どれどれ。あー、俺の書き方が変わったと感じた奴は、まあセンスはあるわ。ちゃんと読めてる。そこは褒めてやろう。しかしその目的は、――てめえで探せ。考えろ。答えを出しとけ。いいな?

よし、じゃあ今回は「リーダビリティー」についてだ。「小説とは何か」については、もう少し待て。期待してんのはわかってる。わかっているが、順番っつうもんがある。

ここでいうリーダビリティーというのは、ようは「読みやすさ」だ。で、どうすれば、読みやすい文章が書けるか?――だが、ま、答えをゆっちゃうと、〈感情が読み取れる〉テキスト、だ。な? もうわかったな? なぜ俺のテキスト(文章)が読みやすいのか。

「感情が読み取れる」といっても、べつに「感情的になる」という意味ではないからな。まあ、でも、感情的な文章も、何かを伝えるという一面では効果がある。よっぽどのアホでもないかぎり察することができるからな。そのへんのエレメントを使いこなせ。「――ケッ、なんだよ、エレメントって。気取りやがって天才が!」

と、ひとりボケツッコミも決まったところで、感情が読み取れて読みやすいテキストの具体例を出しておこう。夏目漱石の『坊っちゃん』な。青空文庫で読んでみろべらぼうめ。むろん不満や怒りばっかりじゃねえぞ。『君の膵臓をたべたい』なんかは悲しい悲しいじゃなかったっけか。ま、とにかくだ、能面みたいな顔してテキストを書いてんじゃねぞ下手糞が。