>>810
>>852 続き。

キャラの魅力とは「共通性」と「憧れ性」からできています。
共通性とは、読者と似たところがある部分。
勉強イヤだーとか仕事行きたくねーとか雨の日は憂鬱とか。猫可愛いから好きとか。
憧れ性とはかっこいい部分、素敵な部分。
例えば偉そうな教師を言い負かすとか、いじめる先輩を叩きのめすとか、メイクしたら目を見張る美女とか。パワハラ上司に倍返しして土下座させるとか。
コブラとかもすごいよね、仕事したくねぇなぁ酒飲んでねーちゃんのお尻追っかけてたいと言う三枚目でありながら、ひとたび左手のサイコガンが唸れば最強で、宇宙一の海賊として暴れ回る。ヒュー。
共通性と憧れ性のメリハリがめっちゃ効いてて素晴らしいキャラ。もちろん演出もすごいけど。

この作品で言うと、葵の勉強したくない、できないと言うのはある種の共通性があるでしょう。
でも読者がこの主人公に憧れる要素は? 演技がうまいこと? だったら見せ方(演出)が悪いのでは。
自分語りだと内容ばかり目立って演技力が目立たない。
まずはシェークスピアなどみんなが知ってる古典でもやらせて、その演技力のすばらしさを見せないと。
演技力がすごいことを果たして文章で読者を納得させられるか、そこがキモだね。
自分語りの演技はその次の展開になります。

で、魅力的なキャラを作ったら、次はキャラを立てることが大切です。
キャラを立てるためには、目的と動機が必要です。
物語を通して主人公が成し遂げようとしていること。それが目的です。
さらに目的には動機が必要です。例えば、ヒロインを救いたい!(目的) なぜなら過去に苦しんでた時ヒロインに救われたからだ!(動機) とか。
お金が欲しい!(目的) なぜなら最愛の妹の病気を治すには多額の手術費が必要だからだ!(動機) 
火影になりたい!(目的) なぜなら理由もなく村人全員から無視されていじめられてた時にただ一人優しかったのが、尊敬する火影のじいちゃんだからだ!(動機)
ゲームをクリアしたい!(目的) なぜならゲームに閉じ込められていてクリアしないと現実世界に戻れないから!(動機)

今だと葵は、母親の呪縛から逃れたい、なぜなら自由がないからだ。みたいな感じでトートロジーっぽくなってる。
ここは母親の呪縛から逃れたい、なぜなら女優になりたいからだ! と決めてしまった方がいいと思う。

で、共通性、憧れ性、目的、動機、の4つを統括するのがキャラの背景。
例えば葵なら、女優になりたいのは、昔から地味だったけど幼稚園や小学校のお遊戯会の時だけ華やかな自分になれたから、みたいな過去(背景)を付ける。
こうするとキャラに厚みが出て、魅力的になります。
これらを全キャラに施すとサブキャラも魅力的になります。
晴人も今は最低な奴で魅力がないので、もっと魅力的になるように作り直しましょう。

続く。