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安価・お題で短編小説を書こう!5
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0001二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo
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2018/11/11(日) 23:51:37.57ID:V0GfZQJD
安価お題で短編を書くスレです。

■お題について
現在、毎週日曜日の午後22時に前回のお題を締め切り、新しいお題を安価で決める方式を取っています。現時点での募集お題はスレ主によるレスを確認してください。

■投稿方法
投稿する際は、1行目に【】でタイトルを付けてください。決めていなければ【無題】でも可。
作品は3レス以内で。レスが2つ以上に別れる場合は分かりやすいよう番号を振ってください。

■「小説家になろう」等への投稿について
同一内容を別サイトへと投稿する行為は認めています。
その際、著作者以外が5ch上から無断で転載したものと区別するため、出来る限り【本スレへ投稿する前に】投稿してください。ご協力よろしくお願いします。

■前スレ
安価・お題で短編小説を書こう!
http://mevius.2ch.net/test/read.cgi/bookall/1508249417/
安価・お題で短編小説を書こう!2
http://mevius.2ch.net/test/read.cgi/bookall/1511408862/
安価・お題で短編小説を書こう!3
http://mevius.2ch.net/test/read.cgi/bookall/1522770910/
安価・お題で短編小説を書こう!4
https://mevius.2ch.net/test/read.cgi/bookall/1529860332/
0002二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo
垢版 |
2018/11/11(日) 23:54:04.55ID:V0GfZQJD
☆お題→『謝罪』『ポッキー』『透明感』『メジャー』『冬空』

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK

☆締め切り→11/18の22時まで

☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は前スレ623より。

【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】
0006この名無しがすごい!
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2018/11/12(月) 00:35:09.34ID:DDvjZgup
>>1
乙です
何だかんだで5スレ目ですねw
これからもよろしくお願いしますw
0008二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo
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2018/11/12(月) 13:16:35.75ID:2BHPdziT
纏めてる最中に512kb越えて落ちてしまった……最後の一回分だけ纏めきれなかったんですが、前スレの最後に作品一覧を並べておきました。
前スレ計71作品!
これからもよろしくお願いします。
0009この名無しがすごい!
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2018/11/12(月) 18:21:52.94ID:N11Zbb7G
前スレ作品一覧おつおつ
久しぶりに題名見て懐かしいのがたくさんあったから自作以外見直してくるわ
0010この名無しがすごい!
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2018/11/12(月) 19:18:48.19ID:XD7J3lDb
>>1
おつ
いよいよ5スレ目突入かー
0011この名無しがすごい!
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2018/11/12(月) 22:00:12.31ID:NvltsANx
>>1
進行氏、スレ立て、作品まとめ乙!
71作品が一スレに詰まってるのか、濃度すごw
0013この名無しがすごい!
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2018/11/15(木) 19:28:17.37ID:FLIcvNd1
>>2 まあ適当だけど、誰も投稿してないんじゃ寂しいから……
使用したお題:『謝罪』『ポッキー』『透明感』『メジャー』『冬空』

【チートホームランバッター】

 カキーン。

 透明感のある金属音がグラウンドで鳴り響いた。冬空は乾燥しているせいか、その音はどこまでも遠くまで響いていった。

「すまんな……」

 オレは素直に謝った。彼らには秘密にしていたことがあった。そのとんでもない秘密を打ち明けた。

「オレ、実はチートスキルを持っていてな。どんなボールでもホームラン打てるんだ。それこそメジャー級リーガーの豪速ストレートでも、余裕でホームランになっちゃうんだ……」

 フッ、とオレはニヒルに笑う。この力のせいで、オレはまともに野球ができない。下手にバッターボックスに立ったら、誰もがオレを敬遠してしまうだろうからだ。
 こんなチート能力を持ってるオレと勝負させてしまうなんて、相手チームのピッチャーに申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

「せっかくの部活対抗試合なのにこんなつまらない結果になってしまって、すまんな……」

「……まあそれはそれとして、こっちもすまんな」

 オレが2度謝ると、相手チームの監督も謝ってきた。なぜ謝ってくるのか理由がわからない。オレは怪訝な表情をして相手チームの監督の顔を見た。
 監督の顔は、オレ以上に渋い顔をしていた。

「その、悪いんだけどさ、バット以外の道具で球打つの反則だから。君たちのチームの負けだから」

 監督は僕が手に持っているポッキーを指さして、そういった。

「というかなんでそんなの使っちゃったの? いや、そんなものでホームラン打てた事自体はすごいと思うんだけど」

「いや、良いハンデになるかなーって。やっぱダメだった?」

「ダメだねぇ」

「ダメかぁ……」

 オレは先程ボールを打ったばかりのポッキーを齧って頭を掻いた。
 いくらチート能力があっても、試合のルールには勝てなかったよ……。
0014この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/16(金) 03:25:57.21ID:a1F4CwuO
>>2
お題→『謝罪』『ポッキー』『透明感』『メジャー』『冬空』

【今から君に謝ります】

彼女に呼び出されたのは冬空、と言うにはまだ少し早い、温かみがある蒼が頭上に広がる頃だった。
ポッキーを口に咥えたまま、彼女は僕の足元からメジャーを伸ばして後退していく。
何の用なのかははっきりとは言わないけれど、きっとロクなものじゃないと僕は察していた。
彼女はそう言う人物だとわかるほど僕らの付き合いも長い。
恋愛関係なんて言うほど大層なものではなく、かと言って親友だなんて透明感のある間柄でもない。
よく言えば幼馴染、悪くいえば腐れ縁というやつだ。
口に咥えていたポッキーを煙草みたいに口の端に移動させた彼女は大体十メートルくらい下がった位置でようやく止まった。
と思ったら、ばっと片手を振り上げる。
まるで、選手宣誓のそれだ。
「今日は私のためにこんなところまで来ていただき、誠にありがとうございます!」
相変わらずよく通る声だ。
「何用か!」
僕も負けじと声を張る。
「大層なことではございません!ただしかし、あなたに一つ謝罪したいことがあるのです!」
彼女は若干上の方を向きながら大声を上げ続ける。
はてさて、しかし彼女が僕に謝ることなど何かあったであろうか。
まあ、思いつかないというのも逆に怖いのだが。
「何をしでかしたのか!」
僕は笑いながら彼女に向かって声を上げる。
彼女は小さな胸を大きく膨らませる。
紅潮した頬は寒さだけじゃないのかもしれない。
息を吐きながら彼女は僕の問いに答えた。

「実は私、死んでるんです!」

僕と彼女の旅はこの一言から始まった。
死んでる彼女と生きてる僕。
よく知ってるけどよく知らない僕らがお互いのことを知るため、お互いの秘密を守るために歩む旅路の物語。
0015この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/16(金) 08:31:01.21ID:KiFdjNjf
>>13
13氏が作品投下で眠りこけるスレをリブートさせたァ! 11月11日は『ポッキー』の日、意外とアクの強いこのお題が一つハイライトになりそうだ、お題を全選択、棒でアレをナニした話!
さあ、カキーンと、『冬空』のしたで『透明感』のある打球音が鳴り響き、ホームランを飛ばした主人公がチームメイトに秘密を打ち明ける〜、
彼の正体、それはあらゆる投球を、そう『メジャー』リーガーの豪速ストレートすら余裕でホームランにするベースボール・チーター! これじゃあ試合になるまいと『謝罪』するバッターの目の前に、
相手チームの監督が、いやこちらこそ謝らねばと渋い顔〜! そう、主人公は反則負けである、なぜなら握るバットがポッキーだから…『ポッキー』?!w 
棒菓子でホームランを打つという神業の前に立ちはだかる無慈悲なルール! コレまた謝罪だなw お題全選択を豪快なオチへと仕上げた13氏が豪腕によるホームラン1号を達成だァ! 

>>14
お題? 全選択にしか興味ありませんよと短編スレ民が怪訝な顔で言う、14氏がとある青春を短編にのせてお届けする、彼女がメジャーを持って近づいてくる件!
さあ、あなたに一つ『謝罪』したいことがあると、『ポッキー』を煙草みたいに咥えた彼女が、僕の足元から『メジャー』を伸ばして後退していく! なんだこの状況w
二人は恋愛関係などと言うほどのものでもなく、親友と言うほど『透明感』のあるものでもない、(ようするに友達だな!)
そんな腐れ縁の彼女が紅潮した頬、よく通る声で選手宣誓のごとく手をかざす〜、いわく「実は私、死んでるんです!」 死んでるw 『冬空』と言うにはまだ少し早い、
澄んだ空気に突拍子もない死の宣誓が響き、ワンダフルな旅路のはじまり予告する! 新スレ開幕にうってつけ(?)の、どうなっちまうんだENDで14氏が全選択をクリア、続編よろしくフィニッシュを飾ってくれたァ、二号弾乙w
0016この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/17(土) 01:26:48.14ID:OSgk1PAP
>>2
使用したお題『謝罪』『ポッキー』『透明感』『メジャー』『冬空』

【星の動きと手の動き】

歳の離れた妹を連れて我が家の所有する裏山へと登る。
高さは223mほどだが平地に囲まれているため、その景観からご当地富士として知られている。
山頂付近は直径10mほどの平地となっている。ここでテントを張り夕食をとったあと、外で妹と一つの寝袋にくるまり夜空を眺める。
透明感のある冬空の下、ポッキーを齧りながら妹の後ろ髪を嗅ぎつつ星を見るのは至福だ。会社の嫌味な上司のことも忘れられる。
妹はメジャーを取り出して両腕を突き出し、星と星の間の距離を測っている。
むむむと唸りながら何度も角度を変えて目盛りを読み直す。

「にいちゃん、あの星変! 先週はもうちょっと右の方だった!」

そう指を向ける先には赤く輝く星。

「火星だね。他の星と比べて地球ととても近いから、動きにズレが出てくるんだよ。昔から人を惑わす星、惑星って呼ばれる由縁だね」

小学一年生には難しいようで、しきりに首を傾げながらメジャーを当て直している。
可愛いものだ。思わず撫でてしまう。さす、さす。

「にいちゃん、手」

妹の冷たく低い声に、あわてて妹の太ももから手を離す。
50万円ほどの望遠鏡を買うことで謝罪を受け入れてもらった。
0017この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/17(土) 04:17:27.99ID:1ZFy23He
>>1
> ■「小説家になろう」等への投稿について
> 同一内容を別サイトへと投稿する行為は認めています。
> その際、著作者以外が5ch上から無断で転載したものと区別するため、出来る限り【本スレへ投稿する前に】投稿してください。ご協力よろしくお願いします。

