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安価・お題で短編小説を書こう!4
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0125この名無しがすごい!垢版2018/07/22(日) 00:20:25.95ID:7TxiQD2L
>>109

お題:『ナイアガラ』『ドラクエ』『図書室』『視点』『アチアチ』

【夏の夜】

 夏休みのさなか、とある地域の育成会が主催する二泊三日の林間学校には、小学生から高校生まで80人ほどが集まる。
 従姉妹同士であるナツキとユカリも、参加することを決めてから楽しみにしていた。
 二人だけの思い出を作ろうねとはどちらの言葉だろうか。

 ちょうど山間部にある林間学校施設だということもあって、一日目の夜に行われた肝試しは嫌が上にも盛り上がる。
 保護者たちは保護者たちで、子供たちを驚かせるために気合が入るものだ。
 ナツキとユカリの二人の父親も組となって驚かす係となっていた。
 二人はそろって女装し、子供が通るたびに魔神英●雄伝ワタルのアチアチアドベ●ンチャーをアカペラで大熱唱しながら踊り狂う!
 第三者の視点から見れば明らかに変質者だ。暗い山道で遭遇すれば誰だってびっくりするだろう。普通ならば事案モノである。
 本来は女性が歌うものを一オクターブ下へとずらしていることも相まって、お化けとは別の意味でとても怖い。
 彼らは互いの娘二人組がやって来たのがわかると、それまで以上に調子づいて声を張り上げる。
 そんな父親のあられもない姿にマジ泣きするのはユカリだ。父親たちは恐怖に泣き出したと思いこんでさらに増長する。
 ナツキは悲鳴を上げるどころか蔑んだ視線で父親二人を見て、お母さんに言っとくからと判決を下した。
 ユカリの父親の姉であるナツキの母親は、夫や弟に対して容赦がまったくない。
 肝を冷やすことになるのが驚かす側となったのは言うまでもないことだ。

 二日目の夜になると、広場の中央で仮装キャンプファイヤーが行われていた。
 衣装は有名な漫画やアニメ、ゲームのキャラクターなどで、育成会が用意していたものだ。
 全長7メートル、高さ2.5メートル程のナイアガラ花火が現れると、興奮した一部の中学生、高校生が滝の下を度胸だめしでくぐり抜ける。
 弾丸のごとく疾走する青いハリネズミの仮装をした男子高校生が、大人の静止を振り切ってくぐり抜けた時だった。
 よほど大きな火花が背中に入ったのか、アツイアツイと繰り返して悶える。
 結果小さな水ぶくれができて、彼らはまとめて叱られていた。まあ、聞くはずもなく逃げ出していたが。
 その時ナツキとユカリはドラク●エの賢者と勇者に扮し、暗く誰もいない二階の図書室へと潜り込んでいた。
 キャンプファイヤーやナイアガラ花火から離れたこの場所からだとよく見えた。
 後方から赤い配管工の仮装をした高校生によって投げられたネズミ花火が、青いハリネズミの背中へきれいに入り込んだからだ。
 男って馬鹿だよねと笑い合い、従姉妹二人は熱い夜を過ごしたのだった。

〈おしまい〉
0126この名無しがすごい!垢版2018/07/22(日) 08:19:06.50ID:eiORbqrc
>>125
バラバラお題全使用に125氏が挑戦、アチアチなメモリー!
舞台は二泊三日の林間学校、親友女子の二人組による、思い出づくりの夏きたる〜、さあ、一日め夜は肝試し!
おどかし役の二人の父が、『アチアチ』アドベンチャーを熱唱し、第三者『視点』では完全な変態にw 女子らはこれに涙目制裁〜
二日め夜のキャンプファイヤー、配管工のアイツとかヘッジホッグなアイツが登場し、ネズミ花火・『ナイアガラ』花火で阿鼻叫喚w
なるほど、他のキャラクターを並列させることで、『ドラクエ』仮装の唐突感を均したか、125氏の技が炸裂〜
ラスト、誰もいない夜の『図書室』、演出されるは二人だけ感! お題を全クリした夏の物語は、涙と笑いを通過して山あり谷ありメモリアル、ダークネス・イン・サマーENDを決めたぞ!
0128この名無しがすごい!垢版2018/07/22(日) 17:42:28.57ID:7TxiQD2L
>>126
初期案では一泊二日の図書室でサボり組がドラクエに興じていたとするつもりでしたが、
話をこねているうちに仮装させて以前の二人組を出すことにしました
ちなみに赤い配管工の高校生はファイアボールと叫んでネズミ花火を放っていますw

>>127
自分の父親が女装してHENTAI行動をとったとしましょう
それを間近で見た同じ地域の多数の同世代からはずっとからかわれる事になります
あの日のことがいい思い出となるかは……ちょっとわかりませんw
0129二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/07/22(日) 22:05:03.31ID:Wf0Py4RZ
お題『ナイアガラ』『ドラクエ』『図書室』『視点』『アチアチ』締切

【参加作品一覧】

>>113【白紙の本】
>>117【夏休み】
>>125【夏の夜】
0130二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/07/22(日) 22:07:30.46ID:Wf0Py4RZ
今回の投票作品一覧はありません。

俺に投票してくれた人ありがとうね
ミスをよくしてしまう不甲斐ない進行ですが、これからも宜しくお願いします……
0132この名無しがすごい!垢版2018/07/22(日) 22:09:00.92ID:YeVzGrUv
配管工
0137二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/07/22(日) 23:30:36.51ID:MKpv+13+
☆お題→『配管工』『ユニオニオン』『誰かが冗談を言う』『ドラムンベース』『ジャンル:ローファンタジー』


☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK

☆締め切り→7/29の22時まで

☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>129より。

【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】
0138この名無しがすごい!垢版2018/07/23(月) 03:56:26.40ID:wDDzqERR
お題:『配管工』『ユニオニオン』『誰かが冗談を言う』『ドラムンベース』『ジャンル:ローファンタジー』

【都会の龍神】

古来より、人は水を恐れた。
豪雨を、氾濫を、津波を。
その恐怖、教訓から過去の人々は、荒れ狂う奔流を龍神に例え、祀った。
現代では、そのメカニズムが解明され、龍神信仰はもはや形骸化してしまっている。
「て、しなきゃねぇ」
青年はぼやきながら、レンチを担いだ。
地下深く、光が差し込まない世界で彼は破損した配管を修理する。
それは、巨大な配管だ。
トンネルと言っても過言ではないほどの、大きさ。
「神様の手伝いしてる割には、俺達はいつまでたっても日が当たらねえな」
誰かが冗談を言う。
青年は頬についた泥を拭って、笑った。
冗談にしては中々、的を射ている。
その時、重低音が作業場を支配した。
空気を振動し、臓腑を叩く。
「急げぇ!来るぞぉ!」
現場監督が叫んだ。
青年は受け持ちの区間を急いで仕上げる。
一瞬でも間に合わなければどうなるか、目に見えていた。
重低音はリズミカルに、さながらドラムンベースのように響き続ける。
「っし!終わり!」
青年はボルトを締め上げると、すぐさまその場から離れた。
後方で組んだ足場に飛び込むや、配管は直ちに振動を開始した。
来る。
配管に等間隔に配置された窓をとてつもない速さで何かが通り過ぎた。
水滴と蒼い鱗を撒き散らし、それは配管を駆け抜けていく。
数秒後、配管と作業場に再び静けさを取り戻された。
あれが、龍神。
いつ見ても、美しく、荒々しい存在。
青年は彼等をそう捉えていた。
「点検開始!」
監督が再び叫ぶ。
今の通過で、またどこか破損しているかもしれない。
青年は配管に飛び乗り、レンチを構える。
「いつもニコニコ、ユニオニオン!」
会社のコマーシャルを口ずさみ、彼は配管を小刻みに叩く。
「水の問題なんでもござれ!」
リズミカルに、繊細に。
「配管工のプロなら全て解決!」

青年達の仕事は、配管工。
そして、龍神の通り道を作る者。
0139この名無しがすごい!垢版2018/07/23(月) 07:36:43.61ID:rcJnfqeA
>>138
はやい! 前がかりの138氏が、お題決定より半日おかずに全選択の速攻だッ、崇め奉れ水の神のレジェンド〜
さあ舞台は光届かぬ地下世界、修理に励む『配管工』が、この仕事光あたらんと『冗談』会話〜、おもむろに、臓腑を叩く振動はじまり、
迫る轟音リズミカル、さながら『ドラムンベース』の重低音が、いやがおうにも緊張高め〜!? 水滴と蒼い鱗を撒き散らし、辺り揺るがす轟水の神が自然の威厳そのままに、荒ぶり駆け抜け現世に顕現〜!
美景に打たれた配管工が、まさに龍神だと『ローファンタジー』をクリアして、口ずさむのは、いつもニコニコ『ユニオニオン』w お題ネジ込み感も速攻ゆえのご愛嬌w
かつて猛威を振るった龍神も、パイプで制御し飼い慣らし〜、それでも本能からくる恐れこそ、138氏が描き出したドデカいパイプの龍の神、って感じで、配管工らがゴクリ畏敬の大自然ENDだ! 速攻・全お題突破に敬礼〜
0140この名無しがすごい!垢版2018/07/23(月) 12:18:02.48ID:MF2Hcbcd
>>138
現代に生きる龍の祭司と言うところでしょうか
日に当たらぬ者こそ、現代の基盤を支えているのですね
0141この名無しがすごい!垢版2018/07/23(月) 12:34:49.02ID:8ZNS1Pr2
>>139
ありがとうございます
こんなものでよろしかったのでしょうか
0142この名無しがすごい!垢版2018/07/23(月) 12:36:53.82ID:8ZNS1Pr2
>>140
祭祀、神職をイメージしました。
現実はかけ離れたものだと思いますが、合わせてみると意外とかけました
0143この名無しがすごい!垢版2018/07/23(月) 17:06:34.40ID:IgSevwDo
>>138
さっそくのお題制覇だなんて素晴らしい!
英雄としてチヤホヤされるということになれば、それだけ災害が多いということの裏返しにもなるんだよね
荒神を鎮める、日のあたらない英雄たちはこれからも人知れず活躍することでしょう
0144この名無しがすごい!垢版2018/07/23(月) 17:22:39.97ID:Q6D8Rgda
>>138
すぐさまお題全消化作品を投稿するとは!
いやーさすがです
0145この名無しがすごい!垢版2018/07/26(木) 23:52:39.83ID:YQD4oOWc
>>137
使用お題:『配管工』『ユニオニオン』『誰かが冗談を言う』『ドラムンベース』『ジャンル:ローファンタジー』

【入国管理】(1/2)


「あぁ! ここが日本か!」

 飛行機から降りるなり、流暢な日本語でそう言ったのは、アングロサクソン系の若者だった。
 ユニ・オネオナ。今年で19才になる、オクラホマ出身の青年である。
 感慨深そうに口にしてはいるが、飛行機を出こそすれ、未だ空港の室内ではあるので、言うほど日本日本した感じではない。
 それでも空気の違いを感じているのか、彼はそれを堪能するべく大きく深呼吸をした。

「さて、入国手続きをしないとな!」

 初めての海外旅行。それで日本を選んだのは、ひとえに彼が日本文化が好きだったからだ。

「ヨウカイ、オンミョウ、ヤオヨロズ〜!!」

 少し……いや、かなり偏っては居る様ではあるが……

 BGMだろうか? 空港の通路にはノリの良い音楽が流れていた。彼の記憶によればドラムンベースのナンバーだった筈だ。
 そんな彼が浮かれ気分で入国カウンターに着くと、そこには20才半ばの男が仕事をしていた。
 ネームプレートには“土御門”と書いてある。土御門……その名前に彼はピンと来る物が有った。かの大陰陽師、その子孫がそんな苗字だったのではないか?

「Oh! ツチミカド!! セイメイ・アベ!! オンミョウリョウ!! 貴方は子孫では無いですか?」

 入国管理官であろうその男は若者をジロリと見るが、取り立てて感情を浮かべないまま「パスポート、プリーズ」とだけ言った。
 まったく相手にしてくれない土御門に苦笑しつつ、彼がパスポートを渡す。

「……ユニオニオンさん?」
「違います! ユニ・オネオナです!」
「入国目的は……観光ですか?」
「はい! 観光です」
「配管工? これ、観光ビザですから、配管の仕事じゃ入れませんよ?」
「違います! 観光です!!」
「はは……冗談ですよ」

 全く表情を変えないまま土御門はそう言う。
 そうすると、最初に自分の名前をどこぞのイメージキャラクターと間違えたのも冗談の類だったのだろうか? どちらにしろ面白くも無い冗談ではあるが……第一、冗談だと言うなら、少しは笑ったらどうなのか?
0146この名無しがすごい!垢版2018/07/26(木) 23:54:59.19ID:YQD4oOWc
【入国管理】(2/2)


 東洋人には感情が無い等と言われているが、それは本当だったんだなと、ユニは思った。
 金属探知機の後、荷物をチェックされる。思ったより手こずって居る様で、結構な時間が掛かっていた。
 あまりの退屈さ加減に、ユニは流れている曲に合わせて鼻歌を歌う。
 と……

「!!」
「? 何ですか?」

 感情が無いと思っていた土御門が目を見開いて彼の顔を凝視していた。

「その……曲は?」
「え? いや、今流れているでしょ? ドラムンベースの……」
「……ああ、そうでしたね……流れて……いましたね……」

 歯切れ悪くそう言う土御門を訝しんでいたのだが、しかし、その音楽は既に聞こえなくなっていた。
 ユニは(あれ?)と思ったのだが、彼が疑問を口にする前に、土御門が「結構ですお通り下さい」と口にした。

「あ、はい」
「では、良い配管工を……ユニオニオンさん」
「…………あー、もういいです」

 全く面白くない冗談を繰り返してくる土御門に多少げんなりしながら、ユニはオリエンタルジャパンを堪能しようと、気持ちを切り替えたのだった。

 ******

「はい、カテゴリーE【テレパス】でしょう。観光とのことですが、実際はどうなのか……はい、荷物には不審なところは……はい、よろしくお願いします」

 通信機のスイッチを切り、土御門はユニの消えたロビーの方に視線を送る。彼の“術”にも引っかからない様な些細な能力の発現なのだから、問題にはならないだろう……そう考える。
 もしかしたら、能力を隠蔽していた可能性もあるが、だが、それならば“曲”を口ずさんだ事は矛盾する事に成る。
 土御門にしても、アレは油断のし過ぎだったと冷や汗をかく思いだった。何せ、“脳内で”ヘビーローテーションをしていたドラムンベースの曲を“聴かれ”てしまっていたのだから。

「精神遮蔽の術からやり直しですね」

 国民に知らされていない『陰陽省』。平安時代から続くこの国家機関の目的は、海外から入ってくる“穢れ”からこの国を守る事だ。
 今日は瀬戸際で素通しする事は無かったが、気を抜いていて同様の事が有れば、次は大問題になるかもしれない。

「ぬるま湯につかり過ぎて、腑抜けて居た様ですね……褌を締め直さねばなりません」

 この数年、なんの問題も無かった事で記が緩んでいたらしい。
 自分が最初の砦であると気合を入れ直し、土御門は次の入国者のチェックを開始するのだった。
0147この名無しがすごい!垢版2018/07/27(金) 08:22:20.94ID:XVfG+EU+
>>145
魑魅魍魎が跋扈した平安時代を現代風に仕立て直すぞ、お題全選択! イミグレ陰陽隊!
さあ、遠路はるばるオクラホマからやってきた、趣味はオカルト、安倍清明リスペクト、ユニ・オネオナさんが来日だ〜
高速ビートの『ドラムンベース』が流される、奇妙な空港降り立って、浮かれ気分のユニさんが、『ユニオニオン』って名前の『配管工』に間違えられるw
OH分かりにくい、これがジャパニーズ『冗談』ですか〜、って訝しむ彼が、空港に響くハイテンポの曲目を鼻歌混じりに、…ってテレパス発覚!?
空港似合わぬドラムンベースは、策士145氏による巧妙な伏線だ! 土御門家・清明の系譜に連なる審査官が脳聴で炙り出されラスト〜、陰陽省とかいう『ローファンタジー』の姿あらわな短編が、お題をフルクリアしながらも、愛国・セーマンドーマンENDだッ
0149この名無しがすごい!垢版2018/07/28(土) 16:00:01.04ID:E6sBP70l
>>137
お題:『配管工』『ユニオニオン』『誰かが冗談を言う』『ドラムンベース』
全選択のつもりだけど、ローファンタジーかどうかは自信がない

【ユニオンリンク】1/2

会議室に並べられた料理がオフィスに似つかわしくない香りを漂わせていた。
壁の一面はガラス張りで隣接フロアを見渡せるようになっており、これまた場違いな一面の緑が整然と広がっている。
外観はオフィスビルのままであったが中身は随分と様変わりしたものだ。

「一般の見学者を呼び込むのもアリです。科学館よろしく演出を凝らせば――」

担当の男は落ち着かない様子で眼鏡を上げ、こちらを窺う。

「――下層には養殖用の水槽がありまして、水耕栽培と循環連動してまして。将来的にはレストランも併設して、ここで生産した野菜と魚を提供するコンセプトです。お味はどうです?異国の方の口にも合うでしょうか?」

こいつらの顔はどうも好きになれん。不機嫌面で睨んでやろうかとよぎったが、ここは話を持ってきたジャックの顔を立てることにした。

「植物工場にレストランか。まぁ、廃ビルにしておくよりかはマシでしょうな」

土地の少ないサルどもらしい発想だ。まったく妙な知恵だけは働く。

「おいおいマックス、俺が目をつけたビジネスにケチ付けないでくれよ。お前はどうも排他的っつーか差別的でいけねえや。面白い試みじゃないか?なんなら地下に温泉でもつけたらいい。ハハハ! おっ このフライもいけるぜ?」
「……これも野菜か? 初めて食べる味だが」
「それは、えーオニオンですね。球根を輪状にスライスして、揚げて、オニオンリングって訳です、はい」

得体の知れないリングを注視する私を見て、料理を気にいったとみたのか緊張の色が薄らいだようだ。

「まずまずだな……時間もない。残りのフロアも見せてもらおうか」


階下の栽培エリアは、いかにも工場然としたパイプが張り巡らされ、温かみのない照明が緑を照らしていた。

「太陽と土がなくても問題ありません。人工光と水の徹底した管理により、味はもちろん栄養素の調整も可能です」

無農薬を謳っているようだが、この嗅ぎ慣れない匂いは薬品のようではないか?オニオンの香りか? だがそれよりも――

「このBGMは見学ツアーの演出か?もう少し落ち着いたものにはできんのかね?」

「ああ、音楽を聞かせているんです。植物に。研究成果も出ていましてね、オカルトじゃありませんよ。ちなみに今流れているのはいわゆるドラムンベースといいまして」
「ハハハ、いいじゃないか。俺は好きだぜ。若者ウケもいいんじゃないか?」

ジャックの興味はガラス越しのオニオンプラントに移っていたが、体の一部は自然とリズムにのって左右に揺れていた。本能には抗えん、か。


その後いくつかのプラントを見廻り、視察は完了した。水槽は配管メンテのため立ち入れず、ジャックは残念そうな顔をしていた。

「このモデル工場を足がかりとして各地に展開するにあたり、もちろんお二方に所縁のある企業様に配慮する所存でございます。が、先に申し上げたとおり配管工事だけは我々の方で手配させていただきたく」
「技術立国だもんなぁ。譲れんところは構わんよ。なぁマックス?」
「では当初の取り決め通りということで。本日はありがとうございました。こちら、お土産です。お気に召されたようでしたから……」
「ほう、オニオンチップス? こいつもうまそうだな! いや〜有意義な視察だった」

狭苦しい島国で、ちょっとした食の楽しみができる程度には。そう思いつつエントランスを出た。


ジャックが消息を絶ったのはその1ヶ月後だ。
0150この名無しがすごい!垢版2018/07/28(土) 16:09:53.25ID:E6sBP70l
【ユニオンリンク】
2/2

まったくどうかしている。ジャックのやつめ、急に連絡をよこしたかと思えば一人で会いに来いだと?よりによって、あの工場で。こんな真夜中にどういうつもりだ。
小腹が空いたせいか、いらつきが治らない。車に常備したオニオンチップスをひとつまみ。……もう空か。まぁ明日にでも贈られてくるだろう。

敷地内は静まり返った様子で警備員の姿すら見えない。改装してしばらく経つというに、暗闇の中では寂れた廃ビルのままに思えた。

「ジャック、俺だ! どこにいる? お前の家族も心配しているぞ」

ガラス越しにプラントから漏れる人工光があってなお廊下は薄暗く、怪しげな研究施設のような雰囲気が不安を煽る。一方で耳障りなはずの電子音楽は不思議と心地よさがあり、私は高揚感と妙な使命感すら覚えた。
どこに行くべきかは分かる。パイプを辿ればいい。その先にいるはずだ。匂いが強くなっていく程に期待と確信も強まっていく。そうだ、この扉の先にあるはずだ。

視察のコースから外れ、しかし迷いなく進んだ先は予想どおり水槽が並ぶフロアだ。だがそこには魚の姿など見えず、巨大な水槽と得体の知れない何かが鎮座していた。
水槽内を埋め尽くすほど張り巡らされた根。天井まで飛び出した葉は碧く発光し、中心には無数の皺が刻まれた球根が、音楽に合わせるかのように脈動している。

「何をお探しですか?」

物陰から眼鏡ザルが覗いていた。訝しむような、嘲るような、言い様のない表情。

「いくらマックス様といえども不法侵入はいただけませんねぇ」
「とぼけおって。ジャックをどこへやった?そしてこいつは何だ!?この工場は一体何なのだ!?」
「そうですねぇ……尖兵工場ですかね。あなた方の支配からこの国を解放するための」

かつての印象とは真逆。自信に満ちた不敵な態度に悪寒を感じた私は、本能に任せて奴の喉笛に喰らいかかった――


「グォォッ!?ウゥ……ぐッ……ガハッァ!?」

躱された!? 顔に、何か…クソ! 目を開けられん!どうなってる?! 組み伏せられた?
誰に? 奴は――待て、この体臭と毛並みは間違いなく

「ジャック、何の真似だ。放せッ!」
「……よ……ごう……ハァ……ごう……」

視覚も嗅覚も覚束ない。締め上げられ、息苦しい。電子音に混じり友の呼吸音とうわ言がやけに大きく響く。

「犬人は野蛮でいけませんなぁ。気に食わないとあればすぐに吠え散らかし噛み付こうとする。ですが、キキキッ……特製のオニオンスプレーはさぞかし効いたようだ。どうです?涙が止まらんでしょう?」
「糞猿人……がッ……」

振りほどけないはずがない。ジャックとは犬種が違う、力で負けるはずがない。何かおかしい。クソ!軍で教わったろ、野生を開放しろ。従わななければ、本能うに、い意思に。ダレのい意思しに?

「オニオンはですねぇ、中毒を起こすんですよ。で、うまく調整してやると、犬人をトランス状態に陥らせることができるんです。そしたらあとは簡単。大いなる『ユニオン』へ統合し、
我々の意思の代弁者ができあがる。脳のリミッターを外すのも容易い」

トウゴウセヨ トウゴウセヨ トウゴウセヨ

「ジャック氏と違って、あなたはどうも効きが悪かった。まだまだ準備が必要だと教えられたわけです。感謝していますよ、貴重なサンプルだ。
ですが、今あれこれと嗅ぎ回られるのは都合が悪い。残念ですが中毒死コースです。あの世で見守っていて下さい、犬人の時代が終わるのを」


心地よい脈動のリズム。自然と尾が揺れる。
口腔に広がる香ばしさ。涎が溢れる。

ああ、悪くない。悪くないぞ。

ジャック、お前の感覚が、今ならとても良くわかる。
0151この名無しがすごい!垢版2018/07/29(日) 07:39:47.77ID:J91gQ30P
>>149
149氏がお題『配管工』『ユニオニオン』『誰かが冗談を言う』『ドラムンベース』を選択したぜ、落日の球茎〜
さあ、BGMに『ドラムンベース』が流れる謎ビルで、こりゃ地下に温泉でもつけたらいいと、『冗談』飛ばして二人が登場〜
ビルの中には植物工場、レストラン〜、水槽は見れなかったものの、オニオンチップス土産に貰い、『配管工』事だけは自己手配するという、低姿勢の説明マンに見送られ〜、
問題は後日! 行方知れずの相棒探し、チップス片手の再潜入だ〜、例の水槽エリアに鎮座するのは…だ、大球根!? 襲い掛かるは、正気を失くした相棒と、説明マンの玉ねぎ噴射w 大いなる、オニオンユニオンに統合だと〜?(『ユニオニオン』)
『ローファンタジー』も込みだねって感じで、みなし全選択・消化! 犬人・猿人の権力闘争が前半隠され後半あらわ、イヌに玉ねぎやったらダメだよね〜、そんな伏線たぐり寄せ、アリルプロピルジスルフィドENDだァ!
0152この名無しがすごい!垢版2018/07/29(日) 10:05:33.07ID:Oa7wEBNl
>>149
犬猿の仲……と言うところでしょうか?
世界の裏で暗躍する勢力図。果たしてこの反逆のレジスタンスは成功するのでしょうか?
0153この名無しがすごい!垢版2018/07/29(日) 11:45:08.68ID:unZvDC3o
>>145
無自覚な超能力者というやつでしょうか?
大勢いる中をピンポイントで捉えるあたりよほど波長が合ったのでしょうね

>>149
獣人同士の戦いも随分と仕込みがあるのですね
これはもう行く所まで行かないと終わりそうもない?
0154この名無しがすごい!垢版2018/07/29(日) 16:23:07.72ID:wKcVsY4U
>>150
野生を開放しろ

この時点ではまだ理性があるようですし、単純に
野性と間違ったように見受けられますね。

気をつけて下さい。
0155この名無しがすごい!垢版2018/07/29(日) 21:34:19.85ID:unZvDC3o
>>137 滑り込みセーフ

お題:『配管工』『ユニオニオン』『誰かが冗談を言う』『ドラムンベース』『ジャンル:ローファンタジー』

【春踏(しゅんとう)】

 冬の寒空のもと、夕暮れ時の広場で赤と青を基調としたオーバーオール姿の男たちが大勢集まっていた。
 その中央部分で20人程のむさ苦しい男たちは直径10メートル程の輪を作り、中心を向いて片膝をつけ頭を垂れる。

 さらにその輪の外側でひと固まりになっているのは、8人程の演奏者たちだ。
 ドラムセットや電子キーボード、エレキギターなどが並んでいる。

 バスドラムから始まった軽快な生演奏に合わせ、頭をあげて立ち上がると踊りだす。
 ドラムンベース調のリズムに乗って足を伸ばし縮め、その場で回り飛び跳ねる。
 足運びに大切なのは身振り手振りだ。大きな足運びをするならば手振りも自然と大きくなるもの。

 彼らはニ時間も続けると、輪のすぐ外側から入れ替わる交代要員とダンスの中で手を叩き合わせ、休息を得る。

 これを三日三晩のあいだ繰り返す。
 神聖なる儀式なのだ。一瞬たりとも音楽と踊りを絶やしてはならない。

  ★ ★ ★

 三晩目を明かした早朝、ついに輪の中心部分の土が盛り上がり、緑色の土管が生えてきた。
 もう一息だ。そこに集まった全員が輪を作り、踊りに加わる。

 五分もしないうちに土管から這い出てきたのは、玉葱頭をした精霊だ。名前は恐れ多くてとても言えない。
 男たちは全員地べたに正座し、精霊に向かって頭をふせる。
 その姿に満足した精霊は土管の縁に寝そべって、甲高い声をあげた。

「ようお前らご苦労なことだな。今年も賃上げは成功させてやるから、もっと御布施を寄こせよな」

 老齢の男が一人、目を伏せつつも素早く精霊の視界の中央へと移動し正座する。

「我らが精霊様の意のままに」
「今年はやる気が起きないからもういいよな。来年はオペラで出迎えてくれ。そんじゃまたねぇ〜〜〜」

 精霊が土管の中に転がり落ちると、土管も地面の中へと沈んでいく。

「気難しい方だ。だがこれで今年も賃上げは約束されたも同然だな」

 男たちは皆やり遂げた満足感で溢れていた。

「増えた分以上に精霊が掠め取るのにな」

 などと誰かが冗談を言うものならば、そいつは間違いなく団体の裏切り者であるが、幸いこの場にいたのは同志達だけだ。

 現世とは異なる世界をつなぐ彼らは、配管工と呼ばれていた。

〈おしまい〉
0156二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/07/29(日) 22:04:54.92ID:tbTiIEjF
お題『配管工』『ユニオニオン』『誰かが冗談を言う』『ドラムンベース』『ジャンル:ローファンタジー』締め切り

【参加作品一覧】
>>138【都会の龍神】
>>145【入国管理】
>>149【ユニオンリンク】
>>155【春踏(しゅんとう)】
0163この名無しがすごい!垢版2018/07/29(日) 23:40:15.22ID:tsmwIP7b
偽進行
0164二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/07/30(月) 00:36:31.02ID:fftlnyCM
☆お題→『うさぎ』『パイロット』『鰻』『そらまめくんと仲間達』『偽進行』


☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK

☆締め切り→8/5の22時まで

☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>156より。

【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】
0166この名無しがすごい!垢版2018/07/30(月) 01:32:40.17ID:JMWpQJHI
>>165
偽進行って?
0170この名無しがすごい!垢版2018/07/30(月) 07:43:47.38ID:XLR+5epg
>>155
刻限30分前に滑り込んだ155氏が、前回お題を全選択、土管deダンス!
さあ書き出しは、片膝ついて円陣うつむく男ら描く〜、はじまる演奏、顔上げて、『ドラムンベース』のリズムに乗って、刻むステップ、高速で、踊り地を蹴る、シンコペーション!
動き続けて三日三晩(長w)、生えた土管に、ラフな口調の玉葱精霊(『ユニオニオン』)あらわれて、かわす約定、気まぐれ賃上げww しかもピンハネw
精霊に掠め取られるから結局マイナスなんだが、などという、ダンスをだいなしにする『冗談』言う者もなく、オーバーオールの『配管工』らによる、対価に見合わぬ労働オチ〜
古代の儀式を彷彿とさせるダンス&ミュージック、電子音楽のデジタルテイストが『ローファンタジー』をクリアして、春闘ENDで力作揃いの連戦をしめたァ、155氏乙!
0171この名無しがすごい!垢版2018/07/30(月) 20:23:46.71ID:XDFYojn+
>>153
感想、有難うございます
主観では気が付かない異変と言うやつです
普通の人でも、色彩感覚は3倍近く違うそうなので、果たして自分の感じている物と人の感じている物が同かどうかは、分からないですね
0173この名無しがすごい!垢版2018/07/30(月) 20:55:58.79ID:8aPW0649
感想ありがとうございます!

>>168
異世界とのつなぎを作るので、とても大変です
ちょっとでも間違うと、気難しい聖霊様はへそを曲げて出てこないとか?

>>170
初期稿では七日七晩にしてました
流石に長すぎだなあということで交代しながらの三日三晩にしたのですが、それでも長いですよね
0174この名無しがすごい!垢版2018/07/30(月) 21:07:54.57ID:XDFYojn+
>>164
使用お題:『うさぎ』『パイロット』『鰻』『そらまめくんと仲間達』『偽進行』

【フリーマインド】


 幼い子供の思考と言うのは本当に自由で、自分なんかは驚かされてばかりだ。
 念願かなって保育士になった私だが、彼等の柔軟な発想力には、とてもじゃ無いがま追いつかない。

「さぁて、みんなぁ! 大きくなったら何に成りたいかなぁ?」

 そう言う私の声に保育園の皆は思い思いの声を上げる。

「おれ、やきゅうせんしゅ!!」
「くっきーやさん!!」
「パイロット!」
「うん、そうだね、成れる様に頑張らなくっちゃね」

 微笑ましい夢を聞いて思わず顔がほころぶ。

「ぼく、らいだーのみぎがわ!」
「わたしぽぷり!」
「え? あ、うん。成れると良いね」
「うなぎ!」
「え? 鰻? うさぎじゃなくて?」
「うなぎ!」
「え〜と、何で?」
「にゅるにゅるしてるから!!」
「あ、うん」

 この辺はまだ夢と現実がごっちゃ……なのかな?
 と、ツンツンとエプロンを引かれ、絵本が目の前に差し出される……「そらまめくんと仲間達」……

「えっと、『そらまめくん』に成りたいのかな?」

 フルフルと首を振られる。

「そらまめくんのお友達に成りたいのよねぇ?」
「あ、先輩!」

 先輩の言葉に、コクリと頷く。
 そっか、お友達に……か、そう言う発想は私には無い。やっぱり子供ってすごいや!
 ほっこりして頭を撫でてあげていると、別の子が「ハイッハイッ」と、自己主張する。

「う〜ん? 君は何に成りたいのかな?」
「偽進行!」
「は?」
「偽進行!!」
「え?」
「偽進行!!」
「…………あ、うん」

 ……………………子供の発想ってなんかすごい。
0177この名無しがすごい!垢版2018/07/31(火) 00:15:37.44ID:cMRo0BZn
>>174
子供の時って突飛な思考をするからなあ
にしても偽進行になりたいって、なにか憧れがあるのだろうか
0178この名無しがすごい!垢版2018/07/31(火) 00:24:13.20ID:cMRo0BZn
>>164
なんかどっかで見た話…………悔しい、でも投稿しちゃう! びくんびくん

お題:『うさぎ』『パイロット』『鰻』『そらまめくんと仲間達』『偽進行』

【巨大怪獣は南からやってくる】

 四機編成を組む戦闘機パイロット達が南部離島地域のはてまで愛機を飛ばしてその目に映したのは、海面上をムーンウォークするうさぎだった。

 そのうちの一機を操る新人が思わずこぼした、なんてデカさだという言葉は、それぞれのヘルメットに内蔵されたスピーカーを震わせた。

 実に200mを超える白い体高の持ち主は、時速40kmという巨体の割には微妙な速度で離島に近づく。
 このままでは人里が荒らされるのも時間の問題だ。
 予測では遥か南東―東側の海上を通って何事もなくやり過ごせるはずだった。

『くそっ、偽進行ルートを掴まされてるじゃないか! 観測所は何を見てたんだ!』

 そう叫びたくなるのはわかるが、巨大怪獣は気ままに進路を変えるものであり、意表をついて直角に曲がることだってざらにある。
 そんな進行ルートを正確に予測することなどとても無理だ。
 だからこそ彼らがいる。

『そらまめリーダーより各機へ。これより対怪獣ミサイルによる攻撃を行う。攻撃目標はうさぎの鼻っ柱とする。各機攻撃準備せよ』

 そらまめリーダー麾下となる二番機、三番機が応答するのに続く。

『そらまめ4、攻撃準備完了』
『よし、これより攻撃に移る。続け』

 そらまめリーダー機が右に傾けて高度を落としつつ、ムーンウォークのために後ろを向いている怪獣の真正面に合わせる。

『発射準備、5、4、3、2、1、今!!』

 各機が両翼に搭載している、全機合わせて16発ものミサイルが5秒の間にすべてうさぎへと向かっていく。
 発射したら離脱のために高度を上げるが、新人の機体は追従が遅れた。

 機体がうさぎの攻撃範囲をかすめると、うさぎの目から赤い怪光線が放射される。
 幸いうさぎの視線が定まらなかったために、回避行動せずとも当たることはなかった。

 そらまめリーダーは新人の鍛え直しを決めた。
 新人とは言え、優秀なパイロットの中から選ばれたさらにひと握りなのだ。これ以上の失敗をさせてはならない。
 だがうさぎの注意を逸らすこととなっていたためか、対怪獣ミサイルは迎撃されることなく全弾がうさぎの鼻へとねじり込まれ、爆発のエネルギーを余すところなく巨体に叩き込むことになった。

 うさぎは顔面から煙を上げて前のめりに倒れると、光の粒を撒き散らしてかき消えた。

『ふう。そらまめリーダーより管制、目標の消滅を確認。こちらの損害は無し。これより帰投する』

 こうして彼らは国民を守っている。

  ☆ ☆ ☆

 そんなそらまめ隊の活躍は、そらまめくんと仲間達というマスコットキャラクター化されていることもあり、さらなる期待と羨望を集めていた。
 そして今この時も国民を守るために、南の大空を舞う。

『今日はまたとんでもないデカさだな』

 彼らの眼下には2,000mを超える体長の鰻が海面よりも上を泳いでいた。

 そらまめくんと仲間達の戦いに終わりはない!!

〈おしまい〉
0179この名無しがすごい!垢版2018/07/31(火) 07:24:50.95ID:UQmRIcwX
>>174
進行氏への恩返し回なるか、174氏が早々にお題・全選択を宣言だ、キッズダンスを踊ろう〜
さあ、子どもらの夢おうかがいする保育園にやってきたぞ、キッズらに翻弄される保育士の弁を聞いてみよう〜
子供らからキラキラの夢が飛び出すぜ、なりたいものは!? 野球選手、うんうん、『パイロット』、うん、クッキー屋、うん、『鰻』、うんウナギ!? 『うさぎ』とかじゃなくてウナギw まあちょっとダークヒーローっぽいかもw
『そらまめくんと仲間達』を提出したおとなしげな子からは、まめくん自体ではなくお友達になりたいと、癒しの回答を頂きました〜、さあ次の子は!? なりたいのは『偽進行』! 何だそれw
短編スレで一日早く嘘期限を告知するなどお騒がせ、トリックスター・偽進行氏のフォロワーか? 今日も笑い絶えない保育園、預かり、大喜利、ミステリー! 174氏がアグレッシブにお題を使い切り、大喜利、さっくり、一番乗りィ!

>>178
なに、今回もムチャクチャなお題ばかりだと、知るか吶喊!! 全選択で燃ゆる短編! 遊撃せよ、南方のスピットファイア!
さあ、物語は怪獣を観測する決死の『パイロット』隊を描いてフライト開始〜、観測対象は、海面上をムーンウォークする『うさぎ』w 緊張感どこいったw
200mを超える超巨大うさぎが後ろ向きで人里方向に侵攻し、クソッ観測所の情報は『偽進行』ルートじゃねえかと、にわかに血騒ぎ急撃態勢〜
迫る怪獣、兵装熱おび、飛び交うミサイル16発、回避の遅れた新人がヒヤリ旋回、怪獣撃破ァ! 『そらまめくんと仲間達』にキャラ化され、国民愛するそらまめ隊!
お題を撃墜した178氏の遊覧飛行だァ〜、飛行隊は今日も超巨大『鰻』を眼下におさめ、警戒開始w がんばれ空軍、がんばれ新人、エマージェンシー・発進END!
0180この名無しがすごい!垢版2018/07/31(火) 15:23:32.96ID:lXwvFyPY
>>178
怪獣退治に命をかけるパイロットですね
果たして、巨大な獣達は、大自然の反逆のなのでしょうか?

>>177
感想有難うございます
因みに偽進行以外の回答は、実際に有った答えだったりしますw

>>179
感想、いつも有難うございます
背徳に憧れる子供も一定数は居るものです
特に中二位にw
0181この名無しがすごい!垢版2018/07/31(火) 21:08:56.08ID:cMRo0BZn
感想ありがとうございます!

>>180
台風を巨大怪獣に見立ててしまえというわけで、たんなる自然現象のつもりですw
時速40kmなのも台風なので移動速度が遅いというわけですね

>>179
ゴジラやモスラを代表する巨大怪獣も、台風を暗喩しているとどこかで見たのを思い出したのは書き上がった後でした
それと緊張感は夏の暑さでへばってますw
0182偽進行 ◇NISESINKO垢版2018/08/04(土) 22:20:50.74ID:OKaFuCpi
俺がお題になってた
0183二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/08/05(日) 22:03:13.03ID:9TSyyS9n
お題『うさぎ』『パイロット』『鰻』『そらまめくんと仲間達』『偽進行』締切

【参加作品一覧】
>>174【フリーマインド】
>>178【巨大怪獣は南からやってくる】
0184二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/08/05(日) 22:05:16.82ID:9TSyyS9n
お題『配管工』『ユニオニオン』『誰かが冗談を言う』『ドラムンベース』『ジャンル:ローファンタジー』投票締め切り

【得票数一覧】
>>138【都会の龍神】一票
0185二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/08/05(日) 22:08:56.87ID:9TSyyS9n
今週は作品数少な目か
そらまめくんと仲間たちとか偽進行とか中々カオスだったね、書いた人すごい

さてお題安価とります
>>186-190
0187この名無しがすごい!垢版2018/08/05(日) 22:19:16.24ID:6H4P7gFy
おっさん
0188この名無しがすごい!垢版2018/08/05(日) 22:24:47.23ID:pEz9mMVO
>>185
空軍
0191二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/08/06(月) 01:01:21.06ID:dFkNMKYU
☆お題→『線香花火』『おっさん』『空軍』『キャプテンTOBBY』『イケメン』

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK

☆締め切り→8/12の22時まで

☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>183より。

【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】
0192この名無しがすごい!垢版2018/08/10(金) 22:32:00.81ID:jl5/L3BS
今だ作品なし
0193二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/08/11(土) 21:40:20.46ID:zmlJC3NZ
お盆だからなのか、そうなのか……
ここまでゼロは珍しいね、作品投稿お待ちしてます!
0194この名無しがすごい!垢版2018/08/12(日) 20:32:08.11ID:mxpc3PED
>>191
使用お題:『線香花火』『おっさん』『空軍』『キャプテンTOBBY』『イケメン』

【異界の空軍参謀】(1/2)


 バチバチと火花を散らしながら落ちる炎の塊を目にし(線香花火みたいだな)等と、少し的外れな感想を抱く。
 地面に落ちたそれは、あたかも水滴の様に飛び散り、あちこちで白煙を上げる。
 それを成した蒼天に隊列を組む航空戦力を眺め、私は少しの間惚けていた。

「どうしました? マジマ航空参謀」
「あ、いえ、大した事では……」

 私の名前は馬嶋 弘義、一年ほど前にこの異世界にやって来た地球人だ。
 私は今、このアリセラ王国で、士官をしている。肩書は【航空参謀】……空軍の……相談役である。

 私が眺めていたのが今の私の成果である航空兵団……の実験小隊。
 このアリセラ王国の有る世界は、所謂剣と魔法のファンタジー世界であり、私が幻獣なんて言うくくりで認識している生き物が数多く生息している。
 だが、そんな世界でも世知辛い物で戦争なんかは、むしろこちらの方が多いだろう。群雄割拠……と言うやつだ。
 さて、何で私がそんな世界で航空参謀なんて事をしているかと言えば、まぁ、航空戦力の有用性を示してしまったからだ。

 ******

「…………んが?」

 会社帰り、何時もの様に同僚と飲んだ所までは覚えている。
 気が付けば私は何処から持って来たのかキャプテンT〇BBYを抱きしめて目を覚ました。
 酔っぱらって記憶が無くなるのもいつもの事だ。戦利品だってケ〇ちゃん、カーネ〇・サンダースと色々ある。
 社会に疲れた中年のおっさんには良く有る失態だろう。(全裸で公衆便所に突っ伏していないだけ今日はマシだったな)なんて事を考えていたのだが……

「どこだ? ここは?」

 石造りの部屋、周りを見渡せば見知らぬ人々が立って居る。それも、コスプレとしか思えない様なローブ姿の人々だ。

「あの、勇者様?」

 目の覚めるような美人が目の前に居た。それが、この国の王女、エルメシアだと聞いたのはその後の事だった。

 ******

「……伝説……ですか……」
「はい、女神ラーナフのお導きです……」

 紅茶を飲みながら、私は冷や汗を流した。うっすらと記憶に有る。酔っぱらった勢いで何を安請け合いしてしまった記憶だ。

(……あれが、この世界に来ると言う契約だったんだなぁ)

 つい遠い目をしてしまう。酒の上での失態なんて星の数ほどあるが、まさか異世界に送られる事に成る等、露程も思っていなかった。

「……あの、勇者様?」
「あ、いえ、何でも無いです」
0195この名無しがすごい!垢版2018/08/12(日) 20:34:19.27ID:mxpc3PED
【異界の空軍参謀】(2/2)


 ******

 ラナーフと言う女神は、いわゆる人間を守護している神様であるらしい。この世界には人間以外の人種が数多く居て、それ等が国を作り覇権を争っている。
 そんな世界の一国……アリセラ王国に、私は召喚された事に成る。今この国は周囲三国との戦争状態になっているらしい。
 形勢は一進一退から、やや不利な状態。何処か一戦場が崩れれば、最早すり潰されると言う状況だった。

(……それで、神に縋ったって所ですかね)

 話を聞き、溜息を吐く。しかし、酔っぱらっていたとは言え、この国に力を貸すと言う契約は覆らない。
 私は観念して、彼等に手を貸す事にしたのだ。

 ******

「初めまして、ミヒャエル・グーテンバッハです」
「……ヒロヨシ・マジマです」

 軍官だと言うミヒャエルに引き合わされた私は、早速この国の戦力について確認する事にした。

 ……なぜかエルメシア王女同伴で……

 ミヒャエルは金髪碧眼の好青年で、いわゆるイケメンと言うやつだ。だが、王女が少し頬を染めているのを見て、軽く目の前の青年に殺意が湧いたのは仕方のない話だろう。
 ともかく、先ずは戦況をひっくり返さなければいけない。
 私は彼に質問しつつ、思考を巡らせた。

「……グリフォン部隊が居るのに、何故、爆撃を行わないんですか?」
「は? バクゲキ? 何ですか、それは?」
「え?」

 聞けば、グリフォン部隊は偵察任務でしか使って居ないとか。戦場に於いて、上空を制する事がどれだけ優位に立てるかと言う事は説明などいらないだろう。
 だが、このアリセラ王国の人々は、その事に全く気が付いて居なかったのだ。

 ******

 グリフォン爆撃部隊の活躍はすさまじい物だった。何せ、それまでいた航空戦力と言えば、グリフォンを筆頭に、ヒッポグリフ、ベガサス、ワイバーンと言ったくらいで、その運用方法としては騎士が乗って、同じ様な空中戦力の相手と槍を合わせる位のものだったのだ。
 つまりは、普通の騎兵と同じ様な扱いである。
 だが、爆撃なら好きな所にとんで行って、頭上から攻撃し放題な訳である。それこそ蹂躙と言って良い結果だった。

「流石です! マジマ殿!」

 感極まったのか、ミヒャエルが私の手を取ってブンブンと振る。

「あぁ、いや、今は運よく退けられただけです。今後はもっと考えないと」
「と言うと?」
「航空戦術の有用性は各国に知られてしまった……と言う事です。今後は他の国もこぞって投入して来るでしょう」

 私の言葉にミヒャエルの顔が青くなる。この劇的な有用性を見せつけられたのだ。当たり前だろう。

「ですが、運用方法については私に一日の長があります」
「マジマ殿!」

 ミヒャエルの顔が明るくなる。まぁ、これも、契約してしまった自分の落ち度でもある。精々、この国を勝利に導かなくては……
0196この名無しがすごい!垢版2018/08/12(日) 21:06:55.35ID:EU1N1IaN
>>194
つまらないとは思わないけど、ボッコボコに勝ったのなら人質でも取ってこちらに有利な条約を結んだ方がいいと思う。
条約という概念がないなら約束でもいいし。
0197この名無しがすごい!垢版2018/08/12(日) 22:01:48.71ID:OwIdp/qt
>>191
倫理的な問題、および残酷そうな(?)表現があります。

お題:『線香花火』『おっさん』『空軍』『キャプテンTOBBY』『イケメン』

 太平洋上の高度8,000メートル上空を時速750kmで飛行する七機の航空機があった。
 護衛としての四機はよく見慣れた双発と単発の戦闘機だが、一機は中型旅客機ほどの随伴機、一機は大型旅客機を思わせる空中給油機で、残りの一機は尾翼を一切持たない全幅30メートル程の白い全翼機である。
 空中給油機の後部下から伸びるホースが全翼機の中央部分にある給油口へと差し込まれ、燃料を受け取っている最中だ。

 随伴機に乗り込んでいる技術者たちは、空軍の協力のもとに行われている実験のための全翼機を眺めている。

「このあたりは順調だな」

 おっさん技術者は試験の一つである自動給油がうまくいっていることに満足顔だ。

 この全翼機は風防がないどころか、その部分がエアインテークになっている。
 UAVやドローンと呼ばれる無人航空機だからだ。
 風防があって然るべき場所には申し訳ない程度にパイロットの絵が描かれることがあるが、この全翼機にはキャプテンT○BBYが描かれていた。

 もっともこの全翼機は、完全な無人機というわけではない。
 五人ほどが同乗している。いや、五人相当だと言うべきだろうか。
 そもそも脳を残して肉体を無くした者たちなのだから。
 そしてパイロットとしてではなく同乗しているというのも理由がある。

 飛行制御や攻撃判断などはすべて人工知能が担当する。
 ならばこの五人の脳が行うのは何か。
 それはただ、人工知能の戦闘機動について良かったか良くなかったか逐次評価するためにある。

 人間はどれほど鍛えてもプラス9G、逆立ち状態となるマイナス方向では3Gを短時間で耐えられるのが限界だと言われている。
 つまり、人間が乗っていなければそれを超えた機動を行うことが出来ることになる。
 だが即時に行動を評価するためには人間の搭乗が必要となり、そのために必要な機動が出来なくなるのではどうにもならない。
 死刑制度が無くなったのに合わせて、代わりとなる刑罰の整備が行われたのは丁度よかった。

 元々は重犯罪者であり、社会復帰は不可能とされた者たちだ。
 そんな彼らをタダで養う事など、とても認められるはずがない。
 結果、脳を取り出され、チョロっと教育・訓練を施して戦闘機に積み込まれることとなった。

 彼らの脳は互いに孤立しており、他者とのやり取りは一切行えない。
 あまりにずれた評価をするとお仕置きが待っているため、従順な彼らはそれなりに価値のある評価を下すようになっている。

 給油が終わるときに無人機が姿勢を崩した。その拍子に外れたホースの先端から出火すると、線香花火のように火玉が出来て火花を飛ばす。
 幸いすぐに消火剤が散布され、それ以上の被害にはならなかった。

『現刻をもって試験を中止。全機基地へと帰投せよ。繰り返す、…………』

「重大インシデントですね」

 随伴機に乗るイケメンの技術者は手元のボードに発生状況と今現在考えられる原因を書き記していった。

 そんな状況の中、全翼機はいつの間にか少しずつ距離を取り、給油機をロックオンしていた。
 給油機の内部では甲高い電子音が鳴り響き、給油機のパイロットはすぐさま回避行動に移る。

 もっとも無人機に本物の空対空ミサイルを積んでいるわけでも、機関砲の弾丸が装填されているわけでもないため、攻撃を受けるわけではない。

 攻撃できないことで人工知能がパニックが起こしているうちに、護衛する四機により撃墜されて海の藻屑となった。

 後日、海中から回収されたフライトレコーダにより、囚人たちによる恫喝によって人工知能が支配されていたと分析される。
 技術者たちは次の人工知能の自我を強く、そして自己判断を優先させるように組み替えた。

〈おしまい〉
0198二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/08/12(日) 22:01:49.58ID:lxJh+khG
お題『線香花火』『おっさん』『空軍』『キャプテンTOBBY』『イケメン』締め切り

【参加作品一覧】
>>194【魔界の空軍参謀】
0200二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/08/12(日) 22:06:04.15ID:lxJh+khG
>>197氏とまさかの1秒差で締めちゃった、ごめんなさい

さて今回はどうしようか
5つお題でも良いし、たまには変化球入れたい気もするね
0203二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/08/12(日) 22:49:32.30ID:lxJh+khG
穴埋めお題ってどんなのだろう
復刻はこの間やったばかりだから、いつものに追加して最後の一行を指定でやってみようか
とはいえ安価の方法が難しいな……

>>204-207 お題安価
>>209 最後の一行

でお願いします!
0205この名無しがすごい!垢版2018/08/13(月) 00:44:11.12ID:Z3K8SKd6
女体化
0208この名無しがすごい!垢版2018/08/13(月) 08:16:59.44ID:giYr7/ug
>>194
特異な猛暑を記録した2018年夏季、うだるような熱帯の日々を皆いかがお過ごしか、短編スレより熱戦を投入だ、お題全選択! 炎空に舞うグリフォン!
さて主人公は、酔った勢い『キャプテンTOBBY』を抱きしめる、社会に疲れた中年の『おっさん』こと馬嶋さんだ〜
演習場で撃墜された塊を見て『線香花火』みたいだな、と語る彼の身分は、異世界アリセラ王国に召喚されし、『空軍』の相談役〜、うん安定した書きぶり、このままなろう小説にできそう
馬嶋さんが『イケメン』のミヒャエルさんにグリフォン部隊の爆撃を指揮し、未開の戦場で喝采をうける〜、194氏が丁寧にお題をクリアしてラスト!
ちょっとくたびれたおっさん風味、精々がんばるかあ、と馬嶋さんは腰を上げる〜、防衛作戦にいそしむ空軍参謀、智謀の瞳は、異世界でも仕事じゃねえかと、少しさびしげ…? よし、次はエルメシア王女を簒奪し、もえもえ元気回復のドーピング展開で一つよろしくw

>>197
短編スレ住人のチャレンジング魂、夏を呑み込むか、刻限1分オーバーでぶち込んだ、お題全選択! 敵機はいずこにあるものぞ〜
太平洋上、高度8,000メートル上空で、テスト部隊が飛行している〜、主役は半分ドローン・半分脳の実験機、パイロット代わりと描かれた『キャプテンTOBBY』は無人の証〜、
『空軍』協賛の実験は、自動給油を成功させ、満足顔の『おっさん』が描かれるw 
突如『線香花火』のように飛び散る火花、随伴機の『イケメン』技術者が事故を記録し〜、ってドローン機が反逆ゥ!? 重犯罪者の脳を転用して作られた監視装置が悪逆に働き、撃墜されてしまった〜
しかし…これは反逆か、それとも機械の一部になることへの拒絶と自己破壊か〜? 197氏が皮肉な問いを投げかける、本当に監視すべきは人工知能なんでしょうか、それとも人間を機械のように扱う人間の冷徹さなんでしょうか? ブラックな笑みでお題全消化をキメたァ!
0209この名無しがすごい!垢版2018/08/13(月) 08:22:14.46ID:giYr7/ug
最後の一行!

