第七章1  『洗礼』
「鬼族の……やなしに、姉妹の共感覚? それでレムさんと繋がってるってこと?」
「ええ、そうです。レムは生きています。……バルスはともかく」
「スバルだって大丈夫かしら! そっちはベティーが保証するのよ!」
 らしすぎるラムの発言に、ベアトリスが顔を赤くしてそう怒鳴る。が、スバルと契約した精霊であるベアトリスだ。彼女の発言にも信憑性はある。
 つまり、消えた二人はそれぞれ、違う角度から生存が確認されたということだ。
「スバルはベアトリス様の契約の繋がりが、レム嬢はラム女史の共感覚がそれぞれ……信じる価値はあります。それに、私も期待したい」

〜中略〜

「お願い、二人とも。スバルとレムはどこにいるの? 教えて」
 エミリアの真摯な訴え、それを向けられたベアトリスとラムが顔を見合わせる。
 それから、二人は数秒の沈黙のあと、
「――南、なのよ」
「ラムも、同じ方向だと感じます。位置まではわかりませんが、かなり遠いと」