よろしくお願いします。

 なんにせよ登竜門をつくるというのは並大抵のことではない。
「部長、本当に文人作家をあつめて公募なんてひらけるとおもってるんですか?
名前が冬のいちご賞なんて、いまどき恋人の作家があつまるとか、考えが軽すぎます」
 部長は瞳が闇のしずかになって、部下の心臓を仕手でくり抜いた。
 赤い皮がにぶそうに、くたびれた先から血をふいている。
 部長は血塗られた聖者の顔をし、それを宙になげると、腰からいきおいよくベレッタP−233をひきぬき、
サラリーマンの頭上で赤が飛び散った。女性社員が悲鳴をあげる。
 部長は、忍者走りで高層35メートル上にある窓を割って上空にでると、そのまま待機していたヘリに
飛び乗り、社長の頭を高精度にベレッタに撃ち抜いた。
「合格だわ」と、トリニティは言った。
 部長は不思議な顔をしながら「これが、これが俺はネオということなのか」
 ずいぶんひげの生えたネオだった。どうでもいいが、冬のいちご賞は彼女たちで決まりだろう。