542 ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE sage 2018/09/07(金) 10:42:45.45 ID:vOUI/2/e
仕事の最中なのだが、仕方がない!
被災者を労わるとするか!

 突然の地震に見舞われた。
 物が散乱したアパートの自室で勅使河原はぼんやりとしていた。
 傍らに暗い画面のスマートフォンが置かれていた。一時間前に電池が切れた。コンセントに差し込まれた充電器は役に立たない。大規模な停電の最中にあった。
 両膝を立てた姿で座り、無気力そのものの溜息を吐いた。膝の上に両手を重ね、軽く額を乗せる。
 寝不足で充血した目を労わるかのように瞼が下りてきた。
「だいじょうぶですか?」
 勅使河原は顔を上げない。鼻で笑った。
「元気を出してください。わたしがいるじゃないですか」
 声が近くなった。勅使河原はようやく顔を上げた。
 目を丸くする。驚きの表情で硬直した。
 眼前に大きな二つの膨らみがあった。両腕に挟まれ、過剰に盛り上がる。Tシャツから胸が零れ落ちそうになっていた。
 勅使河原は生唾を呑み込んだ。
「もうすぐ電気はきますよ。それまでがんばってください」
「そ、そうなんだ。でも、暗いし。大きな余震を思うと、怖い。男なのに、情けないよね」
「独りでこんな状況になったら、誰でも怖いですよ。あなたにはわたしが付いています。何も怖くないですよ」
 ボブカットの女性は黒目がちな目を細めた。ふくよかな胸で勅使河原の頭を優しく包み込む。
「ね、怖くないでしょ」
「……とても柔らかくて、温かいよ……もう、怖くない……」
 幸福の絶頂を思わせる顔で勅使河原は静かに瞼を閉じた。

 横向きに寝ていた栄一は目を覚ました。真っ暗な部屋の状態を見て独り言ちた。
「なんで、こんな時間に目が……原因はこいつか」
 顔を後ろに向けると勅使河原が引っ付いていた。栄一の尻に顔を寄せて「柔らかい、温かい」と寝言を繰り返している。
 勅使河原は仕事と観光を兼ねて他県にある栄一の家に泊まりにきていた。その最中に北海道を強い揺れの地震が襲ったのだ。
「まあ、幸せそうだから、良いとしよう」
 栄一は横向きで二度寝の体勢に入った。

これでグロ絵君が元気になりますように!(`―人―´)