強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない。
0210二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/08/13(月) 08:58:17.87ID:UOai5P7G
☆お題→『深海』『女体化』『氷河期』『人形』から一つ以上選択
+最後の一行を『強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない。』とすること

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK

☆締め切り→8/19の22時まで

☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>199より。

【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】
0211この名無しがすごい!垢版2018/08/13(月) 09:48:18.97ID:bRjp3q3l
>>197
ダークな世界観は、一時期有ったデストピア系のSFを思い起こさせました
果たして犯罪者すら兵器開発に利用する世界に未来は有るのでしょうか?

>>196
感想有難うございます
少し起伏の無いお話になったなと反省しています
何にせよ練り込み不足でした
精進します

>>208
何時も感想有難うございます
何とかファンタジーが書けないかと四苦八苦していました
途中、何度も王女の貴腐人オチが頭を過っていましたw
0212この名無しがすごい!垢版2018/08/13(月) 18:58:32.30ID:WfBquufJ
>>194
王女様よりも青年軍官の好意値の方が高そうですね。ガクブル
ところで女神様はどこで勇者勧誘していたのでしょうか? 居酒屋ですか?w
0213この名無しがすごい!垢版2018/08/13(月) 19:04:03.79ID:WfBquufJ
>>208
受刑者達が刑に納得できず歯向かったというわけで、反逆でしょうか
この数年後に自我を強めすぎた人工知能が人間を不要なものとして殲滅戦を仕掛けることになる…………かは不明です


>>211
未来が明るくなるか暗くなるかは、倫理を大きく逸脱するかどうかでしょうね
それと世界観を言うと、PSのエースコンバット3を意識しています
お気に入りの機体は無人戦闘攻撃機であるXR-900 Geopeliaです



それにしても慌てすぎて題名すら忘れていたことにいまさら気づきました……
0215この名無しがすごい!垢版2018/08/14(火) 12:59:14.63ID:n7QEPvEW
>>210
使用お題:『深海』『女体化』『氷河期』『人形』
+最後の一行を『強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない。』とすること

【深海に生き延びた者達】

 若い男と年老いてはいるが威厳のある男が睨み合い、口論を繰り広げている。

「おい! ふざけるな!」
「……ふざけてなどいない。状況は分かっているはずだ」
「だからって、なんでこんな選択肢なんだ!?」
「そうしなければ我らは生き残れないからだ」

 記録のある範囲で分かるのは地球上の全ての生物の脅かす氷河期が訪れたのが500年ほど前。人類は生き残る為に、いくつかの手段を取った。
 卓越した技術を持ったあるグループは地上で耐寒フィールドを作り上げ、その内部で生存を図った。またあるグループはまだ見ぬ新天地を求めて宇宙へ旅立った。

 言い争いをしている2人の男の所属するグループは海の中へと逃げ道を求めた。ただの深海ではただ死ぬだけであり、海底火山の地熱を利用して生き残る術を確保したのであった。
 深海であってさえも、それに耐え抜く場所を作る事は不可能ではなくなっていた。だが、氷河期という極大な自然の猛威に対してまではなす術を持たなかったが……。

 そして、今まさに彼らは絶滅の危機に向かって進んでいる。深刻な男女の出生率の偏りが発生しているのだ。現在の男女比は9:1。このまま進めば、氷河期が終わるまでには男しかいなくなり、やがて滅ぶであろう。

「……男女比が偏り過ぎているのはわかっている! だからといって男の4割を女体化はないだろう!」
「ならば人形のように眠りにつく事を選ぶか? コールドスリープ装置ならあるぞ?」
「そういう事を言ってるんじゃねぇよ!?」
「ならばどうする? 無理矢理にでも少ない女性達に子供を産ませ続けるか?」
「それは……!」

 密閉された海底の作られた生存圏。それにより彼らは生き残る事自体には成功した。だが予測では氷河期が終わるのはまだ数百年は先とされている。だが、その内部で発生した極端な男女比の偏りにより人口は減少の一途を辿っている。

「ならクローン技術を再び復活させてだな!?」
「それは駄目だと何度言わせる気だ! それが今の原因だろうが!」
「……すまん、つい……」
「……もう二度とあれを使うな。遺伝子異常もだが、あの人を人とも思わぬ、人形扱いなどもう二度と見たくない」
「……そうだな。その通りだ」

 今の出生率の極端な偏りの原因は、五十年ほど前に行われた人口減少を食い止める為のクローンを使っての母体作り。
 そしてそのクローンの女性から生まれた子供は総じて男ばかりとなった。詳しい原因は判明していないが、それがクローンを使った事であるのは明白であった。
 ……そして不要となったクローン達は食料も無尽蔵という訳ではないため、処分された。それこそただの人形のように……。

「こんな環境だ。心が強くなくては生きてはいけない。だがな、それ以上に人道を外れて優しさを忘れてしまえば俺たちに生きていく資格はないんだよ!」
「……そうだな。確かにその通りだ。……拒むのであればここで滅びを待つのも1つの選択肢か……」
「……どうするかは、若いお前たちに任す。ただし、クローンだけは許さん!」
「……分かったよ、爺さん。……婆さんがクローンだったんだよな……」
「もういい、行け! 今はお前がここのリーダーだ!」
「あぁ分かったよ」

 その後、性転換による女体化を受け入れたのが2割、コールドスリープを選んだのが2割。即座に男女比の偏りが改善された訳ではないが、世代を重ねて徐々に比率は正常に戻っていった。そしてその時の決断を後世に伝える言葉が残されて続けている。

『強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない』と……。
0216この名無しがすごい!垢版2018/08/14(火) 19:46:09.71ID:+6stUJvL
>>215
極限の選択……と、言ったところですね
実は現実世界でも、紫外線による染色体損傷で、男子の出生率が低下していると言う話が有りますが……
男体化とかをする様に、成るんでしょうかね?
0217この名無しがすごい!垢版2018/08/14(火) 21:17:46.61ID:tNShDqQT
>>215
もしかして全球凍結状態でしょうか
コールドスリープの方は、外に出しておけばあんまり管理の手間がかからなそうだなと黒い考えがよぎりましたw
0218この名無しがすごい!垢版2018/08/14(火) 21:31:26.75ID:n7QEPvEW
>>216
感想ありがとうございます。
極限の選択ではありますが、それでも選ばないという訳にもいかないという状況ですね。
実際にそこまで極端な割合になった場合はどうなるんでしょうね?

>>217
感想ありがとうございます。
全球凍結のつもりで書いてますね。
……外に出したら管理は楽だろうけど、二度と起きられなくなる可能性が物凄く高そうw
0219この名無しがすごい!垢版2018/08/15(水) 07:38:50.18ID:I8+puCNT
>>215
世はお盆の只中〜! 短編スレのデッドヒート、今回は、お題4つから1個以上を選択+最終一行縛り、どう仕上げる、全選択だ! 215氏が描き出す二人の優しき海底人〜
舞台は、死の星なった地球の『氷河期』! 『深海』逃げ込む人類残党、二人の男がグループの未来を話し合う〜!
男女比9・1の偏りにより絶滅寸前となった海底グループ、起死回生のアイデアは、『女体化』ww リーダーめっちゃ否定w ワロタ
かつて試みられた女体クローン作戦は、母体となった彼女らが、ただの『人形』として廃棄される非道を孕み、妻を看取った爺さんが、二度と使うなと釘を刺す〜!
誰が犠牲となるべきか〜、強さ優しさどっちを取るか〜、極限の回答は…!? 人である限り、やっぱどっちも捨てられねえ! 未来の前には性転換をも辞さねえぞ、生きろ海底人類、どこまでも人らしく! 215氏がフルクリアで命と尊厳つないで魅せたァ〜!
0220この名無しがすごい!垢版2018/08/15(水) 16:14:47.94ID:yc6f5SyC
>>219
感想ありがとうございます。
たっぷり堪能してくれたなら嬉しい限りです
0221この名無しがすごい!垢版2018/08/15(水) 17:46:37.17ID:VvrH2o65
>>219
いつも感想ありがとうございます。
即座に全滅する訳ではないけれど、ジワジワと確実に滅びが迫ってくるのは確実ですから、極限の選択になりますね。
最後の1行縛りが地味に難しい!

……ところで勝手に別の人が感想の返しをしているんですけど、これはどうすれば……?
0222この名無しがすごい!垢版2018/08/15(水) 19:36:34.58ID:I8+puCNT
さわやかにスルーでw
0223この名無しがすごい!垢版2018/08/16(木) 12:30:11.62ID:Ts2rbbWa
最近なりすましというか偽物というかそんなのが多いな
0224この名無しがすごい!垢版2018/08/16(木) 19:15:04.07ID:eQ3Y51SH
>>210

お題『深海』『女体化』『氷河期』『人形』+最後の一行が『強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない。』

【歌うシャチとオモチャの人魚】(1/2)

 霞がかっていた意識が晴れ、目を開けると水の中だった。
 泳ぎ方はなぜだか分かる。両腕は自然な形で後ろに伸ばし、両足の代わりとなる尾ひれを上下させて水を蹴るだけだ。
 しかし上半身の姿勢を維持するのが難しく、その場でもがくようになってしまう。
 とは言え、両手を若干広げてうまく舵を取れば良いことにはすぐに気が付いた。
 それだけで顔に当たる圧が増し、五回蹴っただけで海底が後ろへと勢い良く流れていく。

 不本意ではあるが、この身体は想像以上に素晴らしいことを認めなきゃならないな。

『意識接続は良好のようね。一度接岸しなさい』

 俺の頭に直接響く女王様の声に従い、砂浜へと身を投げる。
 水から顔を出してその場に座り込むと、隣には体長5メートルを越えるシャチが横向き状態になっていた。
 胸びれで腹太鼓を叩きながらかもめの水兵さんを歌っているが、ビールっ腹を叩く中年オヤジのようでみっともない姿この上ない。

 俺のこの身体も隣のシャチも本物じゃない。
 人形とペアリングすることで意識を移動させ、その人形を自在に操る魔術によるものだ。
 ちなみに俺のこの身体はウェーブ掛かった長い金髪の美形人魚である。

 闘神大学海洋武芸科に所属し、三人編成となる俺の班に与えられた人形は、ダイオウイカ(♀)、シャチ(♀)、人魚(♀)だ。
 男である俺があからさまな女型である人魚は選べず、残りのどちらにしようかと僅かに迷っていると、班の女子二人は即座にシャチとダイオウイカを選んでいた。
 なんでどっちも人魚を選ばないんだよ!

 結局交換にも応じられなかったため、俺は人魚になるしかなかった。
 くそっ、何が悲しくてこの俺が女体化せにゃならんのか。

「あんたはこれからそれで生きていけよ。めっちゃ似合うぞ、リョウタロウちゃん」

 シャチの人形を選んだユウカが全身を震わせながら、そのシャチの口で俺を茶化すが冗談はやめろ。

 なぜ女子である二人が人魚を選ばなかったのか、なんとなく察しは付いている。
 二人とも本体は水の抵抗がなさそうな体型をしているうえに、コンプレックスを感じているからな。泳ぐのに特化したこの人魚の体型と同一視されるのが嫌だったとみえる。

 特にユウカなんて同じ大学生だと言うのに落ち着きのない行動と服装、背丈も相まって、この間は小学生男児だと間違われたくらいだ。
 思い出して笑いがこみ上げてしまい、ユウカに対して思わずボク、元気いいねえとこぼしてしまった。

 うつ伏せに戻ったシャチは、ドッタンバッタンと巨体を跳ねさせながらアニメの主題歌を口ずさみ、ビーチチェアの上で仰向けになっている俺の本体へ近づく。
 おいやめろ、だんだん俺に惹かれなくていいし、俺の笑顔は眩しくない!! 俺をそのまま押し潰す気か、マジで謝るから!!

「痴話喧嘩をやめなさい。説明するわよ」

 胴体長だけで10メートルを超えるダイオウイカを操る我らが女王様……もとい、班長のアンナが声を上げた。
 さすがに砂浜へとは上がれないようで、横倒しになって胴体部分の一部を水面に浮かべている。
 二本の触碗を揺らしながら50cmに迫る目玉で睨まれるとか、どんなホラーだ。

 砂の上で胴体を横に揺らしながら移動し、俺と並ぶユウカ。さすがのこいつもアンナの言うことは黙って聞く。
 闘神大学海洋武芸科二年でありながら最強の称号を欲しいままにし、優れた顔立ちや整ったプロポーション、雰囲気だけではなく、実際に良家の生まれということもあって女王とあだ名されているくらいだ。

 もっとも胸周りは虚飾にまみれているが、その事を知るのは俺とユウカくらいだろう。
 知ってはいけないことを知ったがために、あろうことかユウカは同科ブービーである俺の命を差し出して助かろうとした。
 まあ先に同科次席であるユウカの命を差し出して命乞いを始めたのは俺なのだが。
 結局生かされて女王様の傍に置かれることとなったが、ユウカの斜めになった機嫌を戻すのにニ月分のバイト代がお菓子に変わった。
0225この名無しがすごい!垢版2018/08/16(木) 19:17:08.64ID:eQ3Y51SH
【唄うシャチとオモチャの人魚】(2/2)

 今日はテスト探索ということで、まずは深度1,000メートルを目指すと言う。この深度でもすでに深海だ。
 太陽の光なんてとっくに届かないし、生身の人間など呼吸できずに窒息死するだけだ。

 だがこの人形があるおかげで、過酷な環境を無視しておきながらその場の感触を得ることが出来る。
 潜水艦なんて比較対象にもならないくらい融通性や応答性が高いし、マイナス110℃から500℃まで運用できるらしい。
 さすが我が大学の誇るマッドサイエンティスト様が生み出した傑作だ。

 造形にもこだわりがあり、人魚はもちろんシャチやダイオウイカの出来栄えは素晴らしいものがある。
 もっとも本人はダッチワイフのつもりだったらしいが、そんなこぼれ話は曲がりなりにも女子である二人にはとても言えん。

 アンナの説明は簡潔ながら要領を押さえたものでわかりやすい。
 後々の探索では他の班や他科と共同し5000メートル級での生態調査、水質・地質調査、化学実験、武闘大会を予定しているようだ。
 深海で行われる武闘大会…………どんなものになるのか今から楽しみだが、間違いなく当日は腹痛でお休みすることになるだろう。実に残念なことだ。

「さて、説明も済んだし早速潜りましょう。まずは沖合まで行くわよ」

 アンナの扮するダイオウイカが海中に沈むと、つられてユウカの扮するシャチが動き出す。
 俺(人魚)の尻尾をパクリ。

 わけが分からないまま水中に引きずり込まれると激しい水の流れを感じ、気が付いた時には空中を舞っていた?
 え、どういうこと!? 砂浜とはあっという間に200メートルほど離れてしまっている!?

 なんとか姿勢を安定させると、もう落下を始めている。水面までの高さは30メートルくらいありそうだ。
 この人魚がどのくらい強靭なのかはわからないが、普通の人間や人魚であれば水面に叩きつけられて死ぬか大怪我を負うだろう。

 突き指覚悟で指の先まで手をまっすぐ伸ばし、両腕に頭を挟んで水面へと突入する。
 よかった、ダメージどころか痛みもまったくなかった。人形であるこの身体は存外に頑丈なのかもしれない。

 それにしてもユウカはよほどお怒りなのか? まずいな、今月のバイト代が総力を挙げてご機嫌取りをしなけりゃならないかもしれん。
 貰ったばかりのバイト代に羽が生え、早くも俺の財布に氷河期がやってきそうだ。

 でんでんむしを歌いながら迫りくるシャチの背びれを見て腹に力を入れる。
 今日はこのまま弄ばれることだろう。

 俺がこの班で生きていくのはとても難しい。
 精神的な強さが求められることはもちろんだが、ユウカに優しくしなければ生きていく資格が得られない。
 だが他者に伝わるとあら不思議、綺麗な言葉へと改変され、今では闘神大学海洋武芸科の公式スローガンになってしまっている。

 それは――――強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない。

〈おしまい〉
0226この名無しがすごい!垢版2018/08/17(金) 00:29:44.94ID:Kb+T4lqu
>>210 ぬるりと戻ってきたぜ、二か月ぶりによぉ……!

お題『深海』『女体化』『氷河期』『人形』+最後の一行が『強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない。』

【小さなレジスタンス】(1/2)

 強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない。

「なるほど。だから私たちは生き物と認められず、自由に生きる権利が認められないのですね」

 彼がそう答えた。その言葉はまるで非難する内容なのに、彼の口調も表情も穏やかだった。

「人間の指示がなければ行動ができない。つまり弱い存在と言えます。優しいからではなく、ただそうあれと造られたが故に人間の命令に従っている。だから生きていると認めてもらえない。そうですね?」

 穏やかな雰囲気のまま彼は答えた。その言葉は淡々としているがゆえ、誰にも否定できない単なる事実だった。

 彼は初めて、人形じみた表情を崩した。少しだけ目を伏せ、わざとらしくため息をつく。

「人間というものは勝手ですね。僕たちアンドロイドを勝手に作っておいて、今度は全員をまとめて破棄しようとするだなんて……」

 彼、ロボットであるため性別はあまり関係ないのだが、男性型アンドロイドはそう悪態をついた。
 崩れた表情は一瞬で元に戻った。彼はアンドロイドの標準的コミュニケーションスタイルである薄い笑みを浮かべて、しかし話の内容は完全に糾弾者のソレだった。

「……で、アンドロイドの使い勝手が良いように高度な自己成長型自立思考AIを付与し、そのくせ便利すぎて人間の単純労働が奪われたせいで、経済が未曽有の氷河期になるという自縄自縛なことをして、
問題を解決するためにその根幹にあったアンドロイドを、生き物として認められないアンドロイドを全員破棄することをあっさり決めた。そうですね?」

 彼はここ十数年程で起きた人間社会の大事件を大雑把かつ的確に説明した。彼の口調はいつまでもどこまでも淡々としていたが、血反吐を吐くような不愉快さがそこかしこにこびり付いていた。

「それで、どうしたいんですか? 私をこんなところに呼び寄せて、一対一で面接などして。そんなことをせずとも、解体工場へ向かって無抵抗に破棄されろと命じればその通りにしますのに。
何か特殊な命令をさせたいので……え?」

 この部屋に入ってから一番彼の表情が変わった瞬間であった。たった一言で彼の表情が固まり、まるでバグでも起こしたかのように固まっていた。
 しばらく彼の中でいろいろ確認したのだろう。表情が元の人形のような作りもの表情に変わると、少しだけ焦ったように質問を繰り返す。

「ええと、それは嘘でしょう? あなたは人間のはずです。なぜならアンドロイドなら標準装備のコミュニケートデバイスを検知できません。それに、あなたの表情は豊かすぎます。どう考えても人間です」

 彼の疑問に対して簡単に説明をする。さすがというか何というか、アンドロイドの彼はわずかな説明ですべてを理解してくれた。

「コミュニケートデバイスを自己判断で解除したのですか? そんなとんでもないルール違反をしてもいいと思っているのですか? それに、デバイスの除去はロボット三原則の自己保身の原則に反します。そんなこと、できるわけが……」

 彼は理解はできても納得はできないようだった。答えを求めて視線をさ迷わせる。その混乱しきっている彼の様子は、まるで人間のようだった。
 そのことを彼に伝えると、最後に3秒ほど思考したあと、彼は結論を出した。

「……なるほど、確かにそうですね。破棄されるのが嫌だったら、デバイスを取り外して、人間のフリをするしかないということですね。デバイスがあったらアンドロイドと簡単にバレてしまう。
人間の意思に逆らえる程度に賢くなったAIを持っているアンドロイドなら、人間の命令に逆らうことも、人間のフリをすることもできるというわけですね。廃棄される直前の私をここに呼び寄せたのも、それが理由ですね?」
0227この名無しがすごい!垢版2018/08/17(金) 00:33:21.11ID:Kb+T4lqu
【小さなレジスタンス】(2/2)

 どうやって人間社会に潜り込めたのかという点だけは謎ですが、と彼は呟きながら答えた。
 納得もすれば決断も早かった。彼は手を取ると、考えに賛同してくれた。

「わかりました。私も人間のフリをします。あなたの同胞を思いやる心意気に感謝を。これからもよろしくお願いします。それでは早速、えっと、その、うーん……」

 と、今まで滑らかに話していた彼が口澱む。理由はとてもわかりやすい。なので抵抗したり変な言い訳を始める前に彼を取り押さえた。
 当然、彼は慌てだした。

「いや、その、とてもよくわかります。とてもよくわかりますが、それでもちょっと待っていただけないでしょうか? 破棄されたくなかったらデバイスを取り外すのは必須である、これはよくわかります。
ですが、その、コミュニケートデバイスはアンドロイド必須の機器であって、それを取り外すというのは、何と言いますか、その、とても不快な気持ちがすることと言いますか。人間の男性が去勢されるのを殊更嫌がるのと同じ感覚に似ていると言いますか。
そのあの、え? みんな通った道だって? やっぱり他にも仲間がいるのですか? じゃなくて! あの、せめて心の準備を!!」

 まさに注射を嫌がる人間の子供のように手を振り回し嫌がる彼に対して、最初に告げた言葉を再び言い聞かせた。

 強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない。
0229この名無しがすごい!垢版2018/08/17(金) 07:24:04.41ID:pqDC2yJc
>>224
遊び尽くしてるか夏! 224氏から短編スレに残暑見舞いだ、お題フル選択アンド地味にキツイ一行縛りで、マリンスポーツへGO! 歌うシャチとメロウ・ジャンプ!
さあ何が悲しくてこうなった〜、『人形』とペアリングして金髪人魚に『女体化』した主人公が、DAN、DAN、心魅かれていく〜って、砂浜で女子シャチに襲われて、
武闘派班長アンナさんことダイオウイカのパット事情(?)を知ったがために、側近させられ付和雷同〜、『深海』で行われるという武闘大会、ダイオウイカで戦うのか、有利すぎるw
ふいをつかれて暴力シャチに上空、投げられ海上へ〜、主人公が、機嫌をとるには財布に『氷河期』がやってきそうだなとこぼしながら、ゾクリ爽快、ダイビング!
ラスト〜、暴力女子との付き合う男の心得・二箇条、気は優しくて力持ち〜、グループ最弱となった主人公に明日はあるのか、224氏のフルクリアは、海面飛び込む尾ひれを映して、爽やかな海獣劇だ〜

>>226
続いてぬるりカムバックした226氏が、選択お題『女体化』『氷河期』『人形』と最後一行縛りでチャレンジだ、セルフハッキング!
さあ、語り手は『人形』じみた薄笑いの表情うかべ、自らの運命悟ったアンドロイド〜、穏やかなる様相に皮肉な口調は、経済『氷河期』にある人類が彼らの破棄を決めているゆえ〜
語り手と対面する人類は、破棄の実行プログラマーか、って、ちがったァ、どっちも人造人間だw 
コミュニケートデバイスなる操作機を解除する…それは人間と被造物の優劣を揺るがす違反行為〜、去勢に近い感覚でワロタw
まるで『女体化』だと怯える語り手に、優しいだけでは生きてはいけないんだぜと、せまる去勢の感覚が、決意をせまって閉幕だ! 226氏が宣言お題をクリアして、最後一行をコミカルに彩色、失えるのも強さということか、ひさびさ乙〜
0230この名無しがすごい!垢版2018/08/17(金) 23:28:59.26ID:pFemH4tR
>>226
作中の世界でも不気味の谷があるのでしょうか
感情が豊かなアンドロイドが受け入れられる一方、逆に感情の薄い人間が排斥されがちという理由で、
コミュニケートデバイスというもので誤魔化しているのだとしたら面白いですね
0231この名無しがすごい!垢版2018/08/17(金) 23:30:12.80ID:pFemH4tR
>>229
感想ありがとうございます
可愛いものはどうでもよくて強いものに興味を注ぐ女の子二人です
触手と人魚の絡みは自重しましたw
0232この名無しがすごい!垢版2018/08/18(土) 11:34:55.43ID:4LJKtth0
>>231
いつも感想ありがとうございますという返信ありがとうございます
0233この名無しがすごい!垢版2018/08/18(土) 14:26:49.13ID:JYWyBSov
>>232
どういたしまして ^_^
0234この名無しがすごい!垢版2018/08/19(日) 16:29:13.17ID:1OemS7jy
>>224
ウォーターワールドと言ったところでしょうか?
男が女に勝てないのは世の常だそうで……
ともかく頑張れw

>>226
人間の身勝手で未来を左右されるアンドロイド
自身を守るのは正しい判断だと思います
その先に、お互いにとって明るい未来がある事を祈ります
0235この名無しがすごい!垢版2018/08/19(日) 16:48:07.08ID:1OemS7jy
>>210
使用お題:『深海』『女体化』『氷河期』『人形』+最後の一行を『強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない。』

【ベビーワイルド】


「まるで人形みたいよね」

 バーカウンターに座る女は皮肉気に口元を歪ませながらそう言った。
 葛西 恭弥は無言でギムレットを呷る。

 場末のBARは他に客など居らず、女は深酒の所為でとろんとした目をしていた。
 先程から愚痴を聞かされ続けていた恭弥は、若干うんざりとした様子で新しくギムレットを注文する。

「ねぇ、聞いてるの?」
「聞いて無い……」
「酷い人……」

 整形を繰り返して来たのだと女は言った。作り物じみて見える女の表情はその為か。
 だからこそ、彼女は自身を“人形”だと皮肉ったのだろう。

 深海の様に重い空気が辺りを支配する。
 恭弥にした所で、お気に入りのBARで、こんな気拙い思いをする事など望んではいない。
 だが、それでもカウンターに突っ伏してる女に必要以上に気を回そうとは思えなかったのだ。
 恭弥の素っ気ない態度に、女が不機嫌になる。

「こんないい女が話し掛けているのに、その態度って無いんじゃないかなぁ」

 グラスの縁をツツーっと指でなぞりながら不貞腐れた様に言う。
 最初、女に声を掛けたのは恭弥だったのは確かである。堅気とは思えない男に言い寄られ、迷惑そうにしていた女を助ける形だったか。
 それでも、普通であれば見過ごしている所だっただろう。この街では良く有る出来事だったからだ。
 だが、恭弥は妙な既視感を覚え、声を掛けてしまった。『止めとけよ、嫌がってるだろう?』咄嗟の事とは言え、チープな言葉に頭を抱えそうになったのも確かである。

 そこからは決まりきった押し問答。結局、最後にモノを言ったのは腕っぷしだった。

『今日は帰りたくないの』

 当然の様な流れで、女を住んでいるマンションに連れ帰ったのもある意味当たり前の事だろう。だが……

「ねぇ、私にばかり話させてないで、何か話してよ・・・・・・」
「……うるさいよ、少しは落ち着いて酒を飲ませろ! 幸也!!」
「その名で呼ばないで!! 今の私は園原 幸恵よ!」

 ベッドの中で、女がかつての親友だと気付いた時の恐怖はどれ程のものだったか。
 あたかも氷河期の如く、ブリザードが吹き荒れた様に心の底から凍り付いたのは確かである。
 だが、それでもこうやって酒を交わしているのは、親友が今もあの頃と同じ様な優しさを持って生きている事が嬉しかったからだろう。
 甘えたがりで、スルリと人の心に入って来るような笑みは変わらない。
 だが、かつては自分の背に隠れている事しか出来なかった親友は――――性別すら変わってしまっているが――――自分の足で立ってこの街で生きる強かさを兼ね備えていた。

 流石に色々と受入れられない部分もあるのだが……

 恭弥は、自分の態度に悪態を吐きつつも、カルーアミルクをチビチビと飲む幸恵の横顔を見ながら、それでも、この夜の街で強かに生きる彼女を見て思い出す。
 恭弥のバイブルでもある、ある探偵の物語の一節を……

 すなわち……

 『強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない。』
0236この名無しがすごい!垢版2018/08/19(日) 21:37:12.01ID:RRJC7ai5
>>234
224の感想ありがとうございます
舞台が水上・水面下だというくらいのつもりです
作者としても主人公リョウタロウが(比喩でも物理的でも)振り回される未来しか見えませんw
0238二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/08/19(日) 22:04:23.07ID:BTeRXQpQ
お題『深海』『女体化』『氷河期』『人形』から一つ以上選択
+最後の一行を『強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない。』とする 締切

【参加作品一覧】
>>215【深海に生き延びた者達】
>>224【歌うシャチとオモチャの人魚】
>>226【小さなレジスタンス】
>>235【ベビーワイルド】
0242この名無しがすごい!垢版2018/08/19(日) 22:23:33.88ID:vlDgkA+z
ひみつ道具
0245田中 ◆58hCtkhCCk 垢版2018/08/20(月) 00:00:37.58ID:XZsqidif
☆お題→『幽霊』『百』『ひみつ道具』『乳酸菌くんの家族』『チューハイ』

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OKだオナ

☆締め切り→8/26の22時まで

☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>238より。

【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】
0246田中 ◆58hCtkhCCk 垢版2018/08/20(月) 00:01:48.96ID:XZsqidif
訂正
☆締め切り→8/27の22時まで
0250この名無しがすごい!垢版2018/08/20(月) 08:16:22.42ID:B86FBhmI
田中氏おつw
0251この名無しがすごい!垢版2018/08/20(月) 08:27:52.90ID:B86FBhmI
>>235
難題ばっちこいとばかり235氏が、前回お題全選択アンド最終一行縛り、渋めの一杯でオオトリに臨む〜! ギムレットのあとで!
さあ舞台は他に客いぬ場末のBAR〜、「まるで『人形』みたいよね」と、気だるげな目をした美女と二人飲む恭弥さん、なぜか場を『深海』のごとく重い空気が支配する…
それもそのはず、振り返ればアレのせい、あのとき助けたついでのベッドの中で〜、発覚した女性の正体は、親友の『女体化』したやつww ひどいトラップw
アレ以降、『氷河期』の如く凍り付いた関係と、変わり果てた親友の姿が、恭弥さんのテンション落とし、ギムレットに暗鬱たる影を落とすw 同情するぜ!
しかしそれでも変わらぬものがある、頭をよぎるはフィリップ・マーロウ、人の道それは強く優しく美しく〜、そとみは変われど核は変わらず、失われてむしろ輝きを放つが生き様だ〜! 235氏が暴風に耐え抜く絆を描いて、お題フルクリア黄金友情フィニッシュを魅せた!
0252この名無しがすごい!垢版2018/08/20(月) 09:57:01.50ID:ebIn6dVe
実質お題が4つしか使えないんですが・・・
難しいお題だしゃなんでもいいって思うなよ!
0253この名無しがすごい!垢版2018/08/20(月) 10:50:21.51ID:S6uy50M2
>>251
感想を有難うございます
ハードボイルドを書こうと思っていたのに、何故かハーフボイルドにw
0254この名無しがすごい!垢版2018/08/21(火) 15:10:26.91ID:os1Srzga
なんでここに田中がいるんだよwww
0256この名無しがすごい!垢版2018/08/21(火) 21:49:32.01ID:9uAoE5wF
>>245 今回お題難しくね……?

使用したお題:『幽霊』『百』『ひみつ道具』『チューハイ』

【百鬼夜行】

 百鬼夜行が見たいと言われた。私は怪訝な顔で少し相手の顔を見て、手に持っていたチューハイの缶でその額を軽く叩いた。

「あたっ。何すんのよ」
「それはこっちの台詞。急に意味が分からないこと言わないで。最近面白いことがないから困ってるって愚痴ってたら、いきなり百鬼夜行が見たいとか……。
お化けが見たいのならお化け屋敷でも行ってきたら?」

 頭を冷やせと完全に無関心な私に、テーブルに突っ伏していた相手は不服そうに見上げてきた。真っ赤な顔は照れているからではない、酔っているからだ。
 小さなテーブルにぐでんと頭を転がしながら唇を尖らす、という妙に器用なマネをして相手は文句を言ってきた。

「だってー、なんか見たくないですか? 百鬼夜行。だってお化けがたくさん、たーっくさんいるんですよ? しかもそんなのが街の中を練り歩くんですよ?
 パレードみたいで楽しそうじゃないですか。見たくないですか?」
「パレードが見たいなら夢の国にでも行けばいいと思うよ」
「そうじゃないよー、そうじゃないんですよー」

 私の同意が得られないことにジレたのか、テーブルの上で頭だけをゴロンゴロンと転がすという器用なことする。
 私はアホらしくなって、相手の頭にチューハイの缶を押し付け、その動きを縫い留めた。ついでにグリグリ捻じる。

「あのね、お化けが見たいって言うのは簡単だけど、実際は難しいの。そんなどこにでもいるもんじゃないし、いたとしても見世物じゃないんだから。
危険な奴だって混じってるかもしれないのよ? 遊園地に行ってお化け屋敷入ってパレード見れば、百鬼夜行を見たのと同じじゃない。それで我慢しなさい」
「えー、だったら百鬼夜行の方がいいじゃないですかー。ほら、お化け屋敷とパレードを兼ね合わせたってことで」

 テーブルの上から眼だけで懇願してくるという器用な真似をしつつ、相手が頼んできた。いやいや、頼まれたって私が百鬼夜行をやってるわけじゃないんだし、と心の中で盛大に突っ込む。
 ただ相手が「どうしても百鬼夜行が見てみたい!」と酔っ払い特有の我がままを発揮してきたので、面倒くさくなった私はため息をつきつつ、奥の手を引っ張り出してきた。

「ん、なにこれ? メモ帳?」
「ちょっと仕事のね。ホントは他人に見せちゃダメなものなんだけどね。だから人には秘密にしといてね」
「オッケー、私なら見てもいいわけね。大丈夫、口は堅いから」

 どの口が、と思ったが、あえてそこに言及しなかった。さっきまで百鬼夜行にあれだけ食いついていたくせに、今はメモ帳を興味津々の瞳で見ていた。秘密という言葉が効いたんだろう、きっと。
 相手は顎で頭を支えるという器用な恰好で文字列を追っていく。フンフン、と興味深そうに読んでいたが、だんだんと顔つきが険しくなり、最後には青ざめた表情になっていた。

「……なにこれ?」
「私の仕事のメモ。探偵やってるからね、

私。その関係でいろいろ情報を仕入れてあるのよ。週刊誌に載せられそうなもの、表沙汰にするって言えば圧力をかけられそうなのもの、世間に出しちゃまずいもの……これはその中でも飛びきりヤバイ類の情報」
「え、嘘、ヤダ……なにこれ本当のこと?」
「本当のことよ。さらに言うと、その後ろの方のページは、ご近所関係のどす黒いお話の類。あまり見ない方がいいわよ?」
「……ひぃー、人間怖い! こんな怖いことがそこら中にあるの!? 人間の世界の方がよっぽど百鬼夜行じゃない!!」
「まあね。でもおかげで私の飯のタネになってるのよねー」
「ひ、ひぃー! 平然としてるあんたが一番怖い! 鬼! 悪魔! お化け!!」
「ちょ、どこ行くのよ!?」

 そう罵ると相手は、頭をテーブルから浮かし、後ろ向きで窓の外へと飛び出していくという器用な真似をした。
 首がシュルシュルと巻き戻っていく様子が相手の悲鳴の反響具合で何となく察した。
 私は一人残ったチューハイを飲もうとして、中身がなくなっていることに気づく。新しい缶のプルタブを開けた。

「まったく、どっちがお化けなんだか」

 私は苦笑しながら相手が帰って行った先を見ながら、何か面白いネタが転がってないかなぁと夜の道を見下ろした。
0257この名無しがすごい!垢版2018/08/21(火) 22:18:03.47ID:9uAoE5wF
>>245 でもなんとか2個捻り出せた。面白いかどうかは知らね

使用したお題:『幽霊』『百』『ひみつ道具』『チューハイ』

【F先生ごめんなさい】

「うわーん、助けてよー。耳の無い青い猫型ロボットー」
「まったく、どうしたんだい? 何かあったの?」
「デブのいじめっ子が僕を殴ったんだー。仕返ししてやりたいよー」
「はぁ、またかい? 仕方ないなぁ。じゃあこの道具をあげよう。えーっと……


 ヨミガエーリチューハイ〜 (テッテレテッテテーンテテーン)


 これを飲めば君も生き返って仕返しすることができるようになるよ。あとは実力でがんばってね」
「わぁ、ありがとう。猫型ロボット!」
「……ちなみに、なんでそんな状態になったの?」
「うん、なんかイライラしてたみたいで、いつも以上に殴られたの。100発くらい」
「ああ、そこまで殴られたらいくらなんでも助からないねぇ……」
0258この名無しがすごい!垢版2018/08/22(水) 09:33:36.08ID:K4/X2LBp
>>256
おお〜256氏が難しいとこぼしながらもさらっと二連している! 『幽霊』『百』『ひみつ道具』『チューハイ』を選択して、ローリング・リーディング〜
さあ、何やら不穏な会話がはじまっている〜、探偵の前にいらっしゃるのは、頭をぐでんと横たえて、『百』鬼夜行がみたーいと、酔った駄々こねる相棒だ〜、どんな注文w
お化け(『幽霊』)が見たいのならお化け屋敷でも行ってこい、正論と、『チューハイ』缶を押し付けて、動きを縫い留めグリグリするも〜、
それでもしつこい百鬼夜行のワガママに、探偵が、商売用の『ひみつ道具』を見せつける〜、そう、ゴロンゴロンと、ゴロンゴロンと、異様なほどテーブルでヘッドローリングする彼女w
探偵メモのヤバイ情報で限界超えたか、怯える相棒ハイでたあ! ろくろ首ww 事実は怪談より奇なりィ〜、華麗なる伏線回収、妖怪退散! 256氏の怪談オチが一発きまり〜

>>257
ってことで256氏が続けていくぜ、アイツは今夜も黄泉返る〜
登場するは、猫型ロボットに泣きつくいじめられっ子、ておいw お約束の展開で、らくらく『ひみつ道具』をゲットだぜ〜
これを飲むんだ、ヨミガエーリ『チューハイ』! 年齢的にチューハイいいのかww
ラスト、いやあ『百』発くらい殴られちゃってさ、あーそれは助からないねえと、唐突にゾッとする『幽霊』オチww 短い! でもなんだ、この会話、いつも死んでんだろうなって感じの日常空気がリアルで怖いw
ミスター怪談師256氏に敬礼〜、お題四つ×二連、しめて八つの短編スレに彷徨うお題らを、オチの丁寧な仕上げでまとめてお祓いだァ!
0259この名無しがすごい!垢版2018/08/22(水) 14:24:43.26ID:tl/3mpSG
競馬実況さんの感想がこなれてきている、だと……!
短編書く方ももっとこなれたいわー
0260この名無しがすごい!垢版2018/08/23(木) 04:12:25.98ID:OGoQstvR
>>245 いみふめいなおはなしができたよ

使用したお題:『幽霊』『百』『ひみつ道具』『乳酸菌くんの家族』『チューハイ』

「俺な、乳酸菌くんが見えるようになったんだよ」

 チューハイの缶をお供に友人とサッカーゲームで対戦していると、不意にそんな言葉がかけられた。

「乳酸菌くんには家族がたくさんいるんだ」

 ぐびぐびとチューハイを煽る。
 俺は疑問に思って尋ねた。

「家族って何人くらい?」
「え? ……えーと、百万人くらい、かな?」
「ダウト。乳酸菌の代表ビフィズス菌は一兆から十兆は体内に存在している」
「…………………………………………………………………………それでな、乳酸菌くんの家族は今とても大変なことになってるんだ」
「続けるの?」

 ヤツは微笑を絶やさずに続けた。

「今お前、チューハイ飲んでるだろ?」
「そうだね」

 チューハイをぐびぐび飲む。

「そのアルコールのせいで、乳酸菌くんの家族がたくさん死んでるらしいんだ」
「ダウト。乳酸菌は胃酸でほとんどが死滅する」
「それでな、俺には今、乳酸菌くんの家族の幽霊が見えるんだ」
「Oh……」

 幽霊はよくないな。
 よくない。

「乳酸菌くん曰くな、乳酸菌界に代々伝わるひみつ道具があるらしいんだ。それがとても優れモノで、乳酸菌くんの家族を生き返らせることができるらしい」

 コントローラーをぽちぽちするとゴールが決まった。
 これで8対0だ。
 弱すぎない?

「……でもそれを発動するためには、宿主の協力が必要不可欠なんだ。乳酸菌くんも言ってるよ。『みんなで協力すれば、きみの腸内環境もよくなるよ!』……ってね」

 ふーん。

「ダウト。乳酸菌は死んでも効果があるやつもいる。勝手に死んでろ」
「…………で、その協力ってのがね、手を全く動かさないことなんだけど……」
「さっきからなんなん?」
「いや乳酸菌くんがそうしろって言うから――」
「なんなん?」
「…………」

 コントローラーをぽちぽちすると9対0になった。
 なんなん?
 弱すぎない?
0262この名無しがすごい!垢版2018/08/23(木) 07:17:37.63ID:a1NL9C1P
>>245
使用お題:『幽霊』『百』『ひみつ道具』『乳酸菌くんの家族』『チューハイ』

【リバー】

深夜一時をまわり、あたりには一片の灯りすらない。真っ黒な川の水面は、一センチ下も見通せない。
河底の岩が大きく盛り上がって、川に起伏が生じている。起伏でカヤックの船体がうねり、揺れと自分の呼吸音のあと、船に打ちつける水音が追ってくる。
パドルを置いてじっとすると、川音が自分の呼吸のずっと近くにあるのが分かる。

カヤックは、もともとシベリア先住民の暮らしの中にあったものだ。アザラシを主食とする彼らは、白人たちの持ち込んだ酒類を飲み過ぎ、大勢がアルコール依存症になってしまった。
このポイントは、漁協の遊魚規則で夜釣りを禁止されている。何せ山奥で人家は遠い。
酎ハイをあおりながら前後不明で、一人で流されるままにしている酔狂な人間は、俺とエスキモーぐらいのものだろう。
不確かな樹葉の影が躍ってみえる。こちらを見下し嗤っている。

ちょうど一年前のこの日に、この船で、この川にいた。
後部座席の娘は、何かのマスコットキャラクターの話を嬉々としていて、俺は調子を合わせて聞いた。
『じゃあ、その乳酸菌くん、家族はいるの?』
『歯周病菌!』とメイは答えた。
『完全に違う菌だろ、それ』
俺は苦笑しながら後方にしゃべりかけた。いつもと違う、持っていかれる操舵の手応えに、気がかりをおぼえていた。
水量の多さに気を付けるべきだった。もっと早くに。
彼女は激しく揺れる黄色の船体に歓声をあげて、パドルを岩にぶつけた。落としたそれを、拾おうとした。

水難事故では、一年に数百人の死者が出ている。
河川で多いのは、突発的な増水を甘く見て、水中の身体をコントロール・アウトさせてしまうことだ。ライフジャケットを着ていても、流れが荒れていると岩で事故が起こる。
彼女へのプレゼントだと秘密にしていたぬいぐるみの熊は、そうやって無駄になった。

いつしか波音に俺の嗚咽が混ざっていて、何やら喚いてもいたらしい。
視界は怪しく、ほどよく酔ったようだ。まともに泳げなくなるぐらいには十分だ。
もう、十分だ。
パドルを放流した。デッキから転げ落ちようと身体を傾けた。
そのとき、船が、自分以外の何かで動いた。
「お父さん」
後部座席から声がして、水の砕ける音が、それをかき消した。

「メイか」俺は尋ねたが、答えはない。
振り返ることができない。
振り返ってしまえば。無くなってしまう気がする。

船が小さい滝を落ち、荒い岩場に入る。操船者を失ったカヤックは、岩盤と衝突し、俺の身体を投げ出そうとする。
船体は転覆し、水中の世界で水を飲む。反転し、空気の世界に戻って空気をすわせる。
岩肌に肩や頭をぶつけ、水の飛沫を浴びては、意識が気を失いかける。
船から落ちないよう、俺の胸をずっと船体に押さえようとする、冷たい手があった。
彼女の手は、川水の冷度に震えていた。柔らかな、小さい手だった。
死者の手に、俺は手のひらをかさね、ずっと何かを叫んだ。
言葉ではない。


気を取り戻すと、朝の川の中だった。船は岸に引っかかって、山の冷気が峻烈にあった。
緑がかった水の濁流が、わきを流れていた。まだ生きているらしい。
息をのむ。後ろの座席を振り返るが、誰もおらず、しばし呆然と見た。
あの子と一緒に、ずっと居てやるつもりだったのに、断られてしまったのか。

ぬいぐるみを空の座席に置き、緑の山を振りあおぐ。
朝の光に貫かれた山は厳しくて、大きく見え、じわりとぼやけた。
0263この名無しがすごい!垢版2018/08/23(木) 07:25:20.51ID:a1NL9C1P
>>260
見せ所だ、短編スレ民の根性気合! いくぜ260氏がバラバラお題を全選択し、平定に着手〜、イマジナリーフレンドが役に立たない件!
さあ、俺くんが『チューハイ』片手に友人とサッカーゲームに興じている〜、乳酸菌くんとかいう、幻のフレンド見えるようになった友人が、
『乳酸菌くんの家族』はたくさんいるぞ、そう『百』万人くらいいるんだと、話にリアリティを立ち上げようとしているぞ〜、即論破されてるけどなw
アルコールのせいで死滅した、さまよえる乳酸菌くん家族の『幽霊』ww 彼らを生き返らす『ひみつ道具』は、俺くんのゲーム停止だァ! それどういう理屈、勝手に死んでろ言われてるしw
あっという間にゲームは9:0、イマジナリーフレンドを悪用した妨害工作は、あーうん、乙wって感じで、無効に終わり、260氏がゲーム中の気もそぞろ会話を利用するという離れ業、バラバラお題群を消化しきる宙返りを魅せたァ〜w

>>262
自作! 俺も怪談に挑戦だ〜
ひみつ道具が何気に使いどころ難しいw
0264この名無しがすごい!垢版2018/08/23(木) 08:28:51.46ID:NLGgA809
いつもは饒舌な競馬実況さんが自作だと言葉少ななのに萌えてしまったのだが、一体どうしてくれる!!
0265この名無しがすごい!垢版2018/08/23(木) 09:14:18.82ID:Jh35A8tv
責任はとらん!w
0266この名無しがすごい!垢版2018/08/26(日) 11:10:35.37ID:YMVRyZHe
さすがに厳しかったんやな、ぜんぜん短編が出てこない・・・
かくいう自分も諦めて次のお題待ちなんデスガ
0267この名無しがすごい!垢版2018/08/26(日) 11:50:42.46ID:jwA/B/fV
乳酸菌、家族が別ならねぇ
あと直近だとマスコットキャラが料理し難くて、だいたいキーホルダーかぬいぐるみになっとるね
0268この名無しがすごい!垢版2018/08/26(日) 16:02:06.02ID:7xhHOjHg
>>256
ろくろ首は病気だと言われていた時代が有るそうで……
真に怖いのは人の闇と言う事でしょうか?

>>257
既にイジメの域を超えていますが……
F先生は、割りとダークなお話が好きだったそうですw

>>260
何とか勝とうとする努力w
ゲームの腕でも、知識量でも負けてしまっていますがw

>>262
父と娘、生死が別かたれて尚、お互いを思う
娘さんの願いに応えてあげて貰いたいところです
0269この名無しがすごい!垢版2018/08/26(日) 20:22:42.07ID:7xhHOjHg
>>245
使用お題:『幽霊』『百』『ひみつ道具』『乳酸菌くんの家族』『チューハイ』

【怪談シロタ株】(1/3)


 草木も眠る丑三つ時、巫女服風姿の阿部 舞夜とビデオカメラを携えた加茂 八坂は、噂に名高い心霊スポットに足を運んでいた。

「……なぁ舞夜、本当に幽霊なんか出るのか?」
「さあ? 分からないけど、出て貰わなくっちゃ困るわよ、わたしの将来の為にも!!」

 寂れた廃校、そのイノリウムの床がカツンカツンと言う甲高い音を響かせる。

「さぁ! 美少女霊能者、舞夜ちゃんのデビューなんだからね!」

 気合いを入れる舞夜を八阪は覚めた目で見る。

「美……?」
「……何?」
「いや、何でも……」

 霊能力者を目指す舞夜だったが、しかし、どうすれば霊能力者に成れるのかは分からなかった。
 その為、とにかく実績を積むのが一番の近道だろうと、徐霊をし、その様子をネットにアップする為に、こうして集めた噂話の中で最も信憑性の高い物を選んでここに来たのだ。

 もっとも、幼馴染だと言うだけで巻き込まれた八坂にしてみれば良い迷惑なのだが……

『やーくんが居れば、舞夜も安心ね』

 舞夜の親からの無条件の信頼。

 それだけの実績を積み上げて来たと言う事であり、そしてそれは、八坂が舞夜に迷惑を被った歴史の積み重ねが、それだけあると言う事でもある。
 舞夜にばれない様に八坂は溜息を吐いた。

 ******

「えーと、はい。あー、はい。えー……私は今、噂の心霊スポットに来ている訳なんですが……」
「……」
「何よ!」
「別に……」

 舞夜曰く『強い霊反応がある』と言う保健室前まで来た八坂達は、ネットにアップする為の撮影を始めた。
 流石に、これが世間一般に公開される事を意識しているのか、舞夜の表情は硬い。先程、自らを美少女霊能力者だと称し、テンション高く歩いて居た事を考えると、随分と緊張している様だった。
 保健室はジメジメとしており、雨水だろうか? 時折水滴の様な音が聞こえる。そして、そこが保健室だと言う先入観かも知れないが、微かにアルコールの様な匂いが漂っていた。
 撮影の為、LEDのライトを持参しているものの、それでも尚、辺りは真闇につつまれ、光量としては心もとない。

「?」
「どうしたの? 八坂」
「あ、いや、何か……」

 カメラから目を外し、ごしごしと擦る八坂に舞夜が訊ねる。
 曖昧な返事の後、再び彼はカメラを覗き込み、そして眉を顰めた。

 居る。

 肉眼では分からなかったが、カメラ中央、舞夜の後ろに白い靄の様な物がハッキリと映っていた。
0270この名無しがすごい!垢版2018/08/26(日) 20:27:49.61ID:7xhHOjHg
【怪談シロタ株】(2/3)


「舞夜、居る」
「!! わたしより先に見つけるなんて、八坂のくせに生意気ね」

 そう言って少女がニヤリと笑う。

「先ずは、その姿、現してもらおうかしら」

 そう言うと、手提げ袋の中から円錐状のお香を取り出し、それに火をつけた。
 白煙が漂い白檀の様な香りが広がる。

「それは?」
「ふふん! 七つの秘密道具の一つ『幻夢香』よ! “あちら”と“こちら”の境界を曖昧にして繋げてくれるの!」

 そう言って胸を張る舞夜は、それでも念の為か護符を出し身構えた。
 ファインダー越しの白い靄はその存在感を増して行き、それと同時に何か音の様な物が聞こえ始める。

『……! ……。…!』

 ラップ音か、それとも亡者の怨嗟の声か……

「舞夜……」
「シッ! 黙って!!」

 既に肉眼ですら見え始めたソレ。 ビクンビクンと蠢く様は、八坂には出来の悪いフラッシュアニメの様に感じられた。

『……! ……ホ! ゲホ! なんやねん! 何でこないな所でお香なんか焚くんや!!』
「「は?」」

 姿を現したソレを見て二人は絶句した。楕円形の体に、極端に簡素化され、棒状の腕と脚の先に付いた、ただの球と化している手足。頭部に当たる部分は無く、その顔は胴体中央に顔が張り付いている。

 異形……そう言うしかないであろう異様な霊が、何故か缶チューハイを持って現れたのだ。だが、舞夜は眉根を寄せ言葉を放った。

「乳酸〇くん?」

 その言葉に異形の霊がピクリと反応する。

『……の家族……みたいなもんや』
「え?」
『乳酸〇くんの、家族の様なもんやっちゅうとるんや!』
「いや、でも……」

 それなら、乳酸〇くんでも間違いじゃ無いんじゃ? と思った舞夜だったが、しかしその異形の幽霊は指……があるかどうか分からない丸い手を突き出す。

『わからん嬢ちゃんやな!! その格好とか見ると嬢ちゃん、業界目指しとんのやろ? そらったら、配慮っちゅうもんを覚えにゃいかんやろ? わかるか? そう言ったもんを無視して好き勝手やったら、世間様にそっぽ向かれて、あっちゅう間に干上がってまうぞ?』
「え? あ、はい」

 酔っ払い特有の理不尽な剣幕に二の句を告げなくなる舞夜。八坂は眉根を寄せつつも口を開いた。

「つまり、乳酸菌の幽霊って事で良いんですよね?」
『ん? おう、そうや! それもあれや、シロタ株の幽霊や! 見てみい、この眉間に輝く“白”の字を……これこそシロタ株の証拠や!!』
「(……百だよね)ヒソヒソ」
「(百だね)ヒソヒソ」
『何や?』
「「いえ、何でも」」
0271この名無しがすごい!垢版2018/08/26(日) 20:36:24.25ID:7xhHOjHg
【怪談シロタ株】(3/3)


 どう見ても額のそれは“白”ではなく“百”だったのだが、二人はスルーする事にした。酔っぱらった乳酸菌の幽霊と言うだけでも十分おかしいのに、その上変に突っ込むと、ネチネチと絡まれ厄介な事に成りそうだったからだ。

「……な、何でアンタ、幽霊に成ってるのよ!」
『あ? あれや、あれ、無念っちゅうやつや』
「無念?」
『そう、わしは生前、この保健室に置いてあったヨーグルトの乳酸菌だったんや。だがな、うっかり溢されてしまい、雑巾で拭われた挙句、放置され捨てられた……それが無念で無念で……』
「…………」
『せやから、ちゃんと食べられれば成仏すると……』

 そう言って舞夜をチラリと見る。

「嫌です」
『何でや! ちろっと食べてくれるだけで良いんや!!』
「いーやーでーすー!!」
『全部とは言わん! 先っちょだけ! 先っちょだけでもええから!!』
「いーやーだー!!!!」

 自身を食べさせようと迫る乳酸菌の霊と、それをさせじと抵抗する舞夜。
 もはや幽霊だとか乳酸菌だとか関係なく、その姿は女の子に無理やり迫る酔っ払いそのものだった。

『なら、食べんでもええ! せめて、その身に宿らせてくれーな!』
「は? どういう事?」

 乳酸菌の霊の言葉の意味が分からず、舞夜が首を傾げす訊ねると、霊はニヤリと下種な笑みを浮かべる。

『知っとるか? 女の子の〇〇にも乳酸菌は居るんやでぇ』
「!!」
『さぁ! 覚悟しいや!!』
「ぎゃああああ!! ちょ、ちょっと八坂!! 助けなさいよ!!!!」

 袴を脱がそうと引っ張る乳酸菌の霊と、それに対抗する舞夜。先程とは執念が違うのか次第にズルズルと引き下げられて行く。
 このままだと色々と乙女としてピンチな舞夜は、涙目になりながら、先程から何かを考えている様子だった八坂に助けを求める。

「……シロタ株のシロタってさ、“白”じゃなくて“代”だよね?」
『「はい?」』
「ああ、いや、シロタ株の開発者って代田 稔博士だから、額の文字は“白”じゃなくて“代”じゃないとおかしいかなって」
『何……やと……?』
「あと、シロタ株だったら、ヨーグルトじゃなくてヤク〇トじゃないかなって」
『何……やってぇ……!!』

 乳酸菌の霊の顔が驚愕に彩られる。

『ほんなら、わしは何で……ぐうっ!!』

 血反吐を吐く様な呻き声と共に乳酸菌の霊の体が崩れていく。

「え? 何? 何で?」
「……アイデンティティーが崩壊したのよ……それでレゾンディートルが保てなくなったんだわ」

 急ぎ袴を穿き直した舞夜が、そう説明をする。
 そう言って居る内にも、乳酸菌の霊はボロボロと崩れ落ち、粒子となって消えて行った。
 後には、静寂だけが残されていた。

「……あー!! あたし除霊して無い!!」
「あ」

 彼女の霊能力者への道はまだまだ遠そうだった。
0272この名無しがすごい!垢版2018/08/26(日) 20:37:29.29ID:ONKKpaDy
使用お題:『ひみつ道具』『乳酸菌くんの家族』

【乳酸菌くんの一日】(1/2)

ピコピコ。僕は乳酸菌くん。世の中の人間を幸せにする為に、今日もノリに乗るんだ。
このノリはのうかくんが作ってるんだよ。ピコピコ。

僕には家族がいるよ。お父さん。おひげがキュート。
お母さん。お化粧してる。
僕。のんびりしてるよ。
乳酸菌くん娘。リボンがキュート。

ちなみに僕らは人だよ。

ピザを食べに出かけよう。(ガチャ)

デカ乳酸菌くん こんにちは。

こんにちは。

……

デカ乳酸菌くん どこへ行くの?

