>>447
おお、みんな意外とひねってきてるな
単にお題をそのまんま消化しただけの、お題が提示された時に見本として提示されるのがふさわしい程度の品だけど、どうぞ


その海には伝説があった。
かつて、沖合で沈んだ一隻の大型船、その船には財宝が山ほど積んであったという。
そして、年二回見られる特別大きなうずしおの中に、その船が見えるという。
彼は、夢見がちな少年であった。
周りの子供たちが伝説は所詮伝説、カビの生えた言い伝えよ、と笑う中、彼だけはその伝説を真実に違いないと確信していた。
ただの思い込みだ、間抜けめ、と周りに馬鹿にされながらも、彼は真剣に信じていたのだ。
彼は決意した、自らの目で件の船を確かめるぞ、と。
大潮の中でも特に大きい春の大潮がくるその日、今日の海は危ないからと船が港に繋がれたまま誰も海に出てないのを良いことに、
彼は小舟をこっそりと拝借して海に出た。
いままでにこんな手漕ぎの小さな舟を一人で操って海に出たことなど一度もない、初めての船出である。
だが、最初は戸惑いながらもなんとか沖合までたどり着いたその時、目の前の海面がうずまき始めたではないか。
思わず身を乗り出した彼の目には確かに見えたのだ、すきとおった無色の海の底に眠る大きな船が。
次の瞬間、渦潮にのまれた手漕ぎ舟から海に投げ出された彼は、無謀の代償をその命で支払うことになったのであった。


いわれるまえに行っておく
これを読んだ人は思うだろう、これってプロットじゃね、とw