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使用するお題→『マインドコントロール』『百人組手』『理科室の実験』『レモン』

【懲りない親友】(1/3)
スレ7 710【親友は大食い】を先に読んでおくことをオススメします

ランドセルを背負い、カナミが元気よく学校へと向かっている中、途中で親友のリナと会った。

「あっリーちゃん、おはよう!」
「おはようカナちゃん!」

リナは食べるのが大好きだ。以前、意地悪な小6女子の一人である赤沼ミチエの罠にハマり、
彼女が経営する焼肉店の超濃厚なサムギョプサルに夢中になって激太りしたことがあった。
カナミやクラスメート達の助けもあって何とか元の体型に戻り、それ以来食べる量を少しではあるが減らしているようだ。
ぽっちゃり体型ではあるが、前よりも少し痩せているように見えた。

「リーちゃん、少し痩せた?」
「そう見える?だったら嬉しいな。私ね、最近お母さんとお父さんと一緒によくセミナーに通っているの」
「セミナーって?」
「スタイリッシュな体型を目指すあなたへ!というものなの」

リナ曰く、華奢で美しい体型になりたい人がよく通うセミナーだという。彼女の両親も肥満体型でとにかく痩せようと頑張っているのだが、
基本出不精であまり動きたがらない性格のせいで、なかなかダイエットが上手くいかないのに悩んだ結果、そのセミナーに一緒に通い始めたのだ。

「講師の人がね、すっごくイケメンで優しくてホント素晴らしいことを言うの!それが最高でね!」
「う、うん(単にその講師がイケメンでそれ目当てに行ってるだけじゃ・・・)」

カナミは内心呆れつつも、リナの話に相槌を打つ。

「ジョギングとか腕立て伏せみたいな面倒な運動無しで、食生活を変えれば普通に痩せていくって本当に楽でいいわー」
「(い、いやそれなりの運動も必要でしょ。普通に考えてさ)」

学校に着き、1時間目の授業は早速体育だった。体操服に着替えて運動場に出るが、リナの姿が見当たらない。

「あれ、リーちゃんがいない・・・」

よく見てみると、彼女はブランコに座ってのんびりと寛いでいた。

「おい森野、体操服に着替えないで何をしているんだ。忘れたわけじゃないんだろう?」
「うん、別に忘れてはないけど、これから体育の授業はお休みさせていただきます」
「何を言っているんだ?」
「ダイエットに無駄な運動は禁物だってセミナーで言われたんです」
「バカなことを言うな!」

体育の先生に怒られても一切動じず、リナは体育の授業に出ようとしなかった。そんな傲慢な親友の姿に、カナミは呆れかえっていた。
放課後のこと、公園にトラックの焼き芋屋さんが止まっているのを見て、リナが嬉しそうに駆け寄る。

「おじさーん!焼き芋4個ちょうだい!」
「リ、リーちゃん、確か今まで2個までだったでしょ?」
「焼き芋はね、栄養満点だからいくら食べてもエネルギーになるから大丈夫!」
「・・・・・」