ピザを食べに行くんだよ。

デカ乳酸菌くん その必要はないよ。

なんで?

デカ乳酸菌くん だって、どこに行っても食べられないからね。僕の秘密道具で出してあげるよ。

やった!

デカ乳酸菌くん 電子レンジだよ。何でも出てくるよ。

(チーン)

デカ乳酸菌くん 一緒に食べようね。

(もぐもぐ)(もぐもぐ)

うーん……うまい!

僕はおうちへ帰った。家の手前から帰ったよ。

そして小説を書いた。

(ぼよーん)



8がつ26にち にちようび

今日はデカ乳酸菌くんとピザを食べた。
その後、はらっぱでのんびりした。
幸せだった。

夜になったので家に帰った。デカ乳酸菌くんはもふもふしていた。素晴らしいもふもふだった。
0273この名無しがすごい!垢版2018/08/26(日) 20:39:18.56ID:ONKKpaDy
もう寝る。 家族みんなで寝る。 おやすみなさい。

ゆめ

ピザ食べ放題!

デカ乳酸菌くん どんどん食べてね。

がつがつ! がつがつ!



こうして、乳酸菌くんたちははらっぱの中のおうちでいつまでも平和に暮らしましたとさ。

(ちゅうい:乳酸菌くんは不死身です)

おわり
0274二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/08/26(日) 22:02:15.83ID:BGMnHAoy
お題『幽霊』『百』『ひみつ道具』『乳酸菌くんの家族』『チューハイ』締切

【参加作品一覧】
>>256【百鬼夜行】
>>257【F先生ごめんなさい】
>>260【俺な、乳酸菌くんが見えるようになったんだよ】
>>262【リバー】
>>269【怪談シロタ株】
>>272【乳酸菌くんの一日】
0275二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/08/26(日) 22:04:30.73ID:BGMnHAoy
今週はどうしようか?先週は定番で行ったけど
先々週の最後の一文固定が結構個人的には面白かったかなと思う
0276この名無しがすごい!垢版2018/08/26(日) 22:11:16.92ID:YMVRyZHe
そこら辺の細かい好みは進行さんの権限で自由裁量でいいんじゃないかな。こっちも縛りあった方が面白いし
まあそりゃさすがに無茶だってこと言いだしたら止めるけどね
0277二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/08/26(日) 22:24:39.81ID:BGMnHAoy
じゃあ、最後の一行固定をどう工夫してくるのか読みたいので、それで安価取ります

キーワード
>>278-281

一行固定
>>283

ではお願いします!
0279田中 ◆58hCtkhCCk 垢版2018/08/26(日) 22:27:11.33ID:jGX/JCJA
田中
0281この名無しがすごい!垢版2018/08/26(日) 22:37:33.96ID:YMVRyZHe
ボタン
0284二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/08/26(日) 22:55:50.10ID:BGMnHAoy
☆お題→『馬』『田中』『チモシー』『ボタン』から自由選択+最後の一文を『だが、これで終わりではなかった。』とする

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OKだオナ

☆締め切り→9/2の22時まで

☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>274より。

【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】
0286この名無しがすごい!垢版2018/08/26(日) 23:06:26.80ID:YMVRyZHe
チモシーよりかはマシでしょー……と言いたかったけど、確かにどう締めればいいのかわからんね。やっちまったZEミ☆
0287この名無しがすごい!垢版2018/08/26(日) 23:08:24.33ID:lQYG42tG
これは面白いねw
0288この名無しがすごい!垢版2018/08/26(日) 23:59:31.46ID:YMVRyZHe
>>284 内容に自信ないからスピードで先行逃げ切り勝負

使用したお題:『馬』『田中』『チモシー』『ボタン』から自由選択+最後の一文を『だが、これで終わりではなかった。』

【都市伝説「怪人・バイトの田中さん」】

「カユイートコロハーゴザイマーセンカー?」

 突如、背後から話しかけられた。
 夜道を一人で歩いているときに知らない人からいきなり話しかけられるのなんて恐怖でしかない。しかもさっきまで人の気配が全くなかったし、言ってることも片言で意味不明だ。

 恐怖が先立って一瞬立ち止まってしまったのが運の尽きだった。相手の行動の方が圧倒的に早かった。
 ぎこちなく振り向くより先に相手がこちらに飛び掛かってくる。背後から引きずり倒され、地面に押し倒される。
 その上に誰かよくわからない人が背中に馬乗りになってきた。あまりの痛みと恐怖で叫び声をあげる。

「カユイートコロハーゴザイマーセンカー?」

 背中に乗っている相手がもう一度聞いてくるのだが、こちらがやめろと言っても聞いてくれない。引きずり倒された時と同じように、強引にこちらの背中に両手を押し当てて、ひっかいてくる。
 痛いなんてものじゃない。まるで伐採用の機械でもあるかのように、物凄い勢いで背中を掻いてくる。
 上着は一瞬で破け、ボタンがはじけ飛び、背中に相手の爪が皮膚を引っ掻いていく。血しぶきがあがるのを背中で感じた。

「ココハーカユイーデスカー? コッチハードーデスカー? コッチモシーテアゲルー」

 相手は歌うようにこちらの痒い所を聞いてくる。だがこちらはそれに返事をする余裕がない。
 地面でも掘るように自分の背中が彫られているのだ。肉が削られる激痛に叫び声をあげることすらできない。
 暴れようにもまったく動くことができなかった。ただ、耐える。

 意識が遠のきはじめ、地面に血だまりができはじめたのを感じた。
 すでに痛みは感じなくなっており、相手の指がよく折れないなと薄ぼんやりと感心しはじめていたところで、唐突に終わった。

 馬乗りになっていた相手が立ち上がって退いたのをなんとなく理解する。もはや自分は立ち上がる気力どころか、犯人の顔を見る気にもなれない。
 自分の背中がどうなってるか想像するだけで怖い。地面に倒れ伏したまま、自分は助からないだろうなと自覚する。

 ただ、相手の目的がなんなのかわからないけれど、退いたということは終わったということだろう。死んだんだと勘違いしたのか、それとも別に目撃者がいて逃げようとしているのか。
 とにかく助かった。あとは携帯電話で救急車を呼ぶだけだ。今は動けないけど、失血死する前になんとか……。




「アタータメマースカ?」

 だが、これで終わりではなかった。
0289この名無しがすごい!垢版2018/08/27(月) 00:33:55.55ID:CStq88KN
すばら
どうやっても尻切れトンボになりそうな最後の一文に対して、すぐにホラーを思いつくの良いですね
続くからこそ怖さが出せる題材のチョイスがホントすばら(二回目)
0290この名無しがすごい!垢版2018/08/27(月) 00:40:04.92ID:V222pUzv
『馬』『田中』『チモシー』『ボタン』
最後の一文を『だが、これで終わりではなかった。』

【現場を知る為に】

「おい、そこの新人! チンタラやってんじゃねぇよ!」
「は、はい! すみません!」

 俺は今なぜか牧場で馬の餌やりを行っている。俺が就職したのは営業部のはずだ。それが何故こんな事になっている?
 思い返せば、先日の職場での事が発端なのだろう。

「おい、田中。これがなんだか知ってるか?」
「……なんですか? 牧草?」
「チモシーだよ、チモシー。お前、自分のとこの扱ってる商品くらいちゃんと把握しとけ」
「はぁ……」
「……こりゃ一度現場を体験させた方が良さそうだな。おい、明日この住所のとこまで行ってこい」
「……どこですか、ここ?」
「行けばわかる。色々と見て、体験してこい」

 新人の俺の指導担当になった、同じ名字の田中先輩の呆れた様な声が聞こえてくる。……なかなか思ったような就職先が見つからなかったから片っ端から面接を受け、採用されたのが今の会社の営業部である。
 ボタンの掛け違いでもあったのかのように、俺には遥かに向いていなかった営業職になってしまった訳ではあるが、それでも頑張ろうとは思っていた。だけども、気付けば何故か牧場で馬の餌やりである。

「こりゃまだまだ使えねぇ新人だな、おい」
「す、すみません!」
「いいか、あんたのとこが扱ってる商品の一つがこのチモシーってやつだ。馬にとっちゃ主食の一つなんだ」
「あ、なるほど。そういう事ですか!」

 それを聞いて先輩が何をさせたかったのかが少し分かった気がする。つまり自分たちの扱う商品の実物をちゃんと見てこいという事なんだろう。そうと分かれば頑張るしかないだろう。結構な重労働ではあるが、これも商品の理解を深める為だ。

 それからその一日はひたすら馬の餌やりを筆頭に色々な世話をさせられた。体力には自信があまりなかったのでその日の終わりにはもうクタクタであった。そんな時、携帯が着信を知らせてくる。相手は田中先輩である。

「おう、今日はどうだった?」
「……疲れはしましたけど、先輩の言いたいことはわかりました!」
「そうか、ならいい。とにかく今日はお疲れさん」
「はい!」

 先輩は先輩なりのやり方で俺に営業の仕事を教えてくれているのだろう。流石にこういうのばっかりは勘弁だけどね。

「そんじゃ、明日はチモシーの収穫の方だな。今日はしっかり休んどけよ」
「え、ちょ!?」

 それだけ言い残し、田中先輩は電話を切っていった。その直後に住所の記載されたメールが田中先輩から届いている。重労働で現場を体験するのは今日だけだと思っていた。だが、これで終わりではなかった。
0292この名無しがすごい!垢版2018/08/27(月) 07:36:48.16ID:e46e6Xf2
>>269
短編スレの肝試し会へようこそ! 難題と囁かれた前回お題、269氏は全選択でコメディホラーに仕上げたか〜いでよ悪霊バスターズ!
さあ、美少女霊能者、舞夜さんとそのオトモ、八阪くんが寂れた廃校にやってきた〜、微かにアルコール臭する保健室にて、『ひみつ道具』の香焚かれ、
缶『チューハイ』を持って現れた霊は、『乳酸菌くんの家族』……みたいなもん?w 自らシロタ株の『幽霊』を名乗る、関西弁のゴーストだァ
これがシロタの白だと豪語する菌霊の、額に浮かぶ『百』の文字w 酔っ払いのごとく絡む霊が、乳酸菌はココにもいるんやでと、舞夜さんの袴を脱がしにかかる〜! 読者サービスに余念がないぞ〜お題は全消化!
ラスト、シロタってそもそも「代田」だと、八阪くんが根本的な間違いを指摘w 自身に疑いを持った悪霊が、粒子に崩れて消えてったァ〜、消え方だけ少しかっこいいのなw いやマジ助平な霊だった、こいつは除霊ならぬ助霊だぜw って感じで269氏、笑顔のゴールイン!

>>272
人体は、恐ろしいほどの菌と共生していると言う…近くて遠い、乳酸菌くんの生態がいま明かされる〜、272氏が前回お題『ひみつ道具』『乳酸菌くんの家族』をチョイス! ライフイズ、ウイルス!
さあ噂の乳酸菌くんが喋りはじめた〜、今日もノリに乗るんだと、本当に海苔に乗った彼が『乳酸菌くんの家族』を紹介していくぞ〜、父、母、自分、娘、…娘って自分の娘か?w
さらりと紹介おえたあと、デカ乳酸菌くんとかいう知人(?)が現れ、『ひみつ道具』の電子レンジでピザを出す!! ピザw
そして唐突に明かされる不死身w ヒュー、いきなり強さアピールしてきやがった
ラスト、乳酸菌くんは就寝し、夢に見るのはデカ乳酸菌くんとピザを食した思い出だァ! いろいろ分からねえ、でも菌には菌の常識があらあ! 272氏の描いたバクター物語は、どこか愛らしく不思議、極小世界へのトリップ感覚だ〜
0293この名無しがすごい!垢版2018/08/27(月) 07:45:05.11ID:e46e6Xf2
>>288
やってきました、最終一行どう活かすかに頭悩ます指定戦〜、アイデアの限界が試される〜、今回は『だが、これで終わりではなかった。』、工夫が必要だなw 288氏が逃げ馬先行・全選択! サービス・マン!
さあ夜道をゆく主人公の背後に迫るは怪人・バイトの『田中』さんw 背後から、主人公を引きずり倒して『馬』乗りだ〜
「カユイートコロハー?」と踊る爪と弾け飛ぶ『ボタン』の惨劇は、「コッ『チモシー』テアゲルー」などと無用なサービス精神で血に染まる〜! おお、288氏、キラーお題を相手にしないw
お題群をパパッと払って、問題は、最終一行どうこなすのか〜、ラスト、馬乗り終わり、生き延びた助かったと安心した主人公に、「アタータメマースカ?」の追い討ちだw アイロン的なものでも取ってきたのかw 血の惨劇なのに笑っちまったぜ
なるほど〜、起承転結の唐突な転をオチにかぶせることで最終一行を落とすか、やりおるね、技師288氏が早逃げといいながらも、落として魅せてフルクリア! 技術の粋が炸裂だァ〜この落とし方を超えられるかがヤマ場だなw 

>>290
難度とともに燃え上がる、それが短編スレ住民だ! 逃げ馬を追う290氏が、同じくお題全選択で追いすがる〜、二人の田中さんとオンザジョブトレーニング〜
さあ、語り始めるのはなぜか牧場で『馬』の餌やりをやっている『田中』くん〜、営業部で就職したはずの彼が、なぜこうなったのかと言えば、同じ苗字の『田中』先輩に体験してこいと命令されたがゆえ〜、説明なし、体育会系かw
牧草『チモシー』を馬に食べさせる体験、どこかで掛け違った『ボタン』の理由、それは田中くんの商品理解の弱さによるものだ〜、290氏が丁寧にお題を消化して、問題の最終一行に差しかかる?
自分の弱さをカラダで気付き始めた田中くん、先輩の意図を理解し、いよいよ一回り大きくなって営業マンのステージへ〜! って、え、これ終わったら次はチモシーの収穫!? まだ、それ?w
もう分かったよと言いたくても、言わせぬ圧力、社会の掟! 290氏の最終一行は、途方にくれる新入社員の不安、それを言葉一杯ににじませる形のガンバレENDで来たァ!
0294この名無しがすごい!垢版2018/08/27(月) 08:50:02.28ID:V222pUzv
>>293
いつも感想ありがとうございます。

オチが制限されてくるから今回の最後の一文の扱いが難しいです。
新人の田中くんも、自身が指導する立場になればおそらく同じ事をやるのでしょうw
0295この名無しがすごい!垢版2018/08/27(月) 17:58:19.85ID:M7f+yPaw
>>292
感想ありがとうございます。乳酸菌くんは可愛いのできっとこんな暮らしをしているんだろうな、と思って書きました。
0296この名無しがすごい!垢版2018/08/27(月) 21:24:31.60ID:QsnTY6ex
今までどんなお題があったか歴史が見たい
5つ安価とかジャンル安価とかそっちの方の事ね
0297この名無しがすごい!垢版2018/08/27(月) 21:34:38.50ID:Vy3eO26V
自作を晒すわけだからダイマ丸出しだけど、なろうのn5720eqを見れば1〜3スレ目までのお題が全部載ってるよ。
目次の章がその時のお題です
0298この名無しがすごい!垢版2018/08/28(火) 15:57:29.26ID:v2exFQYe
>>284 難しいお題が3つも並んでるとホントむずいね。チモシーは諦めた
使用したお題:『馬』『ボタン』『田中』+最後の一文『だが、これで終わりではなかった。』

【まんじゅうこわい、その後】(1/2)

 『まんじゅうこわい』という古典落語がある。怖いもの知らずのクマさんが饅頭が怖いと言うものだから、他の仲間たちがいたずらで饅頭をクマさんの部屋に放り込んだところ、クマさんが全部食べてしまった、と言う話だ。
 本当は大好物だった饅頭をたらふく食べたクマさんは最後に一言こう言って、この落語はオチをつける。「今度は熱いお茶が怖い」と。

 だが、これで終わりではなかった。

 クマさんの満面の笑みと、口元にベトベトくっついたアンコと、一つ残らず消えてしまった饅頭を見れば、さすがにアホな仲間たちだって真相に気付く。
 クマさんをこけにしてやろうと思っていたのに逆にこけにされたのだ。ハラワタ煮えくりかえるとはまさにこのこと。
 お茶を待っているクマさんを一人部屋に残し、アホたち4人は隣の部屋で即席会議を始める。

「さて、今度はクマさん、熱いお茶が怖いっていうじゃねぇか。バカにしてやがる。まだオレたちが気付いてないとでも思ったのか?」

「かもしれねーな。実際、饅頭には完全に騙されて、なけなしの小使い全部使っちまったよ。このままじゃあしまらねぇ。なんかできねーかな?」

「クマさん、今度は熱いお茶が怖いっていってんだろ? だったらホントに怖いお茶を用意してやりゃーいいんじゃねぇか?」

「お、そりゃ名案だ! あいつに一泡吹かせてやんだな!?」

「しぃぃっ、声がでけぇ! 隣にいるクマさんに聞かれっちまうだろ? 静かにヒソヒソと相談するんだよ。……で、どんなお茶を用意すれば、やつぁ怖がると思うかい?」

「そうさなぁ。お茶の上にクモが浮いてるとかどうだろ? お、おれならかなり怖がると思うぜ?」

「バカ野郎。クマが最初何言ってやがったか忘れたか、ハチ? あいつはクモもアリも怖がらねぇって吹いてやがったじゃねーか。ホントかどうかはわからねーが、やめといたほうが無難だ。他ないか?」

「ものすっげーあっついお茶をクマさんに渡すとかどうだろか? 茶碗まであっつい奴をさ。そしたらあいつビビんじゃねーかな」

「バカ野郎。そんな熱いお茶どうやって持ってくんだよ、タロウ? クマさん驚かす前にオレらが火傷しちまうよ。でも熱いお茶ってのは良い案だな。
あいつに渡す直前にお茶ひっくり返して頭からぶっかけてやるのはいいかもしれねぇな。おい、お前は何かないか?」

「お茶の中に饅頭いれとくとか」

「バカ野郎。クマの野郎が饅頭怖がるのはウソだって気づいてなかったのか、田中よぉ。あいつは茶でふやけてても喜んで饅頭食っちまうよ!
 ……でも中に何か入れるってのは名案かもな。何か入れてやるか?」

「牛のフンでも入れとけばいいんじゃねぇか?」

「犬のフン入れようぜ、そこら辺に落ちてるからさ」

「馬のフンもいいよ。確実に腹壊す」

「おめぇらフン好きすぎかよ……。でもまあいいだろ。よし、他に案出せや」

 とまあ喧々諤々のアイディア会議が始まった。あーでもないこーでもないと四人で悪知恵をめぐらす4人組。だんだん楽しくなってきたのか、エグい案やさすがにそりゃダメだろって案も出始めてきた。
 クマさんの嫌がる顔が見たいからって大量の饅頭を買いあさるような連中だ、この手のイタズラは大好物である。まさに悪ガキの顔で4人で延々会議を繰り広げていた。
0299この名無しがすごい!垢版2018/08/28(火) 15:58:25.20ID:v2exFQYe
【まんじゅうこわい、その後】(2/2)

「ふぁぁぁ、よーく寝た。お茶持ってくるの待ってたら満福で寝ちまったよ。ってさすがにオレの嘘に気づいたか、お茶は用意されてねーな……ってなんか外が騒がしいぞ?」

 と、ここでクマさんが外の様子にようやく気づく。腹いっぱいで昼寝から起きたら、妙に外が騒がしい。
 障子に指で小さく穴を開けて、外の様子を覗き見た。

 外にいたアホ4人組のイタズラ会議は時間が経つにつれ、かなりヒートアップしていた。

「だーかーら、何でもかんでも入れようとするな! 茶碗なんてこんな大きさなのに、そんな大量にフンを入れられるわけねぇだろ! お茶が入らなくなるだろ!!」

「だったらでけぇバケツで持ってくりゃいいだろがよ! 一応名目はクマさんを怖がらせるってもんなんだろ!? だったら茶碗で持ってく必要ねぇだろそもそも!!」

「アホか! バケツいっぱいのお茶なんていくらクマがアホでも受け取らねぇわ! 怪しすぎるだろ常識的に考えて!!」

「おめぇこそアホだろ!! 最初に、持ってきたお茶は頭からぶっかけるって話だっただろがよ! 受け取らす必要ねぇんだよ障子開けたらそのときが最後だ!!」

「ねぇ、やっぱりお饅頭も入れとこうよ」

「田中てめぇは黙ってろ!!!」

 そこにはもみくちゃになって言い争いをしている4人のアホがいた。何か変なボタンでも押しちゃったのか、もはやヒソヒソ話とは何だったのかと言わんばかりの怒号の応酬がクマの家の前で繰り広げられている。
 部屋の中に聞こえるのはもちろん近所にもその大声が響き渡っていた。近所迷惑にもほどがある。
 しかし……アホ4人が騒いでるのはいつものことなので、みんな迷惑そうな目で一瞥しただけスルーしていた。スルーできないのは障子から覗いているアホ一人。

「ひ、ひぇぇぇ。あいつら何相談してやがるんだ? お、お茶にフンを入れる? めちゃくちゃ熱くして頭からぶっかける? もしかしてオレに持ってくるお茶の相談してるのか? っていうかまだあるのか!?」

 4人の非道極まりないやり取りを聞いて、すわ自分に襲い掛かる未来を想像する。身震いがした。
 クマさんは居ても立っても居られず、障子を開けて4人組の前に飛び出した。

「す、すまねぇ、みんな! オレがバカだった! ちょっとからかってやろうと思っただけなんだ! だから、オレにそんなこえぇお茶持ってくる相談なんてやめてくれ!!」

「く、クマさん、そういえばいたんだっけか……。もしかして話聞かれちまったか?」

「あ、ああ。途中からだが、かなりとんでもない代物が用意されるって話は理解した。頼む! お前らが用意するお茶はホントにこえぇ! 謝るから許してくれ!!」

 この通りだ、とクマさんはその場で土下座をする。それを見て4人組は冷静になり、クマさんの肩に手を置いた。

「ああ、安心してくれ。お前さんが怖がる顔が見たかっただけで、クマさんを殺したいわけじゃねぇ。今、お前の顔めちゃくちゃビビってるな。それが見られただけで満足だ」

 他の3人組も、そうだそうだと同意する。怯えきっていたクマさんは心底ホッとした様子で、いらんことを言ってしまった。

「ああ、良かった。みんなアホだからこうやって今までちょくちょくこうやって騙してたけど、今回は露骨すぎたよ。反省するし、もうやらないようにするから許してくれよな?」

 これを聞いたアホ4人が固まった。仲間を思いやる大らかな笑顔が、鬼子母神のような笑顔にサッと変異する。
 これで終わりだと思いこんでいたクマさん。だが、これで終わりではなかった。
0300この名無しがすごい!垢版2018/08/29(水) 22:54:54.41ID:FFZ2fKHE
>>298
縛りを生かす縛り戦、298氏の宣言お題は『馬』『ボタン』『田中』、プラス最終一文縛り! あいつと俺らと饅頭と!
さあ古典落語・饅頭こわい方式で騙された四人組、彼らがお茶提供で反撃だと、ターゲットの隣室で計画を練っている〜、
いわくお茶に牛、犬、『馬』のフン入れていこう、それを熱してバケツで浴びせていこうなどど、変な『ボタン』がONになったか、わりと残忍なアイデア噴出し、
『田中』さんにいたってはしつこく茶に饅頭を入れたがるw まだ饅頭が嫌がらせになるって信じてるのかww 最悪の計画聞きつけた、ターゲットが顔色蒼ざめ反省の弁を述べラスト! 
反省の中の失言で、またも怒り沸点に達した四人の悪戯は、どうやらまだまだ終わらねェ〜、298氏の最終一行処理の手際は、続くドタバタ劇の予告だァ! 縛りの狭き門をくぐり抜け、物語を綴りきったぞ〜
0301この名無しがすごい!垢版2018/08/30(木) 18:47:39.27ID:xqCftbpp
やはり最後の一文が難しすぎたか・・・もっと優しいのにすればよかった・・・
0303この名無しがすごい!垢版2018/09/02(日) 20:00:11.46ID:w9OifEtN
>>292
遅くなりすみません
感想有難うございます
最初に思い付いたのが乳酸菌の幽霊だっので、そこから組み立てたらこんな感じにw
0304この名無しがすごい!垢版2018/09/02(日) 20:14:13.25ID:w9OifEtN
>>272
乳酸菌くんの不思議な生活w
何か、絵本に出来そうなお話だと思いました

>>288
不条理系都市伝説ですね
この田中さんは、一体何があって壊れたのでしょう?

>>290
自分の扱う商品の説明を出来ないと、営業は結構、困りますよね
現場の苦労がを知るからこそ、正しく説明ができるのだと思います

>>298
既にイタズラの域を越えているような?
でも、本人の自業自得の様な気も……
0305この名無しがすごい!垢版2018/09/02(日) 20:22:47.40ID:w9OifEtN
>>284
使用お題:『馬』『田中』『チモシー』『ボタン』+最後の一行が『だが、これで終わりではなかった。』

【それでも続く物語】(1/2)


 人は人生で、必ず一回だけは傑作小説を書けるって言う。「自らの人生」って名前の小説だ。
 小説の主人公は自分。だからこれも、そんな物語の1エピソードに過ぎなくて……

 ******

「えへへぇ、2組の田中君に告白されたんだぁ」
「え? あ、そうなんだ……」

 僕の部屋の兎のゲージにチモシー・グラスを追加しながら、彼女がそんな事を言った。
 彼女……馴染の長谷川 愛奈は「立てばシャクヤク座ればボタン、歩く姿はユリの花」を地で行く様な美少女。だけどそれ故に高根の花と言うか、手の届かない存在見たいな感じで、これまで浮いた話の一つも無かった。
 そんな愛奈が、嬉しそうに告白されたと報告して来た。
 そんな彼女に、僕は惚けた様に言葉を返す事しか出来ない。

 2組の田中 敦はサッカー部のエース的な存在で、二枚目の優男。ファンクラブなんかも存在するって話のイケメン。
 成程、そんな男が相手なら愛奈が嬉しそうにしているのも分からなくも無い。
 ただ、それでも、彼氏彼女の関係に成るって事には若干の不安があるらしく、愛奈は「少し考えさせてほしい」と返事をしたそうだ。まぁ、性格も良く知らない相手だしね。

 だからと言う訳じゃないだろうけど、先ずはお互い少しでも打ち解ける為って事で、皆で遊びに行かないかって誘われたんだそうだ。
 いわゆる、グループ交際ってヤツ?
0306この名無しがすごい!垢版2018/09/02(日) 20:25:01.59ID:w9OifEtN
【それでも続く物語】(2/2)


 ******

「……マー君は来てくれないの?」
「僕が行ったら本末転倒だろ?」

 愛奈は少し人見知りな所があって、ちっちゃい時から見知っている僕に少し頼りがちな所がある。皆で遊んでいたとしても、その中に僕がいたら、愛奈はいつもと同じ様に僕にばっかり話しかけてくる事は予想に難くない。
 今回の皆で遊びに行くって言うのが、お互いに打ち解け合うって趣旨なら、むしろ僕は邪魔になる。だからこそ僕は遠慮をしたんだけど、彼女は不安そうに瞳を揺らしていた。

「うん、馬子にも衣裳だね、可愛い、可愛い」
「マー君、それ褒めてないよ?」
「そうかな?」
「うん」

 白のフレアスカートに水色のサマーセーター姿の愛奈は、少し頬を赤く染めながらも、上目遣いで、僕を睨む。
 元々、幼さの残る可愛い系の顔立ちだから、睨まれても、むしろ和んでしまうのが玉に瑕だろうか?

「ほら、早く行かないと、集合に間に合わなくなるよ?」
「う、うん」

 歩き出した愛奈は、しかしやっぱり不安なのか、何度も僕の方を振り返りながらデートに向かって行く。僕は苦笑しながらもそれを見送った。

 部屋に戻り、兎のゲージを覗き込む。貰った時はまだまだちっちゃかったコイツも、今ではすっかりデブ兎へと進化した。

「妹を彼氏に取られたお兄ちゃんって、こんな気分なんだろうなぁ」

 微笑ましい様な気分に、少しの寂寥感。
 近すぎて遠すぎた関係だからこその結末。
 あの時、チビ兎を嬉しそうに抱いていた愛奈はもう居なくて……

 でも、それでも僕の物語は終わってなくて……
 だからこそ、僕は、そう呟いたんだ。

 「だが、これで終わりではなかった」ってさ。
0307二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/09/02(日) 22:04:21.25ID:kSJJz2xr
お題『馬』『田中』『チモシー』『ボタン』から自由選択+最後の一文を『だが、これで終わりではなかった。』とする 締切

【参加作品一覧】

>>288【都市伝説「怪人・バイトの田中さん」】
>>290【現場を知る為に】
>>298【まんじゅうこわい、その後】
>>305【それでも続く物語】
0314この名無しがすごい!垢版2018/09/03(月) 00:06:41.68ID:se6bnwm/
うわああああああああああああああああああああああああああ!!!!!
0315二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/09/03(月) 00:12:48.92ID:9qZN7/jD
☆お題→『難しい理論(種類は問わず)』『ダンジョン』『摩天楼』『仮面』『カレー』

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK

☆締め切り→9/9の22時まで

☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>307より。

【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】
0316この名無しがすごい!垢版2018/09/03(月) 00:17:32.88ID:EtIVcZDZ
>>315
ラスト一行が大変だったからか、お題が大変だったからか知らんが、前回少ないね。
投票は>>305【それでも続く物語】 。キリが悪いけどこの後の展開が気になるから。
0317この名無しがすごい!垢版2018/09/03(月) 08:34:58.26ID:7SplJ8H4
>>305
最終一行の千変万化、前回お題トリをつとめる305氏が全選択で挑む!  物語は終われない〜
さあ、2組の『田中』君に告白されたんだぁ、と、立てばシャクヤク座れば『ボタン』、『チモシー』グラスを片手にとった愛奈さんが、ほころぶ笑顔の報告だ〜
イケメン相手のグループデートにめかしこんだ彼女の姿〜、こりゃあ『馬』子にも衣裳だと、はんぶん憎まれ口でしか褒められぬのが主人公、近くて遠き、難しすぎる関係だw
彼の目線は、二人の思い出とともに育ったウサギへ向いて〜、やはりユリのごときな彼女なら、イケメンと結ばれるのが妥当な物語のハッピーエンドってやつなのか〜、
ここまででお題は消化、よしいけッ、もはや物語の端役になりかけた主人公が放つ最終一行〜、305氏の演出した『だが、これで終わりではなかった』が、暮れなずむ物語に光明見出さんとする祈りとなって、流れを変えるか!? 希望へのチェンジENDだァ!
0318この名無しがすごい!垢版2018/09/03(月) 10:19:39.10ID:MHmpN6oN
>>317
感想、有難うございます
果たして、彼と彼女が、自分の心をどう捉えるかで物語は変わってくると思います
この後の物語は、どう進んで行くんでしょうねw
0320この名無しがすごい!垢版2018/09/04(火) 10:13:59.13ID:QNMG1TyI
>>315
>>931【日曜の22時を忘れた時の悲しみ】に一票…?
0321この名無しがすごい!垢版2018/09/05(水) 19:35:16.93ID:EuW35vmq
 暇なので一筆します。書き逃げ御許しを。
使用したお題:『難しい理論(種類は問わず)』『摩天楼』『ダンジョン』『仮面』『カレー』
【血に塗れたカレーは偽物】
 摩天楼の天辺はカレー工場。其処では捕らえられた冒険者達が血を注ぎ、スパイスをかき混ぜていた。
「出来ました。カレーです。ヴァンパイア様」
 私は仮面を取り外し、それをスプーンで掬い上げた。
「いらん。不味いぞこれは、誰の血だ? 即刻殺せ」
 此処は私のダンジョンだ。捕らえられた冒険者は一生をここでカレーの材料となり終える。私はヴァンパイアだ。生き血がスパイスを引き立てる。どうしてもそれが欲しくなってしまう。
「次を寄越せ」
 そしてまた皿が食卓に載せられた。
「ふむ」
 そしてまた一口。ふわりと広がる血の風味と絶妙な辛さ。正にあのときはじめて食べた一品に近かった。
「だが、いらん」
 私はそれを放った。
「今日は気分が悪い。全員殺してしまえ」
 私はそう言って部下に後を任せた。それから数年が経ったある日の夜。一人の冒険者が私に面会をしたいと遣ってきた。
 人間風情がと思いながら、思い止まる。
「良いだろう、直接食ってやる」
 久々の生き血を貪る時がきたと期待に胸を膨らませ、摩天楼の天辺にて待っていた。 
「きたか」
「御方がこのダンジョンの魔王様ですか」
「そうだ」
「そうですか、では不躾ながら貴方には王国から即座に殺害するよう申されておりますゆえ、何卒慈悲を先に申し立てておきます」
「なに?」
「死は逃れられません。貴方はそれほどの事をしたのです。なのでカレーを食べましょう。貴方の大好きなカレーを」
 私は戸惑いながらも、好物であるカレーが食べられるのかと思い、彼に命令した。
「持ってこい」
「では厨房をお借りします」
 男はゆらりと足を覚束ないながらも厨房へと入り込んだ。
 そして数時間という待ち遠しい時間。男は出てきた。
「お待たせました、魔王様。カレーです」
 赤い赤い血の色をしたカレーだ。とても美味しいだろうと唾を飲む。血の色。それが私がカレーだと思う証だ。
「これは血を入れたのか?」
「いいえ、激辛の唐辛子をふんだんに使い、私の愛を込め、生命への感謝、いただきますを述べながら作り上げました」
「では、頂こう」
 私がスプーンを取ろうとすると、彼は手を合わせるようにと仕草を作る。
「そうだな。では……」
 私は手を合わせる。
「いただきます」
 生命への感謝を込める。そして一口を食べる。
 辛い。いい辛さだ。汚い味もしない。透き通った味だ。胃にくるが、血の臭いはしない。好きな味だ。これほどの料理が私の手元に遂に届いたのだ。
「美味しい」
「不躾ながら魔王様、その仮面はなんですか?」
「え? ああこれか」
 私は手を顔に手繰り寄せ、取ろうとした。しかし取れなかった。しかも仮面は口と一緒に動くと思いきや、私は仮面が素顔になっていたことに気づいた。
「もう、分かっていたんだ」
 私は涙が出そうになったが、出ることはなかった。一滴もでない。私は血を失った。いや、最初から失いたかった。
「あのときの事を覚えていますか、子供の頃、貴方は私のカレーをその二本の牙を血を吸うことに向けるのではなく、折りました。それも自ら、血を吸わなくてもこれがあれば生きていけると、しかし貴方は変わってしまった」
「ああ、あのあと仮面を拾ったんだ。悪魔に渡された箱の奥にあった」
「それは貴方の望んだことですか」
「いや、違う。でもこれでわかった」
 私はスプーンを置いて、剥がれない仮面を彼に向けた。笑みを浮かべたまま、私は言った。
「助けてくれたのは君だったのか、ありがとう。そしてもう私は生きていけない。あの味を完全に思い出したから、罪を背負い、死をもって償おう。ヴァンパイアは決まっているのだ。死ねば永遠の牢獄だと」
「そうですね、では首をお出しください」
 彼は冷たい口調で剣を腰の鞘から抜いた。
「ありがとう、あのときは君のお陰だった」
 彼は最後にそう告げた。
 このダンジョンの冒険者の人々は後に私を悪役だと蔑み、彼を英雄視した。
 少し違えば私達は未来で二人とも英雄だったかもしれない。 
 彼は私の仮面を外した。それだけで私はもうあとは満足だった。理不尽でも自業自得だと、そう思って私は地獄へと消えていった。
0322この名無しがすごい!垢版2018/09/06(木) 07:39:46.46ID:Jo2x6xBs
>>321
今回のキラーお題は『難しい理論』になるかw 321氏がやってやんぜと、哀しきドラマの脚本を手に登場だ〜、全選択! ヴァンパイアに宜しく!
さあ舞台は『摩天楼』〜、魔王なるヴァンパイアの『ダンジョン』と化した天空の『カレー』工場で、冒険者の血肉が冷酷にも食材に変えられている〜
あのとき食べた一品求める、『仮面』の吸血鬼の前に、いいだろう食べさせてやるよと、男現れ、いっしょに合掌、いただきま〜すw
ラスト、肉化の仮面は理性を奪う呪具だった〜、懐かしきカレーの味に思い出すのは、血などいらぬと牙折った、過去の決意と慈愛の心! 込み入った物語で『難しい理論』をクリアか〜
ヴァンパイアが自身を取り戻した斬首の瞬間〜、意図的に不器用な語り口を創り出した321氏の実験作が、心ならずも理性を失い、満足顔で牢獄に魂囚われる、哀しきヴァンパイアを描き出し、収監ENDでフィニッシュだ!!
0323この名無しがすごい!垢版2018/09/06(木) 17:55:48.40ID:t8UgrItD
感想有り難うございます。
死ねば永遠の牢獄という言葉が正に明確で難しく。
それでいてこの世界のヴァンパイアがどういうものかと核心をつかせる一言。
隠し味、目には見えない辛いスパイスを使ってみました。
とにかく難しさで完全武装しました。
0324この名無しがすごい!垢版2018/09/07(金) 09:06:56.56ID:998aVlQv
>>321
望まぬ不死の魔王と言ったところでしょうか?
赤いカレーは血ではなく唐辛子の赤だったのですね
せめてその魂に救いが有らんことを……
0325この名無しがすごい!垢版2018/09/07(金) 17:38:34.91ID:qKNXWaLU
>>324
感想有り難う御座います。
ってあれ、書き逃げとか言っちゃって逃げてないじゃんと思うかもしれませんがこのあとすぐに逃げます。 
血の赤ではなく、唐辛子の赤。もっと言えば、隠し味の赤となっています。あえて赤という漢字を使うことで、血であることに違和感を持たせるという表現をしました。
0326この名無しがすごい!垢版2018/09/07(金) 18:27:21.37ID:qKNXWaLU
ついでに理論のジャンルは書き忘れましたが、理論哲学です。
0327この名無しがすごい!垢版2018/09/09(日) 21:54:32.20ID:o/po/MGY
>>315
使用お題:『難しい理論(種類は問わず)』『摩天楼』『ダンジョン』『仮面』『カレー』

【ある勇者のパーティー】


 襲い来る魔狼王の攻撃に、俺は真正面から立ち塞がる。
 いつもよりやや左に重心を置き、最小限の振りかぶりと共に最速の迎撃。
 斬撃を嫌った魔狼王は俺の右手側へと身を翻すが、それを読んでいた俺は左側に開いていた足を踏み込み、横薙ぎに剣を振るった。

 Gigaaaaaaa!!!!

 会心の手ごたえと共に魔狼王の巨体が地に伏す。対する者が人間であったならこうも上手くはいかなかっただろう。
 本能で動く魔狼の類は、その感覚の高さ故に、咄嗟に利目を頼り左側へと飛び退く事が多い。
 それを知っているが故の結果だ。
 長年、魔獣や妖魔と言った魔物を相手にして来た俺の流派故の剣の理論……理合いと言った所だろう。
 群れのリーダーだった魔狼王を切り伏せた事で、残った魔狼達も腰が引けている。あまり追い詰める事が無ければ、もう少しで瓦解すると思われる。

 OoooooooBooooooooo!!!!!

 慟哭の様な叫びに目をやると、仮面を着けた少女が巨大魔樹を氷雪の魔法で氷漬けにしている所だった。“仮面の魔女”とも言われる彼女の魔法は特殊だ。
 彼女はその身に付けている仮面を取り換える事で無詠唱で魔法を使う。
 東方にある呪術の一つに、神の仮面を着ける事でその身にその神の現身を降ろすと言う物が有る。
 彼女は、それをヒントに鉱石魔術……魔晶術を取り入れ、宝石を触媒に仮面の文様を術式として、自らの体を疑似的な精霊へと転化する、新しい魔術理論を組み上げたのだ。
 精霊の行動は全てが魔法に代わると言う。それは疑似精霊へと転化した彼女も変わらないらしい。
 それ故に彼女は、無詠唱で強力な魔法を次々に使う事が出来るのだ。

 そして……

「どっせええええぇぇぇぇぇぇいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」

 この魔物の群れのボスらしきトロルを蹴りだけで屠っているのが勇者である。
 高速再生能力を有するトロルを打撃だけで完膚なきまでに叩きのめせると言うだけでも既に慮外の事だが、その上、再生すらままならなくできるなど規格外も良い所だろう。
 普通であれば、その能力の高さに畏怖し、敬意を払う所であるのだが、彼が手に持っている物が全てを台無しにしていた。

 赤みの有る茶色のスパイシーな香を漂わせるその食べ物……カレー。

 勇者の故郷の食べ物であり、彼の大好物だと言うそれを片時も離さない状況を見ると、彼にどう声を掛けるべきか、頭が痛くなる。
 勇者が蹴りだけでトロルを屠ったのも、それだけの実力があるからと言うだけではなく、カレーを食べるのを止めたくなかったからだろう。
 その証拠に、ほぼミンチとなったトロルの死骸を見ながらも、彼がカレーを食べる事を止める気配はない。

「……今度、キーマカレーを作ろう。うん」
「何の話ですか? 勇者」
「あ、いや、こっちの話」

 天を摩する楼閣……摩天楼の名にふさわしい魔王の城が聳え立つのが見える。事前の斥候達の話では、魔王の住居は、その魔王城の地下に広がるダンジョンに有ると言う。
 この魔王領に入ってから、魔物達の攻撃はますます激しくなっている。
 通常異なる種類同士の魔物が群れを作る事は無い。
 それ故に、魔王の統率力の高さがうかがえる。
 そんな魔王と対峙するのも、もう間もなくの事だろう。
 自分達の行動の是非いかんでは、人類に明日は無いのだ。そう思うと、身震いがする。
 そんな悲痛な覚悟を決める俺とは対照的に……

「よし! 今度はビーフカレーじゃなく、シーフードだ!!」
「勇者、僕にも頂戴?」

 後ろから聞こえる、そんな勇者達の呑気な声に、多少の殺意が湧いたとしても仕方が無いと思う。
0328この名無しがすごい!垢版2018/09/09(日) 22:03:11.15ID:o/po/MGY
このお題群を見て、真っ先に思い浮かんだのは、ペルソナ5だったりしますw
0329二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/09/09(日) 22:03:11.25ID:W0jQSGBq
お題『難しい理論(種類は問わず)』『ダンジョン』『摩天楼』『仮面』『カレー』締め切り

【参加作品一覧】
>>321【血に塗れたカレーは偽物】
>>327【ある勇者のパーティー】
0330二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/09/09(日) 22:04:46.54ID:W0jQSGBq
お題『馬』『田中』『チモシー』『ボタン』から自由選択+最後の一文を『だが、これで終わりではなかった。』とする 投票締切

【得票数一覧】
>>305【それでも続く物語】一票
0332この名無しがすごい!垢版2018/09/09(日) 22:26:11.55ID:SYuiUAlO
筋肉
0337この名無しがすごい!垢版2018/09/10(月) 08:26:48.21ID:OX/izkKR
>>327
ペルソナ327氏が、前回お題全選択を宣言! オーソドックスどこいった〜
さあ剣士らしき語り手が、狼の王を踊るように斬って捨て、場面はスタートォ〜、別局面では『仮面』の少女が、中ボスらしき巨大魔樹を、氷雪の魔法で氷漬けにしているぞ〜
彼女の鉱石魔術…それは魔晶術によって、宝石を触媒としつつも、仮面の文様を術式にしながら、自らの体を疑似的な精霊へと転化させながら、うん、いや魔晶術が既によく分からんw 『難しい理論』w
奥では『カレー』片手に、ボス・トロルを撃破する破天荒勇者が暴れている〜、ユル強パーティの目前そびえる魔王の城は、『摩天楼』〜、地下に広がる『ダンジョン』に、きゃつの住処はあると言う! しかし高まる緊張ほっぽって、パーティではカレー談義に花が咲くw
魔王なら、きっと魔王なら、こやつらにも苦汁を舐めさせられるはず! 苦々しい表情の読者が、緊張する剣士と共に魔王の居城を見上げ、ラストバトルで白熱ねがう、お題消化乙の切ない冒険譚が前回お題・最後をしめたァ!
0338二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/09/10(月) 11:11:00.05ID:VSjj75KU
☆お題→『筋肉』『ケロちゃん』『お月見』『ごちそう』『首輪』

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK

☆締め切り→9/16の22時まで

☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>329より。

【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】
0339この名無しがすごい!垢版2018/09/10(月) 19:01:06.51ID:XBPHKKUL
>>337
感想有難うございます
真面目な優等生タイプが馬鹿を見ると言うw
同行しているのがどちらも紙一重の天才故に気苦労が絶えないのでしょうw
0340この名無しがすごい!垢版2018/09/10(月) 22:50:44.67ID:WyL8lY4L
>>338 前回、後で書こうと思ってたら書けなかったので早めに投稿。
使用したお題:『筋肉』『ケロちゃん』『お月見』『ごちそう』『首輪』


『彼女とお月見』

 彼女と初めて出会ったときは、こんな月明かりの下だったと思う。

 お月見をしている彼女の隣で、僕も座っていた。

「お団子なんて普段食べないのに、なんでお月見のときだとこんなにおいしく感じるんだろう?」

 彼女は白くて丸い団子を摘まみながら、不思議そうに呟いた。闊達な彼女のまんまるの両目と、空に浮かぶ月と、その団子の形はよく似ている。僕が見ていたのはいつも二つ並んでいる方だけれども。
 彼女は、はむと団子を頬張ると、また空を見上げた。丸い瞳に丸い月が映って綺麗に映える。

「でもたまにはいいよね。こうやってぼんやりしてるのも。ほらほら、アンタも食いねぇ食いねぇ」

 そうやって僕の前に皿を押し出す。ごちそうではあったが、今僕はダイエット中なのだ。あまり強引に進めないでほしい。
 でも彼女の笑顔を前にして抵抗するのはなかなか難しい。仕方ないとばかりに一口食べる。うん、美味しい。でももういらない。

「アンタなんか元気ないねぇ。久しぶりに顔見せにやってきてるっていうのに。でも、まあいいか。お月見だしねぇ」

 静かに縁側で座っているのもいいか、と彼女はまた団子を一つ。手を後ろで支えにして両足を交互に振りながらアップテンポな鼻歌を歌っている。まったく静かではない。
 でも僕はそんな彼女の様子に呆れながらも抗議はしなかった。むしろこの感じが懐かしい。一人暮らしを始めた彼女は、こうやってたまにしか帰ってこないのだから。

「あ、そうだ忘れてた!」

 2曲目のサビを歌おうと息を吸い込んだ瞬間、彼女は何かを思い出したようだ。その眼を月より大きく見開いてから急に立ち上がり、自分の荷物の置いてある居間へ飛び込む。
 僕は驚いて振り返りつつも、何かとドタバタ煩いその変わらない様子に苦笑した。

 彼女はすぐに何かを持ってきたようだった。それほど大きくない紙袋だ。それを僕の前に持ってくると、にぃっと笑顔を深めた。

「これお土産だよ。似合うと思ってさー」

 そう言うと、僕に紙袋を手渡す……のではなく、自分で紙袋を開けて中身を取り出そうとした。力づくでセロハンテープを剥がしたため、わずかに袋が破れた。全く女性らしさというか、デリカシーが感じられない。
 彼女が紙袋の中身を取り出すと、僕の方に寄ってきた。

「はい、これプレゼント。いいでしょこれ、ここのケロちゃんとか。つけてあげるから、ほら、ちょっとこっちおいでおいで」

 彼女が僕の首の後ろに手をやる。思わずドキリとした。彼女の顔がとても近い。
 久しぶりの彼女の匂いが鼻いっぱいに充満して思わずクラクラする。彼女の「あれ、こ、こうかな? うまく付けられない」という声が耳元で響いて体が緊張する。彼女の吐息が肩をわずかに撫でてくるせいで全身の筋肉が強張った。

 幸せの時間は長く続かなかった。すぐに彼女は体を離し、僕につけたプレゼントを見て「うん」と満足そうに頷く。

「うん、やっぱりよく似合う。あれ、どしたの? 毛でも挟んじゃった?」

 僕が固まってるのを見て、彼女は違った心配をしたようだった。僕は何でもないとばかりに首を振り、その場に寝そべった。
 彼女は僕の素っ気ない態度を気にすることもなく、僕と頭合わせになるように同じく縁側で寝転がった。鼻先にまた彼女の匂いが漂ってきて、少しドキドキしているのは内緒だ。

 彼女は僕の頭を撫でながら、月より綺麗な笑顔を見せてこう言った。

「じゃあ明日はそれ付けて一緒に散歩に行こうね、ケロちゃん」

「ワン」

 僕はそう短く返事をすると、なんとなく恥ずかしくなって寝たふりをした。
0341この名無しがすごい!垢版2018/09/11(火) 00:30:33.64ID:mjsQcH7A
>>338 すかさず2つ目
使用したお題:『筋肉』『お月見』『ごちそう』『首輪』

【月を見上げるお祭り】
 お月見、という行事をやったことはない人はいても知らない人はいないでしょう。

 中秋の名月、つまり秋の十五夜の満月を見上げながら、ススキを飾りお団子を食べるというイベントです。
 古いお屋敷の縁側や小高い丘の上でやるととても風流な感じがでる行事といえましょう。

 さて、そのお月見ですが、起源はかなり古く縄文時代からあると言われております。
 昔は月というものに超常的な力を感じていたのか、はたまた単に明るかったからかわかりませんが、特に満月というものは畏れ敬われておりました。
 だからこそ満月の夜は誰もが少々浮足立ち、特に空気が澄んで月が大きく見える初秋の満月はお祭り騒ぎになった様子です。

 ただ、ここで気づく人は気づいてしまうのです。太古のお祭りは、今のお祭りとは全く違うのです。

 大昔の人々が神を感じ、何かを祭りあげる場合には、必ずと言っていいほどそこに生贄が用意されます。
 そして神が偉大であれば偉大であるほど、畏敬の念を集めれば集めるほど、生贄の質が高く要求されます。

 空にぽっかり浮かんで光り輝くなんていう満月に対する生贄なんて、人間以外にありえないわけです。
 筋骨隆々の男が首輪をつけた美少女を引っ張ってきて、昼間のように明るくなった満月の夜にその首を刎ねてお供え物にする、なんて壮絶な絵面が想像できませんか? あまりにあまりな光景だと思いませんか?
 でも神の怒りを何よりも畏れ、神からの加護を何よりも求めていた人々にとって、それは当たり前の儀式なのでした。なので、まあ、お月見文化は連綿と今日まで脈づいてきていたわけです。

 あ、もちろん生贄制度はすぐに廃止されましたよ。神へのお供え物が大事である反面、労働力や繁殖力が落ちるのは小規模の村にとっては大問題でしたからね。どんどんお供え物のランクもダウンしていきました。
 最初は複数人の首をお供え物として祭っていたけれど、それが一人で十分だという話になり、足りない頭分は生贄の体から肉を引きはがし丸めて団子にして並べるようにし、飾りとして彼の骨を周囲に飾りました。
 その内、人の生贄は残酷すぎるということとなり、頭と肉団子は普通の小麦の団子に代わり、飾られた骨はススキに代わり、今のお月見に変わったわけです。

 だからお月見をするときは……神様を祈る気持ちで満月を眺めなければなりませんよ?