5ちゃんに投稿した時点で著作権譲渡らしいから
なろう他に投稿したものはウラル(著作物ではないらしい)貼り付けのほうが良いかと思う
短編だと宣伝に値しないし
0018この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/17(土) 08:19:26.13ID:nJMw5l2w
>>16
バラバラの方角に惑える星群を一つ星図にマッピングする、星のロマンは短編スレと同じこと、お題全選択の16氏による執筆だ、星間距離は安定しない!
さあ、今夜も『透明感』ある『冬空』の下、ご当地富士の山頂には兄妹の、寝袋ひとつミノムシ状態の姿あり!
年の離れた小学一年妹が、『メジャー』をかざして星間距離を測りつつ、あの星の位置が前とは違うと騒いでいるようだ?、
寝袋内で『ポッキー』かじり、惑星の由来を語って聞かせる兄の姿はロマンチックでもあるのだが、妹の後ろ髪を嗅いで楽しむ微変態、さらに太ももさするにいたっては、一線こえてしまった感があるw 妹の低い声が狼藉たしなめ、
ラスト! 近親セクハラの代償は、うん十万なる望遠鏡の購入だ(涙) しかしこの償いは『謝罪』だろうけど内実むしろ溺愛のエスカレートにしかなってねえ、罪滅ぼしに偽装した貢物だァw 16氏が全選択をクリアーし萌え萌え星降る夜ENDをまとめてきた!
0019この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/17(土) 18:43:31.61ID:OSgk1PAP
>>17
投稿され『た』コメントの権利譲渡だから、原文としての作品を先に他の所で公開してあることがわかれば原文の方には影響ないと思う。
更に言うと引用という形にしておけば引用元は影響を受けようがないわけだし。

とはいえこの俺は専門家でも弁護士でも法学部に在籍したわけでもないから鵜呑みにしないで欲しい。

レスを転載することについては色々出てくるけど、逆に他のサイトからの転載についてはわからなかった。

【弁護士が回答】「2ch 書き込み 著作権」の相談19件 - 弁護士ドットコム
https://www.bengo4.com/bbs/search/?query=2ch+%E6%9B%B8%E3%81%8D%E8%BE%BC%E3%81%BF+%E8%91%97%E4%BD%9C%E6%A8%A9

個人的には心配な人がリンクだけに留めればいいくらいだと思う。

ちなみにこのレスは権利譲渡に承諾していないけど、なぜか書き込めちゃってるんだよね。
・ブラウザのクッキーを削除しておくじゃん?
・ここのページを再読み込みさせるじゃん?
・レス書いて書き込むボタンを押すじゃん?
・承諾をCANCELするじゃん?
・もう一回書き込むボタンを押すじゃん?
・書き込めちゃった!! 超不思議!!!

長々と申し訳ない。
0020この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/17(土) 20:10:10.32ID:8lo7iaTJ
かれこれ70作以上短編のっけてるけど、権利とか全く考えてなかったは。
もう手遅れだし、誰も欲しがらないだろうし、つうかただ遊んでるだけだし、正直どうでもいいんだけどネ。
0021この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/17(土) 23:41:41.24ID:OSgk1PAP
>>1で外部サイトの投稿を先にした方がいいっていうのは、後から本人確認が出来ないことが最大の理由だと思う。
理由として書いてあるように、第三者から見たら作者本人なのか転載なのか区別ができない訳だし。
匿名掲示板ゆえの問題って事でもある。

>>20
先になろうで投稿してからこっちに投下しようぜ。
0022この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/18(日) 21:38:19.36ID:6sCtER2M
>>2
使用お題:『謝罪』『ポッキー』『透明感』『メジャー』『冬空』

【妹様の息抜き】(1/2)


 絃を押さえ、ピックで爪弾く。コードはメジャーからマイナーへ、そしてまたメジャーへ。
 ポッキーを咥え、気分が乗って来たのか鼻歌を漏らしながら、九重 踏歌はギターを弾く。

「うるさ〜い!!」
「うえ!!」

 踏歌の顔面にスリッパが中り、演奏が途切れた。見れば、部屋の入口に彼の妹の九重 史奈が、仁王立ちで立っている。たれ目がちの普段は優し気な瞳が、今は怒りを湛えて吊り上がっていた。
 踏歌は、そんな史奈に非難の視線を送るが、だが、次の言葉で何も言えなくなった。

「もぉ! バカ兄ィ! 試験勉強するから、うるさくしないでって言ったでしょ!?」
「……あー、あ、うん。ごめん」

 まったくもって忘れていた。
 そもそも踏歌にした所で試験勉強をしていた筈なのだ。だが、つい息抜きのつもりでギターを手に取ってしまったが為に、うっかり演奏を始めてしまったに過ぎない。

 そう、うっかりうっかり。
 そもそも妹に対してあまり強くは言えない踏歌だが、これに関しては全面的に彼が悪い。踏歌は、史奈のご機嫌を取ろうと、彼女の好物でもあるポッキーを差し出す。

「……ポッキー食べる?」
「…………食べる」

 イライラしていたにも拘らずお菓子の誘惑には弱い。いや、むしろイライラを押さえる為には糖分が必要なのだろう。
 いつもの通りの、お菓子大好きっ子妹に踏歌はクスリと笑みを零す。
 その笑みに気が付いた史奈は、少し赤く染まった頬を膨らますと、踏歌の持っていたポッキーを箱ごと奪い、彼のベットに寝転んだ。

「……あんまり食べ溢さないでくれよ?」
「……」

 そんな彼の懇願に、まるで見せつけるかの様にむんずとポッキーを掴んだ彼女は、大口を開け、めいいっぱいポっキーを口に咥えて、それをボリボリと食べる。
 当然、ポロポロと食べ溢しながらだ。

「……妹様よぉ」
「ふぁいか、もみもももっへひへ!!」
「いや、何言ってるか分からないから」
「ふぁかあ、もみもももっへ……!!」

 栗鼠の様に頬いっぱいにポっキーを詰め込んだ上に何かを言おうとして、喉に詰まってしまったらしい。
 目を白黒させ、涙を浮かべながらベッドを転げまわる妹に、踏歌は慌てて自分の飲んでいたマグカップを差し出すと、史奈はそれを受け取り、少しづつ飲んで行く。
 こんな危機的状況でも食べ物を吹き出さなかった食いしん坊を見て、踏歌は何だか感慨深いものを感じる。

(あの、赤ちゃんがまぁ)

 史奈が産まれた時の事を思い出す。そもそも踏歌が彼女と初めて面会したのは、保育器の容器越しだった。
 いわゆる早産で、未熟児だった彼女は、一時は流産に成る所だったらしい。第一、踏歌が史奈に会う事が出来たのも、生まれてから一週間も経ってからだった。
 何か、プラスチック製の容器の中でぐったりしている彼女を見た時の最初の印象は(ちっちゃい、何かカエルみたい)だった。
 結局、彼女と直接会う事が出来たのは、それから更に半月後の事。
 その頃には赤みも落ち着き、確かに普通の赤ん坊と言って良い状態になっていたが、それでも、他の赤ちゃんに比べれば、頭一つ小さかったのだが。

 母親の横に寝かされたその小さな生き物は、踏歌を見ると微笑み手を伸ばして来る。
 踏歌がおずおずと手を伸ばすと、その指を掴み、キャッキャと笑った。
 その様子に、踏歌も何か嬉しくなったのを覚えている。
0023この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/18(日) 21:41:35.44ID:6sCtER2M
【妹様の息抜き】(2/2)


「あら、嬉しそうねぇ。お兄ちゃんだってわかるのかしら」
「羨ましいな踏歌、お父さん、何故かぐずられるんだよなぁ」

 そんな両親の言葉を聞き流しながらも、踏歌にとって史奈は“特別”に成ったのである。

 ******

「……お兄ちゃん、苦い」

 そんな言葉に踏歌がハッとする。マグカップを両手で持ちながら、史奈が彼の事を上目遣いで見ている。
 どうやら彼の飲んでいたブラックコーヒーは彼女の舌には合わなかった様だ。


 ******

 寒くなり始めた冬空に鼻歌が響く。
 踏歌の目の前にはご機嫌な様子で史奈が歩いて居た。

「ご機嫌ですな、妹様よ」
「もっちのロン!」

 踏歌の手にはコンビニの袋。その中には陳列されていたポッキーひと揃えとミルクティーのペットボトル。
 謝罪の意味も込めて踏歌が買わされたのだ。
 試験勉強の息抜きも兼ねたコンビニからの帰り道。透明感のある澄んだ空気と同じ位には寒くなった財布に溜息を吐きながら(一生敵わないんだろうな)と踏歌は思う。

「これも、惚れた弱みってやつに成るのかね?」
「? なぁに? お兄ちゃん」
「いや、何でも」

 それでもシスコンの謗りだけは御免だなと、結構手遅れながら踏歌は思った。
 さっき自分が弾いていたのと同じ曲で鼻歌を歌う妹の後姿を眺めながら。
0024この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/18(日) 21:57:30.98ID:6sCtER2M
>>前スレ635
感想有難うございます
鈍感系主人公は、何であんなに好意に気が付かないのでしょうねw
この主人公も、直接言われるまでは、気が付かない系なので、二人は苦労することでしょう

>>13
ホームランが打てるチートですか
本人はズルいと思っていたとしても、それ以外に活用しようが無いと言うw

>>14
これから始まるストーリー
果たして、二人の迎える結末とは?
とでも続きが気になりますね

>>16
フェチ全開の兄の今後が気掛かりですw
妹さんはこのまま、すくすくと育っていただきたい所ですねw
0025二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo
垢版 |
2018/11/18(日) 22:07:12.31ID:ETArq8OT
お題『謝罪』『ポッキー』『透明感』『メジャー』『冬空』締切

【参加作品一覧】
>>13【チートホームランバッター】
>>14【今から君に謝ります】
>>16【星の動きと手の動き】
>>22【妹様の息抜き】
0026二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo
垢版 |
2018/11/18(日) 22:19:11.37ID:ETArq8OT
>>17さんの件、テンプレに参加可を明記してあった前進行氏の頃からURLでの参加は殆どいなかったから、現在テンプレ表記はこの形にしてます。
なろうスレから派生したのもあって住民の大半はなろう作家だと思う。
それでもURLが少なかったは、5ch上にアカウントを直接リンクしたくない人が多いのだろうと。前進行氏の方針は「こちらに投稿したものはなろうに投稿しないで欲しい」というものだったので、
なろうに投稿したいが5chにリンクしたくない人が投稿できるよう今のテンプレにしました。
著作権譲渡に関して進行は>>21さんの見解と同じように考えていますが、僕自身専門家でも何でもないのでそのあたりは自己判断でお願いします。URL貼付を禁止しているわけでは無いので、その旨次スレではテンプレに書き加えようと思います。
0033二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo
垢版 |
2018/11/18(日) 23:56:30.27ID:ETArq8OT
☆お題→『幽霊船』『45度』『ジェンガ』『忘れる』『レズビアン』

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK

☆締め切り→11/25の22時まで

☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>25より。

【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】
0034この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/19(月) 02:59:53.47ID:KHF/v7fq
>>33
一番乗りだぜ!

