>>492
全部読んだ。俺すげぇ。超しんどかった。

でも、初心者が10万字書いたのはえらい! よく頑張りました!
普通は書いてる途中で挫折するんで、そこのところは誇っていい!
虚淵作品好きそうと思った。

さて。いろいろダメな点があるけど端的に。
主人公の目的と動機は最初に書こう。
「世界を救う」は目的にはならない。特に人から言われて動くのは主人公の魅力に繋がらない。
実は本当の動機が……みたいなのは、それが明かされるまでは全然面白くないから。
シーナを守るため家族のかたきを討つため、だから悪魔や魔物を倒すんだ、というのを冒頭2枚で出してしまおう。

世界設定として、作者は伏線のつもりだろう異物――チェーンソーだとかファンタだとか電子音楽とか日本語とか――がぜんぜん伏線になっていない。不協和音でしかない。
全部、異世界からの漂流物にしてしまった方がいいんじゃないか。もし入れるなら最初らへんに書こう。

独自の冒険者ギルド、ドームハウスとかなんとか。別にいらないよね。本編に関係なかったし。
変に凝ってもわかりづらいだけなので、既存のテンプレを取り入れよう。
テンプレは何百番煎じでしかないが、読者がすでに知ってるため読みやすさにつながる。
メインストーリーに直接関係しない部分はテンプレ設定に置き換えてしまうといい。

あと場面が変わったら、いつどこで誰が何を、を最初に書こう。
それからジャンルがなんで異世界恋愛なんだ? と思った。


まあ、一番の問題は文章。
なんでこんなに読みにくいのかと考えたけど、おそらく作者が思わせぶりな文章をうまい文章と勘違いしているからじゃないかと。

漠然とした主格や代名詞はやめよう。
主語を最後に持ってくるのはやめよう。
文章や段落の主格が途中で変更されているのに、その主語を消すのもやめよう。
指示語を減らそう。
読みやすくわかりやすい文章を心がけよう。

例えば
> そう吐いて、魔物を獰猛に一太刀したのは、この集団一の精鋭である剣士の男。
俺ならこう書く。
 剣士の男が魔物を一太刀で切り捨てる。パーティーの中で一番の精鋭、シノであった。

>H2の相手をするのは、Eランクの冒険者が二、三人で手を組んでかかるような兎の魔物。敏速な動きを正確に見極め、H2は詠唱を始めた。
最初の一文は、文頭から読んでいくとH2の相手が冒険者かと思ってしまう。そして最後で魔物とわかる。
二度読みしないと意味が取れない。しかもこの後に主語のない兎の動作と、H2の動作が入る。
俺ならこう書く。
 H2は兎の魔物と対峙していた。兎は俊敏であるため、Eランク冒険者が二、三人は必要な強敵。しかし彼女は焦ることなく、素早い動きを目で捉えつつ詠唱を始めた。

まあこれは一例だけど。
読みやすい文章とはなにかを知りたければ、
本多勝一「日本語の作文技術」(朝日文庫)が最強にわかりやすい。
中身の例文は政治思想がアレだけど、文章自体は確かに例文の方が読みやすくなってる、と納得できるはず。
今、作者が読むべき技術書は絶対にこの本。


最後に大甘で点数つけて、良かったところを評価。
主人公が最強の刀の使い方を、実は間違えていた点。形が刀なら普通はそう思うよね。
悪魔が人間なのはすぐに分かったが、裂け目がアレでそっちから来たか、という点。
1〜3章までは意味を読み取るのが大変だったけど、4章からはまだ少しわかりやすくなった点。

文章力は上がってると思うので、あと3本ぐらい文庫一冊分で完結する小説を書けば、文章で文句は言われなくなるはず。
読んでもらえるようになれば、キャラ、設定、構成、ストーリーにも言及してもらえるようになるはず。
頑張ってください。