『マイン 麗乃 乗っ取り』でググったらでてきた作者のお言葉()↓
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>麗乃とマインが従来同一の魂を持ち、麗乃がマインに転生しましたが、5歳の時前世の記憶が蘇ったため、前世の記憶が現在の記憶を上書きし、マインは自分がマインではなく麗乃だと思うようになった。

原作を深く読み込んでいる方でしょうか。
作者としてはこちらの意識で書いています。

麗乃の記憶や人格が前世として奥底にあり、新しく生まれることで前世を包み込むように、マインの意識が生まれ育っていく。本来ならば、経験を積むことでマインとしての人格や意識が厚みを帯びていくので、前世の記憶に今の自分が呑まれることはない。

けれど、マインは身食い。
熱に呑まれるたびに自分が熱に食べられるような感じがして、自意識が穴だらけになる。
普通ならば、マインとしての言動を積み重ねることで今世の自分を立て直していくのに、ほとんどベッドで寝ているだけ。接するのは家族だけ。新しい経験ができない。

マインにとって新しくて嬉しい経験は、夢の中で得られるものだった。
前世とは思わず、健康で走っても苦しくない。美味しい物を好きなだけ食べられて、自分の好きなことを好きなようにできる夢をマインはよく見ていた。
「夢の中で生きたい」「ずっと眠っていたい」「麗乃になりたい」

夢の話をして母さんに怒られても、(第一部Ⅱの短編参照)マインにとって一番自由にできるのは夢の中。
「体に悪い」と何もかも禁止する父さんも、わたしだけ健康に産んでくれなかった母さんも、外で走り回れて一人だけいつも楽しそうなトゥーリも、みんな大嫌い。

マインが身食いの熱に自意識を呑まれる時、必死で手を伸ばしたのは家族ではなく麗乃の記憶。
自分から望んで、今の自分を捨ててマインは「本須麗乃」になった。

でも、本須麗乃として生きていけるわけがない。麗乃の人格や記憶を手に入れても、そこで生きていく体はマインのまま。

別に麗乃の記憶を手に入れても健康になれるわけではないし、子供の脳では感情制御も完全とは言えない。
皆はマインとして扱う。

その結果、麗乃の意識でマインとして生きていくことになった。