>>90

以下、非常に手厳しい言い方になります。なお、晒しなどのマナーが言われていますが、酷評と全く関係ないことを申し上げておきます。

ストーリー、トリック、構成、文章等、いずれも酷いです。異世界ホームズ転生推理物でいいんですよね?
一応の完結しているCASE1ですが、ストーリーとトリックは赤毛同盟(赤毛組合とも)を丸パクリではないですか。
原作では被害者が犯人から赤毛同盟に誘われ、高額の報酬を約束されて百科事典丸写しするが、被害者を自宅から遠ざけるためだった。
御作では被害者をワトスンにしただけで、全く同じといっていいくらいです。赤いことを嘘の口実として自宅から遠ざける。
何の工夫があるんでしょう?キャラをホームズは転生美少女、ワトスンを犬の亜人、舞台を異世界にしたらオリジナルでしょうか。
原作にはない魅力が出るでしょうか。否です。むしろ全部がネガティブに作用しています。なぜか。

例えば「〜赤色組合〜(1)」。ホームズがワトスンの最近の生活をずばりと指摘しています。原作ホームズでよくあるシーンですね。
確かにそういうものが、翻案物であっても見てみたい。だけど、異世界で亜人にしちゃってるわけですよね。
なぜ原作ホームズの同様のシーンが面白いか、あっと思えるのか。普通は見落とすものをホームズは見落とさないからですね。
しかし、事象、特徴を列挙しても読者にはまだ意味不明。そこでホームズは観察したバラバラの事象、特徴を一つにまとめあげる。
で、「ああ、なるほど」となります。御作でも形式的にはそういう段取りを踏んでいる。だけど印象は全く異なる。

なぜなら、いわゆる後出しじゃんけんだからです。しかし、原作ホームズでも観察した結果は後出しです。では、どこが違うのか。
事象、特徴の意味付けまで後出しじゃんけんなんです。言い換えれば、推理ルールが推理の後に提示されている。
犬の亜人は運動や栄養でこういう特徴が出る、と推理の後から言ってるわけですよね。それ、作品内設定です。
原作ホームズだと、例えば帽子やロウソクは読者にも既知です。だから、帽子がローソクの煤で汚れてるから、で読者も納得、感心できる。
御作だと推理の種明かしが事実上、「そういう設定ですから」に堕してしまっているわけです。しかも、その場しのぎっぽい。

即座に回答を貰っておいてなんですが、さっき質問した雪の密室(〜赤色組合〜3)のシーンはもっと酷いんじゃないでしょうか。
シートをひっくり返したら、降り積もった雪が誰も歩いていないようになる、というのも酷いですが、置いておきます。
被害者が死亡状況を偽装するトリックを仕掛けたんですよね? おそらく、トリックを行ったのも被害者と想像します。
だって、犯人が外部にいると示されていない。魔法では無理との説明を費やすので忘れちゃったんでしょうか。
するとこうなる。被害者は雪に残る足跡を自ら消してから死亡した。殺したのは被害者と想像していまいます。
物凄く馬鹿げた状況がイメージされます。自殺に偽装するためのトリックを行ってから自殺した、です。
なんで自殺の線をまず消しとかないんですか。足跡消失のトリックを思いついて、それ以上考えなかったんですか?(そう窺わせる回答を頂きましたね)。

この辺り、文章が大変に言葉足らずな点で、なんとなくの成り行きで誤魔化しているようにも感じます。
それが、天才を描くテクの一つ「きっちり書いてから、途中を削れ」(すると思考の飛躍感が出る)と結果的に似ているのかもしれません。
だけど、正直なところを申せば、ホームズがとても間抜けにしか見えません。だって、最も当たり前のことに気が付いてない。
しかも、作者から次々と設定を出してもらっている。そういう設定が可能なような舞台すら貰っている。過保護なキャラは賢くは見えません。
(続く)