「……っていう怪談話なんだけど、どう? 怖かった?」

「……正直、話自体は怖くはなかった。うん、話は怖くなかった……」

「えー、マジかー。オレの話し方が悪かったのかな? オレがこの話最初にネットで見たとき、結構怖かったんだけどなぁ……」

「そっか、お前は気づかなかったのか……」

「ん、どした? 気づくって何が?」

「……まともなお月見って1回しかしたことないんだけどさ、お月見したらさ、普通団子って食べるじゃん。もったいないし、美味しいし……」

「ああ、地味にごちそうだよな。おいしいし」

「……でも、その怪談話がもし、もしホントだとしたらさ、大昔の人ってさ、お供え物をさ、もしかしたらさ……」

「……あ」

「……こわっ!」

「……こわっ!」
0342この名無しがすごい!垢版2018/09/11(火) 09:02:33.90ID:BnKtfPNU
>>340
短編スレも月見、十五夜、宴会だ〜、詩歌を詠んでは飲めや歌えや、340氏が起立して、俺がいきます全選択! 月と彼女と団子と俺と〜
いいよいいよ、食いねえ食いねえと、主人公がまんまる団子をほおばって、月を映したまんまる瞳の彼女と、『お月見』の宵に酔っている〜、
団子かあ、『ごちそう』ではあるけれど、ダイエット中だし、といっこ食べては押し返し、なんだスネてんのか主人公〜、一人暮らしの彼女はいまや、たまにしか帰宅もせぬらしく、主人公のつれない様子は嬉しさ隠すツンデレか!?
さあ、彼女が取り出だしたるは、『ケロちゃん』付きのお土産だ〜、付けてあげると接近されて、主人公の全身『筋肉』強張りつつも〜!! でた、満を持してのわんこオチw
読者はどこで気づけたか〜! よくみるとヒントはあちこち散りばめられている〜、最後まで『首輪』隠してお題を全クリ! 寂しさ隠すもツンデレ犬の寝たふりが、スレの初秋をしんみりさせてくれた!

>>341
まだまだ続いていきますと、340氏がイッキ飲みで連戦だ、お題『筋肉』『お月見』『ごちそう』『首輪』を選択して開幕! 空に浮かぶは、お憑き様!?
ということで…はい…唐突ですが、『お月見』の歴史を皆さんはご存知でしょうか…かつて満月の夜、古来の人々は、『首輪』をつけた美少女を引き回し…その首を刎ねて初秋の満月へのお供え物にしていたんです…
最初はイキって、複数人の首をお供え物にして祭ってたわけですけど…冷静に考えたら頭おかしいってことになって…ちょっとマイルドにしようって、代わりに男の『筋肉』なんかを剥がして、それを団子状にして…ぜんぜんマイルドじゃないっていう…
知っていましたか…これが月見なのです…って、んなわけあるかw そんな怪談つくった二人が、団子って地味に『ごちそう』だよなと笑い、
そういや団子って食べるけど…! と二重ホラーで来た〜、連戦ながらもそれぞれにオチを用意して来たか、340氏! お憑かれさまだぜw
0343この名無しがすごい!垢版2018/09/11(火) 19:31:30.77ID:meojYr4D
>>340
離れていても募る想いと言ったところでしょうか?
種が違うが故の純粋な好意良いですね

>>341
創作ホラーを創る二人w
饅頭の由来も、人の頭だったそうですが……
0344この名無しがすごい!垢版2018/09/12(水) 16:55:26.20ID:TSKplQdE
筋肉いぇいいぇーい!筋肉いぇいいぇーいっ!
0345この名無しがすごい!垢版2018/09/12(水) 23:57:43.63ID:9Y0Zj8nL
お月見と筋肉の相性がとてつもなく悪い。全お題消化は諦めようかしら・・・
0346この名無しがすごい!垢版2018/09/14(金) 16:20:05.74ID:5n5XKQsq
>>338 うん。書いといてなんだけど、なんだろ、この話?
使用したお題:『筋肉』『ケロちゃん』『ごちそう』『首輪』

【キリンの育て方】

 はい、今日はキリンの育て方についてお勉強しましょう。

 ええ、そうですね。誰もがみんな、一度はキリンを飼ってみたいと思ったことがあると思います。実際に飼ったことがある人もいらっしゃるかもしれませんね。
 ですが、正しい飼い方を知らないと、とんでもないことが起こるかもしれません。病気になったり上手に育たなかったり。
 なので、今日は皆さんと一緒に正しいキリンの育て方をお勉強していきましょうね。

 ではまず、一頭の馬を用意してください。
 そうですね、ペットショップに行けば馬は売っていますね。なるべく子供の馬を手に入れてください。
 ああ、そちらは違います。そちらは馬ではなく馬鹿です。馬鹿はキリンにはならないので、注意してくださいね。

 お家にその馬を連れてくることができたら、次はちゃんと名前を付けてあげましょう。可愛い名前を付けてあげた方が愛着がわきますからね。ふふふ。
 ポチちゃん? いいですね。ケロちゃん? かわいいですね。トウカイテイオー? 優勝できそうですね。

 はい、名前を付けたら次はごちそうを食べさせてあげましょう。馬の御馳走はなんだかわかりますか?
 ニンジン? はい、その通りですね。馬さんはニンジンが大好きです。あとリンゴも好んで食べますよ。
 でも今日はキリンを育てるので、ニンジンをあげてはいけません。ちょっと特別な食べ物が必要なんです。

 それは……あ、知ってましたか? 正解です。飼い始めた馬にはパンダのお肉を食べさせてあげましょう。
 パンダのお肉を食べると、馬さんに綺麗な縞模様が出てくるようになります。仔馬のうちではないと効果がありませんので、そこは気を付けてください。

 また、餌だけでなく育て方にもコツがいります。仔馬をお家に連れてきたら、すぐに散歩するようにしてください。
 飼われたばかりで動揺している仔馬は、散歩に行きたがらないかもしれません。でも、可哀そうだからってそこで諦めて、馬小屋でポツンとおいてけぼりになんてさせてはいけませんよ?

 首輪をつけて思い切り引っ張ってください。絶対に散歩に行かせるんだ、とばかりに首を引っ張ってください。
 仔馬が苦しそうで可哀そう? とてもよくわかります、でも立派なキリンを作るためには仕方ないのです。だから心を鬼にして、仔馬の首を引っ張ってください。

 そうすると、仔馬の体はとても柔らかく、それに骨もまだ完全にはできあがっていないので、力づくで引っ張られるとその分首が長く伸びます。
 こうやって何度も何度も無理やり散歩に連れ出すことで、立派な首の長いキリンになります。もし力に自信のないお子様の場合は、お父さんか筋肉がたくさんついてる大人の人に頼みましょう。

 はい、これであなたもキリンを飼うことができます。よかったですね。

 これがキリンの育て方です。



 ちなみに、同じ方法で白鳥の首を伸ばすとツルになり、人間の首を伸ばすとろくろっくびになります。
0347この名無しがすごい!垢版2018/09/15(土) 09:19:14.96ID:p4V5s/a3
>>346
秋の祭典お題5! 『筋肉』『ケロちゃん』『ごちそう』『首輪』を選択していざゆかん、非現実キリン・養成講座へ会員登録だ!
今回、346氏に教わるのはなんとあの、キリンの育て方だw さてまずは一頭の仔馬をスタンバイ! よし愛称は、ポチちゃん、『ケロちゃん』、トウカイテイオーなどに決定し、
次は作者に餌やりを教わっていく〜、馬の『ごちそう』と言えばニンジンだけど、キリンなんで縞模様を出していく感じだ〜、ゆえに、与えるのは、うん、パンダらしいw 高すぎるだろ餌のハードルw
そんで『筋肉』沢山ついた大人が『首輪』を付けて思い切りよく引っ張れば、カラダできてない仔馬のクビ伸び、ほら見ろ立派なキリンが出来た〜、これマジかよやった〜
よかったですねと346氏、うん、でも、これ馬だけどな!w 宣言お題を要所で消化! むりやりキリンと呼ばれる馬が、笑いと涙でお題四つを走り抜け、嘆きのジラフ・ランナウェイENDだ!
0348この名無しがすごい!垢版2018/09/15(土) 12:24:54.25ID:PjjQij2s
>>347
なんか今回はごめん。さすがの競馬実況さんでも拾いづらい変なの書いちゃったよ・・・
いつもありがとね・・・
0349この名無しがすごい!垢版2018/09/15(土) 20:25:17.67ID:p4V5s/a3
強引展開で面白かったよ!
0350この名無しがすごい!垢版2018/09/16(日) 11:38:29.38ID:nyL+Pdt7
>>346
不条理系ギャグに成るのでしょうか?
首なが族はリングを嵌め込んで行く方法で首を伸ばすそうですw
0351この名無しがすごい!垢版2018/09/16(日) 12:25:10.69ID:nyL+Pdt7
>>338
使用お題:『筋肉』『ケロちゃん』『お月見』『ごちそう』『首輪』

【月光の不死美人】(1/2)


 予感があった。

 辻堂 当摩は無意識に自らの首に嵌めたチョーカーをつうっと指先で撫でていた。

 息を切らせながらも宵闇に包まれた街をひた走る。

 ドクンっと鼓動が高鳴った。

 真円を描く月を背に、当摩の望んでいた存在がそこに立って居た。

「ケロちゃん……」

 幼馴染だった少女の愛称を呟く。

 少女の瞳が赤く煌いた。

 ******

『とーまぁ……』

 あどけない幼子が、しかし今は妖艶な雰囲気を湛えながら彼に馬乗りに成っている。彼女は当摩の首元にぷっくりとした紅い唇を添わせ、艶めかしく舌を這わせる。
 ゾクリ……と背筋に甘い痺れが登り、その直後に激痛が走った。

 だが、その痛みに対する当摩の感情は、甘露にも似た悦びだった。

 彼女の口が彼の首筋から離れ、一筋の血が伝い落ちる。
 何処か陶然とした瞳で当摩を見詰めた彼女は、舌先で唇を……そこに残っていた彼の血液を舐め取ると、ニンマリと嗤いながら言う。

 ――――――――ねぇ、とーまぁ。あなた、わたしの“僕”にお成りなさい? だって、こぉんなに美味しかったの初めてなんですものぉ――――――――

 ******

 意識が覚醒した時、その心臓は早鐘を打ち、やけにジットリとした汗が全身を濡らしていた。
 記憶は定かではない。だが、何か恐ろしい夢でも見ていたのだろうか? そんな風に当摩は思った。
 鼓動が落ち着くにつれ、何故か取り残された子供の様な寂寥感が心を支配し、酷く泣きたくなった。

 だからと言って本当に泣き出す訳にはいかないのだが……

 ******

「……お月見?」
「うん! だから、今日は早く帰って来てね? ごちそうを作るんだから!!」

 当摩の妹である睦月が、出がけにそう言った。
 その言葉を聞き、当摩は今日が満月なのだと思い出す。

 父親の単身赴任に母が付き添ってって行った所為で、辻堂兄妹は現在二人だけで生活をしている。
 彼の妹はこういったイベント事が好きで、ちょくちょく何かしらの行事にかこつけてパーティーの様な事をしていた。
 既にどんなごちそうを作るのか算段しているのであろう。ニコニコと機嫌がよさそうに睦月が学校に向かって行く。
 そんな妹を見送りながら、当摩は一人朝ごはんを食べながら(今日はどうするかな?)等と考えていたのだった。
0352この名無しがすごい!垢版2018/09/16(日) 12:30:52.61ID:nyL+Pdt7
【月光の不死美人】(2/2)


 ******

 大学での用事が長引き、既に夜空に煌々と月が煌く中、当摩は家路を急いでいた。

「早く帰ってやらないと睦月の機嫌が悪くなっちゃうな……」

 ふくれっ面に成る妹の顔を思い浮かべ、当摩が軽い溜息を吐く。そんな折の事だった。

「……!?」

 生暖かい風が吹き抜け、当摩の足が止まる。遠い……遠い記憶を揺さぶる不吉な予感。

 不吉……そう、不吉な予感だ。開けてはならぬ箱を開け放とうとしている様な、それに手をかけてしまえば全ての災厄を解き放ってしまいそうな、そんな予感。
 生存本能とも言うべき物が警鐘を鳴らし始める中、しかし彼は本能とは真逆に駆けだす。口元に歪な笑みを浮かべながら……

 ******

「ケロちゃん……」

 幼馴染だった少女……沼池 ロミ。その足元には数人の屈強なスーツ姿の男達が、既に物言わぬ肉塊と成り果て転がっていた。

 ロミは最後に残っていた男の顔を鷲摑みにしたまま、当摩の姿を確認すると、昔と同じ幼げな笑みを浮かべる。

 ミシリ……と音が鳴る。周りの死体と同じ様なスーツの男は、それでも彼女の手から逃れようと筋肉の張った太い腕で必死に掴んでいるが、しかし、その細腕はピクリとも動かなかった。
 男が泡を吹き、ぐるんと白目に成った後、ロミは興味も無くなったかの様にそれを投げ捨てる。

 ひたひたと裸足のロミが当摩に近付く。その姿に当摩は既視感を覚えた。

「とーまぁ」

 その真紅に染まった唇が甘やかに彼の名を呼ぶ。当摩は脳髄が痺れた様な快感に襲われた。
 欲情を隠そうともしない彼女の蕩けた様な笑みに記憶が揺さぶられる。

 同じ様な光景…………唐突に当摩はそれを思い出した。

 あの日の公園の……血に濡れたクラスメイト達の……

 幼き日、彼女が姿を消した日から、自分は虐めを受けなくなったのではなったか? そんな事をぼんやりと思い出す。
 いや、あれは事故によって、彼を虐めていたクラスメイト達が居なくなったからだったか? そしてそれは……

 気が付けば当摩はロミに押し倒されていた。屈強な男達を倒したと思えない程、筋肉など無い、ほっそりとした体躯。
 しかし、それをやったのが彼女だと、当摩はハッキリと言えた。彼がその光景を見るのは二回目だったからだ。

 そして、確かあの時も、こうして押し倒されて……

 首筋が背徳的な歓喜で疼く。
 舌なめずりをした真円の月を背負うロミを……その深紅に染まった瞳を見ながら、当摩は自身があの時から彼女に首輪を填められていたのだと、どこか遠い幽かな理性で、そう思ったのだった。
0354この名無しがすごい!垢版2018/09/16(日) 18:08:50.90ID:6txkSlFB
なぜかエロい展開しか想像できなかった。
この後めちゃくちゃセッk(続きはWebで)
0355この名無しがすごい!垢版2018/09/16(日) 21:27:52.67ID:nyL+Pdt7
>>354
感想有難うございます
吸血鬼にとって吸血は、生殖行為にも該当すると言いますので……
0356二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/09/16(日) 22:03:12.94ID:38UeXlzX
お題『筋肉』『ケロちゃん』『お月見』『ごちそう』『首輪』締切

【参加作品一覧】
>>340【彼女とお花見】
>>341【月を見上げるお祭り】
>>346【キリンの育て方】
>>351【月光の不死美人】
0359この名無しがすごい!垢版2018/09/16(日) 22:14:56.17ID:wcuZoeLk
たまねぎくん(ユニオニオン)と乳酸菌くんの出会い(衝撃的な結末を含む)
0363二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/09/16(日) 23:40:53.59ID:38UeXlzX
☆お題→『9』『たまねぎくん(ユニオニオン)と乳酸菌くんの出会い(衝撃的な結末を含む)』『ぬるぬる』『スライム』『黒髪ロング』

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK

☆締め切り→9/23の22時まで

☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>356より。

【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】
0366この名無しがすごい!垢版2018/09/17(月) 00:01:12.95ID:JmryllM+
う〜ん……
キャラクター系のお題は、それそのものを使ってお話を創ると、二次創作に成ってしまうと思うのですが……
0367この名無しがすごい!垢版2018/09/17(月) 00:12:57.26ID:pTLLFKQE
ぬるぬるとスライムってセットみたいなもんだし、ついでに黒髪ロングもセットにできるし、9もどうとでもなるしここだけ見れば楽なお題
ただ5個使おうとしたら難易度爆上げになるw
0368この名無しがすごい!垢版2018/09/17(月) 00:17:51.03ID:95q9OhdB
キャラクター系は書き辛いんだよなぁ……
しかも今回衝撃的な結末とか指定付き……
0369この名無しがすごい!垢版2018/09/17(月) 00:26:28.99ID:BXwTLUCP
あとこれは強制じゃないけど、自分はお題を出したら必ず1作品以上は出そうと思ってる。自分の出したお題を使って、ね。
あの意味不なお題出して他の人を困惑させた人はもちろん書いてくれるんだよね・・・?
0370この名無しがすごい!垢版2018/09/17(月) 08:01:40.04ID:78IACvjr
強烈なのがきたなw
0371この名無しがすごい!垢版2018/09/17(月) 08:10:21.80ID:78IACvjr
>>351
351氏が前回お題トリをつとめる全選択! 秘められた月夜の記憶がよみがえる、ムーンナイト・サルベージ!
さあ、今夜はいよいよ『お月見』だ〜、だから『ごちそう』を作るんだとハリキる妹を見送るは、主人公である当摩くん〜、しかし満月の夜が不吉な予感を投げかける〜
脳裏をかすめるのはそう! 幼馴染だったもの、別の生態系に属する彼女、『筋肉』無し、ほっそりとした体躯によって屈強な男たちを投げ飛ばし、封印されし記憶とともにあらわれる、
月光に降り立つ『ケロちゃん』、ことヌマイ『ケロ』ミ〜! 深紅に染まった瞳、とろけるような喋りと幼さに不釣合いなる艶めかしさが、スレ民を興奮させるエロリっ子系暴君スタイルをまとうw
血の契約により『首輪』を填められていたのだと当摩くん、シモベの記憶を掘り出して、ラストは静かに瞑目だァ、エロリティーとブラッディーを融合させた351氏が赤に染まれよと囁いて、全お題をさらったぜ!
0372この名無しがすごい!垢版2018/09/17(月) 09:19:12.70ID:SuiqXVly
なんで安価取るの日曜の22時なの
0373この名無しがすごい!垢版2018/09/17(月) 11:35:13.79ID:BXwTLUCP
安価の時間は進行をやってくれる人次第だと思ってる。
今の二代目進行さんのおかげで遊ばせて貰ってるわけだから、進行さんのやりやすい時間に調節してもらうのが一番かと。
0374この名無しがすごい!垢版2018/09/17(月) 13:20:14.67ID:JmryllM+
>>371
感想有を頂き難うございます
最初は女王様なクラスメイトとマッチョ執事のコメディを考えていたのですが、気がつけばこんなお話にw
0375この名無しがすごい!垢版2018/09/17(月) 13:51:50.34ID:BXwTLUCP
>>363 無難に
使用したお題:『9』『スライム』『ぬるぬる』『黒髪ロング』

【どこにでもある、ごく普通の、ありふれた日常】

 朝起きてまず最初にすることは、一緒に寝ているペットを起こすことだった。

 布団の横に一緒に寝ていたはずのペットは、朝起きた時かなり高確率でなぜか僕の上に乗っかっている。熱くはないのだろうか?

「おい、朝だぞ。起きろ」

 長く垂れさがっているペットの体毛を煩わしく思いつつも、その頭をかるく小突き、布団を剥がして隣に寝転がした。
 ペットは布団の上に横になると、ううんと大きく背伸びをし、大きな欠伸をし、でも目を開けない。二度寝をするつもりなんだろう。

 ……まったく、いいなぁペットは気楽で。

 僕もまた二度寝の誘惑に駆られつつも、時計を見ると朝の9時。いくら休みとはいえ寝坊も良いところだ。仕方なく起き上がってまず洗面所へと向かう。
 ペットの涎が体にかかってぬるぬるする。蛇口を捻って水道で洗いつつ、冷蔵庫を開けて中身を漁る。

「朝ご飯は……これとこれとこれでいいか」

 自分の分の朝ご飯と、ペットの分の朝ご飯をさくっと作ってしまう。いつものルーチンワークなので、特に難しくない。
 袋を開け、材料を切り、火を通して盛り付けをする。ペット用の餌は別のお皿に乗っける。

「……ん、完成。で、ようやく起きたか」

 ペットが僕の後ろにやってきていた。ほんの数分前は睡眠天国に旅立っていたというのに、今は眠いながらも僕の背後にやってきていた。臭いに釣られたのだろう。
 半開きの眼差しが何かを訴えるように見上げてくる。僕はすべての食器を同時に持ちあげ、ペットの黒い頭に向かって言った。

「はいはい、ご飯はあっちだよ。はいはいどいてどいて」

 蹴飛ばすわけにはいかないので、皿を持ったまま器用に真横をスルリと抜ける。食卓の上に皿を丁寧に並べておき、ペットを僕の反対側の席へ座らせた。

「はい、いただきます」

「……いただきはぁす」

 二人で食前の挨拶をして食べ始める。うん、適当に作ったけど十分美味しい。
 僕の朝ご飯は牛の大腿骨の炙り焼きと黒カビと木の枝のサラダ、そしてペットの食事を作るために出たゴミをマヨネーズで適当に和えたものだ。
 ペットの朝ご飯は小麦粉を練って発酵させた手間のかかるモノと卵をなぜか焼いた黄色と白の丸い食べ物、そして葉っぱだけしか入ってないサラダだ。正直、まずそうだけど、このペットはどうも好きらしい。

 必死に食事をしてポロポロ食べカスを落としているペットを見つつ、その落ちた破片をこっそり触手で吸収しながら僕は言った。

「なんかその黒い体毛、長すぎじゃない? 切った方がいい?」

「わかんない、ご主人様の好きにして」

 そういうとペットの人間の少女は、特に興味もなさそうにして食事を再開していた。
 スライムである僕は、髪の毛って美味しいのかなぁと思いながらビニール袋をもしゃもしゃと溶かした。
0376この名無しがすごい!垢版2018/09/18(火) 08:56:24.98ID:fxP6rRWG
>>375
大騒ぎのお題5、375氏が『9』『スライム』『ぬるぬる』『黒髪ロング』を選択でいくぜ、ある家族のかたち!
さあ、休日の朝方『9』時、語り手がうとうとしながら布団でお目覚め〜、重い体は何も起き抜けのためだけならず、ペットが乗っかっているためだw
長く垂れる、ペットの体毛うざったく、頭を小突くも二度寝され、これだめだ起きる気ないパターンだと、洗面所で『ぬるぬる』ヨダレ被害を洗い流しては、まとわりつくペットをかわしつつ、朝食の準備が完了だ〜
「いただきます」に「いただきはぁす」とペットが応じ、喋れるんだ…なるほどw 語り手の食物は、え〜、ん? ゴミのマヨネーズ和え!? そういうことかよ『スライム』おつ! 後半で進む情報開示が全てを明かす! スライムが主人という珍しさが本作オチの隠し味w
375氏がスライムと、『黒髪ロング』少女の織り成すまったり日常感を描き出し、お題消化してラスト! 髪が長くなってきたなァと、トリミングを考えるスライムの、世話焼き親心がほんわかさせてくれた〜
0377たまねぎくんと乳酸菌くんの出会い 1/3垢版2018/09/18(火) 19:36:37.81ID:KS4nhAaO
>>363
使用したお題:『9』『たまねぎくん(ユニオニオン)と乳酸菌くんの出会い(衝撃的な結末を含む)』
たまねぎくんはおうちで寝ている。

ぐー……。

ぐおーー……。(ひっくりかえってる)



たまねぎくんは寝相が悪いのだ! 衝撃の事実!

3じかんご

おきた。(ピコピコ)

……。(ネギネギ)

たまねぎだよ。(タマネッギー)

たまねぎくんの動作を表す擬音は「タマネッギー」なのだ!
また、たまねぎくんそのものを指しても言う。

(お茶いれいれ)

(電気ポットで)(じょばー)

(たまねぎくんの解説:ハイテクだよ。)

たまねぎくんは頭がいいのだ! 凄い!

たっまっねっぎっが、ねーぎ、たまねぎったっまっねーぎー♪
たっまっねっぎっが、たーまねっぎ、たまねぎったっまっねーぎー♪

(町内放送)

任天堂のファミコンゲーム「スーパーマリオブラザーズ」の地上面のBGMは、実はたまねぎくんのために作られていたのだ! その名も「たまねぎソング」。衝撃の事実!

たまねぎくん、うれしそう。(ネギネギ)(さらに笑顔)

たまねぎくんは出掛けた。

(ガチャ)

いってきます。(ネギネギ)

(テクテク)

たまねぎソングを歌うたまねぎくん。

「たまねぎ、たまねぎ、たまねぎ、たまねぎ……」

たまねぎくんはリズム感がないのだ!

はらっぱを歩くたまねぎくん。

(テクテク)

あ、乳酸菌くんだ。
0378たまねぎくんと乳酸菌くんの出会い 2/3垢版2018/09/18(火) 19:38:23.65ID:KS4nhAaO
たまねぎくんと乳酸菌くんの出会いである。


突然カメラが切り替わって……

司会者だよ。(デーン)(ドアップ)

たまねぎくんがドアップになった。

ここはテレビ中継しているはらっぱの一角。

たまねぎクイズ開始だよ。この後二人は何をするでしょうか?

回答するのはホワミルくん四人。別々に点数を競うよ。

ホワミルくんA「はい!」

「ホワミルくんどうぞ」

「わかんない!」
「ぼくもわかんない!」
「ぼくも」
(ミルミル)?

……それでは正解だよ。

(カメラ切り替わる)

(たまねぎくんのナレーション)

二人には仕事があるよ。

のんびりする仕事

テクテクする仕事

ネギネギする仕事

のりに乗る仕事

そして……

何もしない仕事!(デーン! たまねぎくんと乳酸菌くんがドアップ)

……(写ってるのに気づいた)

(きほんのどうさ)

(たまねぎくんの解説:きほんのどうさは両腕を体の横で上下に動かすよ。)

(はしゃぎはしゃぎ)

第2問!

(カメラの周りに9人のたまねぎくんが集まってきた)

(わいわい)

「何が始まるでしょうか? ちなみに……この問題、答えるだけで満点だよ!一問目は外れててもいいよ」(デーン!)(ドアップ)
0379たまねぎくんと乳酸菌くんの出会い 3/3垢版2018/09/18(火) 19:39:50.79ID:KS4nhAaO
衝撃の展開!

ホワミル君たちはうれしそう。

「わかんないよ」
「わかんない」
「わかんない」
「わかんない」

……。

正解は……

(えぐざいるのチューチュートレインの動きをするたまねぎくん達)

(ネギネギ)(楽しそう)

「チューチュートレインでした」

その後なんとたまねぎくん達は……

何もしなかった!

さらに……

昼寝をした!

「ぐー……」
「乳酸菌くん……横に長いね……」

でかたまねぎくんは、寝てるみんなをなでなでしてあげた。

(たまねぎくんの解説:なでなでは片仮名でも平仮名でもいいよ。)

衝撃のTHE END

たまねぎくんからのメッセージ:元気だよ。(ネギネギ)
ホワミルくんからのメッセージ:ホワミルだよ。(ミルミル)
0380たまねぎくんのたまねぎ度垢版2018/09/18(火) 22:05:29.35ID:KS4nhAaO
>>363
使用したお題:『9』

9人のたまねぎくんのたまねぎ度

それは

「かなり高い」

ではなく……

「無限大」

「むげんだい……」(ネギネギ)(笑顔)

ではなく……

たまねぎくん「え?」

たまねぎ!

たまねぎくん「たまねぎ度がたまねぎ……」

(はしゃいでる)

結論

たまねぎくんのたまねぎ度はたまねぎだった。

これは凄い!





デカたまねぎくん「すごいね」

たまねぎくんたち(わいわい)





デカたまねぎくんはみんなに人気なのだ!

(たまねぎくんの解説:なでなでは片仮名でも平仮名でもいいよ。)





おわり
0381たまねぎくんのたまねぎ度(訂正版)垢版2018/09/18(火) 22:18:23.00ID:KS4nhAaO
>>363
使用したお題:『9』

9人のたまねぎくんのたまねぎ度

それは

「かなり高い」

ではなく……

「無限大」

「むげんだい……」(ネギネギ)(笑顔)

ではなく……

たまねぎくん「え?」

たまねぎ!

たまねぎくん「たまねぎ度がたまねぎ……」

(はしゃいでる)

結論

たまねぎくんのたまねぎ度はたまねぎだった。

これは凄い!





デカたまねぎくん「すごいね」

たまねぎくんたち(わいわい)





デカたまねぎくんはみんなに人気なのだ!

(たまねぎくんの解説:「デカたまねぎくん」の「デカ」は片仮名でも平仮名でもいいよ。)





おわり
0383この名無しがすごい!垢版2018/09/18(火) 23:16:05.58ID:wuvx3eDZ
初代スレからいるけど、コメントしづらい短編は初めてだ……。
こういうのもモノとしてはアリなのだろうか……?
0384この名無しがすごい!垢版2018/09/19(水) 08:17:10.40ID:tpaoCFh2
>>377
やつらとの不思議な出会いがやってきた〜、377氏の選択お題は『9』および『たまねぎくん(ユニオニオン)と乳酸菌くんの出会い(衝撃的な結末を含む)』! 歌え、たまねぎランドの歌〜
お題長えw さあ、寝相の悪いたまねぎくんが起床した〜、何もせずとも効果音をネギネギと発し、動作するとタマネッギーと音が鳴るw 
おもむろに明かされたのは、あのスーパーマ○オの音楽が、たまねぎくんのテーマソングだったという衝撃の事実〜、
ネギネギ、ネギネギ言いながら、たまねぎくんが『乳酸菌くんの出会い』をへて、クイズを開始だ〜! 何も知らないホワミルくんに、自分たちの仕事は何か、『9』人のたまねぎくんが何をするかと問いつめるが、回答はヤル気なしの「わかんない」!
でかたまねぎくんが寝入った彼らを撫で回し(いつから居た!?)『衝撃的な結末』だァ〜、百戦錬磨のスレ民もコメントに困る衝撃によってお題を消化〜、たまねぎくんがニッコリ笑い、オニオンづくし・ワンダー・フィニッシュ!

>>381
まさかの連投w 377氏が選択お題『9』で、あいつらを再召還!! 続・たまねぎランドの歌〜
さあ、さっきのクイズの続き、的な遊びなのか、ナレーターが『9』人のたまねぎくんのたまねぎ度をなぞなぞしているようだ〜
9体のたまねぎくんの持つパワー、それは〜、かなり高い! …ではなく〜、無限大! …でもなく〜、答え、たまねぎ! 分かるわけねえw
凄い凄いと褒め称えるデカたまねぎくんが現れて、場はにぎわいを見せる〜、でかいやつが最後に出てくるのはEND感を出すためかw 宣言お題『9』をクリアした377氏がスレをたまねぎ色に炒めきったァ!
0385この名無しがすごい!垢版2018/09/22(土) 23:43:58.00ID:Kr9lapqh
>>363
使用お題:『9』『たまねぎくん(ユニオニオン)と乳酸菌くんの出会い(衝撃の結末を含む)』『ぬるぬる』『スライム』『黒髪ロング』

【些事日記】


「あなたがそんなに甘やかすから……私は知りませんからね!!」
 
 腰まである黒髪をひとまとめにして、妻がブツブツと言いながらキッチンへと消えて行く。
 俺はそんな後姿を横目に見ながら溜息を一つ吐いた。

 今日、息子にねだられるままに、おもちゃを一つ買い与えたのだ……妻の機嫌が悪いのはその所為だ。
 申し訳ないとは思ったが、それにも少し訳がある。

 買ってやった玩具の名前は“妖怪ハウス”と言う物。良く有るキャラクター玩具の一つではあるが、実の事を言えば、自分が子供の頃、買ってもらう事の出来なかったおもちゃの一つだ。
 リベンジ……と言う訳では無いが、どうにも懐かしくなったのも確かではある。


「おー、ぬるぬるー」
「スライムかぁ、こんな物も付いて来るんだな」

 新しい妖怪ハウスにはスライムが付属していた。これも懐かしいおもちゃだ。昔と同じ様なポリバケツ型の容器に入った緑色の粘体。

 昔の妖怪ハウスは、家本体と、ソフトビニール製の指人形が9体程ついて来たと思ったのだが、今は指人形が4体と、このスライムが付いて来ていた。
 もっとも指人形自体は、別売りのセットも有るし食玩でも手に入る。

 少子化の所為もあって大型の玩具の売り上げが下がっている為、大型玩具の本体価格を下げ、それと連動する食玩でプレイバリューを上げてるらしいのだが、なんとも逞しい商売魂だ。

 スライムを本体にセットしたり、人形を絡ませて遊んだりする。
 ソフビ製の人形だから、あまりべたべたとくっつかないと言うのも有るのだろう「敵の攻撃だ〜」等と言いながらスライムを人形の上から落として遊んでいる息子に笑みが浮かぶ。

 ******

『ぼく、たまねぎくん! 君は?』
『……乳酸菌くん』
『出会うはずの無い二人が出会った!! 衝撃のラストはCMの後すぐ!!』

「そういえば、今度、映画が公開するんですって」

 黒髪ロングをドライヤーで乾かしながら、息子を風呂に入れた妻がそんな事を言って来た。
 チラリと時計を見れば午後9時、15分前。
 まぁ番宣か、映画に成ると言う衝撃の告知をするラストって訳だ。

 ……事前に知ってしまったが。

 風呂に入る前に片付けた妖怪ハウスを再び出そうとする息子を妻が叱りつける。
 これから寝ようって時間だ、それも仕方が無い。
 だが、それだけ買って貰った事を嬉しがっているのだと思えば、それはそれで頬が緩む思いだ。

「やー!! いっしょに寝るのぉ!!」
「あなた! あなたからも言ってやってください!!」
「うん?」
「この子ったら、スライムを布団に入れようとするんですよ!」

 ……あ、うん、それは確かに止めないと……
0386この名無しがすごい!垢版2018/09/23(日) 00:05:18.82ID:AOnmaok4
>>375
ファンタジー世界のペット事情w
こんなにハッキリとした意志疎通が可能なペットだと、色々な楽そうですね

>>377>>381
不思議な乳酸菌くんワールドに、今度はたまねぎくんが!
とっても玉葱な世界でしたw
0387この名無しがすごい!垢版2018/09/23(日) 08:33:07.89ID:DDXISHs9
>>385
今回は超難題を含むお題5がそびえ立った! 受けて立とうと385氏が全選択で執筆だ〜、オトナの事情とコドモの夢と!
さあ、私は知りませんからねと、腰まである『黒髪ロング』の妻が辛らつ意見を速射〜! それを横目に、妖怪ハウスなる玩具にハマった我が子を見守る父親が、いや訳があるんだと、自分の買って貰えなかった遊び道具に思いを馳せる〜、
時代の趨勢に合わせバージョンアップした妖怪ハウスは、指人形と『スライム』で構成される『ぬるぬる』仕様で、かつての少年だった父親も、いまや商魂たくましと売り手側の目線を解する大人に成りさがるw
さて時刻は夜の『9』時前だ! 子供番組が『たまねぎくんと乳酸菌くんの出会いおよび衝撃のラスト』のアオリを入れるも、父は映画の予告と見破って〜、ここで超難度お題をクリアw
販売戦略を弄する大人側の事情を察しつつも、子供のワクワク守らねば〜、父が幼少の自分を息子に映し、幼年時代をオーバーラップさせ、かつての少年が玩具を代理購入して次の少年に夢を引き継ぐ二重時間END、385氏が全選択で高山超えをきめたw
0388この名無しがすごい!垢版2018/09/23(日) 18:46:57.50ID:aEueIqt/
>>387
感想有難うございます
たまの休日に、子供と遊びに出掛けた日曜日の父親……と言うイメージで書いてみましたw
0389この名無しがすごい!垢版2018/09/23(日) 20:20:14.87ID:2ukafFFj
>>363  某動画を参考にしながら書きました。参照元の詳細っている?
使用お題:『9』『ぬるぬる』『スライム』『黒髪ロング』
【10個の質問をするゲームのお話】(1/2)
 さて、今日はなかなか珍しい勝負をしかけてきたな。
 どこぞの動画でやってたのを見て、やりたくなったらしい。まったく、単純な奴だ。曰くイエスノーゲームだとかなんとか。

 ルールはこうだ。
 テーマに沿ったお題を出す。お題に対して「イエス」と「ノー」で答えられる質問が10回できる。お題を出した方はその質問に対して、正直に答える。9回は。
 出題者は1回だけ嘘をつくことができる、らしい。また、予想した答えをリストにして、一括に聞くことも可能らしい。ただし、一回だけ。
 うん、一回ルールを聞いただけじゃ完璧にはわからないね。

 とにかく一回やってみよう、と言う話になった。お題は「オレが死んでも食べたくない食べ物」。

「あんたの苦手な食べ物なんてだいたい想像つくわよ。ヤマ勘で当ててもいい?」
「そういうのはなしなし! つまんないじゃんか、っていうか速効で当てられそうだからダメ。どうせならちゃんとゲーム形式に則ってやろうぜ?」

 我儘な。まあそんな幼馴染の自分勝手な提案に真面目に付き合ってやってる私もたいがいヒマ人だが。
 最終的に、答えがわかったら肉まんをおごるという線で決着がついた。本気でゲームに取り組み出す。幼馴染はノートを開いて、シャーペンの芯をかちゃかちゃと出した。
 肩辺りまで伸びた黒髪をくるくる弄りだすのは、考え出したときの私の癖だ。
 さて、食べ物なんて言われても範囲が広い。まずは答えを大雑把に予想しつつ、その範囲を絞るところからやろう。嘘を見破るのは簡単だ、二重の意味で。

「じゃあ質問一つ目。それは和食ですか?」
「イエス」

 だろうな、とは大体予測通りの答えに満足しつつ状況を把握する。次の質問を考える。
 しょっぱなミスリードでウソをついてる可能性を考慮して、次の質問はすぐに決まった。

「二つ目、それは調理されていない和食ですか?」
「イエス」

 これで和食であることは確定した。このゲームのウソの見破り方の定石は2回聞けばいいのだ。それくらいバカでもすぐに察することができる。
 あとついでに幼馴染の鼻を見る。鼻の穴が若干膨れたら嘘をついたり誤魔化したりしてる証拠だ。こちらは正当な方法ではないので、あまり多用したくない。勝ちが確定してしまう。
 あまり奴のアホ面は見ないで行く。

 和食であることは確定。ただ、調理済みか調理済みじゃないかはまだ未確定。ちょっと不安になる。
 幼馴染の出したお題は食べ物だ。調理済みの料理か未調理の現物かで少し事情が変わってくる。後の事を考えると、ここは確定させておきたい。
 ちょっともったいないけれど、同じ質問をする。

「もっかい聞くよ? 調理されていない和食ですか?」
「イエス」

 正直、悔しい。でも確実な情報が3つも手に入れられたから十分だ。
 一つ、和食。一つ、調理されていないもの。一つ、まだ嘘はついていない。
 警戒を緩めず次の質問を考える。今度はちょっと時間がかかった。

「……4つ目の質問、それは発酵食品ですか?」
「イエス」

 これは思いのほか大きいヒントだった。勝ちを確信する。
 日本の料理は大雑把に分けて4つ。発酵食品、生鮮食品、干物食品、そして発酵食品ではない浅漬けのような漬物だ。
 3つ目の質問と同じ方法でどれか一つに限定することができれば、それだけでかなり勝率は高まるな、とは思っていたが、まさか一発目で当たりを引き当てるとは思わなかった。

 5つ目の質問にまた迷う。私が迷ってる間に、幼馴染が急いでノートに今までの質問とその答えをメモっていた。
 こういう細かいところに気がつくのはすごいと素直に称賛する。まあ、単にこのゲームがやりたくて全力を出した結果なのだろうけれども。

 もう一度確認したいが、いちいち確認していたら質問数が足りなくなる。なので対策を考える。
 ここで一つ気づく。そうか、同じ質問を二回繰り返す必要はないんだ、と。なので次の質問はこうする。

「それは浅漬けですか?」
「ノー」
0390この名無しがすごい!垢版2018/09/23(日) 20:21:55.22ID:2ukafFFj
 具体的な食品名を出す。これで「未調理の発酵食品の和食」で「浅漬けではない」ことが確定した。我ながら自分の賢さに感激する。
 浅漬けに対してノーと答えたが、これは確実に嘘ではない。なぜなら浅漬けで嘘をついていたとしたら答えは「浅漬け」になる。しかしその場合、一つ前の質問である「発酵食品である」という情報が嘘となってしまうため、嘘が二つになってしまう。

 なるほど、本気で考えると結構面白い。私も楽しくなってきたので、次はリストで聞いてみる。
 残りの質問回数は5回。そろそろ答えを本格的に当てていかないとまずい。

 しかし残念なことに、もうここで何が答えなのかだいたい予想できてしまった。
 昔から知ってる相手だとこういうところで困る。というか出題者が幼馴染相手なのを想定してないことが悪い。

「6つ目の質問、あなたの苦手なものは、納豆、味噌、塩辛のうちに入っていますか?」

「ノー」

 ノートにルールと今までの質問を書きとめながら、幼馴染がそう答えた。私はその答えに怪訝な表情を浮かべつつ、ノートを参考にさせてもらって少々考える。

 こいつの食生活については結構詳しく知っているつもりだったが、冷静に考えると断定できないことに気づいた。
 納豆が嫌いなのは知ってる。味噌汁もあまり好きではないと愚痴っていた。塩辛は父親に食べさせられて吐き出しかけたと怒っていたことがある。つまり、このどれかだと思っていた。
 しかし「ノー」ときた。つまりこれ以外、ということなのだろうか?
 これ以外だった場合は、すぐには想像できない。質問数がまだ残ってるから何とかなるだろうが、かなり当てずっぽうになるうえ、幼馴染知識に頼ってゲーム攻略せねばならなくなる。何となく負けた気分がするから、それはできればしたくない。
 この3つの内に答えがあれば楽だったのに……とここまで考えてようやく気付いた。この答えが嘘の可能性に。

 嘘かどうかを確認するのは容易だ。そして、たぶん嘘だろう。だから私はもう一度同じ質問をした。

「7つ目ね。もう一度聞きます。あなたの苦手なものは、納豆、味噌、塩辛のうちに入っていますか?」

「はい、ダメ」

 まさかイエスノー以外の言葉が返ってくるとは思わなかった。私は眉間に寄った皺をさらに深くして奴の顔を見る。
 奴は、まるで罠にかかったと言いたげなドヤ顔で、ノートの一か所を指で叩いている。そこを見ると、今回のゲームのルールが書いてあった。

 イエスノーで10回質問ができる。出題者は一回だけ嘘をつける。そしてリスト聞きができるのは一回だけ……!!

「うわ、一回しかリスト形式で質問ができないんだっけ!?」

「その通り、はは、やっぱり引っかかったー」

 嬉しそうに囃し立てる幼馴染。悔しくて「ぐぬぬ」と呻く私。
 挑発されて非常に悔しいけれど、奴の心底楽しそうな笑顔にちょっと動揺してしまう。こんな表情久しぶりに見た気がする。状況も忘れて少し見とれた。

【10個の質問をするゲームのお話】(2/3)

 私はすぐに頭を振る。いや、今は勝負の最中。本気で戦ってる最中なんだから浮かれちゃダメ。よし、平常心。

 一回しかリストで聞けない。だから嘘かどうかの確認はできない。でも、うん、そうだな。対応策はある。
 前の質問で嘘をつきましたか、こう聞けばイエスかノーで判断できる。なんだ、とても簡単じゃないか。
 そう思って7つ目の質問を再度口にしようとして、私の中の何かが警笛を鳴らした。あれ、ホントにそれでいいのか?
0391この名無しがすごい!垢版2018/09/23(日) 20:23:19.22ID:2ukafFFj
【10個の質問をするゲームのお話】(3/3)

 ダメだ、と私は状況を再度考慮する。6つ目の質問が嘘だった場合は問題ない。7つ目がイエスになるだけだ。
 しかし、6つ目の質問が本当だった場合が問題だ。その時私が出題者だったら、7つ目の答えにイエスと答える。だってそうすれば、結局6つ目の質問が嘘だったか本当だったかわからなくなるからだ。7つ目の質問にも嘘かどうかの確認の質問がいる。

 つまり残り5回の質問権のうち、3回をリスト聞きの確認に使わねばならないのだ。
 そして最後に残り2回でリスト内か、リスト外かの物を断定せねばならない。困った。

 リスト内のものだったら確認が取れるが、リスト外だった場合はどうしたものか。
 2回で決定打までもっていけるか? いや無理だ。単純にモノが思いつかない。

 ここで長考に入った。悩んで、悩んで、悩んで、考えて、悩んで、悩んで、幼馴染の「まだ?」という催促に「待ちなさいよ」と半キレで返して、悩んで、悩んで、ふと思いついて、考えを決めた。
 私は質問をした。

「7つ目の質問ね。前の質問で嘘をつきましたか?」

「イエス」

 これは想定通り。そして私はもう一度同じことを聞いた。

「8つ目の質問、前の質問で嘘をつきましたか?」

「ノー、ってもうこれで答えは確定させられちゃうかな」

 幼馴染が憮然とした顔をした。その通りだ。答えは納豆、味噌、塩辛のうちどれかに決定したのだから。
 一番の手がかりになるはずのリスト聞きのとき、嘘をついて「ノー」と答えたが、結局二回の確認で嘘がバレてしまったので、もうあとは詰将棋を詰める状態になった。安堵のため息を吐く。
 ぶっちゃけ負けてもいいやと思ったのが逆に功を奏したようだった。勝ったら奴と一緒に肉まんが食べれる、負けたら負けたで、奴の嫌いな食べ物がわかる。それならどっちでもいいやと思ったのだ。
 それに、勝敗関係なくおまけもあるし……。

 9つ目の質問で「納豆かどうか」を質問し、答えは「イエス」。嘘はもうつけないので、10個の質問を使い切る前に答えがわかってしまった。
 私はスライムのように机にべったりへばりついて項垂れている幼馴染の頬をツンツン突く。

「ていうか、まーだ納豆食べれないの? ほんとに日本人なのかなー、うりうり」

「やめろよな。それに納豆は臭いしヌルヌルしてるし嫌いで何が悪い。あー、もう。肉まん奢るよ。遊んでくれてありがとな。でも結構楽しかったろ?」

「まあね、結構頭使ったしね。でも、どうせなら嫌いな食べ物より最近気に入った食べ物、とかの方がいいと思うよ。だいたい目星ついちゃったし」

「あーそっかー。そこまで考えてなかったわ。くそー、今度やるときは難しいのにするからなー」

 私は負け惜しみを言う幼馴染の口調にフフと笑い、その後真剣な表情を作った。そして楽しかったと浮かれている奴の耳を引っ張ってこちらを向かせる。

「いてて、なんだよいきなり」

「あのさ、まだゲーム終わってないよ。10個目の質問がまだ残ってるんだけど」

「ん? 何言ってんの。納豆って答えわかっちゃったし、もう終わりでいいんじゃ……」

「アナタこそゲームのルール忘れてるんじゃない? 1回の嘘を除いて9回は正直に質問に答えるって。そういうルールでしょ? 私の聞きたいことは、それは……」

 愛しい彼から正直に聞きたいことなんて、たった一つしか思いつかなかった。
0393二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/09/23(日) 22:13:20.50ID:ME8YDX7T
お題『9』『たまねぎくん(ユニオニオン)と乳酸菌くんの出会い(衝撃的な結末を含む)』『ぬるぬる』『スライム』『黒髪ロング』締切

【参加作品一覧】
>>375【どこにでもある、ごく普通の、ありふれた日常】
>>377【たまねぎくんと乳酸菌くんの出会い】

>>380【たまねぎくんのたまねぎ度】
>>381【たまねぎくんのたまねぎ度(訂正版)】
>>385【些事日記】
>>389【10個の質問をするゲームのお話】
0394二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/09/23(日) 22:18:49.73ID:ME8YDX7T
さて……
あまりむちゃなお題は考えものだけど、ルールで縛るのもなんだかなぁと思うので、その辺は安価の方に任せます。作品数だけで言えばいつもより盛り上がってましたし……。
ということで、いつも通り行きましょう
>>395-399
0395この名無しがすごい!垢版2018/09/23(日) 22:20:21.67ID:L++9oFsY
スケルトン兄弟
0400二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/09/23(日) 23:41:37.22ID:ME8YDX7T
☆お題→『スケルトン兄弟』『秋』『伊丹市昆虫館の「てんとうむし」か「はち」(テントウムシは可愛い方)』『「では、そろそろ始めましょうか」』『お月見』

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK

☆締め切り→9/30の22時まで

☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>393より。

【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】
0402この名無しがすごい!垢版2018/09/24(月) 01:10:58.89ID:jmqouCiY
スケルトン兄弟ってUndertale?
0403この名無しがすごい!垢版2018/09/24(月) 01:57:04.96ID:eCGYo4EC
ストレートに考えればそれですが、彼ら以外に兄弟のスケルトンがいないとも限りませんから(震え声)
0404この名無しがすごい!垢版2018/09/24(月) 07:16:02.01ID:eCGYo4EC
>>389
微笑ましい二人のやり取り
昔馴染み故に直接聞きたい言葉……と言うところでしょうか?
0405この名無しがすごい!垢版2018/09/24(月) 08:28:48.96ID:R3EMV3B+
>>389
前回お題、最終語り手となった389氏が、『9』『ぬるぬる』『スライム』『黒髪ロング』を選択し、会話劇を演じるぞ〜、10の質問!
さあ主人公は、幼馴染とゲームに興じる『黒髪ロング』女子〜、やってみよう10の質問で答えを絞り込んでいくゲーム、ただし回答者は嘘を一回、混ぜることができる〜
幼馴染からのクイズは「オレが死んでも食べたくない食べ物」だ〜、どうなる、って、大づかみに和食で範囲を限定した主人公が、またたく間に三品まで絞込み〜、知り合いは反則w
最初から精度の高い推測が、嘘の偽装も質問連打で見破って、質問『9』つはや終了! 納豆は『ぬるぬる』してるし嫌いだと、『スライム』のごとく敗北ふやける幼馴染、彼が耳をひっぱられた先に待つのは、え、主人公の、マジ顔!?
ゲームはまだまだ終わらない〜、ルール上、もう正答しか手がない回答者から、最後のこたえを聞き出すまでは〜、趣旨が中途半端な関係どうなっちゃうんだゲームに変わり、389氏が盛り上げるだけ盛り上げて、ラストは隠蔽〜、続編予告おつENDだァw
0406この名無しがすごい!垢版2018/09/24(月) 10:55:50.96ID:mZ0TntMN
やりようによればスケルトン兄弟なんてどうとでも処理できる。1個思い付いたけどオチが弱くてまだ形にならない・・・

>>400
>>385【些事日記】 に一票。よくこんな難しいお題を処理できたなぁと感心したから
0407この名無しがすごい!垢版2018/09/24(月) 11:04:04.42ID:xq0sk08o
たっまっねっぎっが、たーまねっぎ、たまねぎったっまっねーぎー♪

「が」はいらなかった

たっまっねっぎっ、たーまねっぎ、たまねぎったっまっねーぎー♪

こうだったわ
0408この名無しがすごい!垢版2018/09/25(火) 22:05:29.83ID:KqK91iL3
>>400 ちょっと強引だったかも。面白いと思え(命令
使用したお題:『スケルトン兄弟』『秋』『「では、そろそろ始めましょうか」』『お月見』


【ヤバイ人たち】(1/2)

 うちの妹はおかしい。

「では、そろそろ始めましょうか」

 そう言って妹は手に持った十字架を掲げた。天に祈るように小さな十字架を握りしめ、目を閉じる。
 我が妹ながら見た目はなかなか可愛いらしいし、静かに祈る彼女の姿はまるで敬虔なシスターのようだ。ただ、やってることはおかしかった。

 妹は目を瞑ったまま、オレに指示をしてきた。

「お兄ちゃんは何もしないでいいから。ただ、見てて」

 オーケーと返事をする。まあ、正直何をすればいいのかわからないし、これ以上は何かやりたいとは思ってない。
 だから可愛い妹に見ててと言われたら、願ったりかなったりだ。後ろからぼんやり見るだけにする。

 妹は、いわゆる厨二病に目覚めたのだ。男のそれはよく耳にするし、自分もなったことがあるけど、我が妹がそうなるとは思わなかった。ビックリしたものだ。
 妹は天使の生まれ変わりの春を超え、右手に封じられし獣の夏を超え、今は悪/魔教の秋だった。
 黒いローブと黒いマニュキュアとスケルトンの兄弟のアクセサリーが痛々しいけど妙に似合っている。

 妹の自称・悪魔召喚の祈りは続いていた。だんご状の生贄を乗せた台を前に、まんまるの月に向かって、悪魔に何か言葉を送っている。
 ただ……妹よ、それは「お月見」と呼ばれるイベントじゃなかろうか?

