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あなたの文章真面目に酷評しますPart104 [無断転載禁止]©2ch.net
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0001名無し物書き@推敲中?垢版2017/07/14(金) 23:36:50.77
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0306名無し物書き@推敲中?垢版2017/07/18(火) 04:39:44.05


ラスト百メートル、煮え滾るような熱く白い息を吐きながらラストスパートで六人をごぼう抜きにして、ゴール線を駆け抜ける。最後の最後でマラソンの順位を上げるのは、藤波の真骨頂だ。
ゴール線に入ると、地面に倒れこむ生徒たちを先生たちが腕を掴んで、起き上がらせて、生徒にそれぞれ順位を記した紙を渡す。
生徒たちは手を腰に当てて乱れた息を整えながら歩き出し、先生の指示に従って、ゴールを駆け抜けた順に並ばされる。
銀杏並木広がる晩冬の末広公園で藤波は肩で息をしながら、もうすでにゴールしている生徒たちの列にきて、崩れるように倒れこんだ。
藤波の順位は六位であった。三学年の男子の総人数は百三人。最後の力を振り絞って、前を走る生徒を最後の最後で追い抜いていく藤波の負けん気の強さは人一倍だ。
ようやく藤波は起き上がり体育座りしているところにポンと肩をひとつ叩くものがいた。
「藤波君は何で最後にあれだけ走れるの?」同じクラスの級友星崎が言った。星崎の持っていた紙には7位とある。藤波は、まだ息が整わずハアハアと息を吐いていたが、やがて咳払いをしてから「五位以内に入りたかったから」と乱れた息のまま一言発した
0307名無し物書き@推敲中?垢版2017/07/18(火) 04:40:59.17


星崎と藤波は、毎朝通学路を共にする。
小学校三年になったばかりの四月初め、午後七時きっかりに藤波の自宅に来訪者を告げるチャイムが鳴らされた時、藤波はまだ朝支度の真っ最中だった。
支度が整わぬままに母親に「あんたのクラスメイトの星崎君が迎えにきたわよ」と言われ狼狽した藤波が玄関をチラと見ると、そこに立っていた星崎が満面の笑みを浮かべて「おはよう!」とまっすぐに身体を射抜くような声で、元気いっぱいに挨拶した。
この時の顔が今でも藤波の印象に残っている。
支度を大急ぎで済ませて、帽子を被り、ランドセルを背負って外にでると生暖かい春の風が藤波の顔に吹き付けた。
殆ど話したことのない星崎がいきなり家を訪ねてきたことにもびっくりした藤波だが、それ以上に優等生の星崎が何故、劣等生である自分のような者を迎えにきたのかがよくわからなかった。
0308名無し物書き@推敲中?垢版2017/07/18(火) 04:42:48.87


「星崎君、ありがとう」藤波は第一声で、先ず星崎に感謝の意を伝えた。三学年で同じクラスになったとはいえ、
今まで殆ど話したことのない星崎がわざわざ朝の通学の途中に自分の家に立ち寄ってくれた事実をどう受け止めていいのかわからなかった。とりあえず、ありがとう、と藤波は伝えたのだった。
「ありがとうなんて、そんな……」と言って話が途切れた時に、また強い風が二人の間に吹いた。星崎は藤波に比べて少し背が高く、色白の端正な顔立ちをしていて、いつでも短く髪を刈り込んでいる。
小ざっぱりとして清潔そうな外見と神経質そうな器量から藤波は平安時代の公家を連想した。
「迷惑じゃなかった?」星崎bヘ再び口を開いbス。
「迷�f? ううん」そう言って藤波は大きく首を振って「よろしくね」と大きく声を張り上げた。そうして二人はどちらともなく笑い合って桜の花弁が強い風に乗って舞い散る春の道を駆け出して行った。
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