>>16の続きということで。

選択したお題:『幽霊船』『45度』『ジェンガ』『忘れる』『レズビアン』

【皇帝VS女王】

50万円が早急に必要となった。だけどこういう時に限って預金が目減りしており、他に先立つものがない。
そんなおり、会社の同期とお化けジェンガで賭け事をする事になった。

「30万円までなら賭けてもいいわよ。ただし、私が勝ったら―――」

相手はレズビアンを公言しているどころではなく、あろうことかロリ専門だ。妹との一夜を求めて応じてきた。
俺は可愛い妹のためにも、金のためにも勝たなくてはならない。

ジェンガのなにがお化けかというと、塔の形をしているわけではなく船の形をしているからだ。
そしてゲームを進めていくと穴だらけの幽霊船のようになる。

俺達は会社の休憩室で時間を忘れる程の激闘の末に決着をつけた。

「くっ、高校時代ジェンガの女王と呼ばれたこの私が敗れるなんて…………」

30万円を失った負け犬は両手両膝を床につけて己の愚かさを悔いている。
俺が高校時代ジェンガの皇帝と呼ばれていた事を知らなかったのが運の尽きだ。

だけどいい闘いだった。まさか幽霊船の上にスカイツリーが出来るとは誰も思わないだろう。
可愛い妹への手土産として、斜め45度からこの芸術的な被写体をスマホのカメラに収めた。

30万円を懐に仕舞い、これで今度の休みは妹と望遠鏡を買いに行けるなと、ウキウキ気分で帰宅した。
玄関を開けると、なぜか賭け事の対象となったことを知っていた妹が修羅の形相で仁王立ちしていた。
0035この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/19(月) 08:10:10.55ID:/EwbuDnZ
>>33 一番乗りとられた!ちくせう!!
使用したお題:『幽霊船』『45度』『ジェンガ』『忘れる』『レズビアン』

【崩れていく】

 40度。
 視界がぼやける。頭も痛く、体もだるく、心も重い。澱んだ水の中にゆっくりと沈んでいくようだった。
 濁り切った水の水面に船が見えた。大きくて立派な船だ。その上で昔好きだった女の子たちが遊んでいた。めっちゃ行きたい。でも沈んでいく。どこまでも、どこまでも。

 41度。
 さっきまで寝ていたのだろうか、それとも起きているのだろうか。自分の現状がまるでわからない。ただ辛い。
 遊んでいた女の子たちがいつのまにか減っていた。遊んでいるうちにいつの間にかダンスを踊り始め、気付いたらぐにゃりとくっついて減っていく。残ったのは昔一番好きだった子だけ。彼女が船より大きな顔で笑って見ていた。
 彼女の顔が久しぶりに見れただけで、何か幸せを感じた。

 42度。
 汗が止まったのか、それとも感じないだけなのか。体が濡れている不快感がなくなっている。頭も不思議と痛くない。
 船はジェンガのように崩れて行った。今は幽霊船みたいな骨組みだけを残して、そこから海底にいる自分の頭の上に山ほどがれきを落としてくる。振り払いたいが体は一切動かない。
 さっきまで何かが僕の事を見ていた気がする。とても大切なものだったような。なんだっけ、思い出せない。

 43度。
 思考、がまとまら、ない。こわい。こわい。こわい。
 あたまがと、れた、たぶん。うでも、とれた。ゆびがとける。さっき、のゆうれいせん、のようだ。こわい、こわい、こわい。
 さむい。

 44度。
 あ。

 45度。

 36度。

 19度。

 1200度。
0036この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/19(月) 17:43:36.48ID:GD6WBy0t
>>34
カ○ジとか、初期の遊○王の様ですねw
ですが、理由があっても勝手に賭けの景品にされた方は怒って当たり前な気がします

>>35
死に行くもの……と言った所でしょうか?
次第に自身が失われて行く恐怖を感じました
0037この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/19(月) 23:04:33.43ID:5RpxD6yu
>>22
前回お題ラスト、お題全選択で妹ものが投下された〜描くは22氏、ポッキーでのた打ち回る妹の事情!
さあ、かき鳴らされるギターのコードが『メジャー』からマイナーへ移り、スリッパが打ち付けられた主人公・踏歌くんの鼻先w そこには、仁王立ちの妹こと史奈さん!
迷惑演奏の代償となった『ポッキー』詰まらせ、のた打ち回る妹を見て踏歌くんは彼女の生誕風景、想い出すw
「お兄ちゃんだってわかるのかしら」…母の言葉とともに笑った未熟児のあの妹がいま、寒さが近寄る『冬空』のもと『透明感』ある澄んだ空気に鼻歌かなで、『謝罪』の証、ポッキー&ミルクティーを手に前をゆく〜
元気な妹の姿、それだけがただ眩しくて目をしばたたく踏歌くんが、この立ち位置は一生変わるまいと諦めるw 『メジャー』をギターに、騒音を『謝罪』に、謝罪を『ポッキー』にと、成長物語を結晶させた22氏、迫力の集束技術だ!

>>34
今回のお題群バラバラだなあと思ったら、トップバッター34氏がもう投稿! で全選択! >>16続編、お化けジェンガも安定しない!
さあ、前作にて50万円が急の入用となった主人公は、『レズビアン』を公言している同期を相手に30万円をゲットすべく、完成形が穴だらけの『幽霊船』『ジェンガ』に挑んだ模様〜、幽霊船ジェンガか、実際ありそうだなw
30万の賭け賃に妹を勝手にベットした主人公、またしても一線こえてしまった感の中、時間を『忘れる』程の激闘を経て、
幽霊船上に勝利のスカイツリーを建立し、斜め『45度』画像を妹への戦利品として持ち帰る〜、のだが、どこから伝え聞いたか賭け内容まで把握した妹が玄関修羅モードで待ち受けるw
連続オイタの主人公、怒られたくてわざとやってるなw 34氏、前回ノリをお約束オチに昇華しつつ、お題『幽霊船』『ジェンガ』『45度』を結びつけた連想力はナイスアイデアだ〜!
0038この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/19(月) 23:10:08.09ID:5RpxD6yu
>>35
しかしこのお題らをよく速攻でまとめるよなw 一番乗りを逃した35氏が変り種、感覚小説で全選択を宣言してきたぜ、幽霊船のデスパレード!
さあ、物語は視界がぼやける40度ではじまった〜、この温度は高熱をあらわしているのか、頭も痛く体もだるく、混濁した水面に女の子だらけの船を見る語り手はおそらく寝床いまわの『レズビアン』ってところなんだろうw
さて42度、人間は体温42度で死にいたるというが〜、『幽霊船』みたいな骨組みだけを残して『ジェンガ』のように崩れゆく光景を前に、とろける意識の語り手がすべてを『忘れ』さってゆく〜、
いよいよ終盤43度、44度…十分な致死点となる『45度』まで温度は上昇し、もはや正常に語る言葉はそこになく、灼熱1200度に到達し物語は終末を迎えてしまったぜ! 何があったのか、
スレ民も恐怖を感じおののいているw 消失の体感をこそ伝えるべく描かれた35氏の挑戦作、『45度』を(おそらく)温度に活用し、バラバラお題を前にして全てを瞬時に喰らい尽くす短編スレ民の底意地を見せたァ!
0039この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/20(火) 18:10:03.33ID:4zkVkLFB
自分は44度で思考混濁、45度でたんぱく質凝固して死亡だと思ってたけど、42度だっけ。間違ってたら恥ずかしいな……
ラストの1200度は火葬場の温度のつもりだったけど、これも間違ってるっぽい。400度だったかもしれぬ。
0040通りすがり
垢版 |
2018/11/20(火) 19:16:38.03ID:HbD1ayk1
400度や600度くらいの低温だと骨はカルシウム以外の不純物が大量に残るので骨は赤黒くなります.
骨を白くするためには1000度以上が必要になります.
ただしあまりの高温にさらすか火に当てる時間が長くなるとボロボロになったり体積が減り過ぎたりすることになるので気をつけましょう.

あと体温が42度を超えるあたりから臓器へのダメージが深刻になって数時間で死亡しますね.
1,2時間くらいなら後遺症が残るかもしれませんが一応耐えられます.
0041この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/20(火) 23:24:47.33ID:I3yJakWa
>>37
感想、いつも有難うございます
ポッキーゲームをする兄妹を書こうと思っていた筈なのですが、何故かこうなりましたorz
0042この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/22(木) 09:27:24.66ID:7Z9Qtm7T
3つほどネタが思いついて、全部レズビアンのお題が消化できなくて泣いた。
どうやら自分は百合から嫌われているらしい……
0044この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/22(木) 11:57:40.12ID:7Z9Qtm7T
無茶なお題なら当然スルーするけど、いけそうなお題ならなるべく消化したいじゃん!!
・・・・・まあそのせいで書けなくなってるなら本末転倒なんだけどネ。
0045この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/23(金) 00:58:03.34ID:EmHR1dg0
どうしても全消化したがる連中がいるからいっそ全消化禁止とかにしてほしいわ
0047この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/24(土) 19:20:00.67ID:m6H4D4gI
文章量が多すぎる、という意味なら、なんとか削るか、いっそ普通の短編としてなろうか何かで投稿するか……
時間が足りない、という意味なら「ちょっと遅れます!」宣言しとけばいいんじゃない? 締め切り守れてないからちょっと評価下がるけど、せっかく書いたの埋もれるのもったいないし(建前)、他の人の作品見てみたいし(本音)……。
0050この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/25(日) 09:10:26.00ID:onT3tie3
せっかく面白そうなスレなのに謎の思い込みで遠慮してしまうのはもったいない
0051この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/25(日) 09:17:21.19ID:YJyODY/4
5つ使えるネタが出るまで頑張るのも3つでまとめて投稿するのも諦めて見送るのも個々人の勝手で好きにすればいいと思うの
0052この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/25(日) 11:39:56.80ID:vZc5TeNk
遠慮してる奴なんていないんだよなぁ
全消化したい奴しかいないのであった
0053この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/25(日) 12:18:38.32ID:onT3tie3
『幽霊船』『ジェンガ』『レズビアン』
【動かぬ小さいのと、寄り添いすれ違う大きいの】1
「どしたの、橘花ちゃん。 早く行くよ?」
私の手を取り、先輩が早く行こうと催促してくる。
「お願いですから、心の準備くらいは許してください……」
かたや私は泣きそうな気分だ。今の私の顔はさぞ不細工なことだろう。
「やっぱり帰りましょうよ……先輩ぃ」
みっともないと分かっていても、入口を前にすると、今更ながら怖気付いてしまう。
「だーめ、せっかく私も着いてきたんだから。さあさ、ほら行こ?」
そして先輩は私の心情を知ってか知らないでか、心の準備などさせんと言わんばかりに私の腕を引っ張ってくる。
「いーやーでーすー! いやああぁ……んむっ!」
先生に見つかるのを危惧したのか、先輩は喚く私の口を素早く塞ぐ。
「しっ、先生に見つかったら怒られるよ!」
それだけ言って、口元の手を離す。確かにそれはまずい、ボリュームは下げることにする。でも、それをいいことに人の嫌がることをするというのは、はたして。
「なんで見つかったら怒られるようなことを……」
「橘花ちゃんはアレがあるんだし」
「う……」
アレとは、私が先輩に握られている弱みのことだ。詳しく述べはしないが、とても人様に見せられない写真を、ふたつ。あの時の私は実に迂闊であった。
「わかったら大人しく言うこと聞く!」
「ああもう、わかりました……」
「そうそう、いいコいいコ♪」
空いてる方の手を伸ばし、笑顔で頭を撫でてくる。私は子供か。
そんなこんなで足取りの軽いのと重いのと、先輩に引っ張られる形で私達は転移陣の中へと向かうのであった。