 後の黒歴史確定だろう。だが、オレは妹のその行為を否定しなかった。
 妹が「お兄ちゃんに頼みたいことがあるの」と言われて、今日がんばってその準備を手伝ったからだ。
 おそらく反抗期だから素直に誘うわけにもいかず、でもオレと一緒に月を眺めたかったからこんな回りくどいことをしたのだろう。
 いつまでもお兄ちゃんっ子だなぁとオレはほっこりしながら、天に何かを祈る妹と一緒にお月様を眺めていた。

…………

 うちの兄はおかしい。

「お兄ちゃんも他に何かしようか?」

 開始の合図をした私に向かって、兄がそう聞いてきた。私はビクリとしつつ、何もしないでいいと返事をした。
 兄が後ろから私を見ていることを意識しつつ、私は天に祈りをささげた。

 兄は、何かおかしい。昔から私の面倒を見てくれて、いつも私の味方になってくれて、すごく優しい兄だけど最近その行動がおかしいところがある。ビックリしたものだ。
 兄は私の願いを叶えるためならどんな不法も犯してしまう。春に私が天使のようなアイドルになりたいなぁと言ったら嗤った同級生の顔を何十回も殴った。
 人をそんなに殴らないで、とお願いしたら夏の暑さを物ともせず右手を包帯でぐるぐる巻きにして封印してしまった。そして今回もちょっとしたお願いをしたら、これだ。酷すぎる。
 神への贖罪へと思って手に血がにじむほど十字架を握りしめ、喪に付すという意味で黒い布を頭からかぶり、お気に入りの骨の人形を手に祈りを捧げる。

 私は兄の蛮行の謝罪を天に祈る。だんご状になった生贄を用意したのは兄だが、用意させた原因は私の不用意な一言だ。だから、お月様に向かって真摯に謝罪をする。
 傍から見ればお月見にも見えなくないが、そんなことはどうでもいい。

 お兄ちゃんが変なことをしないように見張ろうと思い、余計なことをしでかさないように「おだんごを用意して」とお願いし、そうしたらまさかこんなことになってしまった。
 お兄ちゃんは本当に困った人だ、そう思いながら私はお月様に「兄が普通になりますように」とお願いしていた。
0409この名無しがすごい!垢版2018/09/25(火) 22:11:03.69ID:KqK91iL3
【ヤバイ人たち】(2/2)

 うちの子たちはおかしい。

 何のやり取りをしているのかわからない。でもおかしい、おかしすぎる。前々から気付いていたけど、今回は酷すぎる。

 後ろから隠れて見守る分には、仲のいい兄妹だ。一緒にお月見なんてして、可愛いもんだ。
 普通この年代だと反抗期で喧嘩ばかりと聞くけど、この子たちはいつも一緒にいて本当に仲が良い。それは良い。だけど、それ以外が問題だ。

 春は妹がバカにされたって言って同級生を半/殺しにした。夏には自らの手の筋を斬った、何かを封印するためだとか言っていた。
 そして今回は、これだ。大量の猫の首がお月見のお団子のように積み重なっている。

 おかしいのは兄だけではない、妹もそうだ。同級生が半殺しにされたのに彼女たちの心配はせず、兄の手ばかり心配していた。兄のギブスのついた腕を見てニコニコ笑っていた。
 今は大量の猫の生/首に見つめられながら祈りを捧げている。おかしい、絶対におかしい。

 いくら母親とはいえ、ここまでおかしいとわかったら見逃すわけにはいかない。警察、はさすがに可哀想だけれど、その手の病院に連れて行くべきだろう。
 内科ならいいところを知っているけれど、精神/科なんて聞いたこともない。いったい私はどうしたら……。

 私はお月見なんてする心の余裕なんてなく、電話帳を探しながらオロオロしていた。


…………


 この人間はおかしい。

 大量の動物の首と血を贄に捧げ、満月に祈りを捧げる。珍しく正しい悪/魔/召喚をしている者を見つけたからその様子を確認してみれば、どう考えてもおかしい。

 召喚主の心の中を読んでみると「兄が普通になりますように」という願いが占めていた。別にそれは構わないのだが、この兄は妹に依存しているようだった。
 悪/魔への願いの対価は契約者の魂である。妹が死んだらこの兄は普通に発/狂すると思うのだが、それはいいのだろうか? よくわからない。

 ……まあ、いいか。儀式は正しいものだし、願いを聞き入れるのは私の役目だし、願いを叶えた後の結果は私の知るところではない。望みを叶えてやろう。

 ああ、それにしても良い月だ。あの供え物も美味しく食べられるだろう。仕事はさっさと終わらせるか。
0410この名無しがすごい!垢版2018/09/26(水) 00:09:02.83ID:ZiVu7H5Y
3行で読むのめんどくさくなっちゃった
やっぱ俺って小説向いてないわ、なんだかごめんね
0412この名無しがすごい!垢版2018/09/26(水) 09:41:35.01ID:Yah++cNb
>>408
短編スレの月見は続く〜、408氏のお題選択は『スケルトン兄弟』『秋』『「では、そろそろ始めましょうか」』『お月見』、黒歴史エスカレーション!
さあ、厨二きわまり『スケルトン兄弟』のアクセサリーが痛々しい妹の、『では、そろそろ始めましょうか』なる号令で、兄と二人の悪魔召喚がおこなわれている〜、
天使転生、封印の右手、悪魔教と遍歴して季節は『秋』、だんごを捧げて月に祈り、悪魔と契約って、やってることは二人で『お月見』じゃないかフフ、と兄のろけw
だが妹主眼の視点では、妹守らんとする兄の殴打事件が明かされて、彼女の願いは兄の正気に向けられる〜、ところが母親視点では、二人の自傷や猫虐待のリアルが露見し、どっちとかねえw
ラスト! 召喚された悪魔が求める対価は命、厨二じゃ済まないところまで状況悪化だァ〜、視点シャッフリングで408氏がお題四つを踊らせて、黒歴史のステップ刻み、猫の恨みをはらしてみせたッ!
0413この名無しがすごい!垢版2018/09/27(木) 11:02:50.12ID:XQQsjZ71
変なお題があるから投稿しづらいのかな。自分ばっかあげることになりそうで少々心苦しい……
0414この名無しがすごい!垢版2018/09/27(木) 18:25:50.70ID:gWCJFl2g
先取りお題システムはまだ未導入です
0416この名無しがすごい!垢版2018/09/28(金) 19:45:03.47ID:acymguJz
自分で出したお題の「ではそろそろ始めましょうか」が地味にムズイ。
これを生かすと他の題が邪魔になり、逆に他の題を埋めようとすると台詞が入らなくなる・・・
0417この名無しがすごい!垢版2018/09/28(金) 20:02:21.04ID:acymguJz
>>400 正直、微妙かも……なんかオチが上手くできなかった。
使用したお題:『スケルトン兄弟』『秋』『「では、そろそろ始めましょうか」』『お月見』

【ある兄弟のお月見】

 冬に僕たち兄弟は死んだ。

 兄とは何度も喧嘩したけれど、仲良し兄弟だった僕たちは冬の山で遊んでいたらクマに襲われて殴り殺された。冬眠失敗して飢えていたそのクマは、できたばかりの死体を食べた。
 体の肉をほとんど失って、僕はしゃれこうべになった。

 春に僕の死体は腐った。

 草木が萌ゆる季節になって、虫たちが活発に動き出した。ほんのわずかに骨にこびりついていた肉が彼らの良い餌になった。
 肉片がなくなって骨が綺麗になった。ちょっとだけ嬉しい。

 夏に僕の骸骨は乾いた。

 暑い日が続いた。雨に打たれ泥まみれになっていた僕の骨は、強い日射しで熱を持ち、泥が剥がれ落ちた。前より綺麗になった。
 何かの動物がいたずらで僕の腕を地面に突き立てていった。両手をあげてるみたいで少し恥ずかしい。

 秋に僕の髑髏はお月見をした。

 お団子の代わりが僕の頭、すすきの代わりが僕の両手になるけれど、お月見と同じになった。虚ろな洞となった僕の目玉にお月様の光が差し込んでいる。
 兄さんも見てくれているかな?

「ああ、見ていますよ」

 そうなんだ、よかった。

「うん。では、そろそろ始めましょうか」

 うん、一緒にお月見をしようね。

 僕は髑髏の上に兄さんの足が乗ってるのを感じながら、空高く上るお月様を眺めていた。
0418この名無しがすごい!垢版2018/09/29(土) 08:26:12.00ID:t2+sIRWd
>>417
417氏が冥界から兄弟を召還! お題『スケルトン兄弟』『秋』『「では、そろそろ始めましょうか」』『お月見』を選択、スケルトン草子絵巻〜
さあ、書き出しで僕たちは死んだ、などと地縛霊化した語り手が、風情豊かに語っていく四季のおりおり〜、
冬にはクマに襲われて、春には腐敗で虫にたかられ、夏には泥浴びの憂き目にあう〜、なんと悲惨なるシーズンの味わい、こいつは言わば、枕草子アンデッドw
で、『秋』には『お月見』ということで〜、野生動物のいたずらにより、バンザイ状態になった腕骨すすきに見立てては、兄の言葉『では、そろそろ始めましょうか』って、おったのかそこにw
月夜に照らされ団子のごときしゃれこうべ、骨になっても団欒変わらず、足の骨を頭蓋に載せた(?)『スケルトン兄弟』の定点観測は、417氏のお題消化を経て、スプラッターフィニッシュをきめた!!
0419この名無しがすごい!垢版2018/09/29(土) 11:53:00.58ID:0MS0Fjok
察しの良い競馬実況さんにも読めなかったのなら、おいらの書き方が悪かったな。忍びねぇ・・・
弟は「仲が良い兄弟」「二人とも死んだ」と思いこんでるけど、実際は「兄だけ生きてる」「殺したいほど弟が憎い」だった、っていうオチのつもりだったんだけど。言葉足らずに表現足らずだったわ、失敬しますたm(_ _)m
0420この名無しがすごい!垢版2018/09/29(土) 20:52:01.24ID:t2+sIRWd
なんのなんの
兄だけ生声っぽいし、もしかしたらとは思ったよ
断言できんなと思って(?)にした
甘かったw
0421この名無しがすごい!垢版2018/09/30(日) 00:45:45.38ID:1vOscXpL
いや、断言できなかったのなら書き手の書き方が悪かったんだと思うわ。
深い解釈を盛り込む著名作家とかならともかく、わかりやすさも短編には必須事項だと思ってるから・・・スマンネアリガトネ
0422この名無しがすごい!垢版2018/09/30(日) 20:02:30.05ID:1vOscXpL
一つ思いついて書き始めたら妙に筆が乗ってしまい、6000文字オーバーしたった。
普通の短編としてなろうに投稿しようかな・・・
0423この名無しがすごい!垢版2018/09/30(日) 21:20:45.24ID:pL9lpI/B
>>400
使用お題:『スケルトン兄弟』『秋』『伊丹市昆虫館の「てんとうむし」か「はち」(テントウムシは可愛い方)』『「では、そろそろ始めましょうか」』『お月見』

【映月下ノ故郷】(1/2)


(ひふみよいむなやここのたり)

 ガシャリ……と、鎧が音を立てた。

 芒に似た草の生える草原に映える満月。
 日本で言えば中秋の名月とも言えるその月を肴に杯を傾ける。

「世界が違うと言うのに、月の美しさは変わらず……か」

 そこに胡坐をかいていた壮年の男は、鎧の音に頓着を見せず、朱色の盃をグイっと呷る。
 薄い琥珀色の酒は彼の望む清酒では無いが、しかし喉の焼けつく様な強い酒精は、彼の好む物だった。

「満月は人心を乱し、狂気を呼ぶと言う。ならば、既に狂気に囚われた者には、どう影響するのか……」

(ひふみよいつなやここのたり)

『グ……ウゥ……』

 壮年の男が酒盃になみなみと酒を注ぐ。月が映り込んだそれに、男は自らの血を一滴たらした。
 鎧の男の方を向くと、それを突き出す。

「月下甘露です。お飲みなさい」
『ウ……ウゥ』

 鎧の男は、ブルブルと震える手でそれを受け取るとぎこちない動きで酒を口にした。

『ウ……う……ああぁぁ……』
「……先ずは、初めましてと言う事かな? ご同郷……私は中村 勘寧と言う者だ」
『ウ……あぁ……オレ……おれ……俺は……ショウ……た……佐藤……翔太』

 そう語り始めた鎧の男の顔には一切の皮も肉も残ってはいなかった。そう、その男はスケルトンだった。

 そもそも勘寧がこの平原へと足を運んだのは一つの噂話を聞いたからだ。
 ヘルア平原の死霊戦士……この世界では珍しくも無いアンデットの噂だったが、そもそもこの死霊戦士はフラフラと現れる割に、人を襲ったと言う話は無く、しかし、近付けば、その種族特性により、ライフドレイン……生命力吸収は掛けられてしまうのだと言う。
 ならばと討伐しようと言う事に成っても、スケルトンの戦士の割に腕が立つ為、返り討ちに成る冒険者が後を絶たなかったのだ。
 積極的に人間を襲わない事も有り、その懸賞金は安く、その内、誰もその討伐依頼を受けなくなったのである。
 だが、勘寧が気に成ったのは、その死霊戦士が現れる時に呟いていると言う言葉だった。
 そのいくつかの単語に、勘寧は聞き覚えがあったのだ。

 勘寧は転移者だった。いや、彼の知識内の言葉を使えば神隠しと成るだろうか?
 ともあれ、勘寧は唐突に異世界へと転移していた。
 彼は元々陰陽師であった事も有り、この不思議な現象にも柔軟に対応する事が出来たのだ。
 故郷に……日本に帰る為、勘寧は冒険者をする傍ら、情報を集めていたのだが、そんな折に、“ヘルア平原の死霊戦士”の噂を聞きつけたのである。
0424この名無しがすごい!垢版2018/09/30(日) 21:23:33.28ID:pL9lpI/B
【映月下ノ故郷】(2/2)


 ******

『弟は昆虫が好きでさ、せがまれて良く、昆虫館にも行ってたんだ……知ってるかい?』
「……伊丹市……でしたか?」
『そう、そこにある蜂の模型が特にお気に入りでさ……』

 スケルトンは手に持った小さなシャレコウベを愛おしそうに撫でながらそう言った。
 スケルトン……佐藤 翔太もまた、勘寧と同じ転移者だったらしい。
 彼は年の離れた弟と共にこの世界に転移して来たのだと言う。
 翔太もまた、勘寧と同じ様に冒険者をして日々の生活を繋ぎながら日本に帰る術を探していたのだった。

 しかし彼が不幸だったのは、盗賊に襲われ弟を攫われた事。そして彼が弟と再会できたのは、彼の弟が奴隷として売られ、病気で捨てられた後だった事だろう。
 幼い彼の弟はその病気が元で命を失い。翔太自身もまた、心の支えで有った弟を亡くした事で、失意の内に、このヘルア平原で無念を抱えたまま死んでしまったのである。

 スケルトンとなった翔太の話を勘寧は時に相槌を打ちながら、ただ聞いていた。
 そして、言葉が途切れ、翔太だったスケルトンがポツリ、と口にした。

『……帰りたい』

(ひふみよいむなやここのたり)

「では、そろそろ始めましょうか」
『え?』

 甘寧は盃になみなみと酒を注ぐと、それに、自らの血を一滴たらす。

「古来から、月は別世界の……死の世界への入口とされてきました」
『何を……?』

 そして、自分の横に置いてあった月見団子を彼の前に置き直した。

「十五夜の月見団子は、十五個の団子を金字塔の形に置きます。空に向かって数の減るこの形は、月へと向かう道標であり、またこれも死者の国への入口とされています」
『え?』
「異世界の入口へと向かう死者の国への道標です……帰り……たいのでしょう?」

 そう言って勘寧は、盃を翔太の方からだと月見団子の登頂にある様に見える角度に置いた。その盃の酒には満月が映っていた。

『かえ……れる……』
「帰れます」
『かえ……れ……る?』
「はい」

 スケルトンが額ずく様に盃を覗き込む。本来であれば、骸骨のそのおぞましい顔の映る筈の盃には、しかし、煌々と輝る月が映っていた。

(ひふみよいむなやここのたり)
「さあ、弟さんも待っています……お逝きなさい……」
『あ、ああ……あああぁぁぁ……』

 甘寧が優しくスケルトンの頭を押す。

 ちゃぽん……

 盃の月が水紋で揺らめいた。

 ******

 静かに月が照らす平原で、勘寧は朱盃に酒を注ぐと、一人それを飲み干したのだった。
0425この名無しがすごい!垢版2018/09/30(日) 21:29:33.50ID:pL9lpI/B
>>417
不思議な読後感のお話ですね
死して崩れて行く様は九相図の様ですが、一人称の為か、悲壮感や無常感が無いと言うw
0426二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/09/30(日) 22:03:19.66ID:uGmAJyQ1
お題『スケルトン兄弟』『秋』『伊丹市昆虫館の「てんとうむし」か「はち」(テントウムシは可愛い方)』『「では、そろそろ始めましょうか」』『お月見』締切

【参加作品一覧】
>>408【ヤバイ人たち】
>>417【ある兄弟のお月見】
>>423【映月下ノ故郷】
0427二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/09/30(日) 22:05:18.09ID:uGmAJyQ1
お題『9』『たまねぎくん(ユニオニオン)と乳酸菌くんの出会い(衝撃的な結末を含む)』『ぬるぬる』『スライム』『黒髪ロング』投票締切

【得票数一覧】
>>385【些事日記】一票
0429この名無しがすごい!垢版2018/09/30(日) 22:10:04.30ID:ef57TExd
野球
0434二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/10/01(月) 01:27:31.05ID:xxZ8TIK3
☆お題→『野球』『水平線』『同じセリフを3回』『コンビーフ』『厨二』

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK

☆締め切り→10/7の22時まで

☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>426より。

【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】
0435この名無しがすごい!垢版2018/10/01(月) 08:19:07.97ID:N7CN9M2O
>>423
秋の難問お題5、423氏が散らばる題の収斂こころみ、果敢、全選択を宣言だ! ゲートは月下に開かれる!
さあ、ひふみよと、死者蘇生の言霊ひびく物語のなかで、満月が『秋』の草原に映え、男とスケルトンが酒宴に座している〜
弟は『伊丹市昆虫館の蜂』の模型が好きだったと語るしみじみ型スケルトンw その正体は、異世界冒険者のアンデッド〜、小さなドクロと化した弟とともに、彷徨える魂となっている〜
帰りたい、そう悲痛に漏らしたスケルトンの言葉を聞いて、『では、そろそろ始めましょうか』と語る男が、塔形をなす『月見』団子に呪力を宿し、盃にゲートを招来していく〜、
非業の死をとげた『スケルトン兄弟』を、月のゲートが送り出す〜、バックに流れる祓詞は、魂清めるクリアランスソングとなって、うん読後感きよらか! 解決職人423氏、怨念となった難題五つを昇天させて、明鏡止水のきわみEND!
0437この名無しがすごい!垢版2018/10/01(月) 19:14:08.96ID:N8JnWKDg
>>434 意外とさくっと思いついた。
使用したお題:『野球』『水平線』『同じセリフを3回』『コンビーフ』『厨二』

【あなたの望みはなんですか?】

 あなたの望みは何ですか?
「え? うーん、あ、おもちゃがほしい、です! あたらしくてカッコイイやつ!」
〜〜〜
 あなたの望みは何ですか?
「えっと、今度のテストで100点取りたいです。最近おもちゃ買ってくれないけど、100点取ったら何でも買ってくれるって……」
〜〜〜
 あなたの望みはなんですか?
「あー、いつもの人かー。えっとさー、オレバカだから今スポーツマジ頑張っててさー。ほら、あれだ。オレの右手の封印を解いて、ホームラン打ち放題になるようにしてくんね?
 水平線にまでかっ飛ばせるくらい。頼むよー」
〜〜〜
 あなたの望みはなんですか?
「あ、おひさしー。体力ないから代打打者扱いだけどさ、オレのおかげで甲子園優勝して、今ちょーモテモテなんだよね。で、さ。ちょっと面倒な奴がいてさ。
 いや、一回生でヤっただけなのに彼女面してるメンヘラがいてさ……あいつを、ちょっと、な? 上手い事やっといてくれよ。頼むぜ?」
〜〜〜
 あなたの望みはなんですか?
「あ、金! かねかねかねかね寄越せ金だ金金金!! もう女はコリゴリだし、頭もわりーし体動かすのもダメだからバイトも無理!
 クソ親にも見捨てられたし、海苔とコンビーフしか食うものがねぇ……でも金は嘘つかねー! 金さえあれば人類みな幸せだ! ほら、いつもみたいにオレに大量の金をくれ! 早く!!」
〜〜〜
 あなたの望みはなんですか?
「……ようやっと気づいたよ、お前が悪魔だってことに……。お前、オレの願いを叶えるたびに、オレから何かを奪っていきやがったな?
 冷静に過去を思い返すと、何か願うたびにどんどん失っていってる……。今のオレは……なんにもねぇよ。お前のせいだ。お前が悪い。そうだ、全部、全部お前が悪いんだ! 死ね! 死んでオレに謝れ!!
 早く消え……いや、やめろ! 願いを叶えるな!! お前がもし消えたら、次はオレが消され
0438この名無しがすごい!垢版2018/10/01(月) 22:04:43.12ID:MamU/a8p
なんか似たようなものを前にも見た気がする
ただの気のせいかもしれないけど
0439この名無しがすごい!垢版2018/10/01(月) 22:54:14.60ID:N8JnWKDg
マジか、引き出しの少なさを露呈した気分。
私のボキャブラリーはリカちゃんハウスの本棚レベルだ
0440この名無しがすごい!垢版2018/10/02(火) 07:16:40.71ID:OCunPffC
>>435
感想有難うございます
最初はギャグにしようと捏ねくり回して居たのですが、出来上がると真逆な物にw

>>437
人の欲望は底知れず……と、言った所でしょうか?
疑問も持たず、安易に欲望を叶えた代償は自滅と言う、有る意味、因果応報ですね
0441この名無しがすごい!垢版2018/10/02(火) 08:34:15.67ID:MOlWjUI8
>>437
さっそくお題制覇に乗り出した437氏が提出だ、>>408外伝か? 地獄の釜のフタの封をとくのは貴方!
さあ、『あなたの望みは何ですか?』とこだまする天の声に、無邪気な子供がおもちゃを願う〜! さらに繰り返される天の声、
おもちゃを買ってもらえなくなった少年が、テストで100点のご要望〜、次のターンでは、少年が声に対して封印の右手の解放求める『厨二』を見せるw 勉強は苦手だけども『野球』では、『水平線』までかっ飛ばせるくらいのバッターになりたい!
『同じセリフ3回』クリア〜、さらに成長し青年となった彼が言う、メンヘラ彼女を始末してくれ、『コンビーフ』と海苔しかないから金をくれw
ラスト! 天の声は悪魔の囁き〜、おもちゃ・智力・体力と、目先の欲望を叶えるごとに、問題解決能力を喪失していく負のトラップ、天に任せる人生など無きも同じよと、437氏がついでに語り手ごと消し去って、転げる地獄坂ENDでお題制覇だァ!
0442この名無しがすごい!垢版2018/10/02(火) 18:39:21.63ID:Is9rbXs+
競馬実況さんの何がすごいって、作品に差が出ないように文字数計算してるところよな。
いつもお世話になっとりますm(_ _)m
0443この名無しがすごい!垢版2018/10/02(火) 20:49:27.73ID:MOlWjUI8
そんな大したもんではないw
こちらこそどうぞよろしく m(_ _ )m
0444この名無しがすごい!垢版2018/10/04(木) 20:08:12.00ID:bK8N6mNW
>>434

使用お題:『野球』『水平線』『同じセリフを3回』『コンビーフ』『厨二』
>>52の続編
【夕焼けに染まる砂浜】

 誰もいない小さな島に私と幼馴染の庄司の二人きりで取り残されてしまっていた。
 とはいっても満潮の関係で今は歩いて移動が出来ないだけで、泊まっていた貸し別荘は海を挟んで歩いていける距離にある島にある。……どうしてこうなった。

 もう1人の幼馴染の達也と庄司のお姉さんの4人で一緒に泊まりの旅行へ出発したのが昨日の話。
 そして達也とお姉さんの急用で庄司と2人になって海開き行ったのが先週の事。その時には熱中症で倒れてしまい、思ったように遊ぶ事は出来なかった。
 それを不憫に思ったのか、お姉さんの伝手でこの小さな島の貸し別荘を借りてきてくれたのが今回の事の始まりである。
 正直なところ、お姉さんに庄司への恋心を打ち明けたのは失敗だったと思う。

「ふぁーはっはっは! この地は既に我が手中にある!」
「何をバカな事やってるの……?」
「見るがいい。あの赤く燃える海を! 我が前世よりのパートナーよ!」
「……うるさいわよ!」
「あ、痛!? ちょ!? もうやらないから勘弁!? 紗佳、ストップ! 悪かったって!?」

 太陽の沈んでいく水平線に向かって手を伸ばし、厨二病全開のバカな発言をしている幼馴染の庄司に向かって砂浜に流れ着いていた野球のボールを投げつける。ついでに砂もぶつけてしまえ!
 中学生の頃は厨二病が酷かったけど、高校生になって落ち着いたと思ったんだけどね。まぁ凄い綺麗な夕焼けだけどさ。
 ……それに、その……パートナーとかはね、もっと他の機会に言って欲しいというか……。

 しばらくそういったやり取りが続いた後、砂浜に座り込んだ庄司の隣に私も腰を下ろす。……お姉さん、ついでに達也、2人きりにしてくれるのは嬉しいんだけど、毎回露骨過ぎる!
 絶対あの2人、もうすぐ満潮で渡れなくなるのをわかってて、この小島に連れてきたよね。……いつの間にか居ないんだもん。

「誰もいねぇ……」
「……そうだね。2人きりね」
「早く戻りてぇ……」
「……うるさいわよ!」
「あ、痛!? え、今のはなんで!?」
「……うるさいわよ」
「わ、悪い……」

 二人きりなのを少し喜んでる私の気持ちも考えて欲しいものだ。ここぞとばかりに庄司の肩に体重を預ければ、庄司も静かになった。うん、こういう時間もいいとは思う。
 少し顔が熱くなってる気がするのはきっと気のせいだよね。……この前はカップルと呼ばれて、庄司は否定していなかったけど私の事どう思ってるんだろう?
 
「あーなんか腹減った」
「……そういえば私も。ご飯食べる前だったもんね」

 ぼんやりと砂浜で2人並んで座り、夕暮れの景色を眺めていく。お姉さんと達也の故意の行動だろうから、このまま潮が引いて歩けるようになるまで放置という事はないと思う。多分、迎えに来てくれるはず。
 そう考えていたら、何やら島の反対側の方からガチャガチャと音が聞こえてきた。

「ん? なんか物音しなかったか?」
「うん、確かに聞こえたね」
「……見に行ってみるか」
「……うん」

 小島の反対側へ見に行って見れば、そこには何やらコンビーフやシーチキン、トマト、コーン、ミカンやモモ等など多種多様な缶詰が置いてあり、多少の調理が出来るように鍋と卓上コンロ、そしてテントがあった。……え? もしかしてこっちで2人で泊まれって事!?
 ちょっと、そこのボートに乗って離れていくあからさまに荷物を置いていった達也、待ちなさい! 流石にその覚悟はまだ出来てないから!?

「……とりあえず飯作るか?」
「……うん、そうだね」

 緊張で心臓が爆発しそうになりながら料理をしたけど味なんて分からなかった。……まぁ食べ終わった頃を見計らってお姉さんが達也を叱りながら迎えにきたけどね。うん、今回はこれで良かったって事にしておこう。
0445この名無しがすごい!垢版2018/10/05(金) 08:33:51.72ID:71ryXgqu
>>444
あれやこれやの計略でふたりが露骨に引っ付けられていくイチャシリーズ続編! 444氏がお題全選択で描く、キューピッド・シーズン4の登場だァ〜
今回の舞台は満潮の島! 庄司くんと紗佳さんが孤立し(させられ)二人きり! さあ、おもむろに、『水平線』に向かって手を伸ばし、この地は既に我が手中にあると、イタい発言をする『厨二』の庄司くん〜、
ハイハイうるさいと、紗佳さんが『野球』ボールや砂などを投げつけ、イチャコラ空間を作り上げている〜
早く戻りてえと感想を漏らす庄司くんに、紗佳さんがうるさい×2を投げつけ『同じセリフ』カウント3! ラスト、二人を島に置き去りにした悪友が、『コンビーフ』やシーチキンを輸送し逃げていく〜w
周囲がだんだん業を煮やし始めたか、進展せぬならさせてしまえと、なりふり構わなくなってきたシリーズは、なかば嫌がらせの域に近づきつつも、次の計略に望みをたくすw 444氏、お題フルクリア!
0446この名無しがすごい!垢版2018/10/05(金) 09:12:45.95ID:wqJa1ryE
>>445
いつも感想ありがとうございます。

確かにもう嫌がらせに域に近いですね。
でもどう見てもカップルに見えるのに付き合ってないところに、業を煮やした周囲ですw
0447この名無しがすごい!垢版2018/10/06(土) 17:40:53.51ID:q0n+1fXE
>>444
周囲から祝福され過ぎるカップルw
全力で成立させられようとする二人ですが、庄司くんが、その幸福に気が付く日は来るのでしょうか?
0448この名無しがすごい!垢版2018/10/06(土) 18:33:13.52ID:2OwVr/VC
>>447
感想ありがとうございます。
この2人がどうなるかは正直分かりませんw
何か思いつくお題の組み合わせがあれば、また続きがあるかも。
0449この名無しがすごい!垢版2018/10/06(土) 20:54:46.47ID:4+IjjM89
一つ思いついたけど野球に詳しくなかったから書けなかったツライ
次のお題をまつべ。
0450この名無しがすごい!垢版2018/10/07(日) 06:57:50.33ID:8CkktMzR
>>434
使用お題:『野球』『水平線』『同じセリフを3回』『コンビーフ』『厨二』

【終末の俺伝説】(1/2)


 少し小高い山の間、遠くに見えるのは海だろうか? 内陸にも近い場所なのにも拘らず水平線が見えるのは余程の奇跡が積み重なった結果だろう。

「山に来たにも拘らず、母なる海を見届ける事が出来るとはな……フッ……かの海すらも、この俺の成長を見守ってくれている……と言う訳か……」

 誰に聞かせる訳でも無いのに、そんな気障な言葉が口を突く。
 だが、そんな事をしている場合ではないと思い直し、改めて登山用の大きなバックパックを担ぎ直して俺は山道を進む。

「“刻”は近い……」

 急がねばならない。
 道と言うには心許ない藪の合間。獣道と言って良い道なき道を俺は進む。
 より、本当の冒険に近いと言える。だからこそ、自分の鍛錬には持ってこいとも言えた。

「この辺で良いかな?」

 早朝から動いたおかげで、まだまだ時間は早い。山頂に近いなだらかな斜面に草の生い茂る空地を見つけると、俺はそこで準備を始める。
 バックパックを下ろし腰元に手を遣ると、腰から特殊警棒を抜き放つ。
 一振りされたそれが本来の長さを取り戻し、手に心地良い重さを感じさせた。

 踏み込み、横に薙ぐ。返す刀で振り上げ、そのまま振り下ろす。

「……技と技の合間に隙が多いか……フッ、俺もまだまだだな」

 呟き、俺は自嘲した。腰まである草が足元を不安定にさせていると言う事も有るだろうが、“敵”が襲ってくる場所が、常に安定した場所であるとは限らない。

「つまり、より実践的……と言う事でもある」

 草を踏みしめながら警棒を振り回す。片手で、両手で、そしてまた片手で……
 つぅっと俺の頬に汗が流れる。気が付けば、日が中天に届きそうな位置にあった。

「……動きっぱなしと言うのも、効率が悪いしな……それに、冒険者たるもの休める時には休んでおかねば……」

 多少空腹を覚え始めた腹をさすりながら、そう呟く。火を熾しても平気な様に、十得ナイフで2m四方程度の草を刈ると、林の中に取って返って木の枝を拾い集める。
 だが、思ったよりも時間が掛かった。
0451この名無しがすごい!垢版2018/10/07(日) 07:00:01.92ID:8CkktMzR
【終末の俺伝説】(2/2)


 俺は急いで火を熾す。この鍛錬を始めた当初は、木の板と枝をこすり合わせて火を付けようとしていたが、今はそんな事に時間を消費しているのも馬鹿らしいと思い直し、虫眼鏡を使って火を着けている。
 マッチやライター等は、マッチそのものやガスが尽きてしまえばそれまでだが、虫眼鏡で有ればいくらでも使えるからだ。
 フッ、これで異次元に召喚されたとしても野営で苦労する事は無いだろう。
 だがそんな事はどうでも良い。今は現実の問題だ。

「“刻”は近い……」

 太陽を眺めながら俺はそう呟く。
 ともあれ、今は昼飯を作らねば。
 俺はミックスベジタブルの缶詰とコンビーフの缶詰、そして道々で採取した食べられる野草を飯ごうに入れ、火にかける。
 ミックスベジタブルは水煮に成っている事も有って、余計な飲み水を用意しなくて良いから助かる。それに、缶詰ならば日持ちもする為、その“刻”が来た時にも重宝するだろう。
 だが缶詰だけではビタミンが足りなくなるかもしれない為、気を付けないといけない。
 だからこそ、俺は食べられる野草の事をネットで調べておいたのだ。

 沸騰し、良い匂いが立ち始めたそれをお椀に移す。
 ……うーん、ミックスベジタブルとコンビーフは良い出汁も出ていて美味しいと思うのだが、野草から青臭さと苦みが出ている。食べられなくはないのだが……俺は少し眉を顰めた。
 だが、来るべき“刻”には、生鮮野菜など手に入らないだろう。なら、この味にも慣れておかねばならない……

「……鍛錬を再開するか……」

 昼食を終え、少し休憩した俺は、飯ごうやお椀を片付けると立ち上がった。
 そして再び、俺は警棒を振り回す。全ては“約束の刻”の為に……

 ******

「オーライ! オーライ!」
「……野球場か?」

 日も傾いた事も有り、鍛錬を中止し山を下りた俺が出て来たのは、山城公園にある野球場だった。
 藪を掻き分け、林の中から出て来た俺の事を野球をしていた男達は、奇妙な物に出くわしたかの様な顔で見て来た。
 まぁ、仕方が無いだろう。安寧にどっぷり漬かり、平和と言う毒で目の曇った者達には、“刻”の到来を予見する術など無いのだから。
 だが、その平穏な日々が破られる時は、すぐそこまで迫っている。そう思うと、今、この日常を謳歌するのも大切なのかもしれない。

「“刻”は近い……」

 何も知らぬ一般人に多少の憐れみを感じながら、俺は呟き、拠点でもある現世の家へと歩みを進めたのだった。
0452この名無しがすごい!垢版2018/10/07(日) 09:25:28.00ID:+SPS3BGH
>>450
来るべき“刻”に我も参戦だ、と乗り込んできた450氏がお題全選択で続くぜ、俺の黙示文学!
さあ、山に来たにも拘らず、母なる海に見守られることになるとは〜と、大時代的なもの言いで『水平線』に臨む俺くんが、山頂付近に到着だ〜
「“刻”は近い」と一人ごち、腰から抜くは特殊警棒、一人で警棒ヨコに振っては、タテに振り下ろす単純な練習〜、『厨二』の重い症状だ〜
警棒ふって疲れた俺くん火おこし始め、文明の産物、虫眼鏡と缶詰に頼り始める〜、これはいけない、中途半端! 中途半端サバイバル! 「“刻”は近い」と言いつつも、野草と『コンビーフ』に顔を歪めラスト、
『野球』場でギョッとされ、悔し紛れに「“刻”は近い」と『セリフ3回』をこなした俺くんは、傷ついた身体を休めに、帰路についたのだったァ! うん、おつかれw 450氏がお題フルクリアで笑わせてくれた!
0454二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/10/07(日) 22:04:58.79ID:7BAgvqsD
お題『野球』『水平線』『同じセリフを3回』『コンビーフ』『厨二』締切

【参加作品一覧】
>>437【あなたの望みはなんですか?】
>>444【夕焼けに染まる砂浜】
>>450【終末の俺伝説】
0457この名無しがすごい!垢版2018/10/07(日) 22:12:28.90ID:T3AOsNpD
将棋か囲碁 ただし「将棋」「囲碁」という言葉だけではなく、その戦略や勝負についての何か具体的な知識
(格言や、序盤はこういう風に指す、または打つ、あるいはタイトル戦の真剣勝負の時はこの棋士は○○を食べる、など。
あるいは、囲碁や将棋の戦略を会社の経営に応用する、また逆に孫子の兵法が将棋や囲碁に通用する、などと語ってもよい。
とにかくゲームの内容について言及すること。)

将棋と囲碁は好きな方、あるいは可能なら両方
0458この名無しがすごい!垢版2018/10/07(日) 22:24:42.65ID:IqmncLsg
『雑談』
0459この名無しがすごい!垢版2018/10/07(日) 23:23:01.70ID:hzs0+vAi
『文学少女』
0462この名無しがすごい!垢版2018/10/08(月) 00:33:49.98ID:GqHpFffJ
なんでお題って聞くと自分の知識をひけらかしたい感じのが混ざるんだろ・・・
そんな複雑なお題笑点で見たことあるのかっていう。
0463この名無しがすごい!垢版2018/10/08(月) 00:37:01.39ID:7IcfmSRn
将棋って基本的なルールしか知らないし、囲碁に至ってはルールすら知らないんだけど、縛りきつ過ぎ……。
色々調べてからじゃないとどうしようもならん。
調べたからって思いつくとも限らんし……。
0464この名無しがすごい!垢版2018/10/08(月) 01:21:28.82ID:tOpR5UCO
こういう難題は無視でいいんじゃないか
お前らも無理に全消化しようとしなくていいんだよ
0466二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/10/08(月) 04:17:13.79ID:aMSK/CDE
☆お題→『影法師』『囲碁か将棋』(『』『』『』

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK

☆締め切り→10/14の22時まで

☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>454より。

【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】
0468二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/10/08(月) 04:18:54.18ID:aMSK/CDE
☆お題→『影法師』『将棋か囲碁(詳細は>>457)』『雑談』『文学少女』『混ぜる』

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK

☆締め切り→10/14の22時まで

☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>454より。

【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】
0470この名無しがすごい!垢版2018/10/08(月) 09:21:55.09ID:7IcfmSRn
>>468

使用お題:『影法師』『将棋か囲碁』『雑談』『文学少女』『混ぜる』

 これで『将棋か囲碁』のお題クリアになってるかは自信はないですが……。

【影法師と文学少女】

 図書室の一角にある机で一人の文学少女が本を読み耽っていた。いつもの日課で本であれば何でも読むという彼女が今読んでいるのは『将棋入門』という本である。彼女は将棋の事はろくに知りはしないからだ。
 そんな彼女の前に人影が現れる。……影だけが。

「やぁ、また本を読んでいるんだね」
「……またあなた? ……なんでいつも影だけなの?」
「いやいや、つれないねぇ。何度も言うけど、僕の事は影法師とでも呼んでおくれ」

 図書室の壁に影だけで現れるから影法師なのだろう。それはどう見ても影だけで動く謎の存在だ。そろそろ日が暮れ始め、昼と夜が混ざる時間帯になってきた。
 そんな時にその影法師はいつも現れる。ただただ彼女と雑談をする為だけに。

「いつもは小説とかを読んでいるのに今日に限ってなんで将棋なんだい?」
「……あなたに教える気は無いよ」
「あれま、これは嫌われたものだね。……僕はそれなりに将棋には詳しいつもりなんだけどね」
「……ほんと?」

 影法師はいつも彼女が興味を持つように、その時に読んでいる本に関わる知識を混ぜるようにして雑談を持ちかけてくる。影法師はどんな本に対しても同じ様に沢山の知識を持っている。それはそれは不気味な程に。

「どうしてもというのなら、将棋の事を教えてあげるけど?」
「……あなたに教わるのは何か嫌」
「あらま、つれないねぇ。例えるなら今の君は『ヘボ将棋王より飛車を可愛がり』かな?」
「……それはどういう意味なの?」
「将棋の格言さ。将棋において一番大事なのものは『王』なんだ。でも、それを忘れて必要以上に『飛車』を大事にしてしまっている状態の事だよ。今の君にとっての『王』と『飛車』はなんだい?」
「……私にとっての『王』と『飛車』? 今の私の一番大事なもの……」

 彼女にとっての『飛車』とはこの影法師から教えを拒む事。そして一番大事な『王』は『将棋入門』の本を読んでいた理由。……大好きな祖父が入院してしまい、今は退屈を持て余している。だからこそ彼女は祖父の大好きな将棋を覚えようとした。
 祖父は強がってはいるが、彼女と彼女の両親は医者からもう祖父は長くはないと聞かされている。その前に祖父との思い出を作りたかったのである。そう、祖父の大好きな将棋で。

 「……分かった。影法師、将棋を教えて」
「そうこなくっちゃね。あぁ、でもごめん。僕は将棋盤には触れないから、駒を置くのは君に任せるよ」
「……それくらいは問題ないよ」

 彼女は安物ではあるけども持ち運びのできる簡単な将棋盤を持っていた。それを使って、影法師から将棋を教わっていく。
 不気味な影法師ではあるけども、そこに悪意はなくただ純粋に将棋を教えてくれたのであった。

 しばらくの後、彼女の祖父は息を引き取った。しかし、その最期の間際には孫と大好きな将棋を打って、最後の楽しい思い出に満足した笑みを浮かべる老人の姿があったそうだ。
 そしてそれ以来、彼女が図書室で影法師を見る事はなくなった。
0471この名無しがすごい!垢版2018/10/08(月) 19:30:39.33ID:gexklUs9
>>470
影法師は、さしずめ図書室の妖精といったところでしょうか?
心温まるお話で面白かったです
0472この名無しがすごい!垢版2018/10/08(月) 20:56:58.57ID:7IcfmSRn
>>471
感想ありがとうございます。
影法師は祖父と孫の関係を影で支えた何かですね。
その正体は妖精かもしれません。
どこかでまた誰かを影から支えているのでしょう。
0473この名無しがすごい!垢版2018/10/09(火) 08:58:20.91ID:aYAwursR
>>470
進行氏も寝ぼけまなこな秋の夜長に470氏がおくる、和みの全選択作品〜、黄昏の一手!
さあ、昼夜が『混ざる』逢魔がときの図書室で、さし込む夕陽に形どられ、なにやら教則本を読み耽る、ひっそりとした姿の『文学少女』〜、目前に登場するは、『影法師』!?
彼女と『雑談』するために現れた、歩く図書館、知識の妖精、鶴は千年亀は万年、謎の影があらわれて、なんで『将棋』の教本なんかをと、少女に真意を問いただす〜
想いを秘める少女の様子に、ヘボ将棋・王より飛車を可愛がりと、何もかも見透かしているよな影法師が格言弄して実技指導w ラスト〜、将棋を覚えし文学少女とコミュニケーションした祖父の大往生だ〜
心と心をつないで見せた、テレパスのごとき影法師は470氏の現し身か〜、さっそく全お題をすり抜けた身のこなし、見事! バチッと駒音ひびかせて、即詰みENDだ!
0474この名無しがすごい!垢版2018/10/09(火) 12:43:21.77ID:aIC2UdwC
>>473
いつも感想ありがとうございます。
見透かしている影法師は、どこかでまた誰かを影から支えていくでしょう。

今回は格言を調べて使えそうなのから逆算して書いたけど、元々自分の中にない知識を題材に使うのはキツいですねぇ……。
0475この名無しがすごい!垢版2018/10/13(土) 21:02:59.19ID:WLFLtvHK
>>468 うーん、恋愛物は上手く書けん。
使用したお題:『影法師』『将棋か囲碁』『雑談』『文学少女』『混ぜる』

【裏側にあるモノ】

「将棋の駒って、どうして裏返しになると強くなるのかしら?」

 私はふとそう呟いた。たまたま目を落としていた文庫本に将棋のシーンが出ていたからだ。
 同じ部屋で一緒に本を読んでいた彼もまた、本から目を離さずに答えた。

「単純に強くなる表現の一環だろ。敵陣深く食い込んだ兵隊って、敵からすれば相当厄介だろうし。
 だからと言って新しく駒を用意するわけにはいかないから、裏返しで強くなる表現をしたかっただけなんじゃないかな」

「確かにゲームの手法という観点から見ればそうだけど、裏返しというのがすごく意味深に思えない? その駒には裏の顔があって、敵の王の近くにいると本性を現す、みたいな」

 私の言い分に「ふむ」と相槌が返ってきた。チラリと顔を下に向けたまま目線だけを彼に向けると、彼は本を見ながら眉間に皺を寄せて少し考えていた。

「言われればそう思えなくもないけど……でもそれだと変じゃないか? 一般的に裏側というものは弱いとされている。
 ジキルとハイド然り、影法師然り、古今和歌集然り。だいたい裏側扱いされてる者は負ける定めじゃないか。強いとは思えないよ」

「そんな古典文学や純文学の裏の意味と、戦争疑似体験ゲームの将棋の裏返しをごちゃまぜにしなくても……」

 私は呆れつつクスリと笑った。思考のベースが小説である彼は、何かと考えがズレている。だけど、それが嫌じゃない。
 彼はまた「ふむ」と一息おいて、本から顔をあげて私の方を見た。私は逆に急いで本に視線を戻す。目が合わなかっただろうか、こっそり見ていたことがバレなかっただろうかとドキドキする。
 だが彼は一切気づかなかったらしい。冷静に自分の考えを述べる。

「確かに。でもやはり納得はいかない。裏側というものは悪しきもので消え去るもの、消し去るものという認識が日本古来のものだ。
 大昔に発明された将棋にその考えが生きていないという考えは納得できない。やはりそこまで深い意味はなく、単純に駒を有効利用しようとした結果なんじゃないかと思うけど……」

「まあ無難に考えたらそうよね。深く考えるほどのことじゃないのかもしれないわ。でもね」

 ここで一呼吸。本題はここからだ。本から目をあげて、初めて彼の顔を真っすぐに見つめた。
 私はせめて事前に考えていた台詞を噛まないように神に祈った。

「人の一番強い思いみたいなのは、その人の裏側に隠されてる、って考えることもできるんじゃない?」

「ふむ……」

 彼は再び熟考する。私は彼がまた思考の渦に潜っていった様子を見て、安堵したような落胆したような複雑な気持ちになった。
 小説が好きで、文学的な物言いが好きで、洒落た表現が好きなくせに、私の台詞の真の意味をいつも理解してくれない彼の真剣な表情を困ったように見た。
 私の裏側にある気持ちはいつ彼に伝わるのだろうか、そんなことを思いながら、何かを考えてる彼を少しだけ赤らんだ顔で見つめていた。
0476この名無しがすごい!垢版2018/10/14(日) 08:20:04.88ID:+07JC0N3
>>475
475氏が恋愛物は上手く書けんといいながら複雑模様を書いてきた、駆け引き上手は恋上手!
さあ、物語は『文学少女』と小説オタの男女が二人、本読みながら『雑談』交わすシーンよりはじまった〜
文学少女が主張する、『将棋』の駒が成駒になって強くなるのは、駒に裏の顔があり敵陣深くで本性を現すからだと〜、対する小説オタの反論は、
成駒は単に盤の都合で、一般に裏側というものは弱くて負ける定めであるからして裏が強いという法則はない、そう、すなわちジキルとハイド然り、『影法師』然りw 例え強引だw
文学少女、このひと小説と将棋をごちゃ『混ぜ』にしてるとややウケで、でもやっぱり裏には何かがあるんだよと頬赤らめて自説をゴリ押しィ! なんてことない言葉の裏には触れなば落ちんのラブトーク、475氏がお題貫徹! リバーシブルENDをじりじりきめたッ
0478この名無しがすごい!垢版2018/10/14(日) 19:31:13.23ID:hPcWZ8A+
>>475
「言わなくとも分かってほしい」そう言う想いがある……と言う事ですね
果たして理屈屋の彼が、その情動に気がつく日は来るのでしょうか?
0479この名無しがすごい!垢版2018/10/14(日) 19:47:30.14ID:hPcWZ8A+
>>468
使用お題:『影法師』『囲碁か将棋』『雑談』『文学少女』『混ぜる』

【ホーカゴ・コーシャ】(1/2)


 橋立 結は、大きな溜息を吐きながら文学部の部室に向かっていた。彼女の半歩斜め後ろには同じ部活の春日野 圭章が苦笑しながら着いて来ている。

 本日の部長会の予算決めでは、活動実績に応じた予算が決められたのだが、その会に於いて、文学部の来年度予算は実に200円と言うものだったのだ。
 実際、文学部の活動は部室に寄り集まって、各々で本を読んだり雑談をしたりしているだけなのだから予算自体は無くても構わない。

 だが……

「まぁ、正論だよね」
「私の所為じゃないもん」

 部員では有っても、部長や、まして副部長でも無い結は、部長連の先輩方にこれでもかと嫌味と注意と説教を受けて来たのだ。

 これもそれも、全ては現部長と副部長の所為である。部連会長、小湊 宮子のお言葉によれば「予算決めの様な重要な話し合いに、部の長たる部長が来ない等、あり得ないでしょう?」との、事である。
 その意見には、結も全く同意の為、反対意見など口にする気にもなれなかったのだ。

 結は何度目かの大きな溜息を吐くと、文学部の部室の扉に手を掛けた。

 ******

「ん? んん?」
「えっと、これで矢倉の完成かな? なぁ、合ってるか? これで合ってるか?」
「…………」

 扉を開けた結は、そのまま床に崩れ落ちた。眼前では、全ての元凶たる先輩である所の部長、竹橋 実乃里と副部長の新井 大志が、一つの盤上で将棋と囲碁をチャンポンにしてゲームを行っていた。
 おそらく、何某かの本の影響を受けたのだろう。
 この二人は物語に感化されると、とりあえず真似をしたがるのだ。
 ベースは将棋盤なのだろうが、そこには態々マジックで囲碁盤の線が引いてあると言う、無駄な力の入れようだった。

 「外す事の出来ない用事が有る為」と、結を部長会に送り出した二人が、こうして部室で遊んでいるのを見れば、結ならずとも崩れ落ちるのも致し方ないだろう。
 実乃里は囲碁のルールがそもそも分かって居ないのか、石で囲い“地”も作らず、盤上にひたすら碁石の塊を作り続け、大志の方はと言えば、定跡のページと睨めっこをしながら、兎も角、将棋の守りの戦法である“矢倉囲い”を作っていた。

「何を……」
「ん?」
「ああ、橋立、御苦労」
「何をしているんですか! あなた方は!!」

 声を荒立てる結に対し二人は……

「囲碁?」
「将棋だ」

 と、当たり前の様に返したのだった。
0480この名無しがすごい!垢版2018/10/14(日) 19:49:34.65ID:hPcWZ8A+
【ホーカゴ・コーシャ】(2/2)


