど何この仲間はずれ感」

 そして雛子とスッポンとの格闘が始まった。雛子が持ってきた爬虫類学の本はあまり役に立たず、結局パソコンで調べながらの解体になった。シンクの横で美世がパソコンでナビゲーションして雛子が解体する形だ。
 亀の習性を利用してスッポンを逆さにひっくり返し、首を出させる。手袋をした雛子が素早くスッポンの首を捉えた
「うわ、力強い……ダメだ、もう一回」
「姉さんがんばれ」
 鷹山と山田はテーブルについてポカーンと二人の後ろ姿を見ていた。
「よし、首が伸びた」
「そこや姉さん継ぎ目から切って、うん、首の周り全部」
 ジョキジョキとハサミで肉を断つ音が聞こえている。
「背中側の奥の方や」
「あ、やだいきなり血管切っちゃった」
「そこそこ、骨と甲羅がくっついてんねんて」
「それはわかってんだけど……よく考えたら生きてる人久しぶりかな」
「姉さんこれ人ちゃうで、食材やで」
 鷹山と山田はゴクリと唾を飲んだ
「血が溢れて……バキューム欲しい」
 雛子が額につけたライト付きのルーペのようなものでピンと手足を伸ばしてブルブル震えるスッポンを覗きこんでいるのがわかる。
「あった、頚椎の継ぎ目」
 雛子が横に手を伸ばして血のついた小さいハサミを置いて、大き目のハサミを手に取るとスッポンに対して何かもぞもぞとしている。
 クーパーじゃ厳しいな、リストン持ってくるんだった。美世ちゃんちょっと出刃取って」
「ハイ姉さん」
 雛子の体の向こうでゴリっと音がして鷹山と山田はビクっとした。
「取れた取れた、はい姉さん焼酎、ここに逆さまにして」
「ほい…………もういい?」
「もうチョット出そうやな姉さんちょっと振ってみて」
 雛子の体が小刻みに上下している
「もうええかなぁ、ちょっと飲んでみよか」
「どう?」
「うん、普通にいつもの味や、口の中切った時の、さすがにここは素人でもプロでも同じか、姉さんも飲む?」
「うん」
 雛子が生き血入りの焼酎を飲んでいるようだ。
「ん〜血だね」
 鷹山が顔を見合わせようと山田を見たが目はうつろで既に逝きかけている。美世がこちらに振り向いて生き血焼酎を持ってきた。
「はいトモ兄、涼介はまだ飲まれへんからな、精力全開でおたのもうしまっせ」
「これで別に精力を実感した事は無いんだけどな」
「でもほれ、本人のピー頭ちゃんはすごい精力やで?」
 美世が何かスッポンの頭にちょっかいを出しているようだった。
「シモネタかよ」
「なぁこれ見てスゴイスゴイ」
 振り向いた美世が菜箸を持っているがその先にスッポンの生首が食らいついてクネクネと動いている。
「ウィンクしてんで?」
 爬虫類にしては意外につぶらな瞳がパチパチとまばたきをしている。
「お……おう」
 山田の首がガクリと後ろに倒れた。

 数十分後、鷹山が思うようなスッポン鍋の光景がテーブルに展開された
「ふう、一時はどうなる事かと思ったよ」
「トモ兄と姉さんビールでええか」
「ああ、いいよ」
「あ、私ドライね」
「涼介はウーロン茶でええやろ?」
「あ、はい」
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