「ああ、どうしてこんなことに……」
転移のために目を瞑り、これまでのいきさつを振り返る。
あれは確か、先輩の家に呼ばれて、それで──

腕時計は午後零時五十六分を指している、それは真昼間。私はこの時間、学校の教室に居て、小さな席で授業を受けている……のは普段のこと。
現実はどうか。私が時計から顔を上げるのとほぼ同時に、先輩の白い手が、私の後ろの方から前へと伸ばされる。
ここは先輩の家であり、教室でない。目の前にあるのは、小さな木片が組み合わさった物体であり、魔法魔術の教科書でない。言ってしまえば、私と先輩は連れ立って授業をサボっている。しかし誤解しないでほしい、私は先輩の呼び出しに応じ、仕方なく欠席をとったのだ。
そして、そうまでして先輩の家に向かった私は、ゲームをしようと持ちかけられ、今に至る。
伸ばされた手は、机の上の物体から木片のひとつを摘んで、引き抜いて、それまで先輩に引き抜かれた木片からなる積み木へ追加する。この何気ない一連の動作には、ひとつ間違いがあり、それは先輩の番になる度に繰り返されている。
指摘しようにも、先輩がその間違いをあまりに堂々と犯す為に、私は言いあぐねていた。
では、言わないでおくべきか。いいや、限界だ、言うね。このゲームのには罰ゲームも設けられているのだ、不正は許されない。
カーペットに座りながら、私を足の間に座らせている先輩の方へと振り返る。
「あ、あの! さっきから思ってたんですけど」
「んー?」
「それ……乗せないと反則です、よ?」
「えっ」
「えっ」
えってなんだ。乗せないのが普通だったりするのかとすら思えてきた。いや、私は騙されないぞ。
「乗せるって、さっきから橘花ちゃんがやってるみたいに、これを?」
言いつつ、引き抜いた木片で机に作られた謎のオブジェからその一つを手に取り私に見せてくるので、私は頷く。
「えー、……私そんなの聞いたことないよ?」
「いいえ、説明書にも載ってあるはずです、えーっと……」
辺りを見回し目的のものを探す。それはすぐに見つかったが、先輩の左腕が私のお腹に回されているため、身動きと説明書とが取りにくい。
「んー……んしょ! っと、どうぞ」
なんとかそれを手にして先輩に手渡すと、後ろから手を回したまま、私を間に挟んで読み始めた。
「というか、私だけ抜いて乗せ続けてる時点で疑問に思ってください」
「あ、ほんとだ。 これすっごく難しくない?」
あ、無視ですか、そうですか。
「……そうですよ。次からで結構ですので、ちゃんと乗せてくださいね?」
「えー、抜いたので馬作ろうと思ってたのにー」
「馬……?」
「もう少しで完成だったのにー」
私はちらりと机に目を向ける。机に形成されていたこの謎のオブジェ、これはどうやら馬であったらしい。
「……とにかく、罰ゲームもあるんですから、不公平はナシです」
「はーい」
馬……、馬……?
0054この名無しがすごい!
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2018/11/25(日) 13:49:48.96ID:vO3JJBrQ
>>33
使用お題:『幽霊船』『45度』『ジェンガ』『忘れる』『レズビアン』

【そらをゆく】(1/2)


 風を読みながら操舵輪を回す。眼前にあるのは雲海。それを掻き分ける様に船は進む。
 時空航行船“アトロポス”はモイラ級3番船で、最新鋭の船だ。

「船長、そろそろ次の目的地ですよ?」
「ああ、分かった」

 副船長のシステナ・アマルタが優し気な笑みを浮かべながら俺にそう告げる。
 俺の名前は兵藤 沙礼。この船の船長である。
 目的地を右手に見ながら船を45度回頭させ、空中に浮かぶ係船場へと入る。

「流石の腕だね、上手いもんだ」
「……勝手に入って来るなよ。エルシス卿」

 いつの間に操舵室に入り込んだのか、銀髪の美女が入り口付近に佇んでいた。コーネリア・フォン・エルシス女男爵。この船の常連客である。
 仕立ての良い男物のスーツがやけに似合うプロポーションの彼女は、それでも目を瞠る様な色気を振りまきながら俺にしな垂れかかり、その赤いルージュを引いた瑞々しい唇を開く。

「良いじゃないか、私と君との仲だろう?」
「良くは無いんだがな」
「情れない事を言うなよ、悲しくなる」
「業務規則だ」

 ぶっちゃけ、俺の船が航海する時は必ず同行する人物で、一体、いつ領地経営をしているのやら? だがこれでもエルグラック商会と言う、各地に店舗を持つ大商会のオーナーだと言うのだから、頭が痛くなる。
 俺の航海に同行しているのも、こちらの風土やら名産やらを見て回っているのだろう。そう考えると中々に油断の出来ない女だ。

「今日は何処だい?」
「……航海日程はアナウンスされていたと思うんだがな?」
「君から聞きたいのさ。分かるだろう?」
「分からんね」
「イタリアはマルケ州のジェンガです! ファラサッシ鍾乳洞がおすすめですよ!」

 俺は冷たく突っ跳ねたが、しかし、副船長のシステナが慌てて説明をする。下級とは言え、貴族様のご機嫌を損なう訳には行かないと思ったのだろう。
 この女は、こんな事位で起こる様なタマじゃないんだがな。流石に付き合いも長い、俺にもそれ位はわかる。
 「ふうん?」と考える様な仕草をすると、コーネリアは腰をくねらせながら操舵室から出て行った。おすすめのスポットとやらを見学に行ったんだろう。

「……船長、仮にも貴族に対し、あの対応はどうかと思います」
「船の中では俺がトップだ。誰にも意見はさせんよ」

 そんな俺の態度にシステナが溜息を漏らすが、港の責任者との挨拶も有る為、それを聞き流しながら、俺は足場台からえっちらおっちらと降りた。

 ******

 俺の事を見た港の責任者は、驚いたのだろう、少し目を瞠っていた。

「マシンナリーチャイルドは初めて見たのかい?」
「あ、いや、失礼。一応初めてでは無いのだが……あまりにもその……」
「若い……か?」
「う、うぅむ……」

 マシンナリーチャイルドと呼ばれる存在は、俺の時代でもそう多くは無い。男児の出生率や、そもそもの出産率の低下によって、いわゆる母親を必要としない赤ん坊を求められた結果、誕生したのが、機械を代理母体として生まれる俺達だ。
 第一次世代は、優秀だった人物同士のDNAを掛け合わせている事も有りそこそこ優秀な“人間”ではあるのだが、しかしあくまでそれは常人レベルを抜け出す物では無かった。
 俺は第五世代。それを更に推し進め、胎児の状態から学習プログラムと電気刺激よる疑似運動システムによって「優秀である事」を義務付けられ生まれて来た……所謂ネオテニーだ。
 その為、俺の姿は5歳児程度にしか見えない。いや、実際、満年齢でも5才なのだから当たり前か。
0055この名無しがすごい!
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2018/11/25(日) 13:53:41.50ID:vO3JJBrQ
【そらをゆく】(2/2)


 ******

 挨拶を終えた俺は船員達にしばしの自由を言い渡し、自らは船室に戻った。
 船の丸い窓から風景を見る。目に映るのは瑞々しい緑。俺の時代では一部公園でしか見る事の出来ない物だ。
 色も、こんなに深い色では無い様に思う。
 コンクリートとアスファルトのモノトーンの大地に比べると、何と色鮮やかなと感動する。

 ……でもまぁ、虫とか咽かえる様な深い緑の匂いとか苦手なんだけどな。

 それでも、2000年代初頭の風景は好きだ。色んな思惑があってこの時代に時空間航行をしているが、それでも、この時代で良かったと思う。

「居るかい?」
「ノック位してくれ」

 見れば、コーネリアがリキュールの瓶を片手に船長室に入り込んで居る所だった。

「この地方の名産だそうだ」

 そう言って瓶を振る。ベレノ・デラ・コロッタだったか? 薬草を漬け込んだリキュールだったと記憶している。
 インストールされていた記憶を掘り起こしていると、コーネリアは勝手知ったる何とやらと言わんばかりにキャビネットを開け、グラスを二つ取り出した。

「一杯位、いけるだろう?」
「………………幼女に酒を勧めるな」

 数秒間の懊悩の後、不機嫌に俺は言った。この女が俺を酒に酔わせてベッドに引き摺り込もうとするのも何時もの事だ。それについては十分に逃げる自信はあるし、俺にした所で酒が嫌いな訳じゃない。
 ただ、酔っぱらった所をシステナに見つかると、後々面倒臭いだけだ。それも、こんな真昼間からであればなおさらだ。

『そんなちぃっちゃい時からお酒なんか飲んでると、大きくなれませんよ!?』

 ブルンと大きなモノを揺らしながら自分を説教するシステナを思い出す。コーネリアにした所で、引き締まっているし、無い訳では無いのだが……

「やはり、先人に倣うのが良いのか?」
「君、酷く失礼な事を考えて無いかい?」
「卿ほどでは無いな」

 俺は言う。
 ……まだ俺は5歳だ。伸びしろはある……よな?