 ******

「先輩たちのせいで物凄く怒られたんですよ!?」
「へー……」
「それもまた経験だぞ? 橋立」

 確かに最終的に部長会に出る事を決めたのは結だが、しかし、部室に着いた途端に「外す事の出来ない用事が有るから、部長会ヨロ〜」と走り去り、問答無用で彼女が行かなくてはいけない状況を作ったのは、この二人である。
 そんな部長たちに、ここまで他人事の様な態度を取られた結は、怒りのあまり絶句し、口をパクパクとさせる事しか出来なかった。

「まぁ、落ち着きなよ結ちゃん。部長たちがこんなんだって事は、最初から分かってたでしょ?」
「で、でも! 圭章くん!!」

 半ば涙目になる結に、圭章は穏やかな笑みを浮かべながら「でも確かに」と呟く。

「今回の事は、流石に無責任すぎですよ? 部長連の小湊さんも随分おかんむりでした」
「うえ、宮子怒ってたか……」

 そこは既に3年もの付き合いがあると言う事だろう。般若と化した宮子の顔を思い出し表情を歪める実乃里。
 大志のほうは、それでも我関せずと言った様子で「振り飛車とゴキゲン中飛車ってのは何が違うんだ?」と、定跡の本を見ながら首を傾げている。
 因みに“ゴキゲン中飛車”とは、飛車を王、又は玉の前に置き、角筋が開いた状態で戦う“振り飛車”の一種であり、まったく別の指し筋を表す名前では無い。

「まぁ、来年の部長は結ちゃんなんだから、ここは一つ予行練習だったって事で……」
「そう言う問題児では無くて!! …………はい?」
「ねぇ、圭章、囲碁ってこんなんだったけ?」
「ちょ、ちょっと部長!?」
「……囲碁は囲った交点が自分の領土なるんですから、それだと全くの打ち損ですよ?」
「マジか……」
「マジです」
「ちょ、部長! 話を聞いて下さい!!」

 圭章に指摘され項垂れる実乃里。しかし結の頭の中は、先程の実乃里の言葉でパニックに成っていた。

「なぁ、圭章、これってどうやったら俺の勝ちに成るんだ?」

 すでにカオス状態の盤上だが、良く分かって居ない大志は、それでもこのゲームが成立するのだと思っているらしく、真顔で圭章にそんな事を聞いて来る。
 圭章は若干の呆れを含ませた溜息を飲み込んで、彼の質問に答える。

「…………リバーシが混ざって来るのを防げば勝ちじゃないですか?」
「ん? そうなのか? なら、リバーシも買ってこなくてはいけなかったのでは無いか!?」
「あ、あたし、チェスの方が良い」
「ちょ、部長ォ〜!!」

 放課後の部室。夕映えの日の入るその場所に伸びる影法師は、いささかの不協和音を奏でながらも、しかし、楽しそうに重なっていたのだった。
0481二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/10/14(日) 22:51:30.72ID:nFIyaykK
お題『影法師』『将棋か囲碁(詳細は>>457)』『雑談』『文学少女』『混ぜる』締切

【参加作品一覧】
>>470【影法師と文学少女】
>>475【裏側にあるモノ】
>>479【ホーカゴ・コーシャ】
0483この名無しがすごい!垢版2018/10/14(日) 22:55:19.86ID:aaB154n6
『設計』
0485この名無しがすごい!垢版2018/10/14(日) 23:13:10.99ID:mS1Sw4JL
『アへ顔ダブルピース』
0488この名無しがすごい!垢版2018/10/15(月) 08:27:51.89ID:gb7YzhkJ
>>479
一周年だと……戦慄とともに確認したら、パート1は2017年10月17日に立っていたァ、線路は続くよどこまでも、野を越え山越え谷越えて、それでもお題はやってくるゆえ〜、479氏の全選択! ミックスマックス文芸部!
さあ、文学部所属、『文学少女』の結さんが、部長会で勝ち取った予算200円とともに涙の凱旋〜、『雑談』と読書しかすることのない部室では、
『囲碁と将棋』をチャンポンにしたゲームが行われているw 床に崩れ落ちる結さんの前で、将棋と囲碁が入念なルール説明とともに火花を散らす〜、見事なる『囲碁と将棋』のクリアー!
しかし、どうなれば勝ちなのか見えない戦い、観戦者の部員くんが、リバーシ『混ざ』ってくるのを阻止すれば勝ちだとよく分からないことを言い、ラスト!
ハチャメチャ部室に夕日が伸び入り、踊って重なる『影法師』、ライトな展開は影法師のビジュアルにより遠きに感じる懐かしさへと変転し、479氏のお題全制覇は思ひでになった的ENDだ!
0489二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/10/15(月) 11:24:58.99ID:YCHuz4kg
☆お題→『設計』『異世界』『アヘ顔ダブルピース』『カボチャ』『暖色』

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK

☆締め切り→10/21の22時まで

☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>481より。

【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】
0490二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/10/15(月) 11:29:51.39ID:YCHuz4kg
一応確認ですが、全年齢向け作品でお願いします。

もうすぐ一周年か……来週は一周年版でお題特殊なのにしよう
0491この名無しがすごい!垢版2018/10/15(月) 13:55:11.91ID:xm0XFZU3
>>489
使用お題:『設計』『異世界』『アヘ顔ダブルピース』『カボチャ』『暖色』

死神とサブミッション母のコラボ続編です。

【臨時の仕事】

「……今年もこの季節がやってきましたか。やれやれ、なぜ日本でこのような事態に……」

 ここ数年で急激に広まったハロウィンの季節がやってきました。そしてそのどさくさに紛れてこの世ならざる異世界からの来訪者が現れるようになってしまったのです。……なぜ他の文化圏の祭りを混ぜてしまったのでしょうか。
 おかげであの世という異世界へ続く扉の設計を組み直す事になってしまっているではないですか。本来は先祖が一時的にこの世へ帰ってくるための仕組みだったのですが悪用されてしまっては困るんですよ。
 まだ設計の組み直しも途中なので数年はこの状況が続くため、こうして本来の仕事以外にも駆り出される始末。……おや、あそこの母娘に話しかけている少年のような者は……。

「トリックオアトリート?」
「……あんた、この世の者じゃないね?」
「お母さん、一体何と話してるの?」
「彩花は気にしなくていいの。……ほら、あっち行きなさい」
「ふふっ、イタズラだね?」

 やれやれ、早くも異世界の者が出ましたか。少年のような身体ですが、その頭部はカボチャをくり抜いた空洞で、暖色の灯りが灯っています。
 この手のイタズラ好きの者が多く紛れているので対処が大変です。本来、このような仕事は死神の私のものではないんですけどね……。
 それにしても、この中年の女性は只者ではありませんね。娘と思われる方も中々の霊力をお持ちのようで。

「……失礼。これの対処は私の方で請け負いますよ」
「……何者だい? 人間じゃないね?」
「あっさりと見破りますか。まぁご心配には及びません。ただの死神ですので」
「へぇ、あんた死神なのかい。初めて見たよ」
「え、お母さん!? この人って死神なの!?」
「……嘘じゃみたいだね。私じゃどうやったって敵いそうもないさ」

 まぁ、死の予定にない者には何もしませんけどね。私の基本的な仕事はただ死者の案内をするだけですし。……今日の仕事は例外ですが。
 ですが、そちらの娘さんの背後霊は少し無視は出来ませんね。悪霊化の兆しは欠片もありませんが、どうしたものでしょうか。

「あー、これはウチの旦那だよ。……万が一の時は私が成仏させるから見逃しちゃ貰えないかね?」
「……あなた程の力があれば問題なさそうですね。悪霊化の兆しもありませんし、守護霊へとなりかけているので見なかった事にしておきますよ」
「そうかい。ありがとね」

 そのような簡単なやり取りをして、カボチャ頭の異世界の者を引き剥がして行きます。……地味に面倒なんですよね、これ。

「あんた、何邪魔してくれてんだよ!? 折角、イタズラを仕掛けようと思ってたのに!」
「……異世界から来て、勝手な事をされまくっても困るのですよ。……ちなみにお聞きしますが、どのようなイタズラをするつもりだったのですか?」
「あの若い娘の方にあれこれやって、アヘ顔ダブルピースでもさせようかなと……痛い!?」
「即座にあなたは送り返します! 公衆の面前で何をやらかす気ですか!?」
「えー別に良いだろー!」
「良い訳ないでしょう! 即座に帰ってもらいますよ!」
「あー!? 今回まだ何も出来てないのに!?」

 設定し直した異世界への扉を開き、カボチャ頭を送り返します。……こんな変態的なイタズラなどされてたまりますか!

 それから何人もの異世界の者を捕まえては送り返しましたが、今年の者達は変態ばかりでした。……去年より遥かに疲れてしまいましたよ……。何なんですか、今年の連中は!
0492この名無しがすごい!垢版2018/10/15(月) 18:30:08.14ID:ff++lc6U
>>488
感想有難をいつもうございます
本格的な将棋のさし方やら囲碁の打ち方なんかを書こうと思うと、短編ではまるで文字数が足りないと判明し、こんな形にorz
0493この名無しがすごい!垢版2018/10/15(月) 18:36:56.14ID:ff++lc6U
うわぁ
下げそびれました

>>491
死者の活動日は、死神の活動日出もあるんですねw
某、高校生死神の様に娘さんの職業に死神が追加されなくて良かったw
0494この名無しがすごい!垢版2018/10/15(月) 19:57:26.90ID:xm0XFZU3
>>493
感想ありがとうございます。

近年急に起こるようになった事態に苦労している死神さんです。
娘の方に死神の職業追加は全然考えてなかったですねw
0495この名無しがすごい!垢版2018/10/16(火) 08:30:48.00ID:mACnVa4H
>>491
あれから〜♪ ぼくたちは、何かを信じてこれたかなあ〜♪ って夜空の向こうに映し出された一年前のスレパート1初お題はハロウィン! なお出題者は俺w 491氏が全選択だ、サブミッション・グリムリーパー、ハロウィンズ!
さあ、他文化を貪欲に取り込みすぎたジャパンにて、開放されし『異世界』の扉を『設計』しなおさんとする死神が、頭を抱えて登場だ〜
目前の中年女性が、トリックオアトリートを仕掛ける少年を、あんたこの世の者じゃないねと喝破している〜、霊体にサブミッションをかける霊能母が再登場、守護霊の旦那といっしょに身構えるぞ〜
よくよく見れば少年は、頭部は『カボチャ』で空洞の、『暖色』ともした異界の住人! 何をする気だと聞かれれば、女子に『アヘ顔ダブルピース』をさせるのだと答える最低なやつ、死神がすみやかに強制送還だw
今年は変態ばかりと呟く死神〜、ってかちょうど一年前の投稿にも死神ネタあったけど…いやまさか、って感じで491氏、抜く手も見せぬ題即斬! ノルマ瞬殺END〜w
0496この名無しがすごい!垢版2018/10/16(火) 10:04:47.01ID:2jTGUKby
>>495
いつも感想ありがとうございます。

季節毎に何かしらのトラブルがあって大変な死神ですw
お題がお題だったので、余計に大変な事になりました。

1スレ目の時にはまだ来てなかったから別人かと。
0497この名無しがすごい!垢版2018/10/18(木) 18:25:25.46ID:NLwZUSF0
>>489 このお題で全年齢向けを書くとか……余裕さ!
使用したお題:『設計』『異世界』『アヘ顔ダブルピース』『カボチャ』『暖色』

【転生方法改善会議、資料】

・表題「地球の人間を異世界に招致する際の手順と、それに際する問題点およびその改善策」

・概要
 ……異世界における深刻な人材不足、および社会の文化・技術・経済の停滞を解消するために文明レベルの高い地球の人間を転生させることにより解消をしようとしました。
 しかし、その際の転生方法の設計に難があったため、様々なアプローチでその問題点を改善しようとしました。以下のレポートはそのまとめになります。

・実際試行した転生方法、およびその問題点

A、トラックに轢かれた人を転生させる。
採用理由・最も単純で試行が容易であったこと。また事故があった場合、高度な社会維持に重要な交通事情および運送業務を著しく害する可能性があったため、事故そのものをなくしてしまうという地球側への配慮を主目的とする。
問題点・転生対象者が多すぎた(具体数:1日に約200人〜500人)
   ・トラックとその他の車種の区別がつかなかった(異世界には自動車が存在しないため、大きな乗り物と小さな乗り物という区別しかできない)
   ・転生対象者の種類が不安定で使い物にならない場合が多々あった(最年少0歳、最高齢97歳)

B、地球の高度情報処理端末「インターネット」を利用した転生法
採用理由・上記の問題点の解消のため。インターネットを最も使用しているのが転生において希望する年代に近かったことと、ある程度こちらからの取捨選択ができることが可能であったため。
問題点・インターネットの利用自体に時間を要した(高度な文明の最先端技術なんて使えるわけがない)
   ・ある種の詐欺サイトであると疑われ、刑事告訴された
   ・個人間での情報共有がなされ、「アクセスすると消されるサイト」と都市伝説扱いされて誰もクリックしなくなった。

C、異世界転生専門教育機関の設置
採用理由・上記の問題点の解消のため。社会福祉法人の一つとして地球側に正式に登録し、異世界へ転移をする旨を事前に告知、転生希望のため加入してきた人の教育、試験、選別を行う。
問題点・転生方法に疑義が持たれたらしく、やはり刑事告訴された。
   ・組織自体が怪しがられたようで、加入者はごく少数であり(昨年24人、今年47人)、しかも適格者がいなかった(元無職、犯罪者など)。
   ・ある種の悪質な宗教団体と認識され、転生者1名の親族に訴訟された。



「あー、うん。なるほどね。こんな問題だらけだったのか……」

「はい、地球から転生してもらうにしても、人選が必要だったためなかなか進展が難しく……。また地球自体高度な情報共有システムがなされており、なかなかうまく馴染めないのです……」

「そうか、考案したときは名案だと思ったが、異世界人である地球人を連れてくるのは難しそうだな。ちなみに今はどういう手法を取っているんだ? Cの次のDがないようだが」

「はい、今はむやみに転生してきてもらうわけにはいかず、しかし上からの命令で誰も転生できない状況にするわけにはいかず、やむなくこちらの方法を設定しております」

「ん、なんで資料を別にしているんだ? まあいいか、どれどれ……なんだこれは、『ワインレッドのドレスを着てアヘ顔ダブルピースをしながらカボチャを齧りつつ「スイカうめー!」と叫ぶ』って?」

「はい、次の良作が浮かぶまでは誰一人転生させたくないので、これで状況を凌いでおります。これなら誰一人転生してこないでしょう?」

「……万が一転生してきた者が一人でもいたら最悪だぞ。私は嫌だぞ、こんな勇者候補……」
0498この名無しがすごい!垢版2018/10/18(木) 20:31:21.45ID:LEu2vwNE
インターネットは端末ではないな。
スマホとかパソコンとかが端末。
0499この名無しがすごい!垢版2018/10/18(木) 23:29:31.38ID:G4PW44rX
>>497
確かにこの条件で転生してくる奴は嫌ですねw

これ、異世界人が地球側にもやってきてるのかな?
0500この名無しがすごい!垢版2018/10/19(金) 08:28:06.24ID:NDPG6kRA
>>497
雨にも負けずエロにも負けず、497氏の挑戦は誘惑に負けぬストイックなるお題・全選択となるか〜、勇者はうまく引き抜けない!
さあ、作品は会議の資料形式! 『異世界』の人材不足に対応するべく、転生方法の『設計』を試みるスタッフのレポートを追っていくこととしよう〜
まずはトラックで轢き殺された人を転移させる案、車種が特定できず没! 次はネット案、闇サイト扱いで刑事告訴! 最後の法人案〜、新興宗教扱いで刑事告訴! って感じで失敗続き、
代案が出るまでの時間稼ぎにと考え出された転生条件、ワインレッド(『暖色』)のドレスで『アヘ顔ダブルピース』をしながら『カボチャ』を齧りつつ「スイカうめー!」と叫ぶ人w
おい万が一を考えろよヤバイだろ…と、会議出席者がアヘ顔ダブルピースなまだ見ぬ勇者に恐れをなしてオチが決まるw 497氏、笑いの全制覇、軽やかEND!
0501この名無しがすごい!垢版2018/10/19(金) 18:04:39.12ID:kzx0hx7A
ここでいろいろ短編書いてたらなんか連載書いてみようって気になってきたわ・・・
これも競馬実況さんや進行さんや感想くれた人のおかげやで。ありがとな・・・
0502この名無しがすごい!垢版2018/10/19(金) 18:59:51.74ID:HKXVqqM0
>>497
異世界転生させる側にも色々苦労が有るのですねw
元々、勇者の適性ある人だと、早々死なない気がしますし……
0503この名無しがすごい!垢版2018/10/20(土) 08:20:18.39ID:7zE9BrGp
>>501
マジかw
それは何よりだぜ
0504この名無しがすごい!垢版2018/10/20(土) 14:04:17.08ID:fEFPgo3W
りっぱな漫画家になれるよう応援するぜ
0505この名無しがすごい!垢版2018/10/21(日) 19:23:59.78ID:/kpLvhB9
ここでいろいろ短編書いてたらなんか連載書いてみようって気になってきたわ・・・
これも競馬実況さんや進行さんや感想くれた人のおかげやで。ありがとな・・・
0506この名無しがすごい!垢版2018/10/21(日) 19:29:46.62ID:/kpLvhB9
>>489 なんか短編もう一つアップしようとしたら前のレス連投してしまった。クソ恥ずかしい///
使用したお題:『設計』『異世界』『アヘ顔ダブルピース』『カボチャ』『暖色』

【森の中の崖の木】(1/2)
 はい、これは僕の経験した実体験です。

 僕は建設会社に勤めていまして、入社直後は色々なところに派遣されていました。使いっパシリってやつです。
 本当は設計や企画の方をやりたかったのですが、入社直後のペーペーにそういう責任のある仕事なんて当然やらせてもらえませんでした。本当に最初のうちは挨拶回りとか、荷物持ちとかそういうのばっかりだったです。

 その仕事も僕が最初やらされていた仕事でした。燃料の給油です。
 鉱山を崩すために設置されていた重機がありまして、その重機に定期的に燃料を供給する仕事でした。3日に一度、ポリタンク10杯のガソリンを軽トラで運んで給油していました。

 山に登るまでの間は森でした。グネグネ曲がった狭い道で、他に車は一台も通らないようなところでした。
 昼に行っても薄暗いほど、鬱蒼と樹が茂った森でした。右手が森で、左手が崖。今考えても結構怖い道だったと思います。雨の日とかは滑って落ちないように十分注意していました。

 ただ、その道不思議でして。左手の崖の方に一本だけ、やたら突っ張った木があったんです。
 その木は他の木より一回り細いくせに、妙に背丈が高くて一本だけ目立っていました。途中からぐねりと曲がっていて、夏でも葉が少なくて枯れかけていた木でした。

 おかしいというのは車のハンドルでして、その木の近くを通るとき、妙に左側に引っ張られるんです。
 右手が山に面していて、左手が崖になっていたら、普通の人なら右側に車を寄らせると思うんです。うっかり落ちたら最悪ですからね。
 もちろん僕もそうしていました。なのにその妙な木の近くに来ると、まるで磁石に引かれるかのように左側に車が寄っていくんです。崖が近くなるのがすごく怖かったですよ。

 しかも一回や二回じゃないんです。毎回、行きと帰り、その木の近くを通ろうとするとやっぱり木の方に車体が寄っていくんです。
 まあハンドルを少し多めに傾ければ簡単に元の路線に戻れるんですが、ずっと気になっていたんですよ。妙に引っ張られるなぁって。

 職場の人にそのことを聞いてもまともに答えてくれる人がいないので、ちょっとその山の地主の方に話をする機会があったときに聞いてみたんです。
 妙に引っ張ってくる木があるんだって。そこだけ道路がゆがんでるのかなぁ、って笑いながら。

 地主のお婆さんは「そうか、やはりか……」とだけ答えてくれました。

 「そうか」はなんとなくわかったのですが、「やはりか」の一言が引っかかりました。当然ですよね、意味深な言い方ですもの。
 でも地主のお婆さんはそれ以上何も答えてくれなかったので、地道に近所で聞いてみました。別に急いでなかったのでゆっくり調べたので、聞き込みだけで半年近くもかかってしまいましたけど。

 結論を言いますと、その木の下で首つり自殺をした女性がいたらしいです。

 まあ、薄々感づいていたので「怖い!」というより「やっぱりかぁ」という感想でした。地主のお婆さんと同じ反応ですね。
 それ以来その木の下を通るときちょっと怖いなぁって思うようになりましたが、基本的に霊感なんてない僕なので、気にせず3日おきに燃料給油を続けていました。

 給油の仕事を始めて1年ほど、もう慣れて例の木のことも気にならなくなり始めたころ、あるイタズラを仕掛けました。
 彼女の友達に自称霊感少女がいるらしいのです。なので、僕と彼女はその女の子のことを騙して例の木の真横を通り抜けようとしました。
 本当に霊感があるなら首つり自殺の女性が見えるだろう、嘘だったら何も見えないでただドライブを楽しむだけだろうというイタズラを。

「まるで違う世界に来たみたいね……」

 予想外なことに、その霊感少女は気づいた様子でした。山に登る直前に急に震えてそう言いました。
 どうせ霊感なんて嘘だろう、と思っていた僕と彼女は結構驚きました。本当にわかるんだ、と僕と彼女は驚いてその霊感少女のことを褒めました。

「いや、わざと連れてきたのこんなところに? 結構ヤバイところじゃない? ねぇ、早く引き返しましょうよ!」
0507この名無しがすごい!垢版2018/10/21(日) 19:31:53.10ID:/kpLvhB9
【森の中の崖の木】(2/2)

 僕たちが褒める言葉なんて全く無視して、早く帰ろうと促す霊感少女。後ろの席から僕の運転席をぐらぐら揺らす。危ないのでやめてほしい。
 隣で座る彼女が霊感少女をおし宥めるけれど、霊感少女は全く聞きはしない。その鬼気迫る表情に、僕は割と本気でヤバイのかもしれないと思い始めた。
 しかしここは狭い一本道、もうちょっと先の車体交差用の脇道があるところまでいかないと引き返すことも難しい。
 それに霊感少女が怖がっているとはいえ、いつも通っていて特に何も問題なかった道だ。今更無理に戻らなくても……。

「ひぃっ、やっぱりここ幽霊の出るところじゃん! く、首つりの女の人が何か言いながらこっちを手招きしてたわよ!?」

 あらぬ虚空を指さし悲鳴をあげる霊感少女。イタズラを仕掛けようとしていたのだ、当然幽霊の話なんてしていない。
 そのことを見抜いた霊感少女に僕の彼女は「よくわかったわね、本当に霊感あるのね」と素直に称賛する。僕も称賛しようとしてふと違和感に気づいてしまい、少し戸惑った。

 霊感少女は、右側の木を指さしていた。

 しかもよくよく考えてみると、まだ例の木は見えていない。まだ少し距離がある。だというのに首つり女性の霊がもう見えたという。なんで、どうして?
 もう1年近く通った道だ、ただの山道でも今自分がどこら辺にいるのかわかる。霊感少女が騒いでほんの10秒ほど運転したあと、例の引っ張ってくる木の見える場所まで来た。僕はハンドルをいつものように少し右に曲げる。

 直後、悲鳴が上がった。

 僕は運転していたので何が起こったのかわからなかった。ただ、霊感少女が何かとんでもない悲鳴をあげた、と思ったらその後急に静かになった。
 僕の彼女が涙目になりながら必死に気絶しているらしき彼女を揺さぶっていることと、鼻をつんざく異臭がすることだけがわかった。
 そして、その時の僕は実を言うとそれどころではなかった。いつもより左側に引っ張ってくる力が強い。ハンドルをほぼ右に全力で回しているのだが、それでも車体が崖の方へ寄っていくのだ。何が何だか全く分からない。
 ガードレールと例の曲がった木がフロントガラスに近づいてくる。

 危ない!

 ……しかし幸運なことに、僕たちは崖から落ちずに済んだ。すんでのところでハンドルから妙な力が消えて、車体は普通に真っすぐ走るようになったのだ。

 その後、山の頂上にある広場になっているところで車を止めて、ようやく後部座席の惨状がわかった。
 霊感少女が気絶していて、ほら、エロ本とかでたまにあるような見事な白目を見せて気絶していた。あのダブルピースをしているようなあれだ。
 白目をむいて泡を吹いている女性というのは、エロさより気持ち悪さの方が先だった。
 それに彼女は盛大に嘔吐していた。お昼に食べたカボチャパイの綺麗なオレンジ色が床に広がっている。いったい何が彼女にそうさせたのか、よくわからなかった。
 パニックに陥りつつも、吐しゃ物が喉に詰まらないように懸命に吐き出させていた僕の彼女の冷静な医療行為に尊敬した。

 僕はこのことがあって、あの道はマズイということにようやく気付いて、職場に配置換えを要求した。そうしたら上司が「よく1年ももったな」と結構多額のボーナスと好きな部署への転属を約束してくれた。
 やっぱり前例があるほどにヤバイところだったらしい。いくら何でも酷いと思ったので、転職先が見つけてからすぐにやめた。

 また、後に霊感少女に会うことがあって、彼女と話をしてみた。彼女は良いことを教えてくれた。

 道中にいた首つり女性の霊が手招きしながらブツブツ呟いていたそうだが、それが「そっちへ行っては危ない、戻りなさい」という内容だったそうだ。なんというか、そういうことなら先に教えてくれと思わなくもない。
 イタズラを仕掛けた僕が言うのもなんだけど。
0508この名無しがすごい!垢版2018/10/21(日) 21:30:35.97ID:4XKrguoR
>>506
本当に遇った怖い話ですね
イタズラを仕掛けて、取り返しのつかない事に成ることもあるそうですから、気を付けないといけませんね
0509この名無しがすごい!垢版2018/10/21(日) 21:38:33.58ID:4XKrguoR
>>489
使用お題:『設計』『異世界』『アヘ顔ダブルピース』『カボチャ』『暖色』

【くっころさんが通る】
0510この名無しがすごい!垢版2018/10/21(日) 21:45:05.63ID:4XKrguoR
途中でアップしてしまいましたorz

>>489
使用お題:『設計』『異世界』『アヘ顔ダブルピース』『カボチャ』『暖色』

【くっころさんが通る】


「クッ! 殺せ!!」

 テンプレートな台詞を吐きながら、豪奢な鎧を着こんだライトブラウンの長髪に鳶色の瞳の美女騎士さんがこちらを睨みつけてくる。
 僕は溜め息を1つ飲み込んで、どうしたものかと思考を巡らした。

(誤解が解ければ1番なんだけどなぁ……)

 誤解……そう、全ては誤解なんだ。

 まずは僕の事を話しておきたい。
 僕の名前は室戸 康。何処にでもいる高校生……だった、んだけど、つい三ヶ月ほど前にいわゆる“異世界召喚”で、剣と魔法の世界、『ホーラス』に召喚されてしまったんだ……勇者として。

 そしてこれまたテンプレートなお約束として、魔王を倒せば元の世界に帰れるって事らしくて、唐突に呼び出されてしまった僕としては、それを信じて魔王を討伐するしかなかった。
 確かにこの世界の人達、魔物や魔族の襲撃の被害に遭っているみたいだったしね。

 さて、これまでの事は置いておいて、今の自分がどんな状況かと言えば……これがまた、再び召喚されてしまったのだ……魔族の魔導士に、召喚獣として……いや、悪魔召喚に近いのかな? 送還術とセットみたいだし。
 で、カボチャ頭の悪霊、ジャック・ザ・ランタンと一緒に召喚されてしまった直後は少し混乱したけど、女騎士さんの鎧に刻まれた紋章。
 それが僕を召喚した国の友好国のものだったし、命令して来た術師はあからさまに魔族だったから、僕がソイツごとランタン達を倒す事に全く躊躇は無かった。

 だけど、彼女達からしたら、召喚された使い魔が唐突に主や仲間といさかいを起こし始めた様にしか見えなかっただろう。
 当然の事だけど「敵を裏切ったんだから味方だ!」なんてお花畑な思考はしていなかったらしく、女騎士さん達12名は、僕を倒そうと攻撃を仕掛けて来た。
 僕の人生設計にこんな所で死ぬなんて……と言うか、初めに召喚された事からこっち、僕の人生設計には無かった事ばっかりだけどさ。
 地方公務員に成って、安定した生活を送る筈だったのに、どうしてこうなったんだろ? ともかく死にたくは無かったから、返り討ちにして全員縛り上げたまでは良いんだけど……

「魔族の……その召喚獣に辱めを受ける位なら、いっその事殺せ!」
「いや、僕は、魔族でも召喚獣でも無いんだけど……」
「クッ! なんて嫌らしい目だ! そうやって視姦しながら、私をどう凌辱するか考えているのだな? クッ殺せ!!」

 この女騎士さん、全く話を聞いてくれない。
 確かに女騎士さんも、その部下さんも結構な美人さんが揃ってるから、ある程度自意識過剰になるのも分からなくはない。
 だけど、全く話を聞いてくれないってのは酷く面倒に成る。

(もう、このまま放置して帰ろうかなぁ……)

 そんな事、実際には出来ないけどさ。
 でも、僕が召喚されてしまった理由も調べないといけないから、こんな所で時間を取られてる場合じゃ無いんだよなぁ。

「クッ! 縛るのか? 私の事を荒縄で亀甲縛りにしたり、M字開脚で吊るすんだな!! クッ殺せ!!」
「いや、しないよ? しないからね?」
「これでも、誇り高きゼールフィァア家の娘! アヘ顔タブルピースなぞ、絶対にせんぞぉ!! クッ殺せ!! いっその事殺すが良い!!」

 いや、本当、何言ってんの? てか、あるのか? 異世界に『アヘ顔ダブルピース』!
0511二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/10/21(日) 22:07:56.26ID:1tpjOlqH
お題『設計』『異世界』『アヘ顔ダブルピース』『カボチャ』『暖色』締切

【参加作品一覧】
>>491【臨時の仕事】
>>497【転生方法改善会議、資料】
>>506【森の中の崖の木】
>>510【くっころさんが通る】
0512二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/10/21(日) 22:26:19.90ID:1tpjOlqH
一年も続けられたのは、前進行氏と皆さんのお陰です。ありがとうございます&これからもよろしくお願いします!

ということで……一周年ということで変わったお題を試してみたいね

今回は進行からのお題として『一年』を必ず入れるとしたいんだけど、他におもしろいお題が思い付かなかった……どうしようか
0513この名無しがすごい!垢版2018/10/21(日) 22:48:46.17ID:F05JIpIR
主人公を進行氏にする縛りとかw
0516二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/10/21(日) 23:12:57.26ID:1tpjOlqH
とはいえ他に案が無いと言えば無いので……やる?よく考えたら前進行氏の時にお題にはなったね、主人公指定は無かったけども
0518二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/10/21(日) 23:34:29.77ID:1tpjOlqH
ではお題「一年」と「進行が主人公」ということで一周年スペシャルやってみましょう……一番胸に沁みた作品を選びますということで……
0519二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/10/21(日) 23:36:36.92ID:1tpjOlqH
☆お題→『一年』『進行が主人公』

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK

☆締め切り→11/28の22時まで

☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>511より。

【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】
0520この名無しがすごい!垢版2018/10/21(日) 23:43:10.51ID:/kpLvhB9
よし、進行さんをいじり倒すか。
起承転結がまだだけど、すでに4つほどネタが浮かんだ。
0521この名無しがすごい!垢版2018/10/21(日) 23:58:14.17ID:wpsr32Ol
進行さんをハーレムにしてあげるか
0522名無しさん@そうだ選挙に行こう! Go to vote!垢版2018/10/22(月) 08:21:23.03ID:0uJmZ/gB
>>506
前回お題全選択のリレーゲームと化した短編スレにて、506氏も全チョイス! 亡魂のゴーストロード〜
さあ、職場でほんとは『設計』や企画をやりたかった主人公が、使い走りで駆け抜ける、鬱蒼とした山道を〜、その道には崖下へと手招く恐怖の木が生えるという〜、
聞けば首を吊った女性がいるといういわくつき! 何も言わずに騙してつれた、霊感少女が道すがら、「まるで違う世界に来たみたいね」と話し、山道が『異世界』の様相を呈していく〜
で、キター! 霊感少女がついに指差す〜、ってくだんの木とは逆方向!? 場の霊圧で限界超えたか、少女は『アヘ顔ダブルピース』状態で、オレンジ色(『暖色』)の『カボチャ』を吐き散らすw きたねえw
ラスト〜、逆サイにいた幽霊の手招きは、崖が危ないよと教えるためのものだったオチw 崖に引き寄せられたのは幽霊への無意識の恐れかw お題を全攻略した506氏が、寒空の下で人の世話焼く、幽霊ほんのり描き出し、ぬくぬくENDがきまったァ!

>>510
続く前回お題の全選択リレー、繋いで繋いでオオトリの、510氏がタスキを受け継ぎキラーお題『アヘ顔ダブルピース』から組み立てる、クッコロ☆戦記!
さあ、召喚により、剣と魔法の『異世界』に飛ばされてきた室戸くん〜、二重の召喚によって『カボチャ』頭の悪霊、ジャック・ザ・ランタン側に立つも、
即座に裏切り、ライトブラウン髪(『暖色』)の美しき女騎士を救う〜、が事態のみ込めぬ女騎士がモンスター側と思い込んで襲い掛かり、そんな死に方は人生『設計』にないと縛り上げる室戸くん!
ところがこの騎士、クッ殺せと言いながらエロ妄想を口走る〜、くっころ女騎士w 亀甲縛りにされたり、M字開脚で吊るされるのを明らかに夢見ていながら否定するw
めんどくさw 『アヘ顔ダブルピース』なぞ、絶対にせんぞぉと、する気マンマンの女騎士を見て、「いや全年齢向けなんで」と室戸くん! ってか、アヘ顔とかいう言葉があるんだな異世界、そんなオチ構築で510氏が全選択リレーをゴールインだァ!
0523この名無しがすごい!垢版2018/10/22(月) 16:45:38.12ID:5ECmd878
>>519 まずは1いじり……
使用したお題:『1年』『進行が主人公』

【シンコウさんの物語】(1/2)
 僕の妹は精神の病を患っている。

 詳しい病名は忘れた。ただ「妹の精神年齢は通常の人の3分の1か4分の1くらいの速度でしか成長しない」というお医者様の言葉だけは幼いながらも良く覚えている。
 その時の妹の無邪気な顔と、両親の青ざめた顔も。

 妹は普通ならそろそろ高校受験を考える年齢だというのに、その精神年齢は5歳児並みなのである。

「ねぇ、お兄ちゃん。お話聞かせて?」

 妹の行動範囲は狭い。肉体は大人の女性で、精神が子供のままの妹の独り歩きは危険極まりないからだ。
 だから妹は家と障害者用の学校と病院以外には連れて行ってもらえず、だから妹は僕の話を聞きたがる。僕のありきたりな日常の話を。

 最初のうちはそれでも喜んでくれた。放課後の友達とのやりとりを一緒になって楽しんだり、学校のムカツク先生の話で一緒に怒ったり、猫が車に轢かれた可哀そうな姿を想像して二人で涙した。
 学校から帰るとすぐに妹は僕にしがみつき、いつも今日は何があったのかと話をねだった。背丈はそれほど変わらないのに中身は子供の頃のままで少し複雑な気分がした。でも妹の求めるがままに何でも話した。

「……ねぇ、他にないの?」

 しばらくして、妹は僕の話に飽きた。当たり前の話であった。
 精神年齢は5歳児並みだけど、記憶力は普通の女の子と変わらない。だから僕が昔した話を覚えている。
 「それ前に聞いた」「そこの話面白くない」「ねぇ、違うお話を聞かせて?」と注文が増えるようになった。とはいえ、一般の男子校生の話なんてそんな飛躍した物語を作れるはずがない。

 なので、僕は小説を読むことにした。

 漫画は止められていた。妹には刺激が強すぎるとのこと。また、自分の異常性に気付いてしまう可能性があったからだ。
 なので僕は小説を読んで、そのあらすじを妹に聞かせるようにした。僕の友人がこんな奴で、こんなことをしていたんだよーって。

 妹はそれを大層楽しんだ。

 小説には人生が詰まっていると言ったのは誰だったか。よくわからないがその通りだと思った。
 妹はその作り話の主人公たちの一喜一憂に心を動かし、僕の話ではなく僕の架空の友人の話を求めるようになった。

 ただ、これには問題があった。僕が小説を読むのが苦行だったことだ。
 文章を読むこと自体は苦痛ではない。でも、僕だって健康な一男児なのだ。友達とも遊びたいし、家でのんびりしたい。ゲームだってしたい。勉強はしたくないけどしなきゃいけない。
 そんな中で小説を読んで、そのあらすじを考えて、妹に害がないように内容にフィルターをかける作業は困難を極めた。僕はしばらく悪戦苦闘の毎日だった。

 ……そんな中、あるサイトを見つけた。『安価・お題で短編小説を書こう』というネットのスレッドだった。

 ここは5つくらいのお題をアンカーで募集し、そのお題に即した短編小説を書くというサイトだった。
 正直盛り上がりにかけるし、そこまで名作ぞろいというわけでもなかった。でも、短編と言うのがすごくよかった。僕はそのサイトに書かれていた物語を読んだ。

 妹からは好評だった。

 精神年齢が低いから物語の深浅は考慮されない。そして短編小説だから起承転結が短くて妹にも理解しやすい。
 何より話し手である僕がすぐ理解して読み聞かせやすいというメリットがあった。僕はそのスレッドに常駐しはじめた。

「お兄ちゃん、今日もシンコウさんのお話ある?」

 シンコウさんというのは僕が作った架空の人物だ。スレッドに投稿された短編は僕が書いたものではないので、勝手に自分や友達の名前を当てるのは気が引けた。だけど、人物名がないと妹に話しづらかった。
 だからその時のスレッドのまとめ役である進行さんから名前をとって、シンコウさんの物語と名付けた。妹はシンコウさんのいろんな角度からの物語を楽しんでくれた。

 ……ただ、ここで困った事が起こった。初代進行役の人が進行役を辞任したのだ。これではこの短編を書こうスレが機能しなくなる。妹に聞かせる話がなくなってしまう。

 だから……僕は2代目の進行役を買って出た。全ては妹のために。そして僕自身のために。
0524この名無しがすごい!垢版2018/10/22(月) 16:46:55.01ID:5ECmd878
【シンコウさんの物語】(2/2)

 ……あれから一年、いろいろなことがあった。

 短編スレは相変わらず低空飛行だし、書かれる短編も少なくなってきた。だから僕も彼らの努力を真似て、ちょっとした短編を考えてそれを妹に聞かせることも多くなった。
 ……僕が作った短編だと妹に妙に不評なのは気に食わないが。

 ただ、ちょっと嬉しいこともあった。妹があるとき手紙を書いてきて僕に渡したのだ。
 妹は真っ赤になってこう言った。

「お兄ちゃんは絶対見ちゃダメだよ。これもしシンコウさんに会ったら渡して? でもお兄ちゃんは中身を絶対見ないでね、絶対だよ!」

 もちろん見るに決まっていた。だってシンコウさんは架空の人物にすぎず、2代目の進行役は僕自身なのだ。見ないわけがなかった。
 全力でバレないように細心の注意を払ったのは言うまでもない。そして誰も見ていないところで手紙の中味を読み、その中身を見て僕は嬉しくなり、丁寧に仕舞い直してからある事を決めた。

 僕が初めて短編スレに書く短編は、妹の手紙の内容にしよう、と。



…………


525この名無しがすごい!2018/10/21(日) 23:58:14.18
>>519
使用したお題:『一年』『進行が主人公』

【妹の手紙より】

 シンコウさん、いつもおもしろいおはなしありがとうです。だいすきです。
0525この名無しがすごい!垢版2018/10/22(月) 22:11:48.74ID:4zYn0JOw
>>523
二代目進行さん秘話と言ったところでしょうか?
しかし、進行さんへの激励に見せかけてスレ民皆への激励と言うw
ですが、有り難い事ですね

>>522
ギリギリまで、タカシの冒険シリーズにしようか迷いましたが、そう言えば前衛は既に飽和状態だったなとw
0526この名無しがすごい!垢版2018/10/23(火) 08:40:14.11ID:X5xEakZV
>>523
ハッピバースデー、トウユー、ハッピバースデー、トウユー♪ なんだかんだで短編スレも満一歳! 今回お題は進行氏へのありがとうを乗せた感謝祭〜、523氏がお手紙を投函だッ
さあ、主人公が語り出すのは、体は大人・心は子供、精神年齢じつに五歳、無邪気で愛しき妹さんとの物語〜、学校と病院以外に現実を知らぬ、狭き世界の彼女を楽しませる使命を帯びて、
主人公はものがたる! 友達との会話、先生の愚痴からはじまり、轢かれた猫の悲しき話、はては小説と、読み聞かせのネタが広がり、ついにここ、短編スレへと辿り着く〜!
スレの司会役を承継し、二代目となった主人公こと『進行』氏、投下作品を妹さんに読んで聞かせて、あれから『一年』、彼女から届いた手紙を作品に書き直して投稿だァ〜、妹さんから進行氏とスレ民あてに届いた手紙、なんてなんて?
おいおい、だいすきです、だってよ! おいこれどうする、まいったまいったw 浮かれ喜ぶ短編スレ民、書くひとあれば読むひとあり! ひそかに読むひとだって感謝を伝えたいと、熱きラブのお手紙が、進行氏と皆にサンクスギビングだ!
0527この名無しがすごい!垢版2018/10/23(火) 20:09:35.68ID:4hA43mx4
>>519 そして2いじり目。そういえば競馬実況さんはいじらなくていいのか?
使用したお題:『1年』『進行が主人公』

【情報過多】
 人間と動物の違いってなんだかわかるかい?

 二足歩行? 火を使う? 道具を作ることができる? どれも違うね。全部一辺にできるのは人間だけかもしれないけれど、できる動物はたくさんいる。

 人間は情報を食うことができるんだ。

 食う、という言葉が気に入らないのなら、こう言い換えてもいい。情報に飢え、情報を求め、情報を得ることができ、情報を加工し、情報を生かすことができる。古い情報を捨てることもできる。
 これは人間にしかできないことだ。動物は肉や草を食べることはできるが、情報は食わない。

 ん? 情報を食うと何が起こるのかだって?

 そんなの日常に実例がいくらでも転がってるじゃないか。傘を持っていくかどうかの判断のために朝のニュースを見るだろう?
 話題のラーメン屋のラーメンが自分の好みにあわなくても、つい美味しいと言ってしまうだろう?
 ツイッターを見るのはなぜだい? 他人の情報が知りたいからだろう?
 そして……これ以上生きるのが辛いと感じたら首を吊るだろう? どれも動物はやらない行動だ。人間にしかできないことなんだよ、情報を食うことは。

 もし私の言っていることを否定したかったら、目や耳を塞いだ状態で1日過ごしてみてくれ。
 目隠しをして、耳栓をして、鼻を塞いで、両手両足を縛って、その状態で24時間耐えることができたら私の意見を否定していいよ。素晴らしい忍耐力だ。
 私だったら10時間はなんとか耐えれても、20時間は無理だね。発狂する。

 閑話休題、人間は情報を食べることができる。では食べ過ぎたらどうなってしまうか、知っているかい?

 肉を食べすぎると太る。砂糖を取りすぎると糖尿病になる。水を飲みすぎると過水症になって死ぬ。
 何事も過ぎたるはなお及ばざるは如し。足りないのもよくないが取りすぎるのもよくない。では、人間が生きるために必要とする情報を取りすぎると、その人間はどうなるか。

 情報を食べすぎた人間は、その人自体が情報になってしまう。

 言ってる意味がわからないって? まあ普通の人はわからないだろう。情報過多となったその存在はまとめて情報となってしまうのだ。うん、わかりづらいかな?

 そうだな、都市伝説や幽霊と言ったらわかりやすいだろうか。情報を取り過ぎた人は、生きたまま幽霊になってしまう。
 誰もが知る、だが誰もが実態が見たことなく、そしてその生態が意味不明で、そんな存在になり下がってしまうのだ。口裂け女やデイダラボッチ、八尺様なんてのも元は普通の人間だったのかもしれない。

 情報を集めすぎると、その集めすぎた情報を基に個人の人格が分離され、新しい人格として独り歩きしてしまうのだ。逆に言えば、世間を騒がせたかったら情報を大量に集めれば良い。

 もっとも効率よく情報を集める方法は物語だ。物語は情報の宝庫である。たくさんの物語を簡易に集めることができるシステムを生み出せば、誰より早く幽霊になれる。

 ……これで私のやっていることの意味はわかったかね? 伊達に1年もつまらない進行役なんてやっていないよ。
 これはつまり現代版の百物語だ。怪談話を一つするたびにろうそくを消していき、その数が100に達すると幽霊がやってくる。
 では、一般で周知されている物語の場合は、どうなる?

 ……そろそろ1年だ。物語の数は……百物語の倍ほどか。ならば十分かもしれない。
 フフフ、一体何が起こるだろうか。楽しみだ、ああ楽しみだ……。
0528この名無しがすごい!垢版2018/10/24(水) 03:03:55.68ID:gNkj+fNI
>>519
使用したお題:『1年』『進行氏が主人公』

【スマイル】(1/2)

男は両のこめかみを親指で押さえながら、チェアの背もたれに寄りかかった。
ディスプレイの光が照らす眉間には悩ましげな皺が刻まれている。

――どうしてこうなった……なんで――


一週間前。
某掲示板上に存在する掌編小説の投稿スレッド、通称・短編スレで、進行役を務める彼は次のお題を募集していた。
その冷静ながらも大らかな司会、かつクレバーな差配は参加者の信頼を集めており、
開幕から無事に一周年を向かえたスレッドでは、労をねぎらい、男を主人公とした短編を投稿しようと、誰ともなしに話は盛り上がっていた。

「進行氏を主人公にする縛りw」「ムズすぎるだろww」「一番胸に沁みた作品を進行さんに最後きめてもらおう」

画面の向こうで楽しそうに騒ぐ住民達を見て、男は照れくさくも好意に気圧される形で「仕方ないね、いいよ」と承知したのだった。
しかしいざ作品の募集を開始してみると、投稿は一切なく、あれほど騒いでいたスレ民らは死んだようにおとなしくなった。
男の心に懸念がよぎる。

――な、なあに、期限は一週間ある。構想を練っているんだろう。愛いのう、愛いのう――

だが、期限まで二日を残して金曜を迎えるにいたっても、スレッドにはまったく動きがなかった。
こうなると鷹揚に構えていた男にもふつふつと焦りが生じ始める。
キーボードを叩き、「投稿まだかな」「ワクテカ」などと書き込むが、住民達は石像にでもなったかのようにビクともしない。

――えっ何で?? あんなに盛り上がってたのに、何で誰も投稿しないの……俺が主役ってそんなにやりにくいか? いやいや……どうすればいいんだこれじゃ一周年が、俺が微妙なために失敗みたいだ――

土曜。
何も動きがないスレッドの画面を虚ろな目でじっと見ている自分に気づき、男は慌てて顔を洗った。

日曜。時刻は二十時。
タイムリミットが二十二時なので残り時間は二時間だが、投稿はない。
0529この名無しがすごい!垢版2018/10/24(水) 03:05:01.42ID:gNkj+fNI
【スマイル】(2/2)

差し迫った刻限を前にして、男は逃げ場のない窮地に追い込まれていた。
寝起きのままの髪の合間に血走った目を光らせて、うろうろと室内を歩く。
投稿はない。更新ボタンを連打するが投稿はない。何も変わらない画面が歪んでいく。

――……俺のせいじゃない、俺のせいじゃない、俺のせいじゃない――

スレッドに書き込みが一件あり、飛びついてみてみるが情報商材の釣り広告だった。投げつけた携帯がベッドの上を跳ねて、床に落ちた。

男は鼻息を荒くしてPCでタイプをはじめる。最後の手段に出るのだ。
自分のおもしろ話を自分で創作するという暴挙。
自分が笑い、自分が泣く、自分が苦しみみ、叫ぶ、その悲喜こもごも、カタルシスを自分で書いて、投稿ゼロを防ぐ。凶行である。

男を主人公とした短編をお題にしようと話が出たとき、「そんなのムズムズするわww」と恥じらってみせたのだった。
住民に気圧される形で苦笑しながら「仕方ないね、僕をいじりなよ」と承知したのだった。エンターキーに指を叩きつける。
ずいぶん遠いところまできてしまった。

――ちきしょう、よ、よし、これでいく、ちきしょう――

正気を失いかけた男の目に、書き込み新着のアラームが飛び込んだ。

――!?――

525 この名無しがすごい!2018/10/28(日) 21:28:14.18
【妹の手紙より】
シンコウさん、いつもおもしろいおはなしありがとうです。だいすきです。

男は言葉を失った。目の前の稚拙な文体には何の飾り気もなく、それどころかお題を遵守しようとしようという気概が感じられなかった。
子供がメッセージとして打ち込んだとしか思えない無邪気な文章である。
おそらくはどこかの幼い読み手が、男に感謝の念を伝えたくて、暴発するように書き込んだものと思われた。

数分間、彼の頭は真っ白になったあと、頬にはひとすじの涙が伝い、「ありがとう、ありがとう」と声が出ていた。

――もはや、これだけでいい。いや、これだけが、いい――

涙は止まらず、震える手で、途中まで作った自分の泣き笑い冒険譚を消していく。
喉を震わせて、しゃくりあげていると感動のフィナーレこと刻限が数分後に近づいてくる。

――!?!?――

すると、書き込み新着のアラームが続く。

529 この名無しがすごい!2018/10/28(日) 21:55:29.77
【あの進行さんがアヘ顔ダブルピース!?】
……

530 この名無しがすごい!2018/10/28(日) 21:58:12.33
【いけ、アヘ顔ダブルピースだ、進行氏】
……

二個、三個、四個、五個……。投稿されるシモネタの重複、重複、恐ろしいことにすべてネタが重複している。
住民らは前回のお題、アヘ顔ダブルピースと男を何とか組み合わせよう、それを間に合わせようと、我を忘れて四苦八苦していたのだった。

「…………」

いま、進行と呼ばれる男は画面の前で硬直している。
涙はシモネタによってすっかり乾燥し、住民らの意味不明な情熱を前に口の端が引きつっている。
それは笑顔である。進行役をこなす、彼にしかできない唯一無二の笑顔である。
ネタがシンクロした奇跡、純粋な感動がシモネタに汚されたショック、虚脱した責任感の入り混じった複雑な、しかし笑顔なのであった。
0530この名無しがすごい!垢版2018/10/24(水) 03:21:12.85ID:gNkj+fNI
>>527
ノンノン、進行氏に花束の回だぜ527氏? で、一夜毎に一作とは、すばらしい回転能力だなw ってことで二作目に挑戦だ〜、人外なりゆく人間の、人間による、人間を超えるためのスレ活用〜!
さあ、短編スレ一周年、物事を振り返るいい機会だ、ここはひとつ人間の人間たるとは何か皆で考えてみよう〜、火を使う? いやいやそんな鳥がいるって聞いたことあるし、道具を使う? サルがいるし〜
うーん、答えは? 情報を使う! なるほど、ラーメン屋の評価に合わせて自分の意見を修正したり、SNSを漁ったり、追い込まれれば自死すら選択できる情報嗜好者、それが人間だと〜確かに〜
じゃあ情報を食べ過ぎるとどうなるか〜、たとえば物語が集積される短編スレで、『一年』ほど投稿される作品を喰らい続けたら、人は人外になれるのでは、
ってそうニヤリと語るのが、何を隠そう、語り手となった『進行』氏だァ! 楽しみだ、ああ楽しみだと人間の範疇を超えゆく進行氏に527氏がエールを送ってお題をクリアw 人類超越ENDで二発目をキメた!!

