リャナンシー (Leannán-Sídhe, Leanan-Sidhe)
は、アイルランドに伝わる若く美しい女性の姿をした妖精。
リャナン・シーまたは、ラナウン・シーともいう。その名は「妖精の恋人」「妖精の愛人」という意味を持つ。

アイルランドの緑の丘の近くなどに現れ、いつも人間の男性に愛を求めてくる。
リャナンシーの愛を受け入れた男性には、詩の才能と美しい歌声を与えてくれるが、
その代償として毎日少しずつリャナンシーに精気(一説には血)を吸われていく事になる。
つまり、この妖精にとり憑かれた者は、詩や歌声の才能と引き換えに早死にする。
(中略)
ケルトの多くの芸術家、特に詩人が短命に終わるのは、彼らが彼女に恋をして命を削りながら最高の作品を作り出したからだ、と言われているが、
近年では梅毒に脳が侵された際に、常軌を逸した発想やヒラメキを手に入れたのではとの説が有力となっている。
この説を採用すればリャナンシーは梅毒の妖精になるのか…。
梅毒疑惑にはシューベルト、ベートーベン、ヒトラーなどが挙げられ
その中にはツァラトゥストラに超人道を唱えさせていたニーチェなども含まれる。

一流の創作者を目指すなら、ナニカで脳を侵すのが有効かも知れない。

(民迷書房『創作の対価』より抜粋)