>>579
前半は面白かった。

いじめられっ子が一念発起して頭角を現す。しかし、恋は成就せず罪の意識にすら。それでも努力し上り詰めた世界は衰退間近。
主人公の抱えた問題が明確で、どう解決するのか気になる。あと、脳内補完しちゃったけど、金がない!ってところからVR転向するのは程よく悲惨さとコミカルさのある立ち上がりで好き。

ヒロインの抱えるモノも、武道における性差問題と、青さのある悩みが混ざり合っていい感じ。

が、結末にかけては消化不良でした。
主人公については「彼女から大事なものを奪ってしまった」この罪の意識を解消できて初めて恋愛に踏み出せるようになるべきでは?
ヒロインについては「女は男に勝てない」に対する心の変化というか昇華の過程が誤魔化されてる。

これらに回答がなく、なんか吊り橋効果でくっ付きました〜って締めだったのは残念。読解力不足だったらゴメン


細かいところで気になった点は……
・悪役のフィクションじみた丁寧口調
・回線切れ中のダメージ有効とかいうガバルール(客は見ててつまらないでしょ)
・ヒロインの住所が特に理由なく割れている

部分的に良かった点は……
・ゲーム外でプレイヤーに直接攻撃するというギミック。意外性はあったし、VRジャンルを活かした展開だと思います。

・格闘というテーマ。VRの隆盛により廃れる、性差による悩み、とリアリティを感じさせる設定に活かされています。小説である以上、はじめっからアクションではなく人間ドラマを期待してるわけですから。いい選択だと感じました。

まぁ前述のとおり、途中から悪役との戦いにどう勝つかがメインになってしまったのが残念ですね。

この文量なら素直にヒロインとのタイマンやらせて、主人公に罪の意識を告白させ、ヒロインが何らかの回答を示すって方が好みっすね。
それで少し関係性に進展があった上で、次章のエピソードとしてルール無用のスマブラ展開に続いたら完璧かな?