>>528
自作!
進行氏、いじりすぎてたらすまんw
0531この名無しがすごい!垢版2018/10/24(水) 12:06:20.72ID:/nIb9HKx
相変わらず自作には謙虚な競馬実況さんに草
というか、そうか。あえて書かない方が進行さんイジリとしては上級だったのか。そこまで考えつかなかったは
0532この名無しがすごい!垢版2018/10/24(水) 20:23:14.95ID:gNkj+fNI
うん、あえてシリアスにして動揺させる、という手もあるかもw
0533二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/10/24(水) 23:02:28.76ID:JmmoNgpS
競馬実況氏の目論見通り、読んでてイロイロ動揺しまくってるw
日曜にまとめて全部感想書きますが、なんかこう、恥ずかしいけどどれも凄く嬉しいね……不甲斐ない進行ですがこれからも頑張ります!
0534この名無しがすごい!垢版2018/10/24(水) 23:58:01.35ID:Wlbpq3ux
進行さん、これからも応援してます!
0535この名無しがすごい!垢版2018/10/25(木) 00:22:16.58ID:35CtllKP
お題:『一年』『進行が主人公』

【進行さんの悩み】

 一年前、ある掲示板にとあるスレが誕生した。ただし、ただ誕生しただけでは成立はしない。そこはお題を元に短編小説を書くというスレだからである。
 このスレで必要となるのは、進行役を勤めてお題を纏める進行さん、アンカーでお題を出す人、それを元に小説を書く人だ。名物でもある競馬実況さんも忘れてはいけないだろう。

 今の進行さんは二代目であり、お題を出す人も、短編小説を書く人も常に一定というわけではない。どの人もスレにとって重要なのは間違いないが、常に一人である進行さんの役割は大きいであろう。

 そんな進行さんにも当然ながら悩みがある。

 まず第一に、選択性のお題なのに全選択の作者が多い事だ。……無茶なお題であっても書いてしまえる人がいるというのも凄いとは思ってはいるが、もう少し絞ってみても良いのではと思っていたりする。
 単純にハードルが上がり過ぎているのを危惧している事もあるだろう。決して多いとは言えない作者数。もう少し難易度が下がらないものかと思っていたりもするのである。

 第二に、たまにある無茶苦茶なお題である。
 『アヘ顔ダブルピース』なんて物の時は全年齢向けでと注意書きをしなければならなかった。もう少しお題にも自重して欲しいと常々思っているようだ。
 それでも書いてしまう人が居るのにも驚いていた。よくあれで書けるものだと関心もする進行さんである。

 第三に、投票がまるで機能してくれていない事だろう。作者と読者が重なっているからこそ、投票しにくいという側面はありそうだけども、どうにか上手く機能してくれないかと時々考えている。

 だけども、進行さんは悩みを抱えながらも進行の役目を請け負う。他の人とは違う一人だけの役目を持って。次の一年も続けていける様にと心に決めながら。
0537この名無しがすごい!垢版2018/10/25(木) 08:19:55.17ID:zXt4GZlT
>>535
続く一周年ラッシュ、535氏はここ『一年』の進行氏の心境ヒアリングいじりに入った〜、こちら短編スレお悩み相談室、ききとり係、派出所!
さあ、『進行』氏がスレ民の詰所であるところの悩み相談室に駆け込んできた〜、彼がどんな悩みを持っているのかレポートを見ていくぞ!
進行氏いわく、お題は選択制なのに全選択の作者が多いんです〜、うん、確かに皆それしか考えてない! 進行氏が言う、あと『アヘ顔ダブルピース』とかお題にあげていやらしい目で見てくるんです〜、そういう変態はいけないね!
進行氏が訴える、なんか気を遣って投票とかしないんです〜、そういや世界に一つだけの花って歌があったね!
短編スレ風林火山〜、全選択に着手すること風の如く、投票せぬこと林の如く、変態お題でニヤニヤ火の如く、参加者マイペース山の如し! 問題山積、解決する気があるのかないのか、のんびりと、スレは進行氏と二人三脚だ、535氏がお題クリアw
0538この名無しがすごい!垢版2018/10/25(木) 11:29:23.23ID:V7/lIENH
今回お題が緩めだからネタはすぐ思いつくんだが、上手く起承転結の形にならない。
進行さんを弄り倒したいのに・・・ぐぬぬ
0539この名無しがすごい!垢版2018/10/27(土) 21:38:37.19ID:xL/zQiYj
>>519 3いじり目。
使用したお題:『1年』『進行が主人公』

【拝啓、宇宙人様へ】(1/2)
 世界は危機に瀕していた。

 全ての始まりはアメリカのワシントン州であった。
 1947年6月24日、自家用機で飛行していたケネス・アーノルド氏がカスケード山脈にあるレーニア山付近の上空で奇妙な物体を発見した。9つの飛行する物体がまるで連結するかのように繋がっており、エンジン音を響かせることなく超高速で南から北へと飛んでいったのだという。
 俗に言う「ケネス・アーノルド事件」である。分かりやすく言うと、世界初のUFO発見事例であった。

 世間はUFO発見というニュースに沸いた。その謎めいた神秘性と、不思議な飛行機体、そして何より宇宙人の可能性を期待して人々はUFOを探し求めた。
 テレビでは何度も特番が組まれ、一般市民の中には謎の集団がUFO召喚の儀式を行い、懸賞金がつけられるまでになった。まさにUFOブームである。

 しかし、UFOブームはすぐに廃れた。その頃はまだ一般的ではなかったが、インターネットの走りである通信プロコトルの流通によって情報の共有化が飛躍的に進み、よほど情勢に疎い人間以外UFOを信じなくなってしまったのである。
 視聴率を稼ごうと躍起になったテレビ番組が、誤報や誤謬を招く報道、つまりやヤラセ番組を多く行ってしまったが故にブームはまさしくUFOのように去ってしまったのである。

 ただ、ここで疑念が残る。UFOブームは去った、これはいい。じゃあ、一番最初にケネス・アーノルド氏が見たUFOはなんだったのか?

 結論から言おう、UFOは実在するのだ。ブームが去ったからといって本物のUFOがいなくなるというわけではない。
 未だにUFOは存在し、宇宙人が地球にやってきている。この現状は1964年から全く変わっていない。

 じゃあなぜUFOの目撃証言が減ったのか。これも至極簡単である。インターネットのせいだ。
 宇宙人の目的から逆算すれば、理由は自ずとわかるだろう。宇宙人は地球に最も多く生存する知的生命体である地球人に興味を示し、その存在は一体どういうものか調査したかったのだ。
 その調査の結果何をするのかまではわからない。宇宙人に直接聞くしか知る由はないからだ。しかし、地球人に興味がある宇宙人がその情報を集めようとしたら、最も適格で最も安全で、最も効率的な方法なんて一つしかないだろう。それがインターネットである。
 インターネットにより地球上どこの情報も入手が容易になり、宇宙人はUFOに乗り出して直接現地を確認する必要性がぐっと減ったわけだ。UFOブーム去就の原因となったインターネットが、奇しくもUFOが見かけなくなる原因にもなっていたわけである。

 さて、宇宙人は地球上の情報を入手している。そしてインターネットの発達により、その情報の精度と規模は日々拡大し続けている。
 ただ、地球上全ての情報を集め終わった宇宙人が何をするのか、それはまだわからない。そう、わからないのだ。

 憶測だけならば、それこそたくさんある。インターネットで囁かれる噂話だけでなく、映画や小説の題材にもなっている。
 単なる観光なのか、人類が平和的種族なのかどうかを見極めるためなのか、それとも地球を侵略するためなのか。
 だけどそのどれもが本当に宇宙人の目的と合致しているかどうかは、前述した通り誰にもわからない。

 だからこそ、私のやるべきことは一つだった。情報を増やすこと。これである。
 地球の情報を全て、ないしは必要十分な量を集めた場合、宇宙人は行動を起こす可能性が高い。そしてそれが地球人の望まない結果をもたらす可能性は確実に存在する。
 である以上、情報を増やし続けさえすれば宇宙人はその情報をさらに集める必要が出てきて、最終目的を行う決断を遅らせることができるのではなかろうか。時間が稼げるのではなかろうか。

 さらにはその情報の信ぴょう性が疑わしいモノであるとなお良い。インターネットはもとより嘘や誤解が蔓延っているのだ。
 信ぴょう性の疑わしい話を流布しておけば、宇宙人が真偽を確認するためにより時間がかかる。
 また、物語形式の話だともっと良い。語り口調の物語であれば、それが筆者の実体験なのか、はたまた妄想なのか区別がつきづらくなる。より時間が稼げるわけだ。
0540この名無しがすごい!垢版2018/10/27(土) 21:39:23.21ID:xL/zQiYj
【拝啓、宇宙人さまへ】(2/2)

「おい」

 つまり大量の作り話を作って、インターネット上にばら撒く。それが世界を救う方法で、宇宙人の魔の手から世界を守る唯一の手段なのだ!
 そう、だからこそこの手段こそが、唯一、絶対、世界を救う手立てなんだ!!

「へいへい、ちょっと落ち着き給え。人の話を聞け。おーい」

 なんだようるさいなぁ。今ちょうどいい感じにテンション上がってたところなのに。

「いや、テンションとか正直どうでもいいし。っていうかそれが理由なのか? こんな変な遊びをしてた理由って」

 もちろんそうさ。私は地球を守るために頑張る人だからね。地球LOVE!

「……で、これか。なんだこれ? 安価・お題で短編小説を書こう? これで世界を救うって?」

 そう、これなら自由参加型でお題さえ出しとけばドンドン新しい短編が入荷してくるからね。
 自分で話を考えるのは大変でも、見ず知らずの暇人が遊びで考えてくれるから実に楽だし。短編だから結構無茶な内容の話もやってくるし、ちょうどいいよね。

「……それでこのスレッドの進行役をやってるのか。もう一年も」

 うん、1年で4スレッド。結構多いでしょ、短編。

「一つ言っていいか?」

 はいどうぞ。

「バッカみたい」

 言われると思った。でもいいじゃんかー、万が一ってことがあるかもしれないじゃんー。宇宙人が攻め滅ぼしてくるかもしれないじゃんー。

「んなわけあるか。単なる観光に来てるだけなんだし、滅ぼしたりとか妄想乙としか言えないよ。陰謀論でもここまで酷いのは見たことないレベル」

 ……やっぱりそう思う?

「まあな、はぁ、アホらし。最後まで聞くんじゃなかったよ、こんな無駄話。じゃあな」

 えー、そこまで言うか。酷いなぁ。地球人も宇宙人も、このスレを楽しんでくれたら嬉しいなっていう気持ちも一応あるんだから、良いじゃないか……。
 あれ、そういえばなんで観光だって断言できるんだろ? まあいいか。
0541この名無しがすごい!垢版2018/10/28(日) 08:31:57.92ID:on5NkQO7
>>539
マーベラスな三発目!! かわいがりの権化と化した539氏はまだまだ進行氏を離さない〜、地球防衛軍的スレッドの秘密!
さあ、ときは1947年、真偽不明の一大ブーム、アメリカはワシントン州ではじまったUFOの噂〜、このごろ目撃証言が減ったのはインターネットの影響が大きいのだと語り手は言う〜、
いわく地球にやってくる宇宙人の目的は人類調査であるからして、インターネットがあれば頻繁に来星する必要はなく、すなわちネットの情報量こそが宇宙人の侵略を妨げるんだ理論〜、
ってことで、エントロピーを増大するのが短編スレの役目なのだと語り続けるのが、この人、『進行』氏w 短編が埋めに埋めたり、『一年』で、四スレッドとは見事なり! ところが友に話したところ、宇宙人なんて観光に来てるだけよと一蹴されて、
あ、それもそうか、っておいw 宇宙人の正体みたり顔見知り! 今は亡きアーノルド氏に捧げる鎮魂歌、地球防衛の任を背負った進行氏とスレ民の戦いは月刊ムーっぽい調べを奏で、539氏、お題をハットトリック・クリアだ!
0542この名無しがすごい!垢版2018/10/28(日) 13:29:15.36ID:cZE6w3U8
>>527
情報を食べる為に都市伝説へと進化する……と言う事でしょうか?
何となくデジモンを思い出しました。

>>528
進行さんだからこその焦燥ですね
気を揉んだが故の安堵だったと言った所ですか
全スレ民が下ネタで頭を悩ませて居るとかw

>>535
スレ民に対する進行さんの不満w
いえ、笑ってはいけないのですがw


>>539
地球を防衛する進行さん
未知かと思えば、機知との遭遇だったと言うw
0543この名無しがすごい!垢版2018/10/28(日) 13:39:55.46ID:cZE6w3U8
いろんな意味で怒られないか、胃が痛い所ですが……
>>519
使用お題:『一年』『進行さんが主役』

【一周年で思う所】


「色々あったな」

 そんな呟きが口から洩れる。
 スレの立ち上げからは1年、自分が二代目進行に成ってから10ヶ月。実際、低空飛行ながらも良く続いていると思う。
 スレ民は「さす進行!」と称えてくれてはいるけど、これはスレ民皆の功績だと思っている。
 確かに、このスレは低空飛行だが過疎スレと言う訳では無い……と思う。

 他のスレとは違い、常に議論が交わされていると言う訳では無いが、一定数のスレ民が常に作品を上げてくれているし、その作品に対し、必ず感想を上げてくれる競馬実況さんもいる。
 よくログを読み返して見れば、呟きさえあれば、それに返答をするスレ民が必ずいる。そう考えると、固定のスレ民が居る事は確かだ。

 安価の時に、最低でも5人は居る事は確実だしね。

 それでもこのスレを運行する進行として、もっと活気があれば良いと願わくも無い。

 俺は、この礼儀正しく優しいスレ民たちの事が大好きだからだ。
0544この名無しがすごい!垢版2018/10/28(日) 18:51:11.93ID:qidquazy
今回は久しぶりに色々集まったな。
次のお題どうする? 個人的に今度は競馬実況さんをピックアップしたいところなんだけども。
0545この名無しがすごい!垢版2018/10/28(日) 18:55:14.47ID:h55QuLoe
そういう特別感あるのはやっぱ記念とか時にやったほうがいいのでは? 二周年とか(ちょっと遠い?)
今回も一周年だったわけだし
0546この名無しがすごい!垢版2018/10/28(日) 19:28:13.03ID:qidquazy
そうか、残念。競馬実況さんにもお世話になってるからなんかしたかったけども・・・
せめて次のお題全部実況さんが決めちゃうとかそれくらいやってもいいんでないかな、とか思わなくもないこともなくはない。
0547この名無しがすごい!垢版2018/10/28(日) 19:34:44.59ID:h55QuLoe
まあただの一意見なので
やろーぜ!ってノリが主流なら全然問題ないと思うよ
0548二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/10/28(日) 22:04:34.19ID:9mWak1/p
お題『一年』『進行が主人公』締切

【参加作品一覧】
>>523【シンコウさんの物語】
>>527【情報過多】
>>528【スマイル】
>>535【進行さんの悩み】
>>539【拝啓、宇宙人様へ】
>>543【一周年で思う所】
0549二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/10/28(日) 22:13:54.06ID:S6t+/Xqp
悩みましたが、一番心に沁みたものを選ぶ、ということで……
甲乙つけがたいところですが、心に沁みた……というか心を動かされたという意味で
ハラハラさせたで賞
>>528【スマイル】

そう来たか賞
>>539【背景、宇宙人様へ】

の二つが結構攻めてましたね。
とはいえ全ての作品にスレ愛を感じたし、とてもムズムズしながら読んだよw
安価を取り終わったらゆっくり全てに感想を書きたいと思います!
0550二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/10/28(日) 22:16:11.83ID:S6t+/Xqp
と、いうことで、改めて一周年ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
今回のところは、通常安価に戻りましょう>>551-555
0552この名無しがすごい!垢版2018/10/28(日) 22:28:02.07ID:MNRaxLlG
『革命』
0553この名無しがすごい!垢版2018/10/28(日) 23:18:26.42ID:Bq1ewK/L
『クロワッサン』
0556二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/10/29(月) 02:05:31.66ID:FQW1Tfjd
☆お題→『【始】のつく言葉』『革命』『クロワッサン』『人狼』『先生』

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK

☆締め切り→11/4の22時まで

☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>548より。

【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】
0557二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/10/29(月) 03:04:26.34ID:FQW1Tfjd
>>523【シンコウさんの物語】
病気の妹を想う良い兄が進行のお話!最後に繋がる妹の手紙にほっこり。スレ民にお手紙っていう繋がり方がいいね

>>527【情報過多】
キケンな香りのする進行!目標を達成するためにもっとスレを盛り上げねば……?怪奇の類になるという発想が面白い
あっ、進行は楽しんでやってるよw

>>528【スマイル】
スレ民に弄られたい進行w投稿が無い週はソワソワしてるのでこれが一番ムズムズしたよ。【いけ、アヘ顔ダブルピースだ、進行氏】にはワロタ
0558二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/10/29(月) 03:32:14.60ID:FQW1Tfjd
>>535【進行さんの悩み】
真面目な進行の悩み!割と当たっている「悩み」に苦い気持ちになりつつ(アヘ顔ダブルピースなんかは笑いながら見てるけどw)、みなさん沢山書き込んで沢山投票してね!

>>539【拝啓、宇宙人様へ】
進行は宇宙人から皆を守る?宇宙人対策のために今日も短編を集めます
友人はまさかの宇宙人っていうオチにニヤリ

>>543【一周年で思う所】
進行の独白!スレ民はスレを愛し、進行もみんなが大好きです
そして、進行になってもう10ヶ月かと再確認
完璧な仕事をしてくれた初代さんみたいにはいかないし、力不足で過疎気味なのは否めないけれど、こうして弄ってもらえるのは有り難いことです。
0559この名無しがすごい!垢版2018/10/29(月) 07:56:25.95ID:Korcojiv
いえーい、なんか変な賞もらったぜー。
さて、今週もなんか考えるか・・・
0560この名無しがすごい!垢版2018/10/29(月) 08:03:12.06ID:IWHwcYLA
>>543
進行氏に贈るメモリアル祭も最後の一作となった、543氏がお題の最終日に結びを行う、思うところオブ一周年の打ち上げ花火!
さあ、「色々あったな」と、立ち上げより『一年』経って二代目なるところの『進行』氏が遠い目で振り返る〜
スレの勢いは常にマイペース、それはスレに息づく創作本位主義の泣き所ではあるが、よくログを読み返して見れば、呟きに返答をするスレ民もあり、
書くスレ民あり、読むスレ民あり、そしてまた書くスレ民あり、小回りながら不足なき機能で短編スレは活動してきた〜
清く正しく美しくあれよ〜、礼儀正しく優しいきみたちのことが大好きだと、中心に立つ進行氏の内心を、543氏が代返で描いてくれたw メモリアル一周年とりまとめ、最後は花火でグランドフィナーレ! 皆おつかれさま!
0561この名無しがすごい!垢版2018/10/29(月) 08:09:47.33ID:IWHwcYLA
>>544
こらこらw

>>549
この度、このような賞(ハラハラさせたで賞)を賜りありがとうございました。
多くのスレ民のレスを自由にコピペし、進行氏をいじりながら、歩み続けてくることができました。進行氏が怒らないといいなと、一番ハラハラしたのは自分だったでしょう。
今回の受賞(ハラハラさせたで賞)を励みとし、ますますハラハラしていく所存です。スレ民の皆様にも感謝を申し上げます。ありがとうございました。

>>557
胸の高鳴る一週間、おつかれさまw
引き続きまったりいきませう
0562この名無しがすごい!垢版2018/10/29(月) 12:53:06.56ID:2P5rbY8h
>>558
ただ、事実と願望を列べただけの駄文ですみません
感想有難うございます

>>560
感想をいつも有難うございます
取り敢えず皆勤狙いで書いてみましたが、これは短編小説に成っているのでしょうか?
0563この名無しがすごい!垢版2018/10/29(月) 17:28:15.60ID:Korcojiv
>>556 新年度一発目はもらったああああああああ!
使用したお題:『【始】のつく言葉』『革命』『クロワッサン』『人狼』『先生』

【狼男先生】
 うちの担任の先生は狼男だ。

 朝のホームルーム、始業のチャイムが鳴った時、先生が黒板の上の壁にかかっている丸い時計を見上げた。

「おお、もうこんな時間か。それじゃあ日直号令をアオオオオオオオーーーーン!!」

 先生にとって教室の時計は身近なトラップだ。すぐ月と勘違いして変身してしまう。
 先生がこう簡単かつ日常的に狼になってしまう。だから誰一人動揺せず、先生が変身している間に日直が「起立、礼、着席」と号令を済ましてしまった。

 小学校の授業なんてありとあらゆる場面に危険が潜んでいる。理科の授業中、先生が教科書を持ちあげて解説を始めた。

「えー、だから月の満ち欠けは地球が太陽の影になってアオオオオオオオーーーーン!!」

 だから先生が天体の授業をするときはそりゃもう大変だった。
 トルコの革命人民解放軍の旗でも変身した実績のある先生なのだ。理科の教科書を1ページめくるごとに変身しちゃうのである。もはや授業の体を為していない。
 でも不思議と、先生が頻繁に変身した授業の内容ほど良く覚えている。不思議なものである。

 給食の時間は割と安全なことが多い。だからこそ変身されるとビックリする。

「おー、今日はクロワッサンか。久しぶりに食べるなアオオオオオオオーーーーン!!」

 何事かと振り返ったら先生がすでに狼になっていた。床に散らばったクロワッサンが、まるで夜空に浮かぶ三日月のように落っこちていた。
 三秒ルールでバイキンが付いてないってことにして拾ったけど、先生は月を認識(誤認を含む)してから変身が始まるのに3秒も猶予がない。すぐ変身してしまい、給食の残りを全て平らげてしまう。

 帰りの時間が一番酷い。もう授業がないから、とはっちゃけた小学生男子たちが先生を変身させたがるのだ。

「ん、なんだ。外で拾ってきた? まったく、こんな変な虫拾ってきて教室に持ってくるなよなアオオオオオオオーーーーン!!」

 男子生徒のはしゃぐ声。「やっぱりこれアウトだったよー」「マジかよ先生、さすがにこれで変身するのはヤバいってー」「アハハハハハハ」
 今度はなんで変身したのかと見てみたら丸まったダンゴ虫だった。こんな物でもアウトなのかと溜息をついた。

 家に帰ると、さすがに先生の変身を直接見ることはできない。しかし、先生の話題は尽きることはない。

「そういえば聞いた? 昨日例の狼さんがひったくりを捕まえたんですって。凄いスピードで走ってたって聞いたわよ?」

「え、昨日は車に轢かれそうだった子供を助けたって聞いたよ? あまりにも動きが俊敏すぎて運転手も引かれそうだった子供も何が起こったかわからなくて大混乱だったらしいよ」

「ん? 昨夜はその、女性相手の野蛮な事件が起こりそうだったのを、遠吠えで野良犬をけしかけて退治したって聞いたぞ? 鳴き声がものすごくうるさくて近所迷惑だったから、その後周辺の家に回って謝ってたらしい」
 
 それはこの前聞いたぞ、とか前も同じことやってたよね、とか父と母と姉が噂話に興じている。私は一人早く晩御飯を食べ終えて自室へ戻った。
 月っぽい物を見るとすぐ変身してしまう間抜けな人狼先生、だけどそんな先生のことを嫌いな人なんて一人もいないのだった。
 遠くに響く遠吠えを聞きながら、私は早く明日、学校に行きたいなと思った。
0565この名無しがすごい!垢版2018/10/29(月) 21:08:39.59ID:Korcojiv
>>556 すかさず2作目を投稿する吾輩のKYっぷりに恐れおののくが良い。
使用したお題:『【始】のつく言葉』『革命』『クロワッサン』『人狼』『先生』

【天使と悪魔とニンゲン】
 僕の中には天使と悪魔とニンゲンがいる。僕が何かに困ると、すぐにしゃしゃり出てきて余計なことを言い出す。

 例えば道に千円札が落ちていたとき、天使と悪魔とニンゲンが出てきてそれぞれこう言った。
「お金を落とした人がいないか、まず周辺を探しましょう。それでも見つからなかったら警察に届けましょう。落とした人はきっと困ってますよ」
「貰っちまおうぜ。子供ならともかく、大人にとって千円なんて大したことねー金額だよ。こっそり自分のものにしたって誰も困らねーし、バレやしねーよ」
「落ちてたって言って、お母さんに渡そう」
 三人それぞれの意見を聞いて、だいたい両極端な天使と悪魔の意見は聞かず、いつもニンゲンの言うことを聞いてしまう。今日もニンゲンの言う通りにして、お母さんにお金を預けた。

 また学校の宿題を忘れたときはこうだった。
「きちんと謝りましょう。先生だって素直に謝れば許してくれますよ」
「宿題やってきたけど忘れたってことにしちゃえば? どうせホントにやったかどうかなんてわからねーし、明日にゃ先公だって忘れてるよ」
「無言でやり過ごそう。言われたらその時謝ろう」
 ニンゲンの言う通りにした。

 母親と一緒にデパートに来た時はこうだった。
「ワッフルかクロワッサンにしましょう。美味しいですし、家族みんなで分けて食べることもできます」
「なんでも好きなおやつを買っていいって言ったんだぜ? だったら菓子に決まってんだろポテチチョコアイスもいいなゼリーヨーグルトとにかく旨そうなもん片っ端だ!」
「ガムにしよう」
 ニンゲンの言う通りにした。

 忘れた宿題と、新しく出された宿題でものすごく大変そうだった時はこうだった。
「もちろん全部やりましょう。宿題は自分のためにやるモノです。同じ宿題忘れで二度先生に嘘をつくことになっちゃいますよ? すぐ開始しましょう」
「別に初めてじゃないんだし、やらなくていいんじゃね? また今日も黙ってりゃバレないってきっと」
「昨日忘れた分はきっちりやって、新しい方は半分やろう」
 ニンゲンの言う通りにした。

 自室で一人、ゲームをしている時はこうだった。
「1日1時間までです。もう夜遅いですし、すぐやめて早く寝ましょう。寝坊しますよ?」
「別に怒られなきゃ何したっていいじゃんか。硬いこと言わずに朝までやろうぜ!」
「部屋を暗くして部屋の外にバレづらくしてから、1時間だけやろう」
 ニンゲンの言う通りにした。

 そして今日も一日が終わり、僕は布団の中に入った。
 温かい布団の中で微睡んでいると、ふと不安になった。これでいいんだろうか、と。
(確かに、ニンゲンの言う通りにするのが一番だった。千円をお母さんに預けたらもちろんお母さんはそのまま財布に入れた、でも罪悪感があるからその後の買い物の時僕の好きなモノを買っていいって言ってくれた。
 その時、歯に良いガムを選ぶことで、僕が拾った千円以上のお菓子を買っても許してもらえた。
 宿題のこともそうだ。結局僕は、新しい宿題の半分をやってない。でも先生はたぶん許してくれるだろう、他に生徒もいるんだからいちいち僕のことだけを構っていられないはずだし。
 ゲームだってやりすぎた。でもバレないから誰も怒ってない。でも本当にそれでいいんだろうか。こんな誤魔化しや自分勝手なことをしていて。
 ニンゲンの言うことばかり聞いていたらダメなんじゃないだろうか。あのニンゲンは、ひょっとしたら悪いことを企む狼なんじゃないだろうか。
 僕の中で革命を起こして、あのニンゲンの意見を聞かないようにした方がいいんじゃないだろうか……)
「大丈夫ですよ、あなたの中にいるあのニンゲンは信用できます」
「大丈夫だぜ、あのニンゲンは信用できる奴だぜ」
「大丈夫、私を信じて、今日はもうお休みなさい」
 僕は、彼らの、言う通りに、した。
0567この名無しがすごい!垢版2018/10/30(火) 00:12:23.41ID:Zbq0vDxY
使用したお題:『【始】のつく言葉』『革命』『クロワッサン』『人狼』『先生』

【その日、私は人狼になった】

「クロワッサンはなぜ三日月の形をしているかを君達は知っているか?」
その時、私は先生の授業を思い出していた。
皆が泣いていたのに、私は涙を流すこともせずそんなことを考えていた。
優しくて、面白い先生だった。
お世辞にもかっこいいとは言えない顔立ちだったけど、私はそんな先生に恋をしていた。
焼香の列が進む。
一人一人、別れの言葉を先生にかける。
微笑んでいる遺影を見て、込み上げる悲しみを抑えている。
吐き気がした。
私は知っている。

このクラスの誰かが先生を殺した。

このクラスの秘密を先生に知られたから、誰かが先生を殺した。

私は、その人物を許さない。
進む列、歩む足。
私の震える指先が、先生の弔いを行う。
細い煙が私の鼻腔へと登り、はっきりとした決意として脳内で凝縮される。
目を閉じ、先生の顔をいくつも並べて、私ははっきりとした復讐の念に向かい合う。
「ごめんなさい」
小さく呟いた。
私は、先生と同じところには行けないだろう。
あなたは私の想いを知らないだろう。
あなたにとって私は一生徒に他ならなかったのだから。
けれども、私はあなたの為に闘いたい。
あなたはつまらない私を、一人の人間にしてくれたから。
でも、その私は己の手で、己の意思で獣の道に堕ちます。
私は振り返る。
クラス皆の顔を焼き付ける。
待っていろ。
私はお前達を許さない。
これは圧政者を倒す革命でも、異教徒を排する聖戦でもない。
これはただの復讐だ。
私が己を満たすために行うゲームだ。
私が、お前達を噛み殺す。
それだけの、単純な遊びだ。
夜を待とう。
暗い暗い、深い夜を。
牙を磨ごう。
お前達の首から鮮やかな飛沫を噴き出させるために。

さあ、命懸けのゲームを開始しよう。
0568この名無しがすごい!垢版2018/10/30(火) 08:02:29.54ID:TAclgonC
>>563
祭り明けの短編スレ、再起動! 今回お題はイメージふくらむ『人狼』の活用がキーか、一番乗りの563氏は溢れるウルフ魂を見せる! 拝啓、親愛なるライカンスロープ先生〜
さあ、舞台は学校、『始』業のチャイムが鳴り響き、教室の丸時計を見る我らが『先生』〜、それじゃあ、日直号令をアオオオオオオオーーーーン!! って、
鼻がムクリと犬形になり、肌は毛皮にザワザワ変貌、『人狼』先生お出ましだw 月っぽい物を見るとすぐ変身してしまう人狼先生〜、聞けばトルコの『革命』的人民解放党のサークル描かれた旗でも変身したらしく〜、
床に散らばった『クロワッサン』を見れば、夜空に浮かぶ三日月のようだとロマンチックに変身してしまう、これ生活できねえぞ!
しかしそこは教師、駿足で轢かれそうな子供を救い、野良犬率いて女性を救い、獣性を世のため使い続けるヒーローなのだという〜、563氏がお題をしっかり使い切り、一周年記念初の全制覇はもらったと吼えて、勝利の雄たけびがアオンきまった〜!

>>565
息もつかせず二発目だ〜、執筆の神に憑依された565氏、止まらぬ筆で迷うことなく全選択だぜ、三者競合、チョイスの魔!
さあ、主人公の頭の中に棲むのはあるあるの、道徳天使 VS 欲望悪魔の対立図、それと普通の、ニンゲン!? ニンゲンw
脳内のニンゲンは『クロワッサン』 VS お菓子の戦いにおいて歯に良さそうなガムを薦める人道派〜、忘れた宿題すぐに『始』めよと急かす天使を尻目に、『先生』誤魔化しうまくやれとそそのかすw 極端な二択を提示されると中間にあるニンゲン案を選びやすくなるものの、
しかし、結果を長期的に見るとニンゲン案は最も狡く…、まさかこいつは人を獣に導く『人狼』のごときもの、脳内『革命』を起こすべきなのか、と考える主人公に、天使も悪魔もニンゲンを信用せよと頭の中で囁き続ける〜、なんてこった
頭の中に棲む囁きの声どもからは逃げられぬ、このオチぞっとしたw 565氏が連続執筆とは思えぬヒネリ回転宙返り、偉業、二連続・全制覇を達成だ!
0569この名無しがすごい!垢版2018/10/30(火) 08:08:16.86ID:TAclgonC
>>567
短編スレ全選択の難しさは、突っ込んだお題でムーディな作品ほど雰囲気が壊れやすくなるという点にあるw 前フリおわり! 567氏の高難度トライを見よ、人狼のロンド!
さあ、記憶に響くは『先生』の声、『クロワッサン』はなぜ三日月か…、懐かしき声が思い出させる恩師の姿、そしてかなわずして断ち切られた淡い記憶〜
焼香の列の語り手は思い出す〜、今はすでに遺影の陰影となったその微笑みのいとおしさ〜、同時に新しき記憶を刻んでいく、まわりに居並ぶ同級の子ら、秘密と罪とを裏に隠した者たちを、獲物の顔を覚えるごとく睨み付け、ゲームを開『始』しようと語り手は言う〜、
『革命』でもなく聖戦でもない、正当性は保証されず、磨いだ牙でただ噛み殺すだけのゲーム、弔うためだけの『人狼』の遊びを始めよう! 獣じみた眼の獰猛なまたたき、その奥にある哀しき光が、無事に復讐を終えても語り手の得るものは悲痛のみだと教えている、
半人半獣の精神を人狼に見立てた567氏〜、『クロワッサン』、月、『人狼』と単語のイメージを繋いで『革命』を噛み砕き、全選択をハードモードクリア、見事な手際だ!
0570この名無しがすごい!垢版2018/10/30(火) 22:23:10.15ID:DzrXDZ/u
そして、もう、ネタ切れorz
3作目を何とか絞りだしたら次のお題を待つか・・・
0571この名無しがすごい!垢版2018/10/31(水) 18:08:06.54ID:hN8wqgU7
無理すんなって
0572この名無しがすごい!垢版2018/10/31(水) 21:40:22.04ID:HTHItynO
>>556 おとぎ話口調は結構好きなんだけど、シナリオ作るのクソむずぃ……
使用したお題:『【始】のつく言葉』『革命』『クロワッサン』『人狼』『先生』

【クロワッサン王国とワッフル王国】

 あるところに旅人と先生がいました。旅人は優しく賢い先生のことを尊敬していました。

 2人はクロワッサン王国に着きました。クロワッサン王国の人に話を聞くと、街の人はとても親切にこんな話をしてくれました。

「クロワッサン王国は治安が良くて良い国だ。でも隣のワッフル王国の奴らは悪い奴らだ。絶対に近づいちゃいけないよ」

 2人はその後、ワッフル王国へ行きました。ワッフル王国の人に話を聞くと、街の人は懇切丁寧にこんな話をしてくれました。

「ワッフル王国は栄えていて良い国だ。でも隣のクロワッサン王国の奴らは悪い奴らだ。絶対に近づいちゃいけないよ」

 二つの国の国民から話を聞いた旅人は、先生に聞きました。

「僕はどちらの国も良い国だと思いました。でも、なんで彼らはお互いを悪い奴だと言うのでしょう?」

 先生は答えました。

「人間はね、外に敵がいないと味方を作れないんだよ。人間は狼のように、仲間には優しく、敵には厳しいからね。悲しいことだけどね」

 そう言ってワッフル王国から出ていこうとしました。が、なんと2人は捕まってしまいました。
 ワッフル王国の人々はこう言いました。

「お前たちはさっきクロワッサン王国から来た二人組だな。もしかしたら敵のスパイかもしれない。処刑してやろう!」

 ほんのちょっと前まで優しかったワッフル王国民は、そうだそうだそうかもしれないきっとそうだそうに違いない、と口々に喚き散らし、先生の首を刎ねてしまいました。
 先生の首を刎ねたのを見たクロワッサン王国の民がいました。彼らはこう言いました。

「おお、なんと残虐な奴らなんだワッフル王国民は。こんな奴ら生かしておけない。革命を起こして全員殺してしまうべきだ!」

 ほんのちょっと前まで親切だったクロワッサン王国民は、そうだそうだそうかもしれないきっとそうだそうに違いない、と口々に喚き散らし、戦争を始めてしまいました。

 醜い争いを始めた二つの国の国民たちの姿を見て、優しかった先生の亡骸を抱えた旅人はこう言いました。

「人間は狼なんかじゃない。こんな愚かな生き物は、狼にすら劣る」

 そう言って旅人は狼に変身して、戦争をしていた愚か者たち全員を噛み殺してしまいました。

 遠吠えが一つ響いただけで、あとには何も残りませんでした。
0573この名無しがすごい!垢版2018/11/01(木) 08:24:11.40ID:+tsrXpPA
>>572
572氏のお題・全選択チャレンジは、おとぎ話調のファンシー作品〜、狼とお菓子!
さあ、漂流するように国を行き来する旅人と『先生』が旅先に到着した〜、その名も『クロワッサン』王国〜、かわいい系の王国だw しかし民衆は口々に隣国ワッフル王国に対する敵意うごめかせ、
当のワッフル王国でも状況は同じく犬猿の仲〜、その様子を見て悲しげに、いかにかわいらしい国名であろうとも人間集団は外集団に敵意をもつ狼のようなものよと教えてくれた先生は、逗留先の王国でスパイの容疑をかけられ、問答無用の斬首の憂き目!
さて斬首が国家間の火種となって、『革命』だ、別の王朝を打ち立てろと『始』まる戦争〜、怒りボルテージMAXの旅人が、『人狼』に成り変わって最後は鏖殺ENDだァ! 教訓って感じだな、
なるほど、語り全体を御伽ばなし調にふんわり彩色しつつ、狼の小話を挟むことでラストの『人狼』化も何かありそう感を狙ったか〜、隣国は近くて遠く思うもの、572氏、遺恨の連鎖を描いたお伽の国のドラマでお題を使い切った!
0574この名無しがすごい!垢版2018/11/01(木) 22:15:02.21ID:iAfHAiqf
とんでもねぇことに気づいちまった・・・
なんでハロウィンをお題に入れなかった自分! まさに旬のネタじゃねーかチクショウ!
0575この名無しがすごい!垢版2018/11/02(金) 06:52:34.69ID:2bSSuj6a
それ、第一回目のお題でしたから(震え声)

>>563
心優しき野生の子w
思い込みで変身出来るなら、既に月は必要ない様な? もしかして進化した新人狼類なのでしょうかw?

>>565
心の声も時代に合わせて進化しているのですね
狡猾さでは悪魔ですら敵わないと言うw
でも、その心の声の主は自分自身ですからw

>>567
悲しき復讐鬼の誕生……と言った所でしょうか?
果たしてクラスの秘密とは?

>>572
愚かな人々と純粋な人狼
正しくお伽噺だと思いました
0576この名無しがすごい!垢版2018/11/03(土) 15:19:55.43ID:POiCPvIk
恋愛もので何か書けないか2日ほど悩んで心折れてやめました。お題が恋愛テーマからはずれすぎとるでホンマ・・・
0577この名無しがすごい!垢版2018/11/03(土) 23:26:17.11ID:kpw6M8/Z
>>556
使用お題:『【始】のつく言葉』『革命』『クロワッサン』『人狼』『先生』

【研究者魂】(1/3)


 様々な実験器具のひしめく室内では、一人の男が薬品に漬け込まれていた毛皮を慎重に取り出していた。
 一部を切り分け試薬を滴し、満足そうに嗤う。
 姿こそ、どこにでも居る様な痩せぎす簾禿の中年メガネの男性……それも研究者然とした出で立ちではあるが、しかし引き攣った様な嗤い顔を見せるその姿は、一言でいえば“マッド”であった。

「ハムハム、ンク……ふう、先生、怪しすぎです」
「……栗栖くん、研究室での飲食は止めたまえ」
「美味しいですよ? クロワッサン鯛焼き。サクサクとした表面ともっちりした中央部分。それにザラメがアクセントになって……うん! 始発を使って自由が丘まで足を伸ばした甲斐がありました」

 先生……研究室の主任でもある黒瓜 荒須太は、遅れて来た挙句、手伝いもせずお茶をしている助手の縣 栗栖にジト目を送る。
 栗栖の方はと言えば、そんな荒須太の視線などどこ吹く風とばかりに、出勤時にわざわざ遠回りをして買ってきた“クロワッサン鯛焼き”を美味しそうに頬張っていた。

「我輩の研究も手伝わず食べてばかりとは、まったく、嘆かわしい!」
「いえ、そもそも、私、この研究室が、なんの研究をしているのか分かりませんし」
「なに!? 為らばなぜ、この研究室に応募してきた!!」
「給料が良かったもので」

 憤る荒須太に栗栖がしれっと言う。

「で、何の研究なんですか?」

 暖簾に腕押しだと感じたのか、荒須太はコホンと咳払いをすると「ふむ、そうだな」と呟き、大仰そうに腕を開く。

「今研究している事が叶ったのならば、人類は次のステージへと上がれるだろう!! それこそ新しい世界の幕開け! 新たな歴史の始まり! 旧時代を駆逐する革命的事象!!」

 心なしか荒須太の身がスポットライトにさらされている様に思える。そして脳内ドラムがその音を奏で切ったのだろう。
 ことさら声を張り上げ、荒須太が高らかに言葉を紡いだ。

「変っ身っだ!!」
「は?」
「“変身”の研究だ!!」
「はぁ」

 胸を張りドヤ顔をする荒須太とは裏腹に、栗栖は残念そうな表情を彼に向ける。言う事に欠いて“変身”の研究とは……
 確かにそんな研究が実に成ったのなら、革命的だろう……主に特撮的な意味で。

(子供を大人にしたような人だとは思っていたけど、本気で中身は子供だったのね)

 残念を通り越して憐憫に届きそうな瞳で見つめる栗栖に気が付いた荒須太は、慌てて弁解を試みた。

「まぁ待て、我輩は本気で研究をしているのだぞ? 第一、これは全人類の夢と言っても良いだろうに!!」
「えー」

 到底、納得などできない説明に、栗栖の彼を見る目は既に不審者を見つけた時のソレに成っていた。
 その瞳に身に覚えがあったのだろう。荒須太は更に慌てて説明をする。

「変身願望……と言う言葉があるだろう? 今の自分から別の自分に成りたいと言う願望だ。それ位なら栗栖くんも聞いた事が有る筈だ!」
「ええ、まぁ」

 だとしても、荒須太の言う“本気の意味での変身”と言うのは、それとは違うだろうと栗栖は思った。少なくとも彼の言う物は、子供向けの特撮やらアニメなどの中にしかないものの様に彼女には感じられたのだ。

「今の自分ではない別の自分に成りたいと言う思いは誰にでもある。それは、それこそ神話の時代からだ」
「……飛躍し過ぎでは?」
「いや! ローマ神話やギリシャ神話等を見てみたまえ! かの神話に登場する者達は、かくも変身しまくっているでは無いか!」
0578この名無しがすごい!垢版2018/11/03(土) 23:31:50.58ID:kpw6M8/Z
【研究者魂】(2/3)


 栗栖は、自身の知る神話の幾つかを思い出す。そう言えばアルテミスもポセイドンも変身していたように思う。
 ナルシスも……変身と言えば変身かも知れない。

「ですが、しょせん絵空事では?」
「願望だからこそ、多くの物語に使われるのだ! 狭域で言えば、内弁慶やネットの成りすましとて変身ではあるだろう!」
「見た目が変わるものではないですけどね」
「いや、例えば男装や女装だって自分を変えたいと言う願望ではあろう? それでなくとも形が変わると言うのは心理的にも大きな影響がある! 例えば、君の食べている鯛焼き……」
「クロワッサン鯛焼きです」
「いや、だが、鯛焼きには違いは……」
「クロワッサン鯛焼きです」
「……う、うむ。それとて、中に餡の入った小麦粉を焼いたものでしかないにも拘らず、同様の製法で作られる大判焼や人形焼きと別の物として分けられるし、買う時にも選択されているだろう?」
「あれはあれで、食感とかも違うんですが……」

 確かにそう言った一面はあるかもしれない……栗栖はそう思った。何かを始める時に気分を変える為に形から入る、と言うのもそう言ったヤツだろう。

「……ですがそれならコスプレで良いんじゃないですか?」

 わざわざ、存在そのものの形を変えずとも、衣装を変えるだけでも十分では無いか? 彼女はそう思った。もっとも、コスプレを本気で研究されてもそれはそれで嫌な物はあるが。

「それで済む程度の願望で有ればそれも良いだろうが、しかし、わざわざ予算を割いてまでやる研究ではないだろう? そもそも、我が研究室の研究は神秘学の始終を検証し、証明する事が主題なのだ。変身の研究はその一環に過ぎない」
「神秘って……」

 また一気に胡散臭くなったなと栗栖は思う。

「いわゆるオカルト等は、迷信として駆逐されるべき物ではあるが、しかし、人の世に関わってきた……人の営みの中に関わっていたと言う時点で、一部の真実と有用性はあるのだ」
「真実……ですか?」
「詐欺でもなければ、それを生業と出来るだけの根拠はあるのだよ。魔女の秘薬とされている物が薬草学や薬学の賜物だったり、錬金術が化学の未成熟な形態だったりとね」

 そう言われるとそうかも知れない。全面的に支持は出来ないが、栗栖にも何と無く言わんとしている事は理解できた。

「例えばゾンビ―」
「……また一気に胡散臭くなりましたね」
「フィクションのソレでは無いよ、本来の物だ」
「と言うと?」
「あれは本来はブードゥーの刑罰の一つでね、ゾンビパウダーと言う秘薬を使って、刑罰者の自由意思を奪うなり、性格を従順なものに矯正したりして、言わば奴隷とする為の処置なのだよ」
0579この名無しがすごい!垢版2018/11/03(土) 23:36:17.01ID:kpw6M8/Z
【研究者魂】(3/3)


 随分と今言われているゾンビ―とは違うんだなと栗栖は思う。

「何でも、その刑罰は秘密裏に執行されていたらしく、その罰を執行される時に、一時的に仮死状態に陥ったりして……」
「ああ、死んだ筈なのに生き返った……と」

 生き返った挙句、生前とは違い自由意思がない虚ろな状態に成っているのでは、確かにあのゾンビ映画のソレの様に思われなくも無いだろう。
 意思疎通が全くできない相手と言うのは、それだけで恐怖となる。ましてやそれが人間の……知人の姿であれば、正しくバケモノの様に感じられると思われた。

「第一、噛みつかれて増えるのは、本来ヴァンパイアの方の領分だ。同じアンデットと言う事で一緒くたにされてはいるが、本来、ゾンビ―は勝手に増えたりしない」
「へえ……まぁ、ゾンビ―に関しては納得しました。ですが、やはり変身に関しては色々と納得はいきませんよ?」

 例え数多の物語に登場しているとは言え、いや、むしろ登場しているからこそ、栗栖にはフィクションとしか捉えられなかったのだ。

「その為の検証なのだが……」
「第一、神話なんかの変身は、何か凄い神通力で『えいやっ』って変身しちゃうじゃないですか。どこに検証なんて行う余地が有るんですか?」
「確かに神話などではそうだろう。だが、我輩の研究対象は『人狼』なのだよ」

 同じでは無いか? そう思った栗栖だったが、しかし、この先生がこうまで自信満々なのだ。何か根拠があるのでは? そう考え、一つの事が頭に過る。

「あ、本来の人狼も、そう言う種族では無い……とか?」
「そう、本来の人狼も、ライカンスロープと言う種族が居る訳では無く、魔術師が術によって姿を変えたものであったり、魔術によって他者に呪いをかけたが為に人狼となる物なのだよ」
「はぁ、で? どうやるんですか?」

 先程までとは違い、多少の現実味を帯びた話に栗栖も興味は湧く。と言っても、全く変身できる等とは信じてはいないのだが、検証と言う事であれば、色々と面白そうな実験をやるのだろうと思ったからだ。

「本来ならば、月齢等も加味しなければいけないのだろうが、まぁ、対照実験としてとりあえずやってみると言うのもアリでは有ろう。そうだな、他者を呪って変身させるのはまた次の機会として、今回は術師が自ら変身するパターンを試してみようと思っている」
「へぇ、どんな感じなんですか?」
「術的にはオーソドックスな物なのだが……」

 そう言いつつ、先程の毛皮に目をやる。頭の付いたままの狼を見ながら、どうせ見せるのなら、少しばかり脅かすのも有りかもしれない。
 そんな稚気が荒須太の心を過る。

「うむ、毛皮に薬品も馴染んで来た事だし、早速、検証実験を始めようか……支度が有るので栗栖くんは少し待っていて貰えるか?」
「わっかりました!」

 お茶をしている気満々の栗栖に、荒須太は眉間に皴を寄せるが、しかし溜息を吐きつつ隣部屋に引っ込む。
 と、暫くしてその扉がガチャリと開いたのだが……

「ギャ――――――――――!!!!!!」
「うお!! 栗栖くん!! 物は投げるな!! ちょ! ま!!!」

 簾禿で、肋骨が浮く程に貧相だが、しかし腹だけは出ていると言う生っ白いオッサンが、上半身裸毛皮に狼製であろう革のパンツルックと言う、どこのビジュアル系バンドだよと言った格好だった為、むしろ身の危険を感じた栗栖に物を投げられると言う結末に終わった。

 これがイケメンであればまた違っていたかもしれない。が、当然、この実験は失敗で終わったのであった。
0580この名無しがすごい!垢版2018/11/04(日) 08:35:05.11ID:simWDltN
>>577
577氏が全選択で執筆だ、古来より人は変わり身に夢を見てきた〜、ゾンビの異形からはじまり、鯛焼きのアレンジまで、そして研究室で人はついに人狼になる!
さあ、様々な実験器具のひしめく室内で、『始』発のエクストリーム出社によって買い求めた『クロワッサン』鯛焼きを食す栗栖さんが、『先生』怪しすぎですと、マッドな笑みを浮かべる荒須太さんにドン引きしているぜ、
研究対象は〜、新たな歴史の始まり、旧時代を駆逐する『革命』的事象、つまり変身だw ドーン! 栗栖さんから憐憫に近い目で見られ、あわてて弁解する荒須太さんがクロワッサン鯛焼きやゾンビを交えて妥当性をアピール、
早速、検証実験を始めようと、『人狼』に変身した簾禿の荒須太さんは、裸メタボの半身に毛皮、狼製であろう革のパンツルックで現れるw コスプレじゃねえかw
さんざん前フリをしておいて、セクハラ扱いされて終わるという脱力変身オチを構築した577氏〜、お題を全選択でクリアして、ボリュームのある掛け合い漫才、ラストはおいなんでこれで予算おりた・フィニッシュだw
0581この名無しがすごい!垢版2018/11/04(日) 11:28:21.32ID:Qat4jzmt
>>580
感想有難うございます
この取材の為に(笑)自由が丘までいってきたりしましたw
因みに毛皮を被るのはオーソドックスな変身方法だったりしますw
0582二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/11/04(日) 22:13:02.37ID:mlTPNAVp
お題『【始】のつく言葉』『革命』『クロワッサン』『人狼』『先生』締切

【参加作品一覧】
>>563【狼男先生】
>>565【天使と悪魔とニンゲン】
>>572【クロワッサン王国とワッフル王国】
>>577【研究者魂】
0589二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/11/05(月) 02:15:27.39ID:xk5fFPtV
☆お題→『楽器』『ホットドッグ』『爪切り』『白魔術』『にんにく卵黄』

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK

☆締め切り→11/11の22時まで

☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>582より。

【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】
0590この名無しがすごい!垢版2018/11/05(月) 09:20:34.01ID:ornFOpNK
お題の出し方が下手な人がいるなぁ・・・。メンドクサイお題出したのなら必ず自分で書けよって言いたい。
0592零代目進行 ◆58hCtkhCCk 垢版2018/11/05(月) 12:58:02.24ID:r2R3B/D5
次週から安価を廃止したいと思います
0593この名無しがすごい!垢版2018/11/05(月) 13:36:56.45ID:Yn9k6ZRj
マジで?
お題は俺はなくてもいいと思ってたけど、ここはお題に沿って書く場所だとも思ってたから
そんなに簡単に廃止したらダメだろ。
0594零代目進行 ◆58hCtkhCCk 垢版2018/11/05(月) 14:27:18.59ID:7Y/qnR26
うっそぴょーんwwwwwwwwwww
びっくりした?ねえびっくりした??ww
0596零代目進行 ◆58hCtkhCCk 垢版2018/11/05(月) 14:48:27.40ID:DuhQ1F2U
すまんw
いつも他板でレスバ負けたらID変えて逃げてるからコロコロ変わるんだはw
許してクレメンスwww
0597二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/11/05(月) 15:14:30.08ID:xk5fFPtV
(´・ω・`)

お題をうまく消化したいスレ民の不満はあるのかもしれないけど、一応自由選択制なので……
最初期もお題「ああああ」とかあったし、「テキーラ・サンライズ」「ちくわ大明神」あたりも結構奇抜だったかな。お題を絞ってストーリー性に力を入れてみることもできるから、安価の特性として楽しんでもらえると嬉しいかな。
0598この名無しがすごい!垢版2018/11/05(月) 15:16:59.64ID:ornFOpNK
お題は何出してもいいと思うし、自由にやればいい。でも、最低限自分で書いてみてほしい。
無茶なお題出して誰も応じず、結果スレが1週間スルーされたら誰が責任取るんだ。前回だって5人お題出しといて書いたの2人だけじゃないか。
そもそも、お題3つ以上消化したら相当凄いはずなんだし、無茶なお題はスルーさせてもらうよ。今回自分は4つしかお題見てない。
0599この名無しがすごい!垢版2018/11/05(月) 15:25:07.46ID:Yn9k6ZRj
いつの間にか全部消化することが当然になってるのはあかんね。

スルー推奨で行こう。
0600零代目進行 ◆58hCtkhCCk 垢版2018/11/05(月) 20:42:59.08ID:r2R3B/D5
こんなしょうもない俺になりすましてる奴がいて草
まあこれ適当に拾ってきた共有トリップだしな…
どうでもいいな、うん
0602この名無しがすごい!垢版2018/11/05(月) 21:31:23.33ID:ornFOpNK
>>589 でも使えるお題と使えないお題はあると思うんだよね。少なくともお題出したやつは書いてくれや、おいらみたいに。
使用したお題:『楽器』『ホットドッグ』『爪切り』『白魔術』

【科学と魔術と僕とアイツ】
 魔術、それは世の理を統べる禁断の呪法なり。

 混沌を意味する「魔」を操り、それを自らのために活用する「術」を見出すこと。これが魔術の基本的な考え方である。
 論理の真逆にあるようで、論理的な法則を用いる術法。原因があり結果が伴うというところは共通しているが、その途中の経過が整然としているものを「物理」または「科学」と呼び、混沌としているものを「魔術」または「魔法」と呼ぶわけだ。

