面白かった。不穏な雰囲気へ向かいつつ……解決したと思ったら……と、概ねいい意味で期待を裏切らなかった。
しかし、なんだかしっくりこない印象もあって、これ2話と1話を逆にした方がいいんじゃないかと思いました。
1話の印象はギャルゲーにハマる容姿が優れずモテないコミュ障男。しかし、2話で3年も付き合った女性との別れ話シーンとなって主人公像の修正作業が必要に。
すると、普通に恋愛できる男が3年も付き合い情が湧いてるはずの女性を振り、キャラクターに恋してしまうところに違和感が生じます。つまりここがストーリーの鍵なんだろうと期待します。
しかし、その謎は結局明かされず。もったいない気がします。仕事のストレスで些細なことから喧嘩するようになり、文句も言わないみーたんに癒される内に〜のような説得力を補完する描写があるといいのかなと。
個人的には、仕事でみーたんと接する内に、知らずして電子的な催眠をかけられていたとかの展開が好みですが(SF寄りですね)
また、別の理由としては物語の方向性を示すためにもってのがあります。
1話はVRゲームモノのごとく設定説明がなされます。たぶんこれを見てAIが云々のようなSF成分を期待させてしまうのでしょう。しかし、SFと捉えると素人なりにも設定説明がやや雑に感じたところもあり、
・新しいアルゴリズムによる人工知能。
・サーバーに繋ぐことでそれも解消した。大容量の運営サーバーに蓄積された莫大な情報
失礼ながら、この辺りがなんかそれらしい用語でごまかしたような印象でした。
でもこの物語の本質は人間ドラマだと思います。2話から始めることで印象変わらないかな？
ここは雰囲気出してるだけだなと思えばスルーできるけど、何か伏線があるのでは？と読まされた結果、ただのフレーバーだとやや肩透かし。
自分も専門家じゃないんでアレですが、例えば「全プレイヤーとの対話学習パターンを集積して、全ての彼女が同時に日々アップデートされていく」みたいなハッタリをきかせてほしいなというのもあります。
最後に、1話2話入れ替えの効果として、現状は2話で一旦現実に引き戻されてしまうところを、主人公とみーたんの2人だけの世界をラストまで継続させることができるんじゃないかと。
つまり読者にも、彼女と別れてからひたすらみーたんにハマっていく追体験をさせられるんじゃなかろうかってとこですね。
