>>155
同じ本を何度も読むことで、気づいたことがあるでしょう?

たとえば文体の妙技。言葉が、文章が、どれほど人の意識の中に流れ込んできて、それが心地よいか、気持ちよいか、感動させてくれるか。得も言われぬ涙を出させるか。
現実に生きていて、他人の一言二言に感心することがあっても、持続的、継続的に、言葉でそういった充足感を得ることはほとんどありません。
唯一読書体験が我々に与えてくれる、至福の時間です。

そういった至福の時間を、他者に、読者に、与えるのが我々の仕事です。

それさえ実感、いや自覚できれば、いいのです。