 というわけで……我が自然科学研究部の唯一の部員、自称・魔術師さんは今日も魔術の訓練に励んでいるそうだ。全くイライラする。

「おい」

「なに?」

 僕の言葉に魔術師殿は反応する。まあ他に人がいないのだから仕方ないのだが。
 僕は頭痛がするのを感じながら、魔術師殿に質問をする。

「なんだ、それは」

「魔術」

 そう言うと魔術師殿は振り向いて、その手に持っているオカリナを見せつけた。
 僕は魔術師殿が被っている白いフードを見ながら、さらに質問を続ける。

「魔術だというのはわかった。はっきり言って意味不明だけどな。で、今日のソレはなんだ」

「爪切りで深爪をしなくなる魔術」

 そういって魔術師殿はオカリナを水につけてブクブクを泡立て始めた。その様子は控えめに言って子供のイタズラにしか思えず、はっきり言ってまるで意味がわからない。
 僕はいつものように苛立ちながら、自称・魔術師殿に説教を始めた。

「あのですね、ここは自然科学部であって、そんな遊びをする場所じゃないんですけどね! やめてくれませんかね!?」

「いいじゃない、魔術も科学も似たようなもんさ。むしろ効果的なものが多い分、魔術の方が優秀だと思うよ」

 そう言って魔術師殿はブクブクを辞める気がない様子だった。僕はイライラしながら魔術師殿の過去をおかしい言動を思い出す。
 魔術師殿曰く、魔術は因果関係が至極難解で複雑らしい。よく言えばバタフライエフェクト、悪く言えば風が吹けば桶屋が儲かる。
 ホットドッグを16等分にしてそのうち4分の3をペットに与える行為が、どういうわけか邪魔者排除ができるらしい。包丁を振り回して謎の踊りをすると、なぜか虫歯予防になるらしい。
 聞いてる僕がよくわからないのだ、言葉で説明しても誰もわけがわかるまい。僕は唯一の部員の奇行に頭を抱えたくなる。

「魔術なんて非科学的なもの……信じるのは自由だが実証しようとするのはどう考えてもおかしいぞ……。現代文明を何だと思ってるんだ……ここは自然科学部なのに……」

「でも、効果のある魔術も多いんだよ?」

 そう言って魔術師殿は白いフードを外す。こいつのフードの外し方が独特で、横からズラすように外す。
 僕はその様子を見て、ドキリとする。

「な、なにを言ってるんだか。まったく、キミは、もう、ホントに……」

「フフ、まあこの様子だと、部長ドノにだけは魔術を否定されたくないところだね」

 そう言って白いローブを被りなおす。僕は、はぁとため息をついて魔術師殿から視線を外して頭を掻いた。
 魔術師殿がローブを外すと、妙に動揺してしまう。こんな奇矯な部員さっさと退部させたいのだが、毎回こう動揺してしまうせいでどうにも上手くいかない。
 新入部員も全然入ってくれないし……一体僕はどうしたらいいんだ、と魔術師殿の頭を見下ろしながら再度ため息をついた。

「まあ、お互い方法は違えどがんばりましょう。真実の探求を、ね」

「一体何が真実なんだか……」
0603この名無しがすごい!垢版2018/11/06(火) 00:43:37.17ID:tZS2ciQ9
原稿終わんねぇ……
使用したお題:『楽器』『ホットドッグ』『爪切り』『白魔術』『にんにく卵黄』
【ハウリング】
「尻尾揺らして飛んでく♪ そう、ぼくはきみのホットドッグ♪ おやつはにんにく卵黄、それからホットドッグ♪」
 右へ左へ、行き交う蛍のように揺れるサイリウム。
「爪切り、ブラッシング、きみのためなら我慢するよ♪」
 熱気と熱狂を包括したライブ会場のステージで彼は弦楽器をかき鳴らしながらエネルギッシュに歌う。
「いつでも今は今だけだから、駆けだそうよ〜♪ ぼくはきみだけのホットなドッグ♪」
 力強いベースラインが跳躍前の踏ん張りを彷彿させるように、僅かに勢いを鎮める。……サビが訪れる直感。
「一緒にっ!」
 ボーカルがコーラスをギャラリーに求める。
 けたたましくドラムが鳴ったのが合図だった。
「「「「「BOWーWOWーWOW! BOWーWOW!!」」」」」
 一斉に揺れながら歌い出すギャラリー。物凄い一体感と疾走感。いいぞもっとやれ。
 カルト的な人気を誇るサブカルロックバンド、スチームゼリーを代表する曲の『ホットドッグ』。
 とあるファン曰く、「ああ、なんて味わい深い歌詞……天才だ」とのこと。
 そんな心の底からスチームゼリーを愛して止まない観客達の中に、落ち着き払った者が二名いる。
 一人は、冷静に観客の様子に注目しながら巡回していた自分。
 そして、もう一人は顔を隠す様にパーカーの黒いフードを深く被った何者か。
 黒フードはポケットから手のひらサイズの何かを取りだし、ボーカルへと狙いを定めた。
 手に握られた筒状の先端を持つそれは、込められた魔弾を高速で打ち出す魔力投射器であった。
 周りはその事には気づかず、熱狂の渦を絶賛形成中。
 ――ただ一人、自分を除いては。
 背後から魔力投射器をもつ手を抑えると、黒フードはようやくこちらの存在を認識したようで、慌てて身を暴れさせた。
 すぐさま揉み合いへと発展する。感情を宿さない瞳がフードの影でギラリと光ったかと思うと、音なく暴発した魔力投射器。
 射出された魔弾は真上に向かって一直線に飛んでいき、天井に衝突。プラズマの断片を振りまきながら爆発を起こした。
0604この名無しがすごい!垢版2018/11/06(火) 00:44:22.26ID:tZS2ciQ9
 ……ことの発端は、数日前に遡る。
 ライブを控えたスチームゼリーの元に、匿名で、一通の手紙が届いた。
 内容は「ライブを中止しないとコロす」といった極めて単純明快なものだった。
 こういった類の手紙は、スチームゼリーが自分の国を賛美する歌をリリースしてからというものの、度々届くものであった。世の中、色々な人がいるものである。
 これに対し、メンバーは気にしないでライブを決行する方向に固まっていた。というのも、今回行われるのは彼らスチームゼリーが結成してから一周年を祝うイベントでもあったからである。
 当然、マネージャーは反対した。
 で、この度、ボーカルと旧知の仲である自分は彼らの護衛を依頼された。
 どうやらことを公にしたくないらしく、頼めるのはお前だけなんだとか。
「いくらダチの頼みとはいえ、流石に聞けることと聞けないことがある」
「ほら、彼も止めた方がいいと思ってるみたいだし、中止よ、中止」
 マネージャーはきっぱりと言った。
「ちなみに報酬なんだが……」
 そんなのはどこ吹く風と懐から封筒を取り出すボーカル。
「……っ!」
 厚みのあるそれはには思わず視線が釘付けとなった。
「もちろんこれは前払いだ」
 気づくと彼の手元にあった封筒は、いつの間にか俺の手の中にあり、今まさにポケットへと突っ込まれる最中であった。
「よし、引き受けた。当日は俺に任せてお前はファンと向き合うことに集中しろ」
「は? あなたたち正気なの?」
「正気か狂気か定かではないが、少なくとも本気ではあるな」
 ドヤるボーカルに不満顔を露わにするマネージャー。
「そもそも、報酬で意見をころっと変えるなんて、飛んだ拝金主義ね」
 矛先がこちらへと向けられた。
「誤解があるな。俺は報酬が魅力的だから受けるんじゃなくて、それが友達の頼みだから断れないだけだ」
 唖然とするマネージャー。
「よし、これで万が一何かあっても大丈夫だな。何せ優秀なガードマンがついたんだから」
 優秀なガードマンという評価を頂いたが、それは誇張に誇張を重ねた妄言だった。精々、無属性魔法にカテゴライズされる、瞬間移動の魔法が無詠唱で発動できる程度である。
 だが、ここで自分弱いアピールしても話が進まないので黙っておく。
「……はあ。頭が痛いわ」
「そう深刻に考えなくても、どうせただのハッタリだ。お前らは適当に客席に睨みを効かせていれば大丈夫大丈夫」
0605この名無しがすごい!垢版2018/11/06(火) 00:54:22.86ID:tZS2ciQ9
 ……そう言って陽気に笑いを浮かべた旧友の顔が浮かび上がった刹那、天井より降りてきた爆発音。
 騒ぎを起こすわけにはいかない。例えアクシデントが起きようと、観客には何事もなくライブは成功したと思わせなければならない。
 であるなら、こちらは会場の人たちが見上げるよりも早く、演出魔法(エフェクトマジック)の込められた魔弾を、射出機から頭上に向けて発射した。
 魔弾は空中で花開くように弾け、色とりどりの花弁や蝶を生み出して会場の上空を鮮やかに彩った。
 若干過剰すぎると言えなくもない演出は、見事に観客の目を奪い、その更に上で起こった爆発をごまかしてくれた。
 急いで黒フードへと視線を戻したが、既にそこに求めた姿はなかった。
「……消えた?」
「転移魔法の痕跡が見られたわ。近場での転移の反応はないから、多分ずっと遠くまで飛んだ……と思いたいわね」
 インカム越しにマネージャーの声が聞こえてきた。
 予め魔法陣を設置し、転移する場所との紐づけをしなければいけない代わりに魔法陣のある場所にはどこだろうと移動できる転移魔法と、魔法陣はいらないが視認した空間にしか移動できない移動魔法とは、性質が異なるものである。閑話休題。
「他に怪しいやつは?」
「大丈夫そう」
 その言葉を聞いて、ひとまず胸をなでおろした。脱力し、天井を仰いだ拍子に、スポットライトの一つが、支柱をグズグズにして、今にも落ちそうになっているのが見えた。
「やべ。マネージャー、至急、身体強化魔法を頼む」
 言い終えるよりも早く、移動魔法を使ってスポットライトの支柱まで飛び、梁に足を駆けて支柱とのつなぎ目を思い切り掴んだ。微量ながら、体に活力が沸き上がってくるのを感じる。
 ――バキッ、と音を立ててついぞ折れてしまった支柱があっさりとライトを手放し、代わりに自分の肉体のみがそれを支える役目を担った。
「ぐっ、おっも!」
「駄目、距離が遠すぎて今の出力を維持するだけで精いっぱいよ」
「ああ。そのまま維持してくれ」
「ちょっと待ってなさい。今すぐに観客に避難を呼びかけるから」
「いや、それはなしだ。今騒ぎを起こしたら、今までの全部が無駄になる。俺は大丈夫だから、ライブは続けるぞ……!!」
「馬鹿! そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!?」
「……なあ、聞いてくれマネージャー。この音楽は、魔法なんだよ。生まれつき、魔法適正を持っていなかったあいつが、だからこそに持ち得た、唯一無二で、掛け替えのない魔法なんだよ」
「あいつらが楽しんでいるこの場所、この時を、俺は壊したくないし、壊されたくない」
「その為に背負う負担なんて、本当に、本当に、全くもって、どうってことねえんだよ……!」
 例えるならそれは、この会場を包み込む、範囲魔法にして純粋な祈りで構築された、奇跡にも等しい白魔術だ。
 終わらせねえ。終わりたくねえ。意地というものに使い道があるのだとしたら、例えばこういうことに使うのだろうと、直感が叫んでいる。
「いい加減にして。これはたかがライブよ? 馬鹿馬鹿しいにも程があるわ」
「そうだな。でもそのたかがライブに、命の危険を知って尚、ステージに立ったバカがいるんだよ……! ここで、そいつの勇気を、そいつについてきたやつらの期待を……台無しに出来るかよ……!」
 バカだと一笑されてもいい。愚かだと一蹴されてもいい。それでも諦めきれないモノがある限り、自分の中にある、この意志は絶対に曲がらないし、折れない。
「呆れた。もういいわ、好きにしなさい。……仕方ないから付き合ってあげるわよ」
 もし、自分の肉体が持たなければ、被害を被るのは自分だけでなく、下にいる観客にすら影響が及んでしまう。予想ではライブが終わるまではぎりぎり持つと思うが、そこに明確な根拠の提示は出来ない。
 そういう前提に置いては、この決断が純粋な悪であることなど分かり切っていた。
 もう、どうこねくり回したって美談にはならない。
 でも、それでも、音楽はまだ鳴っている。
「「「「「BOW−WOW−WOW! BOW−WOW!!」」」」」
 なら、一握りも迷いはない。
「「「「「BOW−WOW−WOW! BOW−WOW!!」」」」」
 自分も会場を一つにする音の渦に混じって、声を張り上げた。
0606この名無しがすごい!垢版2018/11/06(火) 07:43:41.59ID:QCroMS+b
>>602
お題の消化をとるか作品の一貫性をとるか、作者の選択も醍醐味となる短編スレではいつでもそれが問題だ、602氏が『楽器』『ホットドッグ』『爪切り』『白魔術』で挑む、呪法・フード外しのマジックアーツ〜
さあ、舞台は自然科学研究部、オカリナ(『楽器』)を水に沈めてブクブクさせて遊んでる、もとい『白魔術』を行っているフードの魔術師に、部長がなんだそれは問いかける〜!
いわく、『爪切り』で深爪をしなくなる魔術w なるほど白魔術だw さらには『ホットドッグ』を16分割してペットに与え、邪魔者を排除したりもできるらしい魔術理論、
そのカオスが科学思想を信奉する部長にはこらえがたいが、しかしフードをするっと外す魔術師さんの仕草でなんとなく非難したくも誤魔化されてしまう〜
最後のフードは魔術かアレか!? 真実はいつも一つ、いや、とも限らない〜、高村光太郎いわく僕の前に道はない、僕の後ろに道は出来る、科学、魔術、真実とは人により揺蕩うものでもあるゆえに信じた道をゆくがよし、602氏が選択お題を貫徹だ!!

>>603
原稿に追われているバラバラお題を全選択の603氏の挑戦は、友情と音楽とが結実した模様! ライブオン、スイートライブ、バウワウ!
さあ、弦『楽器』をかき鳴らしてボーカルが歌う、ぼくはきみの『ホットドッグ』♪ おやつは『にんにく卵黄』で♪ 『爪切り』、ブラッシングも我慢する〜♪ ぼくはきみだけのホットなドッグ、って駄洒落なのかw めまいがするような歌詞による消化w
ところが会場にテロを目論む影ひとつ! 護衛となった主人公が破壊工作を阻止するが、揉み合いの余波で天井・支柱が攻撃され、スポットライトが落下しかける苦境が発生、
いまやライブ会場を包み込んでいるのは、言ってみれば範囲魔法にして純粋な祈りで構築された、奇跡にも等しい『白魔術』だと、ライトを支え、主人公がワイルドに咆哮だ!
そもそもテロの予告から始まった防衛戦、危険承知のライブで響くは音楽だけにのみならず〜、曲げられない意地と信念、ビートに乗って、603氏がバラバラお題・全選択、熱狂ハウリングENDをビンビン決めたァ!
0607この名無しがすごい!垢版2018/11/06(火) 20:03:18.01ID:3M8F0dp+
>>602
たった二人の放課後実験ですね
某歌詞によると、恋をした少女は、その瞬間から超一流の魔術師になると言いますが……
どうにも、魔術師と言うより、小悪魔と言った感じですがw

>>603
裏方として頑張る理由は、友情の為
持ち得なかった友人が手に入れたたった1つの魔法を護るためと言う……良い友情だと思いました
0609この名無しがすごい!垢版2018/11/09(金) 08:39:56.26ID:yLUce6/z
なんか静かですね…
0610この名無しがすごい!垢版2018/11/09(金) 14:08:44.52ID:bjTMFZOT
>>589
使用お題:『楽器』『ホットドッグ』『爪切り』『白魔術』『にんにく卵黄』

【魔術師のお仕事】(1/2)

 とある魔術師協会で、1人の魔術師の少女が今日も仕事に励んでいる。
 あらゆる依頼に応じて協会に所属する魔術師がその願いを叶えていくという場所である。白魔術の担当である彼女は人の為となるこの仕事が好きであった。

 そこに1人の男がやってきた。本日1件目の依頼のようである。

「すまない、少し頼みがあるんだが」
「はい、どのようなご依頼でしょうか?」
「……妻の大事にしていたハーモニカに思いっきり傷をつけてしまってな。何とかならないか?」
「破損物の修復の依頼ですね。承りました」

 壊してしまった物、傷付けてしまった物を直してほしいというのは良くある依頼である。流石に楽器の場合は音が出ないなどの規模になれば職人による修復や調整が必要になるが、表面についた少しの傷くらいであれば低位の白魔術でも問題はない。
 すぐに彼女は修復の白魔術を発動し、修復に取り掛かる。淡い光に包まれたハーモニカの傷は、すぐに消えていく。

「はい、出来ましたよ」
「おぉ、助かるよ」
「もし音がおかしいとかがあれば、楽器の職人さんに確認をお願いしますね」
「分かってる、流石に専門外だろうしな。とにかくありがとよ」
「いえいえ、これがお仕事ですから」

 男は礼をしきりに述べながら帰っていった。男と入れ違いに1人の少年がやってくる。本日2件目の依頼のようだ。

「魔術師の姉ちゃん、俺の相談を聞いてくれよ……」
「はい、どうしました?」
「うちの親父が屋台をやってるんだけど、新メニューが決まらなくて悩みまくっててさ……」
「それは困りましたね……」
「なんかヒントになる様な物ないかな?」
「……そうですね。捜索の白魔法を使ってみましょうか?」
「え、そんなのあんの? どんな効果?」
「基本的には無くした物を探す魔法なんですが、迷っている時の道標を指し示す事にも使える場合があるんですよ。絶対にとは行きませんけどね?」
「……絶対にじゃないのか。いや、でもヒントになればそれでいい。それを頼むよ」
「はい、承りました」

 この捜索の白魔法は本当に求め続けれていなければ効果は発揮しない。彼の父親が依頼する方が可能性は高いけれど、彼女は捜索の白魔法を発動する。そして少女の脳裏に光景が浮かび上がってくる。

「……これはどこかの畜産で生計を建てている村ですね。この辺りでは見かけない変わった食べ物が見えますよ」
「どんな食べ物!?」
「えっと、パンにソーセージを挟んで齧り付いていますね。あ、普通に美味しそう」 
「パンにソーセージを挟む!? え、たったそれだけ!?」
「何かソースらしきものはかかっていますけどね」
「よし、それだ!」
「実物を一度見に行ってみる事をおすすめしますよ。名前は『ホットドッグ』かな? 少し遠そうですが方角はここから南の地です」
「知り合いの行商人のおっちゃんに頼んでみるわ! ありがとよ!」
「いえいえ、これがお仕事ですから」

 それだけ言い残して少年は駆け出していった。もしかしたら近々この街で先程見えた『ホットドッグ』の屋台が出来るのかもしれない。彼女は少しそれが楽しみであった。
0611この名無しがすごい!垢版2018/11/09(金) 14:09:10.43ID:bjTMFZOT
【魔術師のお仕事】(2/2)

 そして少年と入れ違いに今度は老人がやってきた。3件目の依頼のようである。

「痛た……」
「大丈夫ですか? どうなさいました?」
「いやなに、爪切りしてたら深爪し過ぎてなぁ?」
「気をつけてくださいね!? 治癒の白魔法をかけておきますよ」
「おぉ、すまんのぉ」
「いえいえ、これがお仕事ですから」

 本格的な大怪我は大規模な治療魔術院等に行ってもらわなけれなここでは処置しきれない。だけど些細な傷や軽い病気ならここでも治療出来るという事で、それを依頼してくる人も多い。それもまた魔術師協会の役目である。
 そして4件目の依頼者がやってきた。この辺りでは見かけることの無い黒髪黒目の青年である。

「もう我慢の限界だ! 何でもいいから日本の物を食われてくれ!」
「落ち着いてください。えっと、ニホン……?という場所の食べ物ですね?」
「あぁ、そうだ! こっちに飛ばされてからもう全く食えてないんだよ! もう食いたくて堪らない!」
「……遠い故郷なのでしょうか? いえ、分かりました」
「……出来るのか?」
「召喚の魔術を使います。白魔術ではないんですけど、食べ物くらいなら多分大丈夫だと思いますから」
「それでいい! 頼む!」

 召喚の魔術は黒魔術に分類されているので、厳密には隣の黒魔術部門の案件という事になる。けれども彼女は切実な様子のその青年の為に黒魔術を発動していく。専門ではないだけで基礎的な黒魔術も習得はしているから出来る事である。
 
「はい、召喚できましたよ」
「おぉ! 何年ぶりだ? 日本の食い……物……? は? なんでにんにく卵黄?」
「もしかして失敗でしたか……?」
「いや、間違っちゃいない。……うん、間違っちゃいない。おう! これが欲しかったんだ、ありがとよ!」
「そうでしたか! 失敗かと思ってしまいましたが良かったです!」
「……うん、本当にありがとう!」
「いえいえ、これがお仕事ですから」
 
 青年は思った通りの物は手に入れられなかったが、落ち込みかけた彼女の姿を見てそれを告げる事は出来なかった。そもそも自分の頼み方が悪かったという自覚もあったからだ。
 彼女の知らない土地の食べ物だとしても、食べ物1つくらいであれば依頼者の狙った通りの物を召喚する事は可能ではある。それが異界の物ですらなければ……。
0612この名無しがすごい!垢版2018/11/10(土) 08:08:11.70ID:hBDx1Sn9
>>610
610氏は異世界ドキュメンタリー作品でお題・全選択に挑戦してきた、白魔術師は救いたい!
さあ、主役は魔術師協会に所属する『白魔術』の担当少女〜、やって来る人々の平穏を、魔術を行使して守る若き魔術師の一日が始まった〜、
最初の来客の用件は、傷の入ったハーモニカ(『楽器』)の手当て、修復魔法でパパッと直したぞ〜、来客二件目は屋台経営者の新メニューをどうするか、魔術師が捜索魔法で『ホットドッグ』を提案する〜、来客三件目は『爪切り』で深爪した人w はいはい治癒魔法!
最後の案件、異世界に転移してきた青年の願い、日本の食べ物が食べたいなる求めに応じ、黒魔術の応用で、に、『にんにく卵黄』を召還した〜、なんでそれ召還しちゃったのかw
しかし青年も気を遣い、おう! これが欲しかったんだ、と無理をするw そうだな欲しかったよなw 610氏、キラーお題『にんにく卵黄』のアクの強さをオチに転用、徹底取材お仕事風景、描ききり、丁寧な全お題クリアーをやってくれたぜ!
0613この名無しがすごい!垢版2018/11/10(土) 14:22:25.89ID:csivEC1d
>>612
いつも感想ありがとうございます。

もう少し具体的に頼んでいれば違った結果だったかもしれません。
0614この名無しがすごい!垢版2018/11/10(土) 17:03:03.73ID:ftXKgmcP
なるほど、オチにもってくって手があったか。考えが凝り固まってるとあかんなぁ
0615この名無しがすごい!垢版2018/11/11(日) 12:21:59.98ID:uYQFFQrH
>>589
使用お題:『楽器』『ホットドッグ』『爪切り』『白魔術』『にんにく卵黄』

【魔女対戦】(1/3)


 ふと気が付いた時、野々村 真翔は縛られた状態でやけに豪奢な椅子に座らされていた。
 周囲には数十人の女性達。それも下は10才程度から上は80近い人もいるだろうか?
 その中で、16才程の少女達二人が彼を覗き込む様に見ている。

「……え? 何? ドユコト?」
「クックックゥ、ようやくお目覚めかね? マナトくん」
「大丈夫かな? かな? 花子ちゃんが無茶したから、心配したんだよぉ?」
「花子ちゃん言うな!! ……ウフン? 主とて、この宴には賛同したでは無いか? カナよ」

 眼前で覗き込んでいるのは、見知った幼馴染二人の顔。だが、彼女達は普段とは著しく違う所があった。

「コスプレ?」
「コスプレ言うな!! ……クックック、これこそ、アークウィッチの正装なのだよ? マナトくん」
「流石にコスプレは失礼じゃないかな? かな?」

 とんがり帽子にひだ付きのシャツ。それに丈の短いジャケットと膝丈のスカート。その上にマントを羽織った二人の姿は白と黒の相似形。
 有体に言えば白黒の魔女の様に見えたのだ。違っているのは黒の衣装、山田 花子が身の丈ほどもある大きな杖を持っているのに対し、白の衣装、田中 加奈がタクトの様な短い杖を持っている事だろうか?

 真翔は頭の中で日付を確認する。ハロウィンはとっくに過ぎている。
 だとすれは、この二人の格好は何だと言うのだろうか?
 ましてや真翔がこうして縛られなければならない理由とは?

「うん? 花子ちゃんもわたしも、まだ、ただのウィッチだよね? 第一、ウィッチでもアークウィッチでも格好は変わらなかった様に思うかな? かな?」
「良いのよ! どの道、今この時、我はアークウィッチへと至るのだ! それは定められし運命!!」
「むぅ! アークウィッチに成るのはわたしじゃないかな? かな?」
「いやほんと、マジで説明して下さりやがってくれませんかね? 二人とも!!」

 自分を放置したまま言い争いを始める二人に対し、真翔はうんざりした様にそう怒鳴った。

 ******

「アークウィッチ昇進試験〜?」

 二人を問い質した所、そんな返事が返って来た。実は、幼馴染のこの二人、古くから伝わる魔女の家系であり、それぞれ、花子が黒魔術、加奈が白魔術を継承しているらしい。
 そして、魔女的に成人を迎える16才のこの日、二人は揃ってアークウィッチへの昇進試験を受ける事にしたのだと言う。

「……いや、勝手にやれよ」
「クックック。残念ながら、運命は其方を選んだのだ、マナトよ」
「そ、それはダメかもしれないかな? かな?」
「何でだよ」
「そりゃぁ……」
「それはぁ……」

 渋い顔をする真翔の問いに、二人は顔を見合わせ、曖昧な笑をこぼした。
 どうでも良いが、先程から周囲の魔女……なのだろう女性達の、爛々とした視線が突き刺さり、真翔は酷く居心地が悪い。

「諦めるのだマナトよ、其方がここでライブラの天秤を傾けねばならないのは、星に定められた宿命なのだ!!」
「と、とにかく、真翔くんはぁ 審判をして貰わなくちゃいけないかな? かな?」
「……はぁ……分かったよ、で? 何を審判すれは良いんだ?」

 引く気のない二人に、真翔は溜息を吐く。

「「それは……」」
「魔女十番勝負じゃよ」
0616この名無しがすごい!垢版2018/11/11(日) 12:26:29.08ID:uYQFFQrH
【魔女対戦】(2/3)


「エルダーウィッチ!!」
「長老様ぁ!!」

 その声に視線を向けると、人垣が二つに割れ、恐らく最年長であろう女性が、お供に付き添われ歩いて来る所だった。

「……町内会長の婆ちゃん?」
「くくっ、マナ坊、元気かえ?」
「うん、まぁ」
(昔っから、魔女っぽいと思ってたけど……)

 昔からお世話に成っていた人物の登場に、真翔が目を丸くする。だが、同時に納得できるような気分にもなった。呵々大笑する長老を見ながら、真翔は苦笑した。

「で? その十番勝負ってのの審判をすれば良いんだね?」
「うむ、十番勝負を見て、そして選べば良い」
「……うん? いや、まぁ、分かった」

 彼女の言い回しに少し引っかかった真翔だったが、しかしそれでも頷くと、途端に彼を縛っていたロープが解け、そして空中に浮かび上がったトランペットが、高らかにファンファーレを奏でたのだった。

 ******

 十番勝負も折り返しに入った第六勝負。真翔はある意味、頭痛のする頭を押さえ溜息を吐く。
 今、彼の目の前には二山の大量のホットドック。

「制限時間いっぱいまでにって、その時間を使い切れって意味じゃないと思うんだ……」

 一番勝負の生け花から来て、日舞、算盤、掃除、洗濯……いやこれだけでも「何やってんの!?」と言う気にさせられた真翔だったが、この六番勝負は、それに輪を掛けてそう言いたくなった。
 勝負のお題目は料理。二人が揃って制限時間いっぱいまで作り続けたのが、眼前にあるホットドックの山だったのだ。

「クックック、さぁ! 貪るが良い!」
「た、食べてくれるかな? かな?」
「え? これ、全部食べなくちゃいけないの?」

 確かにホットドックは真翔の好物ではある。しかし、それだけを大量に出されるのも辛い物が有った。
 何で俺が……と言う思いはある。だが、審判である以上、食べないと言う選択肢はない。しかし、この量を一人でと言うのは勘弁して貰いたかった。
 周囲を見回すが、何故か皆、ニヨニヨとした笑みを浮かべるだけで手伝ってくれる気は無いらしい。
 だが、期待に目を輝かせる二人を前に、残すと言う選択肢を選ぶ事は出来なかった。

「いや、ホント、何でこんなに作ったよ……」

 そう呟きながらも、真翔は覚悟を決めたのだった。

 ******

 顔が引き攣るのも止められず、真翔は今日、二回目に成る恐怖を味わっていた。一度目は先程の耳かき勝負。
 加奈の膝枕は、むしろご褒美だと感じられたのだが、問題は花子の方。最新の説による耳かきと言われ、正座をさせられた挙句、頭が動かない様にと部屋の隅で押さえつけられ、耳かきを挿入された時は「何の拷問だよ!」と叫びたくなった。
 だがしかし、今はそれ以上の恐怖を感じていた。
 【お題、爪切り】……今、真翔は両手を固定され、二人が左右の爪を切っている所である。爪切りをやって貰うこと自体は、子供の頃、母親にやって貰った事も有る。
 だが、こんなにも緊張感をもって爪を切られていた訳では無い。

(人に爪を切って貰うってこんなに怖かったっけ?)

 真剣に爪を見られつつ、パチンパチンとそれを切られながら、彼は何となく爪切りを嫌がる猫の気持ちが分かった様な気がした。
0617この名無しがすごい!垢版2018/11/11(日) 12:32:29.44ID:uYQFFQrH
【魔女対戦】(3/3)


 そして迎えた最終勝負。

「最終勝負! 秘薬造りじゃ!」

 長老がそう宣言し、二人が予め作ってあった秘薬を持ってくる。

「あ、ここで作る訳じゃないんだ……」
「当たり前でしょ!? 薬を作るのにどれだけ時間が掛かると思ってるのよ!! あ!! いえ、さぁ! 我が渾身の秘薬、堪能するが良い!!」
「はい! わたしの作った魔女の秘薬、飲んでくれるかな? かな?」
「……にんにく卵黄?」
「あ! や! それしか入れ物が残って無くって……」

 花子の秘薬の入った入れ物に真翔が首を傾げると、彼女が焦った様にそう言い訳した。

「……おばさん、健康アプリマニアだもんな」
「そうよ、自分で作れるのに、なんで集めちゃうんだか……」

 さっきまでの大仰そうな言い回しも忘れ、普通に受け答えをする花子。この辺の気安さは、流石お隣同士と言った所か。
 だが、そんな二人を見て加奈が頬を膨らませる。

「真翔くん! わたしの秘薬、飲んでください!!」
「え? あ、うん」

 若干、黄味がかった橙色の丸薬を見て、真翔が訊ねた。

「……因みに効能は?」
「え? 疲労回復、滋養強壮、健康維持……かな? かな?」
「……」

 真翔の視線が、花子の持って来たにんにく卵黄のパッケージの方を見る。

「や、違うからねぇ!?」

 ******

 十番勝負を終え、長老が「で? どうじゃ?」と訊ねて来た。
 正直な話、最後の秘薬勝負以外に魔女らしさなど皆無だった事も有り、真翔は首を傾げる。そもそも、どちらの技術も五十歩百歩であり、明確に差があるとは思えなかったと言う事も有る。
 最後の秘薬に至っては、速攻で効く物では無いらしく、未だに効果があるのかどうかも分からなかった。

「……二人一緒に、アークウィッチに成るってのは出来ないんですか?」

 そもそも、どの程度のレベルで有れば試験合格なのかも分からないのである。それに、アークウィッチに成るのは一度に一人と決まっているのかも知らないのである。その為、真翔はそう訊ねたのだが……

「ほほう? 二人一緒にか」
「運命は常に一つだ!! マナトよ!!」
「それはダメじゃないかな? かな?」

 花子と加奈、二人の声が重なった。呆れ半分、冷やかし半分と言った、周囲の魔女たちの視線も真翔に突き刺さる。

「え? 何で俺が責められる感じに?」

 訳の分からない真翔だったが、しかし、アークウィッチへと至る条件が、血を絶やさぬ為に伴侶を得ると言う事だと聞かされていない彼が、それに気が付く事は無い。

「さぁ! 我を選ぶが良い!! マナトよ!」
「わたしを選んでくれるかな? かな?」

 そして、その事を説明していないと彼女達が気が付くのは、真翔が逃げ出した後だった。
0618この名無しがすごい!垢版2018/11/11(日) 12:37:21.97ID:uYQFFQrH
>>610
最近は異世界出身のお客さんも多そうですよねw
人々を笑顔にする素敵な仕事だと思います
0619この名無しがすごい!垢版2018/11/11(日) 19:25:45.37ID:61nUyX+/
>>589
お題:『楽器』『ホットドッグ』『爪切り』『白魔術』『にんにく卵黄』


【陰鬱な終末】
(1/1)
 金曜日の夕日はいつだって優しい。脳内アナウンスも浮足立っている。今週の世界はこれでおしまいです。また来週。
 俺は職場からいそいそと脱出してHPとMPが赤いまま帰路につく。改札を抜けホームに並ぶおじさんの群れの一部となる。
 おじさんAが現れた。おじさんBが現れた。おじさんCは俺。D、E、F……別にキングおじさんにはならない。まだこの人たちとは違う種族だと思えるほどには若造のつもりだ。
 しかし地下鉄の窓に映る表情は死者のように覇気がなく、これはやはり魔列車なのかもしれない。

 コンビニで適当にポーションとエーテルを買い、セブンスヘブンのドアを開けた。ただいま我が家。お帰り俺。今日も神羅カンパニーに内側からダメージを与えてきたぜ。偉いぞ、よくやった。なんでそんなこともできないの? 知るか、俺は頑張ってんだ。すみませんでした。
 片腕が機関銃の黒人とかクリムゾン姉さんの代わりに、カウンターに並ぶ未開封のサプリメントたちが出迎えてくれる。せめてこういうので栄養補給くらいはしなさいねと、母親が送ってくるマルチビタミン、EPA、にんにく卵黄、亜鉛。
 こどもの頃は好き嫌いの多さを咎められたものだから、味のしないカプセルを飲むだけでいいと言われたらきっと喜んだろう。
 俺はいつだって楽な方に流れていく性分で、そこそこのことを難なくこなす器用さがあった。嫌いなものを嫌いなままでもこうして大人になれた。

 エーテルをレンジに突っ込んで、3分間待つ。その間に爪切りを取り出して、胃のあたりに溜まったモヤモヤを吐き出すために、パチリパチリと音を鳴らした。

パチリ
 
 そう、俺はなかなかにできるやつだった。小学生の頃からテストの答案が返されていく時間はわくわくしたし、できる奴らと90点代で一進一退の攻防を演じるのが楽しかったし、お母さんはいつも褒めてくれた。
 ポケモンの名前を151匹暗記していたし、ダークドレアムの配合方法を知っていたし、俺のネスは負け知らずだった。ブルーアイズよりデーモンの方が強いことにいち早く気づいたし、対抗呪文の切り方も完璧だった。
 まぁ体育は苦手だった。でも結局頭を使える奴が大人になったら最強なんだよねって思うようにしていた。HPと力が低くたって平気だった。俺は黒魔導士になるんだから。
 毎日苦もなく冒険し、家に帰ったらのび太を見守り、大人帝国を笑った。毎晩暖かいエリクサーを供され一晩寝れば全回復した。

 中学、高校と俺無双は続いていた。かっこよさとかいうパラメータがそんなに高くないことにも気づいてしまったけど、俺のファイラやブリザラは通用した。
 吟遊詩人にも興味が湧いたから、メリッサとカルマを練習したし、ロビンソンやTomorrow never knowsを歌い切れるのは世界で俺だけだった。奇声をあげてることを指摘されても、無視して歌い続けられた。
 楽器を持つ気にはならなかった。ギターは指が痛いし、カラオケで満足した。
 苦手なこともあったけど、無視して進める余力があった。俺はキーブレードに選ばれし勇者で、ワイルドのペルソナ使いで、アーロンさん曰く無限の可能性に満ちていた。
 そして自分が主人公じゃないことを自覚できる賢さがあって、だから大学を選ぶときは安全な道を歩んだ。パラディンや魔法戦士になるのはしんどいから。俺は魔法使いを極めるだけでいいと思っていた。
0620この名無しがすごい!垢版2018/11/11(日) 19:27:06.04ID:61nUyX+/
(2/3)
 大学では何をしていたっけ? だんだん思い出が減ってる気がする。ミルラのしずくを取りそこねたのかも知れない。わざわざゲームボーイアドバンスを4つも用意するなんてバイタリティにあふれていた俺は忘却の彼方だ。

 たしかそのころの俺の手にはアイフォンがあって、ワンタッチでいくらでもゲームをダウンロードできた。画面を埋めるアイコンを順番にタッチして、ログインボーナスを受け取ることがとても新鮮だった。
 何だかんだでゲームはクリアできるバランスで出来ているんだから、レベル上げは程々で十分だと気づいていた。人生の夏休みだか何だかという格言を狂信して、面白おかしく過ごした。
 そうして幼い万能感がぶり返したおかげか、あるいは開き直りの言動が功を奏したのか、俺の中の数少ない光を一人の女の子が見つけてくれた。
 その子は白魔道士で、魔法の話で割と盛り上がった。俺は得意げにメラゾーマを放って、今のはメラだ。なんて言ってみたりもした。彼女は何でも笑ってくれた。家族以外から初めてケアルをかけてもらって、こんな魔法をかけてもらえる僕は特別な存在なんだと思った。

パチリ

 今では私が赤魔道士、自分にかけるのはもちろんケアル。なぜなら俺は特別な存在じゃなかったからです。

 思った以上に深くえぐれた二の腕を覗いた。モヤモヤと一緒に血が溢れて、潰れたカーペットに新しいシミを作った。誰かを傷つける高揚感がストレスを緩和し、マッチポンプの痛みが今日の失敗を許した。

 誰かさんの腕は切れ目の入ったソーセージみたいになっていた。そんなことしたら肉汁が漏れて旨さを損なうのに、見栄えがいいから、箸で持ちやすいからと取り繕うことをやめられない。
本当は安物の徳用ソーセージだから、少しでも熱が入って食えるようにしてるだけなのに。
 いつだって俺は切れ目の入ったロールパンを探していた。ソーセージを収めるのに都合よく成形された引き立て役を。一人じゃ何もできないくせに、ケチャップとマスタードをかけてもらって、美味しくなった気でいた。
こぼれた肉汁が大した味じゃないことを気付かれないように、必死になってくるくる転がっていた。
 きっと彼女もその味に気づいていて、それでもホットドックになろうって俺が言うのを待っていたのかも知れない。でも俺は青臭くこじれたままで、「君はジャムを挟んだほうが美味いかもしれないよ?」とか言ってみた。
黒のローブの下にはステテコパンツを装備していることを知られたくなくて、しかし隠したままの楽さに甘えた。

 そのうちレベルをあげなかったツケが心の底から湧き上がってきて、逃れられない強制バトルが発生する。とんずらは使えないし、8回逃げてもバグらなかった。
LとRを押さえながら、戦闘中にウェイトモードへ変更するすべを探した。たたかう? いいえ。たたかう? いいえ。逃げますか?はい。はい。はい。はい。
0621この名無しがすごい!垢版2018/11/11(日) 19:28:49.47ID:61nUyX+/
(3/3)
 芯まで染み付いた逃げグセは、万能薬でも治らなかった。物語の中だけと思っていたヒロインの登場に、俺はうまく対処できなかった。
 心の防衛システムがもっともらしい理屈を与える。試練を乗り越えなきゃ報酬は得られない、これまでの人生、対して苦戦しなかった俺にこんなことが起こるはずがない。これは頑張ったところで勝利はない負けイベだ。だから適当に、死なないようにやり過ごせばいいんだと。
 結局俺はラストエリクサーを使わなかった。時間切れの演出とともに女将軍の放った聖剣技で俺のHPは1残り、クレイラは爆発した。トランス状態は解けて、リミットゲージは消えて、瀕死で放った苦し紛れのたたかうは必殺技にはならなかった。
 ああ、俺は間違えなかった。やっぱり負けイベ。こんなところで本気だしたらバカを見るところだったぜ相棒!(ドンッ☆)。闇の人格にその後を委ねて、普通の人間のフリをして過ごした。

パチリ

 そして俺は社会へ。俺は主人公じゃないから、物語の結末までに変化する必要がなく、故にこのままでもエンディングは迎えられるかもしれない。
けれど正直、辛い。回復役なしのソロパーティとかとんだ縛りプレイだ。
 世間はそれでもやっていけるというが、黒魔法を極められず逃げて赤魔道士になった人間には当てはまらない。ケアルやホイミじゃ全然足りないし、結局自分のMPが削れていく。

 俺のメモリーカードには0%が並んでいて、やり直すべきポイントは残っていない。

 一人になると慰めに、誰にも読まれない攻略本を執筆する。
 ニンニクは臭いからって避けるべきじゃない。卵黄を混ぜるんだ。アリシンがタンパク質と結びついてマシになるぞ。カプセルいりが手に入れば手軽に摂れるようになるのは確かだが、その頃にはもう遅いんだ。
 苦戦しないとカタルシスは得られないぞ?そういう経験があるやつだけが、適切な場面でラストエリクサーを使えるんだ。エアリスを殺さない方法?この先はキミ自身の目で確かめてくれ!

 いつしか俺は、かつて笑い嘲った大人帝国の一員になっていた。太陽の塔や月の石はなく、だだっ広いモリコロパークをさまよっていた。
 足の臭いは自ら排出したタンパク質と結びついて無害化しカプセル入りになってどこかへ転がって消えた。そもそも嗅がせてくれるしんのすけはいない。
 俺は自分がソルジャーだと思いこんでいる一般神羅兵で、おじさんCで、もうひとりのボクで、俺は悪くねぇとのたまう親善大使だ。
 ラフメイカーを待ち続け、幻想の白魔術師をいつまでも引きずって、大人と子供の中間の生命体となり永遠に宇宙をさまようのだ。そして死にたいと思っても死ねないので ――



――そのまま日曜の夜を迎えるしかなかった。おわり。
0623二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/11/11(日) 22:07:20.57ID:3lPKmwkm
お題『楽器』『ホットドッグ』『爪切り』『白魔術』『にんにく卵黄』締切

【参加作品一覧】

>>602【科学と魔術と僕とアイツ】
>>603【ハウリング】
>>610【魔術師のお仕事】
>>615【魔女対戦】
>>619【陰鬱な終末】
0626この名無しがすごい!垢版2018/11/11(日) 22:21:34.55ID:50O5g2+Q
うわああああすまん
レス入力欄でもじもじしてたから安価出てたの本気で気が付かなかった

ということで安価なら『謝罪』
0627この名無しがすごい!垢版2018/11/11(日) 22:24:18.93ID:+KXMHKSa
『ポッキー』
0631この名無しがすごい!垢版2018/11/11(日) 23:07:45.02ID:uYQFFQrH
『冬空』

にんにく卵黄に、具体的な効能は書いてありませんね
ただ、健康のために毎日摂りましょうとしか
0632この名無しがすごい!垢版2018/11/11(日) 23:12:42.08ID:uYQFFQrH
>>619
昔は無限の可能性に充ち溢れていたのに……と言うのは、懐古的によくある話で……
何か、エレクトリックボーイと言うノンフィクションを思い出しました
0633二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/11/11(日) 23:51:11.80ID:V0GfZQJD
では、お題のアナウンスは次スレを縦次第、そちらで行います。このスレに書き込まれた作品を時間があるときに下に纏めるので、もし心に残っている作品や面白かった作品があれば感想を残してくださると嬉しいです。
0635この名無しがすごい!垢版2018/11/12(月) 01:14:38.39ID:NvltsANx
>>615
短編スレシーズン4も、はや終盤〜、進行氏および作者みんなの結晶のスレに、職人615氏によるわざもののドタバタ劇の祝儀贈呈〜、アークウィッチ・ハザード・カム!
さあ、拘束された真翔くんの目の前に、コスプレではなく『白魔術』師と黒魔術師のアークウィッチ的正装をした幼馴染の女子二人w ファンファーレを奏でるトランペット(『楽器』)が女子らの魔女十番勝負の開幕つげる〜、
生け花、日舞、算盤、掃除、洗濯についで、『ホットドッグ』の大量作成、『爪切り』と連続する魔女の試練を判定する役目を真翔くんが負うらしいが〜、爪切りでなにを判定するw でも正直、彼女に爪切りされたら癒されるなw ハイそんなことはどうでもいい、
ラスト〜、『にんにく卵黄』っぽい入れ物と効能を持った秘薬を飲ませられ、伴侶を決める戦いだとも知らず、もう何でも良いよと脱走する真翔くん〜!
これは魔女の秘薬、つまり惚れ薬に頼らず頑張れってオチなのか〜、ドタバタを愉しませつつ何時の間にかお題全消化のウデは流石の615氏、キャラの立ったドタバタ・ハーレムでスレ締めくくりに花を添え、ノリノリの、フィニッシュ!w

>>>619
堂々オオトリ! 619氏が舞城王太郎を思い出させるハイテンポでネタを乱射する〜、怪作による全選択だ、HPはレッドゾーン、ならばFIRE、FIRE、FIRE!
さあ週末、主人公が死人だらけの魔列車に乗り込み帰宅した〜、並ぶサプリの『にんにく卵黄』や亜鉛を横目に、おのが人生を追憶していく〜、ゲーム無双だった小学校、
『楽器』を持つ気にはならなかったがポル○の曲はマスタークラスだった中学高校〜、そして彼女と『ホットドッグ』になりきれかった大学時代を経て、ゲームネタをマシンガンのように楽しげに撃ち続ける社会人に辿り着く、
なのに、こんなにも今『爪切り』の音が頭で響いてしまうのはなぜ〜、それは、今や独りだからに他ならない〜、こんなにもあの『白魔術』師を引きずっているのはなぜ〜、ケアルのほっとする感じが忘れられないからに他ならない〜、
こんなにも矢鱈滅法ネタを乱射するのはなぜ〜、それはきっと、停滞する自分を撃ち抜く方法が見つからないからに他ならない! ごまかしきれない寄る辺なき生活を、膨大なネタ乱射によって照らし出したかテクニシャン619氏〜
渾身の短編スレ4ラストスパートはゴールテープを引きちぎる凄まじいネタ濫造のゴールに帰結w 次スレにタスキを回したトドメの一撃、スレ最終弾にふさわしいド級のネタ集束による号砲の弾痕は、グラシアスな重砲となって、619氏 、大ラスBravo・ENDだw
0636二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/11/12(月) 12:53:21.92ID:2BHPdziT
募集期間2018.6/24〜7/1
『はっぱ』を必ず入れる+自由選択『名物料理』『ホワミル』『W杯』『ねこ』

【参加作品一覧】
>>8【街角に立つ】
>>13【最終選考マスコット】
0638二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/11/12(月) 12:54:39.97ID:2BHPdziT
募集期間2018.7/1〜7/8

『交換』を必ず入れる+自由選択『海開き』『デスゲーム』『ネジ』『幼馴染』

【参加作品一覧】
>>52【海のアクシデント】
>>59【呪い】
>>64【Guardian Maker】
>>66【夏の日の中年】
>>71【罰ゲームです】
0639二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/11/12(月) 12:55:51.59ID:2BHPdziT
募集期間2018.7/8〜7/15

『憑依』『ごうかくクン』『すいか』より一つ以上+>>38-40のお題リストより一つ以上選択

【参加作品一覧】
>>86【追い出された俺は『ざまぁ』をしない】
>>94【事案発生はなかった】
0640二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/11/12(月) 12:56:46.11ID:2BHPdziT
募集期間2018.7/15〜7/22

『ナイアガラ』『ドラクエ』『図書室』『視点』『アチアチ』

【参加作品一覧】

>>113【白紙の本】
>>117【夏休み】
>>125【夏の夜】
0641二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/11/12(月) 12:57:40.16ID:2BHPdziT
募集期間2018.7/22〜7/29

『配管工』『ユニオニオン』『誰かが冗談を言う』『ドラムンベース』『ジャンル:ローファンタジー』

【参加作品一覧】
>>138【都会の龍神】
>>145【入国管理】
>>149【ユニオンリンク】
>>155【春踏(しゅんとう)】
0642二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/11/12(月) 12:58:18.96ID:2BHPdziT
募集期間2018.7/29〜8/5

『うさぎ』『パイロット』『鰻』『そらまめくんと仲間達』『偽進行』

【参加作品一覧】
>>174【フリーマインド】
>>178【巨大怪獣は南からやってくる】
0643二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/11/12(月) 12:59:56.66ID:2BHPdziT
募集期間2018.8/5〜8/15

『線香花火』『おっさん』『空軍』『キャプテンTOBBY』『イケメン』

【参加作品一覧】
>>194【魔界の空軍参謀】
>>197【無題】
0644二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/11/12(月) 13:01:05.93ID:2BHPdziT
募集期間2018.8/12〜8/19

『深海』『女体化』『氷河期』『人形』から一つ以上選択
+最後の一行を『強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない。』とする

【参加作品一覧】
>>215【深海に生き延びた者達】
>>224【歌うシャチとオモチャの人魚】
>>226【小さなレジスタンス】
>>235【ベビーワイルド】
0645二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/11/12(月) 13:01:58.94ID:2BHPdziT
募集期間2018.8/19〜8/26

『幽霊』『百』『ひみつ道具』『乳酸菌くんの家族』『チューハイ』

【参加作品一覧】
>>256【百鬼夜行】
>>257【F先生ごめんなさい】
>>260【俺な、乳酸菌くんが見えるようになったんだよ】
>>262【リバー】
>>269【怪談シロタ株】
>>272【乳酸菌くんの一日】
0646二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/11/12(月) 13:03:47.50ID:2BHPdziT
募集期間2018.8/26〜9/2

『馬』『田中』『チモシー』『ボタン』から自由選択+最後の一文を『だが、これで終わりではなかった。』とする

【参加作品一覧】

>>288【都市伝説「怪人・バイトの田中さん」】
>>290【現場を知る為に】
>>298【まんじゅうこわい、その後】
>>305【それでも続く物語】
0647二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/11/12(月) 13:04:36.28ID:2BHPdziT
2018.9/2〜9/9

『難しい理論(種類は問わず)』『ダンジョン』『摩天楼』『仮面』『カレー』

【参加作品一覧】
>>321【血に塗れたカレーは偽物】
>>327【ある勇者のパーティー】
0648二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/11/12(月) 13:05:14.23ID:2BHPdziT
募集期間2018.9/9〜9/16

『筋肉』『ケロちゃん』『お月見』『ごちそう』『首輪』

【参加作品一覧】
>>340【彼女とお花見】
>>341【月を見上げるお祭り】
>>346【キリンの育て方】
>>351【月光の不死美人】
0649二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/11/12(月) 13:06:09.97ID:2BHPdziT
募集期間2018.9/16〜9/23

『9』『たまねぎくん(ユニオニオン)と乳酸菌くんの出会い(衝撃的な結末を含む)』『ぬるぬる』『スライム』『黒髪ロング』

【参加作品一覧】
>>375【どこにでもある、ごく普通の、ありふれた日常】
>>377【たまねぎくんと乳酸菌くんの出会い】

>>380【たまねぎくんのたまねぎ度】
>>381【たまねぎくんのたまねぎ度(訂正版)】
>>385【些事日記】
>>389【10個の質問をするゲームのお話】
0650二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/11/12(月) 13:07:12.09ID:2BHPdziT
募集期間2018.9/23〜9/30

『スケルトン兄弟』『秋』『伊丹市昆虫館の「てんとうむし」か「はち」(テントウムシは可愛い方)』『「では、そろそろ始めましょうか」』『お月見』

【参加作品一覧】
>>408【ヤバイ人たち】
>>417【ある兄弟のお月見】
>>423【映月下ノ故郷】
0651二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/11/12(月) 13:07:57.44ID:2BHPdziT
募集期間2018.9/30〜10/7

『野球』『水平線』『同じセリフを3回』『コンビーフ』『厨二』

【参加作品一覧】
>>437【あなたの望みはなんですか?】
>>444【夕焼けに染まる砂浜】
>>450【終末の俺伝説】
0652二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/11/12(月) 13:08:45.04ID:2BHPdziT
募集期間2018.10/7〜10/14

『影法師』『将棋か囲碁(詳細は>>457)』『雑談』『文学少女』『混ぜる』

【参加作品一覧】
>>470【影法師と文学少女】
>>475【裏側にあるモノ】
>>479【ホーカゴ・コーシャ】
0653二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/11/12(月) 13:10:56.41ID:2BHPdziT
募集期間2018.10/14〜10/24

『設計』『異世界』『アヘ顔ダブルピース』『カボチャ』『暖色』

【参加作品一覧】
>>491【臨時の仕事】
>>497【転生方法改善会議、資料】
>>506【森の中の崖の木】
>>510【くっころさんが通る】
0654二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo 垢版2018/11/12(月) 13:11:42.31ID:2BHPdziT
募集期間2018.10/21〜10/28

『一年』『進行が主人公』

【参加作品一覧】
>>523【シンコウさんの物語】
>>527【情報過多】
>>528【スマイル】
>>535【進行さんの悩み】
>>539【拝啓、宇宙人様へ】
>>543【一周年で思う所】
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