歴史小説『ボマルツォ公の回想』ちまちま読んでるが、司馬が可愛くなるぐらいの野放図な語りじゃねえか。
オペラを下敷きにしてるようだが、16世紀に死んだピエル・フランチェスコ・オルシーニがなぜか生きていて現代までのことを知っていてご丁寧に画家のロートレックやフロイトや直接は言わないがナボコフにまで言及してる。
つまり作者ムヒカ=ライネスがオルシーニに扮したコスプレ小説な訳で、16世紀ルネサンス人の語りとして構築せいと言いたいもんだわなぁ。
大先生司馬の語りがパッチワーク的だとか語っていたが、つらつら解説があって、そこに会話が挟まっていくのって講談とか落語の方が元にある訳で、十分ある種の形式に則った語りだわな。
別に欧語圏の歴史小説に日本が引けを取っているとは思わんな。