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(´・ω・`)つつつ バババ VR格闘!

『スト2』『バーチャファイター』『鉄拳』など
一昔前からすると、格闘ゲームの進歩はすごいですね
なのでVRと格闘の組み合わせは、発想としては自然です

さて、本作には文章力も構成力も感じます
全体的に文章が読みやすく、話も分かりやすいです
あまりVR格闘ものを知らないので、比較はできないけれど
単体で見ても、晒しの中で完成度が高い気がします

よくまとまってる地味な佳作ですが
しかし、そこで「地味」に感じた原因を言うと
設定の段階で制約が生じているからです
その課題を三点に分けて書きます


ひとつ目は、そもそも格闘も含めたスポーツを描くのは
文字媒体より映像媒体の方が得意だということ

もちろん、なろう作品で戦闘はよく出てきますが
そこで半分くらいは戦略を描いてます
水の魔法で炎を防げるが、雷に弱いみたいな


ふたつ目は、VRジャンルの特性を生かし切れてないこと
異世界転生でチーレムがなろうの黄金パターンですが
VRもチートと無双の前提になるところがあります

異世界やVRだから、現実世界と異なり活躍できる作品が人気ですが
本作の場合は現実世界で世界チャンプなのに、VR格闘で苦戦します
VRが制約に感じられて、カタルシスが乏しくなります


みっつ目は、展開に驚きや意外性がないこと
タイトル、あらすじの時点である程度展開が見えてきます
「男女の差がVRで逆転する流れだろうな」と思いました


以上の点を踏まえて、もし私がVRものを書くなら
戦略性があるVRゲームにします

たとえば「パルクール」ものみたいに街全体で戦って
建物の窓から投げ技で落としたりとか
自動車の屋根から加速をつけて跳び蹴りするとか
あと最終目的は格闘じゃなくて探索にするとか


最後に参考作を挙げると、今期アニメ『エガオノダイカ』で
街を舞台にロボットが戦う、コンピュータ上の模擬戦がありました

そこで上流のダムを決壊させて、地下に水を流し込み
ロボットを水で押し流す、という作戦を見ました

現実にやったら街に被害があるから、模擬戦なんでしょう
ロボアニメであってVR格闘じゃないけど、発想は参考になります

そのようにVRでは、現実の「格闘技」の枠にこだわらなくても
もっと自由にいろいろな発想ができるよ、という例を示しました