>>68
読んだ、結構レベル高いんじゃないかな
「その土俵に立てている」と言っても大半は一次落ちするわけなので
別に土俵とかはないけど、印象としては応募者全体の半分より上に近い側かと
なので、一定以上のレベルに達している前提で評価を

数字にすると構成5、設定4、文章5、キャラ3、って印象
(平均5程度か飛び抜けた長所があれば一次通過みたいな基準のイメージで)
それとは別に逆追放ってコンセプトが少し捻ってるのでその加点もある
長所と短所理解して頑張れば今後もっと伸びそうに感じる


まずどうでもいい点だけど、ネクラという名前は根暗を連想してしまって、
意図通りかもしれないけど貧相だよね……事実上ラスボスに近い立場なので、
せめてもう少し格好良い名前でいいかと思う

【文章】
文章は固すぎず致命的に下手でもなく、わりと慣れていて良いと思う
ただし冒頭。現状も確かに作者側の視点では順番に状況を開示していて、順当な流れではある
だけど説明が長く、興味を惹くフレーズや出来事が起きるのが遅く、
しかもインパクトのある『ネクラの裏切り』が何が起きたのかわかりづらい

冒頭三行ぐらいで簡潔に前提状況をまとめた上で、
『――ネクラの短剣がアンの喉を抉っていた。』
など、インパクトがあり状況を把握しやすい一文を入れることを勧めたい
詳しい状況はその後徐々に明かせばいいし、読者が退屈せずこの後何が起きるのかを予測できる

根本的にこれは逆追放モノなんだよね、そのコンセプトを序盤から今以上に明確にして、
ネクラの殺戮の恐怖を鮮やかに描いた方が個性と魅力が出る
構成でも触れるけど、描写は不要なものを削って、必要なものを増やした方がいい


【キャラ】
あと、地の文は結構上手いわりにキャラの台詞がテンプレート調なので、もっと凝ってもいいと思う
十何年分の人生を生きた人間が、その台詞を口にする時何を考えるのか、
普段からどういう言葉遣いなのか、彼/彼女にとって恨みや怒りはその口調で最も適切なのか

なろう系に寄せて書きたいのか、新人賞系でクオリティ上げたいのかにもよるけど、
キャラの個性や人格を深掘りして台詞の端々や行動に反映させるのは次の課題の一つかな


【構成】
構成は上手さと微妙さの両面ある
序盤からネクラが襲ってきて全滅寸前! 逃げる! 生き延びて復讐!
っていう全体構成のスタートとゴールが定まってるのは長所、文句ない

でもさっき言ったように説明が長かったり、
牢獄に入れられる前後が切れ目がなくて場面転換がわかりづらかったり、
太陽の神ヒロインが全然喋らないし描写が少なくているのかいないのか、
そもそも太陽の神なんて大仰な名前を連呼するほど壮大なシーンにも思えなかったり、
シーン単位の構成が読者に伝わりづらい

長々と説明しなくていいことをしなくていいタイミングで説明して、
説明や描写が欲しいタイミングで描写が省かれてるから、混乱する
完璧に読者と作者の視点を一致させることは無理でも近付ける努力は必要かな