ご隠居は写真家だった。そして何かと理由をつけその女の写真を撮り溜めた。そうして溜まった写真をポスターサイズに現像し自分の部屋中に貼りまくっていたのだ。ご隠居の部屋は、四方八方、天井までその女だらけなのだ。嗚呼なんておぞましい。
そしてご隠居のこの悪趣味は本日ここに極まった!

なんと、部屋中の女の写真の上に、粘着力が僅かなはがせる両面テープで貼ったごく薄い壁紙を貼り、その女を自分の部屋へ招き入れたのだ。

少しの衝撃で剥がれるかもしれない、窓を開けたら……いっそうのこと自分で剥がしてしまおうか……一体女はどんな表情をするのだろう。女の前でそんなことを考えただけで快楽の震えが止まらない。

今まさにご隠居は、静かな狂人としてそこにいるのだ!