教えるも何もないが、ストーリーを否定しているわけではなくて、
文芸というのは文字通り「文の芸」だから、いかに文章で魅せるかという基本を等閑にしている奴が多いということだけは言いたい。
「何を書くか、題材が命だ」という奴をよく見かける。
あるならもうとっくに誰かがやってるし、誰もやってないならそんな題材なんて少なくとも容易くは見つからないという証左だろう。
且つ「すべては語られた」というのが死語だとしても、この情報過剰なネット社会で斬新な人目を惹く題材なんてそうそうないだろう。
結局、同じような物事や事物を上手く変形させて、手をかえ品をかえやりくりしていくしかないわけよとどのつまり。
そうなっていくと「文の芸」、つまり文体や文章で魅せるという原点回帰せざるを得ないのではないか。
ならどうすればいいか、古典から学ぶしかない。故きを温ねて新しきを知る以外に今の時代に斬新な題材はないというのが俺の考え方だね。