 ******

 微速前進をしながら、45度回頭する。港から離れ、そこから加速を開始した。

「時空間航行、用意!」
「イエス! マム!」

 十分に離れた所で、元の時間に戻る為の時空間航行を始める。

 3145年、白と黒のモノトーンの、我々の世界へと。

 ステルス機能の付いたアトロポスではあるが、しかしこの空を飛ぶ船は、勘の良い者で有れば見つかってしまう事も有る。
 だが、俺達がこの2000年代初頭を選んだのには理由がある。通信手段が整備され、しかし科学技術は未だ中途半端なこの時代は“自分達の科学で説明のつかない物”は“嘘”だと断じられてしまう。
 その為、例えば空を航行する『幽霊船』なんかはフェイクニュースとして報じられ、やがて人々の記憶から忘れられるのだ。
 都合の良い事に。

「また、忘れる頃にやって来るさ」

 俺は、眼下の深緑の風景を眺めながら、そう呟いたのだった。
0056この名無しがすごい!
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2018/11/25(日) 14:14:44.80ID:2og4Rn+H
【動かぬ小さいのと、寄り添いすれ違う大きいの】2

馬と呼ばれるそれを脇目に、私は自分の番を終えて表情筋が緩むのを感じていたところ、先輩が声をかけてきた。
「あ、そうそう、知ってる?」
こういうとき、私の知る最適解はこれだ。
「知らないです」
「えっとね、学校の訓練場にね、新しいエリアが増えたんだって」
知ってる話だった。
「あ、知ってます、幽霊船でしたっけ」
「なんだー、知ってるんなら言ってよ」
「無茶言わないでください」
先輩と私の通うネーラント学園は、生徒が自習で実践を行えるよう戦闘訓練用のエリアを用意しており、なんとその種類は五十を超える。
魔法生物科のキーヴァルというとんでもない先生が魔法生物のリリースのために拵えたものを、安全に十分配慮した上で生徒にも解放しているのだそうだ。
あれらは先生のエリア内装へ異常な拘りによって、生徒からはアトラクション的な人気を誇っている。この間先輩と一緒に魔水晶洞窟のエリアに向かった時は驚かされた。
そしてこの話の流れは。
「いやね、そこを罰ゲームの舞台にしようかなーって思ってさ」
まずい。今度一緒に行こうねというのならともかく、罰ゲームとして指定されると、その強制力は大きく異なる。
「やめておきませんか?」
「あと、どうせなら時間は夜にしてさ」
「やめておきません?」
「あっ、橘花ちゃんやっぱ怖いの苦手? えへへ、そうだと思ってそこがいいかなって思ったんだー」
「おかしくないですか!?」
だめだこの人、聞く耳持たない。
未だに夜に部屋の明かりを消したり、窓の外を覗いたり、そんなことすら出来ない私が、あのキーヴァル先生が用意した幽霊船なんかに放り込まれでもしたらと、考えるだけでも恐ろしい。
「まあまあ、怖いものが苦手なのは意外だったけどさ、勝てばいいんだし、ね?」
先輩は自分の番を終える。
「橘花ちゃんが負けた時、どうしてもっていうなら私もついて行ってあげるからさ」
そう言って先輩はほらほらと、私の番を促す。

……ガシャンッ!
時に、震度二から三、とは。
室内で静かにしている人が、鼻で笑う程度の地震の度合いと耳にしたことがある。この説明の通りであれば、人々は今鼻で笑っている頃だろうか、私の顔は青ざめていた。
それは午後一時十四分のこと、本来鼻で笑うべきそれは、よりにもよって私が木片を引き抜くその瞬間に現れ、山を崩して去っていった。視界の隅には、馬がその形を残しているのが見えた。
「あっ」
「ちがいます」
即座に否定する。誤解だ、こんな負け方ぶっちゃけありえない。どれほどに神は私のことが嫌いなのだろう。
「いや、ほら」
「地震のせいです」
「いや、でも……」
「ちがいますー! 今のは私が引き抜こうとしたその時に揺れたんです、触ってないから私じゃないですー!」
こうして無様に屁理屈を並べること数分、先輩が身体を倒し、私の肩に顔を乗っけて右腕を前に伸ばした。びっくりして反射的に背中を曲げてしまう。
なんだなんだと思っていると、先輩の長くて綺麗で金色の髪から、シャンプーの香りが漂う。どこかで嗅いだことのある匂いだと思ったら、家で使ってるものに似ている気がする。
こんなにいい匂いしたっけとか、もうお風呂入ったんだとか考えていると、なにやらやっとの思いで掴んだ紙切れを差し出され、はっとする。
「……は、はい?」
「これの左上のとこ、ルールのところ」
どうやらそれはさっき私が先輩に渡した説明書らしく、指示通り四角で囲われたルールの項を、あからさまな読んでいるアピールも兼ねて朗読する。
「えーっと、1、直方体のブロックを正方形になるよう3つ並べ、それを縦横交互に18段積み重ねる。2、タワーからブロックを抜きとり、それを最上段へ乗せていく。これをプレイヤーが順に行い、このとき自分の番でタワーを崩したプレイヤーが負けとなります。3、……」
「ストップ! そこ、2のところ」
「2ですか?」

『タワーからブロックを抜きとり、それを最上段へ乗せていく。これをプレイヤーが順に行い、このとき自分の番でタワーを崩したプレイヤーが負けとなります』
『自分の番でタワーを崩したプレイヤーが負けとなります』

ルールはルール。ルールを武器に同じ土俵に引きずり込んだ私に、もはやこれを知らないとしらを切り通すことは難しそうだ。
「罰ゲームけってー♪」
「くっ……、恨みますよタカ○ラトミー」
「何言ってるの? 橘花ちゃん」
「いえ……」
0057この名無しがすごい!
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2018/11/25(日) 15:22:28.92ID:2og4Rn+H
【動かぬ小さいのと、寄り添いすれ違う大きいの】3

勝敗も付いてしまったので、もぞもぞと身体を動かし、先輩の腕の拘束を抜け出て先輩の右隣に座り直す。そもそもどうして私はあんな所に座らされていたのだったか。
一時五十五分現在、すっかり罰ゲームの舞台は例の訓練場に決定してしまっていた。
腕時計から目を離し、先輩の様子を伺うと、綺月先輩が口元を隠して上品にほほえんでいる。そうなった原因は明らかだ。
「……本当にやらなきゃダメですか?」
「ダメー」
「どうしてもですか……?」
上目遣いで手を組んでもう一度問うてみる。
「やん、かわいいーっ!」
先輩が抱きついてくる。
「でもだーめ」
「チッ……」
「えっ」
しかし、悲しいかな、期待したような効果は得られず、恥のかき損と相成った。やはり慣れないことはするものではない。
「あっ、でもでもっ橘花ちゃんがキスしてくれたら罰ゲーム無しでいいよ。 はい、んーっ……」
そう言って、床に私の左手を押さえつけ、先輩が目を閉じて迫ってくる。
「ダメですー」
それを右手の人差し指で止めて、押し返す。
ケチだとか生娘だとか言ってくるので、はいはいと返しておく。私も慣れたものだ、慣れてしまったものだ、ああ純情だった頃の私はどこへやら。
罰ゲームの回避を諦めた私は、せめて被害を最小限に抑えるべく、条件を提示する。
「わかりました。罰ゲームは受けましょう……ですが!」
「わ、どしたの?」
「先輩がさっき言ってたこと、覚えてますか?」
「私? なんか言ったっけ」
「どうしてもなので、着いてきてください」
数秒考えた後、先輩がポンと手を叩く。
「あ! 言ってたかも」
「言ってました言ってました」
最悪の事態は免れられそうだと一息ついていると
「でもさ?」
「前言撤回は許されませんよ先輩」
「いやほら、橘花ちゃんがどうしても〜!って言うならって話だったでしょ? 結局のところ、しなくていい罰ゲームに私がついて行くわけだし?」
言いながら、先輩は私から目を逸らす。これは、先輩が少々無茶を自覚した上で、何か頼み事をするときの予備動作みたいなものだ。先輩と居る時間が多くなった今、私はこんなことまで把握してしまっていたようだ。
嫌な予感はしつつも、聞くだけ聞いてみることにした。
「つまり何かをしろ、と?」
「えっと、してほしいっていうか……、欲しいって言うか……」
「はっきり言ってください」
「私に、橘花ちゃんのファーストキス」
即答で爆弾を投げてきた。キレのいいストレートで。
「却下です!」
こちらも即答だった、さすがにこれは言下に拒否する。
さっきも同じような会話をしたというのに、少し動揺してしまうのは、先輩の本気度の違いからだろうか。
「そっ……かぁ」
先輩の方は目に見えて落ち込んでしまった。
断っておいてだけど、ここまで落ち込まれると申し訳ない気持ちになってしまう。いや、振り返ってみれば先輩の自業自得なのだが。
見かねた私は、半ば呆れてため息をつく。
こういう所がダメなんだろうなと、自分でも思う。
だけど、それでも、先輩は思い切って言った。それはさっきの冗談とは違って。
私だけが何も考えず突き返し、先輩は何も得られないんじゃあんまりだと、そう思ってしまった。

「先輩、動かないでください」
ごめんなさい、その要求には答えられないけれど。
「んう……?」

私は先輩に枷をかけた。

長い長い、午後二時二分のこと。
0058この名無しがすごい!
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2018/11/25(日) 15:24:09.59ID:2og4Rn+H
3レス以内に終わんねえわ草
安価つけなくてよかった

すまんな完成してから投下すべきだったわ
反省はしてないが次から気をつける
0059この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/25(日) 18:31:58.69ID:/8Dt9Zs2
>>58
こちらも申し訳ない
途中だとは思ったのだけれど、一時間経って動きがなかったのでアップしてしまいました
0060この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/25(日) 20:21:47.12ID:/8Dt9Zs2
>>53
少し、不思議な雰囲気のお話ですね
攻めていた側がいつの間にか攻められる側に……
 こうして、お互いに縛り合い、離れられなくなって行くのでしょうか?
0061この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/25(日) 20:31:23.15ID:/8Dt9Zs2
>>33
使用お題:『幽霊船』『45度』『ジェンガ』『忘れる』『レズビアン』

【レッツ・キック】


 何匹もの龍がお互いを牽制しながらぐるぐると蠢いている。
 周囲にでは、やけにテンポの良い音楽が鳴り響き、どうやら龍達はそのリズムで動いているらしかった。

「!」
「……」

 ややあって、一匹の龍が別の龍の前に立ち塞がる。どうやらどちらも雌らしいが、しかし、彼女らの間にあるのは百合の様な甘美な穏やかさではなく、しかし、レズビアンと言う様な甘い肉欲でもない。

 喰うか、喰われるか……

 タイミングが合い、お互いに拳が繰り出される。片方の拳がそこから変化し、掌底を形作る。

 勝負は一瞬だった。

 負けた龍は飲み込まれ、勝った方は成長する。
 次々と数を減らす龍達を見ながら思う。まるで蠱毒の様ではないか……と。
 そして最後は、巨大な一匹の龍と成まで、お互いをくらいあうのだ。

 ******

「厨ニ乙」

 隣でポエムを垂れ流す友人に冷たい視線を送る。
 リクリエーションで行われてい
るジェンガで第一グループだった僕達は、すでに出番を終えた事もあり、こうして体育館のステージ上でそれらを眺めていた。
 余程手持ちぶさただったのだろう。友人が舞台上のポエマーと化すのに、それほど時間はかからなかった。
 興味本意で聞いてみる。

「向こうが龍なら、僕らは何に成るんだ?」
「そうだね……敗者……いや、死者達を乗せる幽霊線の、その乗組員……と言った所かな?」

 確かにジェンガは、勝ち残った一人以外は、全員敗者だから、間違いではない。
 だが、そんな僕達のいるステージを幽霊船に例えるとは……幼稚園児並みに豊かな発想力に、色んな意味で嘆息する。
 だが、幽霊船か……
 僕は壁に近付くと友人を呼んだ。
 体をピンと伸ばし、頭を壁につく。

「45度!」

 某、海賊マンガの幽霊船の最後の乗組員のギャグだ。
 ツッコミ待ちだった僕に対し、しかし、友人はマジトーンで言った。

「え? 何してるの? バカ?」
「!! 忘れろ!!」

 ドカッ!!

