>>388
使用するお題→『水飴』『小川』『空色』『とげ』

【受難な姉を救え】(1/3)
※スレ7 387【弟は名探偵?】を先に読んでおくことをオススメします

ある土曜の夕方、ケンスケがリビングのソファーに寝転んで、楽しそうに漫画を読んでいる時だった。

「ただいまー!」

カナミの声が聞こえてきた。姉は今日、母と一緒に街のデパートに買い物に出かけていたのだ。

「あっ、お姉ちゃんおかえり!」
「ケンスケ、これを見て」

カナミは買い物袋からある物を取り出した。それは綺麗な空色をした新しいハイソックスだった。

「どう、可愛くて素敵でしょ?」
「うわあカッコいい空色だね!」
「可愛くて綺麗なスカイブルーって言ってほしいわね」
「はいはい、可愛くて綺麗なスカイブルーだね」
「ウフフ、ありがと!ケンスケ、勝手に履いちゃダメよ」
「分かってるよ」

翌日、カナミはその空色のハイソックスを早速履く。

「履き心地最高ね!」
「お姉ちゃーん、まだー?」
「今行くから待ってー!」

朝食を済ませると、カナミとケンスケは家を飛び出す。

「ホントに綺麗な空色だね!」
「だーかーらー、スカイブルーだってば」
「はいはい、スカイブルーだね。今日はどこに遊びに行く?」
「そうねぇ、うーん・・・」

どこに遊びに行こうかな、そう考えながらのんびりと歩いている時だった。

「お姉ちゃん、あれ見て!」
「ん?」

弟が指差した方向に目を向けてみると、水飴を売っている屋台があった。

「水飴だよ、お姉ちゃん!せっかくだから買おうよ!」
「それはいいわね!」

屋台に駆け寄り、ケンスケはソーダ味、カナミはイチゴ味の水飴を買う。
近くに広い公園を見つけ、そこのベンチに座って食べようとした時だった。
カナミは足下に落ちているテニスボールに足を取られ、ドテッ!と尻餅をついて倒れてしまった。
その拍子に手から水飴が離れて落ち、そのままハイソックスにペチャッとついてしまった。

「痛たた、うわっ水飴が!それにハイソックスも・・・」

買ったばかりの新品で綺麗な空色のハイソックスは、イチゴ味の赤い水飴でベタベタになってしまった。