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使用するお題→『レビュー』『クリスタル』『午前零時』

【変態ストーカー、その名はノーマン】(1/3)
※スレ6>>776【一つ目の悪魔】を最初に読んでおくことをオススメします

ある深夜のこと、とある高級アパートの一室に住む一人の男がパソコンで何かをニヤニヤと閲覧していた。
それはレストランの口コミサイトで、その男が見ているのはライアンとレイチェルのレストランだった。
「料理がすっごく美味しい!」「女ガンマンの余興が愉快で楽しくてサイコー!」と、高評価のレビューでたくさんだ。

「ほぉ、このガンマン姿の姉ちゃんがレイチェルっていうのか。可愛いじゃねえか」

彼の名はノーマン。亡くなった両親の莫大な遺産で高級アパートに住み、ろくに働かずに怠惰な生活を送っているニートだ。

「レイチェルは俺の妻にピッタリな女だ。必ず俺のものにしてやるぞ…」

そう言うと彼はパソコンの電源を切るのだった。

・・・・・・・・・・・

ある朝の8時、ライアンとレイチェルはレストランの準備で大忙しだった。

「それじゃあ材料買いに行ってくるね、ライアン!」
「事故には気をつけるんだよ、レイチェル!」

レイチェルがドアを開けて外に飛び出したその時、何かに足を躓いて転んでしまう。

「痛たたた…!もう何なの?」

足下に落ちていたのは、ピンクのリボンで飾り付けがされた白い箱だった。

「何かしら?」

不審に思いつつも、とりあえずリボンを解いて箱を開けてみるとそこには綺麗なクリスタルのアクセサリーが入っていた。

「綺麗!で、でも何でこんな所に置いてあるのかしら?誰かさんの忘れ物?」

そのクリスタルのアクセサリーの入った箱をライアンにも見せる。するとライアンは箱の隅の小さな隙間に、一枚の紙切れが入っているのに気付く。
取り出して見てみると、そこには「レイチェルへ、大ファンである俺からのプレゼントだ」と書かれていた。

「レイチェル、どうやら君へのプレゼントのようだね」
「で、でもいきなりこんな高級品受け取ってって言われても何だか気味が悪いわ。どこに名前も書かれていないし」
「ということは誰かのイタズラかな?でも一応こっちで預かることにしよう」

近くの草木の茂みに隠れていたノーマンが、レイチェルの姿を双眼鏡で窺っていた。

「誰からのプレゼントか分からなくて動揺してやがる、可愛い奴だなレイチェル…」

それ以降、ノーマンは毎日のようにレストランの扉やキッチン近くのドアの前にレイチェルへのプレゼントとして、
ネックレスや帽子、可愛いぬいぐるみ等の入った箱を置きに置きまくったのだった。

「(レイチェル、俺からのプレゼントだから大事にしてくれよな…)」

一方のレイチェルは、知らない誰かからのプレゼントの数々に底知れぬ不安と恐怖を抱いていた。

「ライアン、私なんだか怖いよ…!」
「もうこうなったら警察に言うしかない」

ライアンの通報により、すぐに警察が駆けつける。彼から大まかに事情を聞くと、それらの
プレゼントを回収してくれることとなった。