「ウギャ━━━━!!!!」

 ******

 幽霊船の、その乗組員の一人が、別の乗組員に蹴り落とされた。
 これは、ただそれだけの話。
0062二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo
垢版 |
2018/11/25(日) 22:17:20.32ID:uNMIJiSC
お題『幽霊船』『45度』『ジェンガ』『忘れる』『レズビアン』締切

【参加作品一覧】
>>34【皇帝VS女王】
>>35【崩れていく】
>>54【そらをゆく】
>>61【レッツ・キック】
『幽霊船』『ジェンガ』『レズビアン』
>>53>>56-57【動かぬ小さいのと、寄り添いすれ違う大きいの】
0067この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/25(日) 23:23:46.03ID:VpSrPaPr
『グダグダ』
0069二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo
垢版 |
2018/11/26(月) 00:43:21.23ID:8aQb+efq
☆お題→『雲丹(うんたん)』『いいね』『毒舌』『グダグダ』『DJ』

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK

☆締め切り→12/2の22時まで

☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>62より。

【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】
0070この名無しがすごい!
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2018/11/26(月) 05:43:35.89ID:COQ7CRbn
>>53
難問を前にお題を使うか使わざるかで紛糾するスレ、53氏が前回お題『幽霊船』『ジェンガ』『レズビアン』を選択して登場、ルール無用、ラブ・ジェンガ!
さあ、転移陣に入っていく二人の女子の一人である橘花さんが、弱み握られ思い出すいきさつの中〜、
授業をサボって『ジェンガ』にいそしむ彼女ら、だったがしかし、先輩は取り出したピースを上に乗せるゲームの大前提を理解してねえ〜
木片を抜きムダに密着する身体と身体、いやいやツイスターじゃないんだから何だその密着w 非常にけしからん『レズビアン』的百合ムードの中、
タカ○ラトミーのルールの前に敗北した橘花さんが先輩に枷を嵌め、いよいよハメハメ天国キタコレ(高ぶり)って、ここで終わり?!w 分かるぞ53氏興奮しすぎてしまったんだな、3レスルールの前に無慈悲なTo be continuedフィニッシュ、続編あるに違いないw

>>54
絶妙なバラバラ加減により難関となった前回お題群、でも懲りないスレ民、54氏が全選択、嵐の中の航行だ、タイムクルーズ3145年への旅!
さあ、雲海をゆく時空航行船アトロポスが『45度』回頭しながら係船場へと入っていって〜、銀髪美女のコーネリアさんが船長幼女にしなだれかかって、行き先尋ねる〜、
船が目指すはイタリア、マルケ州『ジェンガ』〜、アクロバティック消化w 『レズビアン』と思しきコーネリアさんは、豊満ボディとリキュール瓶を手に誘惑するが、
幼女船長の目を魅入らせるのはボンキュボンでなく眼下の深緑〜、時空を飛ぶ船も『幽霊船』としか認識されぬ時代の空隙、そこを突き、
また『忘れる』ころにやってくるさと呟き残した〜、『ジェンガ』『45度』『幽霊船』、個性強のキーワードを時空の船旅でつないでみせた54氏が、全てのお題を串刺しにする航海を終えた、見事なり里帰りEND!
0071この名無しがすごい!
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2018/11/26(月) 05:52:03.40ID:COQ7CRbn
>>61
お題攻略に死力を尽くす短編スレ民、プライドをかけてトリをつとめる61氏がお題全選択だ、ぼくらの幽霊船キックッ
さあ、体育館のリクリエーションで『ジェンガ』を負け終え、手持ち無沙汰の主人公チームでは、友人がポエムを発表する〜、いわく百合でもなく『レズビアン』でもない雌と雌の龍が互いを飲み込んでいく物語〜、雌限定なんだw
向こうが龍ならこっちはなんだと聞く主人公に、友人はそうだな『幽霊船』の乗組員…と言った所などと答え、お題消化の勢いに笑う
残りはどうする気なんだと思ったら、某マンガの幽霊船員を模したギャグ『45度』、さらに恥じらい誤魔化し『忘れ』ろキックでオチをつけた〜
61氏が頭をひねった様子が見えるようだぜ、『幽霊船』と『45度』をつないだウルテクに、アイデア一つで立ち向かっていく生き様が垣間見えた、素直に乙だ!w
0072この名無しがすごい!
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2018/11/26(月) 12:50:15.78ID:wUjg6xgc
>>70
感想有難うございます
元々は、コーネリアとシステナが絡む予定だったのですが、どこからか幼女船長が生えてきた為、こうなりましたw

>>71
『幽霊船』『45度』で真っ先に思い付いたのがブ○ックのギャグでしたw
ジェンガは、何か皆、ゲームのあれを使っていたので、なにか使ったら負けかな? とw
0073この名無しがすごい!
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2018/11/28(水) 07:51:22.00ID:QW/J0Nj7
>>69
一番乗りかな?
使用お題:『雲丹(うんたん)』『いいね』『毒舌』『グダグダ』『DJ』
タイトル:「溺愛親父と孝行娘」(適当タイトルですが同題で他サイト投稿済み)

 昔から、人ってもんは誉められると嬉しいもんですが。
「あそこの旦那さん、粋だねー」なんて言われてるのを聞くと、「俺も俺も」と続きたがる。元々の意味はってーと、気っ風がいい面倒見がいい姿のことなんですが。いかんせん、そういうのは時間がかかる。
 手っ取り早くやるには「べらんめー」が口癖のガサツな野郎の真横に立ってね、小洒落た格好で上品に振る舞うのがいっちゃん目立つ。
「いやん。あの殿方、あか抜けてて粋やわー」
 町娘がうっとりするのを横目でチラリ見てしまうとガサツな輩も
「噛ませ犬はイヤじゃあああ」ってんで真似しだす。
 やがて、どんどん服装も所作もオーバーになっていき、町ん中は「粋だねー」言われたいがための戦国時代に突入するわけですが。
 売り込みアピールが激しいのは昔も今も変わりないようで――



「ほれミィ子や。何でも好きなのお食べ」
「ちょっと待って。これ撮ったら」
 都内の有名高級寿司店。カウンター近くのテーブル席に座る親子。父親は食前酒のせいか、ほんのり赤い。娘のミィ子は入店前からSNS映え探しに夢中。
香りをおさえたヒノキのスツールに座ってからも、球体ドームを4分の1だけ切り取った範囲内で、縦横無尽にカシャカシャ店内を撮りまくっている。

「ねーお父さん、『うんたんどん』って何?」
 ミィ子は数秒前に保存した画像を父親に見せた。
「お前はバカだねー。『雲丹』と書いて【ウニ】って読むんだよ」
「へーそーなんだー」
 ミィ子は自分で聞いときながら関心なさげに撮影作業に戻り、
「でもねー。バカって言う人が一番バカなんだよ。これ豆ね。お父さんにだけ教えてあげる。からぁー」イタズラっぽく笑みを浮かべた。
 父親は何か言いたげな横顔に視線を送ると、
 ミィ子は、スマホを握っている上体はターゲットを捕捉したまま、顔だけ父親のほうへ向け、
「ウニ丼頼んでもいい? ねーおとーたーん」
 おっさんを殺すハニー声色ボイスと上目流し目遣いテクで甘えた。

 父親は『雲丹……時価』表示の木札に悩んだが、かわいい娘のため不格好なオヤジを見せたくない小さなプライドで「ウニ丼ふたつ」と注文した。声は少し震えていたが、娘のシャッター音がかき消した。

「お前は、さっきから撮ってばかりでよく飽きないね」
「んー慣れたー。あと『いいね』も欲しいし」
「イイネねー。そんなに誉められたいか?
 最近はこっち来たからアレだけど、お前が産まれたときからずーっと可愛がってきたやん」
「家族もうれしいんだけどー。他人からも欲しいの。特に女」
 ミィ子はコンマ数秒だけ般若マスクを蒸着したが、光の速さでいつも父親に見せる愛らしい顔に戻し、
「てか、デジャヴって言うんだっけ? なんか思い出せないんだよねー。んー」
 保存画像を見ながら、下唇に人差し指をちょこんと当て首をかしげた。
 ほろ酔いで動体視力が弱っていた父親は、リアルタイムの娘しか見えておらず、かわいいアヒル口にニヤニヤした。

 やがて、ウニ丼が運ばれ、角度を変えて数パターン撮影→SNSアップロードというミィ子の儀式、つまりイニシエーションが終わり、親子揃って新鮮な味に舌鼓する。
 口の中でとろけるウニ。満足感とか味覚の感想とか想いはたくさんあるが、物質単位で考えれば、とろけてしまえば何も残らない。
 世知辛いだの人情味がないだの気持ちはわかるが、消えた物質は戻ってこない。特に女は切り替えが早い。
 そして、しつこい。

「てかさー。お父さんだって『DJ』のことを【でーじぇー】言うでしょ?」
「お前ねー。まずは『こんなに美味しいものを御馳走になり』って感謝だろ?
 ちゅうか読み方じゃなくて発音の問題なってるし。
 それも【ねえちぶ】だか本場の人が聞けば全然違う言うかもしれんしな」
「もーっ。それを言うなら【ネイティブ】でしょ。『姉恥部』って伯母さん聞いたら怒るよー」
 ミィ子は左手で器用にスワイプしながら、照れくさそうに
「お父上殿、この度は舌も太鼓を叩いて舞い踊る飛びっきりの晩餐ありがとでござる」と、とぼけたマナコではにかんだ。
 満足した父親は再びニヤニヤと喜び、勢いで酒が進み、連鎖で喜び感度が倍増し、
「まいっか。んじゃあ、これは読めるか? 
 んとな、梅毒の毒にベロチューの舌って書いて」口を滑らせた。
0074この名無しがすごい!
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2018/11/28(水) 07:54:34.16ID:QW/J0Nj7
タイトル:「溺愛親父と孝行娘」その2


「お父さんさー!! 娘にセクハラしてどうするの? まだ食べてるのにー」
 ふくれっ面したミィ子は席を立ち、英語で言うところの休憩ルームへと消えた。

 父親は凹み、酒も止まった。
(自分はデリカシーがないガサツな男だ。
 だから妻には逃げられ、
 男手ひとつで溺愛して育てた娘も地元大学に進学することなく、
 急ぐように東京で就職したんだろう)

 父親が全力で反省していることなど我関せず、ミィ子はすぐに戻ってきた。
 女は切り替えが早い。

 女として生きてる以上あのくらいのセクハラ下ネタは慣れっこ。
 セクハラ離席は緊急避難にも使えるし、
 対象者に精神ダメージを与えておねだり攻撃する2段コンボの奥義でもあった。
 いつものクセで間違えて父親相手に暴発させてしまっただけ。
 ゴチ予想額4桁はリミッター解除なのだろう。

