>>240
全部読みました。

前半に設定の粗や主人公の動機の不明など、瑕疵が集中しているのがもったいないですね。
人によってはボロクソ言う人もいるかなぁ、程度に前半が読みづらいです。
ただ後半は読める物語になっていました。

・キャラ
彪牙や難波は物語をきちんと動かすキーパーソンとして機能しているとおもいます。
しかし、主人公、美空、遥花辺りのメインキャラの動機がいまいち弱く見え、
更に「この人は優しい、強い」などの褒め合いが過剰です。
優しさや強さは言葉ではなく行動で示した方が良いかもしれません。

・ストーリー
展開にオリジナリティが無いです。
随所でバイオやラストオブアス、その他ゾンビ系のハリウッド映画と被っています。
意図的に被せたのならもう少し捻った展開を。

雷道を通して美空との愛に気付く、
遥花を通して妹の幻影にケリをつける、
この二つがストーリーの主軸だと思いますが、
現状はどちらも盛り上がりに欠けています。

・世界観
粗が目立ちます。
説明不足というよりも、良く練られていない印象を受けます。
現代日本で(未成年含めて)銃器を用いて殲滅するにたる合理的な理由。
物資補給困難な地域で食される食事にレーション等の実用性の高い物の描写がない。
年単位で作戦が行われているのにライフライン(電気、水道など)が正常な理由。
厳密に戸籍管理されている日本で、
掃討した人数の管理、遺体の照合をしていない雑な組織。
などなど。

・文章は読みやすいか
冒頭からしばらく読みづらい記述が続きます。
主な理由は視点のブレ、描写不足ですね。
また、私のリードアプリがおかしいのか、
|と入る箇所と(・・)と入る箇所の意図がよくわかりませんでした。

・面白いかどうか
残念ですが面白くは無かったです。
主人公である悠人に魅力が無いのが一番足を引っ張っているポイントだと思います。
悠人の動機が全て過去(妹の喪失、美空を大切にするに至る出会いのエピソード)なので、
それを詳しく知らない読み手は彼が頑張っている理由がわからず白けてしまいます。
また、身体を鍛えてる以外に能力的特徴がないのも惜しい。
異能はヒロインが持っているので、努力の境地で手に入る能力、例えば百発百中の狙撃や、屋内戦闘での跳弾を使った三次元戦闘が可能、
などがあるとバトルがより映えると思います。
(例で挙げた能力は使い古されてるので実際はもっとユニークなスキルが必要ですが)

全体としては「良くあるバイオ、デッドラ等のゾンビゲーを舞台にしたラノベ」の域を出ていない印象です。
ただ、全てのキャラに物語に関係する意味を持たせる、敵役を序盤から登場させる、といった基本は出来ているように見受けられます。

このタイミングで一次落ち、ということはGA文庫大賞でしょうか。
未だショックが抜けないと思いますが、気を落とさず頑張ってください。
(勘違いだったらごめんなさい