すぐさま集中治療室に運ばれるも昏睡状態のまま意識は戻らず、遙の家族、美月、俺は絶望の淵に立たさせる。

「あのとき俺がもう少し早く辿り着いてれば・・・ぐっ!」

俺は集中治療室横の応接室で悔やんでも悔やみきれない一夜を過ごす。

大手術が行われた翌朝、奇跡は起こる。何とか一命を取りとめる。

しかし医師から告げられた言葉は「目を覚ましたとしても、もう二度と記憶は戻らないかもしれません」というあまりにも残酷な宣告だった。

そう、遙は俺の記憶を完全に失ったのだ。