「お父さんっ」
 ミィ子は父親のハゲ散らかしたナチュラルオイルまみれの頭を撫でる素振りで直前回避し、肩を叩いた。
「お父さん、今までありが……」
 苦労をかけた父親に感謝の想いを伝えるまで後2文字。のタイミングで、ミィ子は先程のデジャブ感の答えを見つけた。

「やっぱ『ハッピーだけどブルーのTOSHIおとうと』じゃん。お父さんの席から見えてるんだったら早く教えてよおー」
 芸能人に疎い父親はピンときていなかったが、夜なのにグラサン姿で只者ではないオーラには納得した。

「こんばんにゃん。一緒に撮ってもらってもいいですか?」
 ミィ子はカウンター席のバンドマンに、ありったけのパワーすなわち女子力を集中して、氣すなわちフェロモンを送った。
「いいともー」
 おっかけの取扱いなど百戦錬磨のバンドメンを魅了したのか、夜なのにグラサンなのに誠実な彼のファンサービスなのか知らないが、爽やかなしゃくれアゴ笑顔で席を立ち、娘の横に並んだ。

「せっかくだから一緒にウニ丼も持って」
 ミィ子は手を伸ばしたが、その先のドンブリは上だけ完食。そこにあるのは、ただの酢飯であった。

(自分が食べたのくらい覚えとけ。というか、ウニだけ食べるんだったら丼の意味ないじゃん)
 関係者全員誰もが思っていたが、ミィ子は悪びれる様子もなく、
「うへへへ」と小悪魔スマイルを浮かべて誤魔化し使い魔をロックオンした。

「ねーねーおとうたまーん」

 再び奥義オヤジ殺しが火を噴き、

 父親は、ほんのり青ざめ、

 時価ネタ★リターンズで舞い戻り、

 2ショットfeat.雲丹丼が激写された。



 SNS投稿を終え、丼の美味しいとこだけ食べると、ミィ子は父親を見て神妙な面持ちに変わった。
「お父さん今日はありがとう。今からこの時間は、親子水入らずのほっこりタイムですぅー」
 胸の高さでパチパチパチパチと小さく拍手して、スマホを足元のハンドバッグにしまう。

 父親は感動してうっすら涙目になった。
0075この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/28(水) 07:56:06.78ID:QW/J0Nj7
タイトル:「溺愛親父と孝行娘」その3


 女房に愛想をつかされ、
 ご近所からは陰口を叩かれ、
 会社では「定時前に帰れていいですね」とイヤミを言われ、
 保育園ではお節介焼きの園長の長話に耐え
 これまでの想いがセピアカラーで脳内再生され……、

「さっきの【どくぜつ】でしょ? 『毒舌』を【どくじた】言うと思った? わたしもう子供じゃないってば」

 ……期待は裏切られる。
 父親はため息をついた。

「スマホさっきからブルブルうるさいぞ」
「なんだろうね? ごめんね。電源切るね」
 ミィ子はスマホを取り出すと、絶叫して飛び上がった。
「えーーーーーー!! ちょっマ? さすがスター。まじ、っぱねー。すげーーーー」
 スマホを見ながらまだピョンピョン飛び跳ねてる。
 数分前の2ショットが音速でイイネ100万超えしてバズったらしい。瞬間記録としてはワールドレコードなのだとか。

 ミィ子は店内をとっておきイベント専用のキューティースマイルで駆け回り、バンドマンや他の客にもハイタッチし、
「お父さんも」
 ミィ子は両手を挙げるように催促したが、
「もういいよ。久しぶりにゆっくり話ができるとはるばる上京したのに。もうグダグダだ」
 父親は寂しげに立ち上がり、
「帰りの夜行バスの時間もうすぐだからそろそろ出るぞ」お勘定に向かった。

「お父さん、今どきは『gdgd』って書いて【ぐだぐだ】と読むんだよ」ミィ子も続く。



 エントランスロビー。繁盛してるだけあって待合客が途絶えることなく並んで座っている。向かいには湯呑茶碗や手拭いなど土産グッズが並ぶカウンター。両サイドには生け簀と水槽の中のネタが本番前に向けてスタンバっている。親子はどこも見るでもなく立ち尽くしていた。

「あのー、間違いじゃないですよね?」
 請求された金額を聞いた父親は驚いてポカーンとしていた。
 ミィ子はひっきりなしに振動するスマホに困りながら
「ねーお父さん、まだー? てかアラート解除しよ。スマホこわれるわー」と、いいね通知の設定をした。
「お前は黙ってなさい」
 父親は続けてカウンターのレジ係に、
「あのー、間違いじゃないですよね?」
 同じ質問をリプレイ再生して問いかける。

(顔を赤くしたり青くしたり黄色くしたり、暗算皮算用していた金額より安いのだ。
 時価と書かれてある雲丹丼4人前。
 醸造元の地域でもなかなか呑めない幻の純米吟醸酒5合。
 どう考えても、こんな安さにはならない。
 お店側が間違えてるに違いない。
 うっかり店を出たら、知っていたのにすっとぼけてスルーした虚偽の何とかで逮捕されるかもしれない)

 父親はおろおろ落ち着かない。
 ミィ子のスマホは、今度はメールのアラートが止まらない。
 小心者の身震いとスマホバイブ、親子揃って震わせてると、
 バイトのレジ係に代わって奥から出てきた優美な着物姿の女将がはんなりと微笑んだ。
「SNS映えしとりはったので言い値しときました」
0076この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/28(水) 13:28:49.78ID:2LJ6iGLT
>>73
いつの世も親と子の意思疎通は年とともに難しくなるもの、それも父と娘とあらばw 73氏の全選択! She is my girl!
さあ、導入の落語マクラを経て本編〜、男手ひとつで溺愛し育てた娘と二人、有名高級寿司にやってきた父が『雲丹』丼の読みを教えている〜
教えをよそに家族以外からの『いいね』も欲しいとSNS映えを気にして心オヤにあらずの娘だが、父をハニー声色とアヒル口で篭絡するその手口は老練だw 『DJ』をでーじぇー言う老いらくと、『毒舌』を梅毒ベロチューと酔い口走る父のミスを突き、
対象者に口撃ダメージを与えてからのおねだり攻撃、二段コンボの奥義をお披露目! さらにカウンター席のしゃくれアゴバンドマンとの遭遇で100万超のSNSバズを発生させる〜、ああ、折角の親子水入らずがもう『グダグダ』だよと、どんより模様の父に付く時価のお勘定!
しかしラストは言い値と『いいね』、冒頭落語を活かした驚きのオチを光臨させた73氏の書き手のワザが時代感覚の隔たりに離れかける父娘の仲を取り持ったァw 細やかな描写とピリッとシメるエンディング、高級寿司をたいらげたごとくの全選択美クリアー、こいつはごちだぜ!
0077この名無しがすごい!
垢版 |
2018/11/30(金) 06:58:20.14ID:UWk8numQ
>>73
小噺風現代劇ですね
無軌道で小悪魔な娘さんと、心配性で見栄っ張りな父親との対比が面白いと思いました
0080この名無しがすごい!
垢版 |
2018/12/02(日) 21:24:57.74ID:nn6x9W0k
>>69
使用お題:『雲丹(うんたん)』『いいね』『毒舌』『グダグダ』『DJ』

【アハ】(1/2)


(……うんたん? 金丹とか仁丹とかの仲間かな?)

 『雲丹入りました』って言う張り紙を見て、僕はそんな風に思った。張り紙の有った店の概要は、ぼ〜っとしていたせいで良く憶えていない。
 確認しようにも僕の乗っていたバスはとっくに通り過ぎているから、何の店かもはっきりとしなかった。

「……あー、調べれば良いのか」

 そう呟き、スマホをタップする。何も考えずにタップ、スワイプをしていて、いつの間にか自分が『DJカズマ』のページに来ている事に気が付き、苦笑する。
 取り敢えず、最新の呟きに『いいね』をして、スマホを切った。

「……憂鬱」

 学校の正門前に止まったバスから僕は降り立った。

 ******

「何してんのよアンタは! 授業にも出ないで!!」
「……後5分」
「もう放課後よ!」
「……じゃ、帰る」
「グダグダじゃないの、アンタの学園生活!!」

 保健室で寝て居たらお隣さんでクラスメイトの茜に布団を引っぺがされる。さっき寝たばかりだと思ったら、もう放課後らしい。
 スマホをチェックし、『DJカズマ』のページで『いいね』をしてスマホを切る。

「帰るじゃないわよ! アンタ、いったい、いつ学校に来たのよ? 朝行った時はもう家にいなかったけど」
「……今朝?」

 思い出し、そう口にする。何だかだるいや。

「今朝って……じゃぁ、一日中ここで寝てたの? 呆れたぁ、あのね? 学校に来るのは、集団行動や協調性を学ぶためな訳。
 いい? アンタみたいに怠惰に過ごしている人間がいると、その分ほかの人にしわ寄せが来るの。分かってる? アンタ一人が被害を被るだけならまだしも、他の人だって迷惑するって分かりなさいよ!!」
「……あしたからがんばる」
「ちゃんと私の目を見ながら言って」
「……」

 ちゅっ!

「!!……!!!!」

 顔を覗き込む様に見て来たので、口の直横にキスをした。茜は真っ赤になって後ろに跳ねとぶ。
 僕は「ハハハ」と笑いながら、鞄を拾うと小走りで保健室から逃げ去った。茜が後ろで何か言ってるけどどうせお小言なんでスルーする。
0081この名無しがすごい!
垢版 |
2018/12/02(日) 21:27:04.39ID:nn6x9W0k
【アハ】(2/2)


 ******

 家に帰る。作り置きのシチューをチンして夕飯を食べた。インターホンが何度か鳴ったけど、それを無視していたらスマホが凄い勢いで鳴り始めたんで電源を切る。
 テレビでバラエティーを見て居たら、唐突に『雲丹』の事を思い出し、調べ直そうとスマホの電源を入れた。

「うわ……」

 茜かのラインが何本も来てた。取り敢えず『DJカズマ』のページで『いいね』をしてまた電源を切った。

 ******

 ベッドに潜り込み、『雲丹』の事を思い出したのでスマホの電源を入れる。茜から電話が来ていたみたいなので折り返すと豪い勢いで怒られた。

「ちょっと、なんでライン無視してるのよ! 電話にも出ないし、インターホンにも反応しないし!! あ、あ、あんな事してどういうつもりよ!!」
「……あんな事?」
「ちょ、覚えてないの? バカなの? 死にたいの? 若年性痴ほう症? その胸に手を当ててよーく思い出しなさいよ!!」

 僕は胸に手を当てる。

「……ドキドキしてる」
「え? そ、そう? そうよねぇ 。やっぱりアンタだって……」
「そんな事より『雲丹』何だと思う?」
「ちょ、そんな事って! ちょっと!!」
「言いから、何だと思う?」
「え、えー……『雲丹』って、だから雲丹でしょ? 自分で言ってるじゃない」

 ……ウニ……ああウニだ……あれ?

