>>214
全部読みました。
以前も何度か読ませてもらってます。

一巻書き上げお疲れ様でした。
ストーリーに特に破綻はなく、綺麗に仕上がっていると感じました。

とりあえず項目別に感想を。

・キャラクター
キャラ+所持アーティファクトで個性が出るのは良いですね。
ただ、キャラ自体がどうこう、というよりも、
ティムとラセツの思想を是(嫌々も含む)とするキャラが多く、危険で残酷なアーティファクトラビリンスが優しい世界になってるのが勿体無いかと…。
相関図に問題有り、という印象ですね。
もうちょっと「散々強そうに煽ったキャラが瞬殺される」とか「逃げようとしたキャラが無惨に殺される」という
恐怖系ダンジョンものお約束を入れてもいいのかなぁ、と。

・世界観
癖がある世界観かな、というのが第一印象です。
アーティファクトというオーパーツがある一方、スーパーやコンビニといった現代文明がある。
矛盾を感じたりはしなかったですが、やはり違和感はありますね。
悪いわけでは無いんですが、
「ファンタジー世界の中に現代社会を想起させるものがある」
というのはファンタジーを期待する読者にマイナスイメージを与えるかなぁ、と個人的に思います。

・構成、展開
序盤のティムとラセツが親密になるイベントがたりてないように感じます。急な印象。
中盤は修行パートがダレている印象。
終盤は今一歩ティムが活躍してないのがモヤッとしました。
シーンの構成や展開が悪い、というよりも、
シーン自体に「面白み」や「なるほど!」と思わず手を打つようなパワーが無い、という感じ。

・伏線の回収
わさびが一番印象に残ってます。伏線というと微妙ですが。
伏線の回収によるミステリー的な面白さは、残念ですが感じませんでした。
メロウは誰なんだろう? という意識をするほどメロウが邪魔に感じなかったので、
最後のエピローグもインパクトは薄かったです。

・感想
アーティファクトの設定は良い。ラビリンスもいい。
キャラも別に不快とか一貫性が無いレベルでは無い。
文章も多少ツッコミどころはあれどそれなりに雰囲気はある。
でも面白くはないんですよね…。

ティムが普通に朧や2級ラビリンスに遅れを取るので、バディものやダブル主人公によくある、
「弱いけど強い意志を持つ」
「強いけど精神が脆い」
を中途半端に二つともティムがやってるのが面白さを奪っている最大の要因かな、と私は感じました。
通常であれば前者(ラセツ)が主導でラスボスを倒すのが一番カタルシスを得ますが、結局朧はティム主導で倒しちゃってますし。
そこら辺の明確な物語上の役割付けを意識したらもっと面白くなるかな?とちょっと思いました。