――実際に放送されたアニメを見て、いかがでしたか。

中村:アニメが始まったら、思い出したくない嫌なことばっかり(笑)。原作が改変されてしまいました。何より脚本が気に入らなかったんです。原作者には当然発言権があるのですが、アニメはあくまでも別ジャンルの制作物で、意見を言わないように編集者が巧妙に動くんですよ。実際、脚本には口を出すなと言われたし、私の作品じゃないと割り切って文句を言わないようにしました。

――当時はアニメで原作が改変される例は珍しくありませんでしたが、クリエイターとしては辛いですよね……

中村:だから、アニメはほとんど見ませんでした(笑)。脚本を読むと、私はゴクドーくんにこんなこと言わせないな、というセリフばかりだったし。勝手にオリジナルキャラを作られたり、挙句の果てにゴクドーくんに人生論なんかを語らせたりして。あまりに原作を無視した改変ぶりに、カチンときたこともあります。