「僕は何を疑問に思ってたのかな?」
「知らないわよ!!」

 大声で怒鳴って茜がスマホを切る。僕はスマホをタップすると『DJカズマ』のページを開いて『いいね』をした。

「……何だかすっきりしたような気がする」

 謎の解放感を覚えて、僕は意識を手放した。
0082二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo
垢版 |
2018/12/03(月) 07:07:19.96ID:dINFRk3z
あっ……ああああ
0083二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo
垢版 |
2018/12/03(月) 07:11:57.45ID:dINFRk3z
お題『雲丹(うんたん)』『いいね』『毒舌』『グダグダ』『DJ』締め切り

【参加作品一覧】

>>73【溺愛親父と孝行娘】
>>80【アハ】
0087この名無しがすごい!
垢版 |
2018/12/03(月) 08:43:03.77ID:aII0ZsEC
0088この名無しがすごい!
垢版 |
2018/12/03(月) 10:02:33.90ID:pvS1aCF0
暗黒物質
0091二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo
垢版 |
2018/12/03(月) 12:57:22.40ID:kZX3yyAC
☆お題→『待ち合わせ』『誕生日』『鍋』『暗黒物質』『憧れ』

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK

☆締め切り→12/9の22時まで

☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>83より。

【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】
0092この名無しがすごい!
垢版 |
2018/12/03(月) 19:30:40.16ID:poWblHnK
>>91 お題の相性が良すぎて10秒でこれが思いついた。今回は書けそう(´ω`)
使用したお題:『待ち合わせ』『誕生日』『鍋』『暗黒物質』『憧れ』

【闇鍋】
 闇鍋というものに憧れていた。
 昭和の時代のアホな学生がやるアホイベントの定番モノ。意外とかぐわしい匂いといかがわしい見た目とおそろしい味のアンサンブル。出来上がった暗黒物質をみんなでウゲーヒエーと喚きながら食べるという強制参加の罰ゲーム。

 中途半端に物をもらうよりこっちの方がいい、という僕の我儘を受けて、急遽誕生日のイベントとしてみんなで闇鍋をすることになった。

 待ち合わせをする段階で中身をバラすような野暮な真似なんかしない。鍋に入れる段階までお互いソワソワしながら「何持ってきたんだよー」「内緒ー」と笑いあう。コタツの上の鍋がグツグツと湯気を吹き出す。
 いざ、闇鍋の時間だ、と電灯を消し、各々が持参したモノを暗闇の中で鍋へと入れていく。何かが鍋に投入される音、騒ぐ皆の衆。
 「うわ、今変な感触したけど大丈夫か?」「匂いは悪くないのが逆に怖い」「オレ闇鍋初めてだ早く電気付けようぜ」

 全員が入れ終わったあと、恐れ半分楽しみ半分の気持ちで電灯をつける。
 わざとらしく皆で悲鳴の声をあげつつ、我先にと皆で鍋の中を覗き込む。押し合いへし合い顔を突き合わせ、鍋の中身を確認し、皆揃って怪訝な表情になった。

 今回の誕生日主催兼闇鍋幹事の僕が微妙な顔で確認を取った。

「……この白菜は誰が入れた?」
「……いや、どんな酷い物が入れてあっても白菜があれば美味しく食べれるかなって……」
「……このシイタケは?」
「……うち、裏山があって、そこにシイタケ山ほどあって、どうせだからって……」
「……ネギ」
「……ごめん、実はあんまりお金余裕なくて、一番安いのを適当に買ってきただけ……」
「……豆腐」
「……豆腐って変な味がついても結構美味しかったりするじゃん。それが楽しみで……」
「……肉」
「……いや、みんなどうせ変なの入れるだろうし、せめて肉くらいはまともなの入れとこうかなーって……」

 僕は参加者全員の顔を見回した。そして中央の鍋を、とても美味しそうに出来上がった普通の鍋を見下ろした。
 こんな闇鍋じゃあ盛り上がらないな、と僕はため息をついた。



 ……が、そうでもなかった! 鍋パーティー最高!!
0095この名無しがすごい!
垢版 |
2018/12/04(火) 07:18:58.40ID:YeDmE73y
>>92
一周回って無難に成ると言うw
闇鍋にナタデココとカロリーメイトは入れてはいけない。経験者からの忠告ですw
0096この名無しがすごい!
垢版 |
2018/12/04(火) 07:24:03.64ID:QcqpO7wg
>>80
あの漢字はどう読むんだったか、書くんだったか、活字離れに警鐘を鳴らせ、80氏の前回お題全選択、トーキングwithウニ!
さあ、バスの車窓で流れる風景に目を留めて、『雲丹(うんたん)』は仁丹の仲間なのかと思いなす低血圧系の主人公が通学だ〜、スマホをタップし単語のヨミをサーチするもののの、
指は『DJ』カズマの呟きに向いて、己のちゃらんぽらんぶりにクスリ笑う〜、そうしてダウナーな気分で保健室のベッドに引きこもる彼の布団を引っぺがすクラスメイトの茜さんが、
あまりの『グダグダ』ぶりに呆れたと『毒舌』を放つのだが、その生真面目なカオの口真横にキスをしてハハハと逃げ去る主人公w 追撃の嫁ラインを確認、しかし応じずDJカズマの呟きに、思わず『いいね』ってまたそれかw
茜さんとのイチャ掛け合い中、ふとした瞬間、疑問だった雲丹の読みがひらめきアハ体験! 自らの投げやりな生活態度を悟る日がはたして主人公にもくるか〜そこは茜さんに任せておこう、淡い予感を滲ませる80氏の全選択作品、閃きスッキリ・フィニッシュだ!

>>92
たしかに無理を感じないお題群、こんなもんは10秒の仕事だと、92氏が全選択して投下してきた、ダークマター入りの大鍋は期待を裏切らない!
さあ、語り手の『誕生日』に集まった者どもによる、暗黒祭がはじまった〜、誰しも一度はやってみたい、我も我もと思い焦がれる漆黒の『憧れ』、食べ物で遊ぶなと叱られたのを思い出す、忌まわしき日本の俗習、闇『鍋』だァ!
『待ち合わせ』段階で投入するブツはもち不明、こういうときはだいたい、バナナ、消しゴム、グミなど食べても死なないレベルの『暗黒物質』を、空気を読んで持ち合わせるものだが、はたして、
って感じでわざとらしい悲鳴の声をあげつつもパーティメンが暗闇の中で投入していく、白菜、シイタケ、豆腐、肉、いいね、美味しそう! って違うわw
恐ろしいほどバランスよく出来上がった鍋を前にして、盛り上がらないと呟く語り手だが、そうでもなかった、鍋最高! まあ闇鍋て結局まともに食べないし、ちゃんと盛り上がるなら結局は、アレなんだかんだで良かったんじゃねえかENDでオチをつけた92氏、全選択クリアw 
0097この名無しがすごい!
垢版 |
2018/12/05(水) 10:34:34.19ID:f/OKPqbT
>>96
感想、いつも有り難うございます
雲丹が『うんたん』から『うに』にいつの間にか直っているのが話のミソですw
0099この名無しがすごい!
垢版 |
2018/12/09(日) 20:19:34.94ID:160/1zRk
>>91
使用お題『待ち合わせ』『誕生日』『鍋』『暗黒物質』『憧れ』

【そしてバックドロップ】


 待ち合わせ場所に現れた友人の姿を見て、思わず隠れた俺の事を責められる者は居ないだろう。
 深緑のツナギにエアジャケットはまだ良い。いや、この時点で町中で浮いている事は否めないが、それでも“まだ”だ。
 何故コイツは鍋なんぞを被っている?
 以前にも古代ローマ兵の格好でほっつき歩いていた前科のあるコイツだ。
 また録でもない理由があるのだろう。

「てか、なんであんな格好で……」

 そう思い、もう一度確認しようと覗き込むと、眼前にドアップのヤツがいた。

「死ねえぇ!!!!」
「ぬうぉ!」

 チッ、かわしたか。

「キサマ! 何をする!!」
「むしろ、オマエが何してやがる!!」
「ぬう! キサマ、知らんのか? 暗黒物質だ!」

 頓珍漢な格好でトンチンカンな事を言う。暗黒物資? 何を言ってる?

「この地球が、暗黒物質に突っ込むと言う発表があの! 我が憧れのN○SAからあったのだぁ!!!!」
「な、何だってぇ〜〜!!!」

 いや、だからと言ってこの格好はない。そもそもなんだ? あの鍋は!!

「態々呼び出したのは、そんな与太話を擦るた為か? 第一、何だ? その鍋は!!」
「知らんのか? この鍋はN○SA製なのだぞ!! これなら暗黒物質とて、防御できるだろう!!」

 いや、それ、騙されてるだろ? と言うか、鍋で防げる訳無いだろうが……
 俺は不憫な人間を見る視線をヤツに送る。

「で? そんな与太を話す為に俺を呼んだのか?」
「いや? 今日は俺の誕生日だ。何か寄越せ」

 それを聞いた俺は、瞬間、ヤツの後ろに回り込むと両手で体をクラッチし、そのままブリッジする様にしてヤツを頭から地面に叩きつけたのだった。
0100この名無しがすごい!
垢版 |
2018/12/09(日) 21:32:48.86ID:160/1zRk
>>91
使用お題『待ち合わせ』『誕生日』『鍋』『暗黒物質』『憧れ』

【彼女が料理を作ったら】(1/2)


 憧れだった先輩に告白し、付き合ってから始めての誕生日。

「良かったら、お料理とか作って良いかな?」

 上目使いでそんなことを言われれば、Noなんて言えるハズもなく。
 むしろ心はYes! Yes! Yes! って感じ。
 待ち合わせ所に少し遅れて来た彼女は、その手に買い物袋をぶら下げていた。

「重そうですね、持ちますよ?」

 そう言って伸ばした手をけど、彼女はさらりとかわしたか。

「良いよ、危ないから」
「は?」
「さ、行きましょ? 案内、してくれるよね?」

 花の綻ぶ様な笑顔に、僕はさっきの先輩の言葉は気のせいだろうと思い、横に並ぶと歩き出す。
 思いきって手を繋ぐと、先輩は一瞬、驚いた様な顔をしたけど、すぐに頬を染めながら笑みを浮かべてくれた。

 ******

 トントントントン。

 包丁が軽快な音を響かせる。自分家のキッチンに彼女がいる不思議。
 嬉しくて恥ずかしくて、でも、憧れのシュチュエーション!

「どうぞ? お口に合うと良いけど……」
「……」

 目の前にはドロリとした真っ黒なスープ。え? なにこれ?

「せ、先輩、これは?」
「暗黒物質料理」
「は?」
「暗黒物質料理。私の故郷の料理なの」

 え? ナニイッテルノ?

 混乱する僕に、彼女は微笑みながらスプーンで料理を掬うと僕に差し出した。
 彼女からの「あ〜ん」……憧れのシュチュエーション……だけど……

「ね? タベテ」

 スプーンを差し出す彼女。だけど……
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