>>559
>昔は本格、あったよね。東野圭吾の「放課後」とか。

乱歩賞受賞作は、概して言えば本格物が多いと思う。つまり、
「犯人当てや殺人手段などの謎解きが主体であり、かつまたその謎を解くためのヒントがある作品」
という意味で。ただ、狭い意味での本格というか、コテコテの本格はあまりないかな。
たとえば、密室とかクローズドサークルとかにこだわったのとかはね。
剣の道殺人事件では、実際には密室は登場しないのだが、「誰もが見ていた中での犯行」
という意味で、それはあたかも密室だったとしつこく主張しているが。
あと、浅草エノケン一座の嵐は、謎解きの部分に関してはコテコテ本格に近いと思う。
モーツァルトは子守歌を歌わない、も外国が舞台というだけで、少しライトだが古典
本格の一面を持っている。
意外と新しいところでは、「プリズン・トリック」がハウダニットのコテコテ本格に近い。
しかしあれは選者も見落としている重大なミスがあるから失格。
受賞作で古典的本格に一番近いのは、実質初代の「猫は知っていた」かな。