「――残念だったな」
 左拳を握り締め、ストレートを繰り出す。
それはルインとしてはさほど力を込めたわけではないがステラのリフレクションは間に合わない速さだろう。

(!?<閃光反射フラッ あっ。駄目、間に合わな……殺される……っ)
 かつて感じた事の無い強烈な死の気配を前に、あろうことかステラは戦闘中にもかかわらずその身体を硬直させ固く目をつぶってしまう。
 直後鼻先に感じる強烈な風、それに続くであろう痛みに脳がガンガンと警報を鳴らす――まるで刹那が永遠に感じる これが死というもの?良かったそんなに痛く…
「……あ、れ?」
 ゆっくりと目を開ければ――目と鼻の先でルインの左拳はピタリと止まっていた。
「……ど、どうして……殴らないの?」
「どうしてと言われてもな……。さすがに涙目の作者は殴れないだろう」
「……っ!? こ、これは涙じゃない! 目から出たラノベよ!」
「そうか。一般的には駄文と言われるものだな」
「〜〜ッ」
 作者は大きくバックステップを踏み、大慌てで推敲を行う。