「うーん、ちょっと探したけど、この辺じゃ家政科を生かす会社はないので。農家だし、家の手伝いもあるし、東京行く気力もなしで、えへへ」と結構な美人は笑う。
「俺の初めての彼女だろ、だから二人に紹介したかった」
「あ、あの、結婚の予定はあるのですか?」と焦ったように和子が聞く。
それを聞いて秀典とみどりは顔を見合わせた笑った。
「さー、まだわかんないなぁ。秀典は自衛隊に行くから離ればなれになるでしょう。パチンコ屋で一緒の時は話を聞いて、まぁ慰めることにはなったけど、秀典もこれからだし、私もこれからだし、どうなるかは解らないです」
 (大人だ)と報子と和子は思った。目の前の大人の雰囲気の一人の女性の気品に二人はじっとするしかなかった。
「まぁ、長い話はここまでだな、メシ来たようだから、メシ食って適当に話して、しばしのお別れだな」


俺には大人の女性の気品がどこにあるのかわからない