・作家志望が集うスレです!
・議論、雑談などを通じて、創作法、作品設定などについての認識を深め、
個々人の創作力の向上を目指します!
※個人の人格攻撃は止めて下さい、不毛ですから。
【ハウス・メンバー募集中!】
・本気で、プロ作家を目指している方
・公正に作品の評価ができる、判定師の方
※前スレ
バーチャル編集長のクリエーターズ・ハウス【2】
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bun/1635647651/
探検
バーチャル編集長のクリエーターズ・ハウス【3】
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2021/11/01(月) 21:33:15.41
611名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 14:01:28.40 見せてくれと言えばみせてもらえると思うその思考回路は改めたほうがいいな
ダメ元と認識してただ言ってみただけならよいが
ダメ元と認識してただ言ってみただけならよいが
612名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 14:01:38.47613名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 14:05:53.57 結婚式や葬式なら礼服一着あれば十分
614名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 14:06:07.90 >歳の頃は三十手前ぐらいであろうか?
これは、人格的カメラがそう思ったのだ
なぜ、この表現になったのかわからない
でも、一人称ではないよな
これは、人格的カメラがそう思ったのだ
なぜ、この表現になったのかわからない
でも、一人称ではないよな
615名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 14:06:17.07 見せてくれと言えばみせてもらえると思うその思考回路は改めたほうがいいな
ダメ元と認識してただ言ってみただけならよいが
ダメ元と認識してただ言ってみただけならよいが
616名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 14:09:34.22 >歳の頃は三十手前ぐらいであろうか?
地の文が登場人物の心理描写になってるときならいいんだがな
唐突に持ち出す奴が多くて「知らんがな」「知らんがな」と言ってるうちにちんこを弄り出すパターン
地の文が登場人物の心理描写になってるときならいいんだがな
唐突に持ち出す奴が多くて「知らんがな」「知らんがな」と言ってるうちにちんこを弄り出すパターン
617名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 14:11:04.50 人格的カメラの一人称だな
それを三人称の中に放り込んである
普通に三人称だと平板になるからかな
つーか、もはや人称ではなく別の基準だ
それを三人称の中に放り込んである
普通に三人称だと平板になるからかな
つーか、もはや人称ではなく別の基準だ
618名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 14:13:22.80 人称ではなく「カメラ」なのだ
人格も含んだね
人格も含んだね
619名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 14:16:53.85 つまり誰とは言わないけど見えない語り手がいるってことだな
作者自身が登場人物の行動にツッコミを入れるみたいな
作者自身が登場人物の行動にツッコミを入れるみたいな
620名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 14:17:51.88621名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 14:23:05.45 >歳の頃は三十手前ぐらいであろうか?
「人格的カメラ」からすると、わからない物を断定してしまうと
逆にそれは主観になってしまう
「人格的カメラ」からすると、わからない物を断定してしまうと
逆にそれは主観になってしまう
622名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 14:26:00.28 衰退国日本
623名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 14:28:53.86 バー編の言いたいことようやくわかってきた気がするわ。
昔、久美沙織の小説版『MOTHER2』読んだ時、登場人物の心情をそのまま描写するというよりも、まるで作者がその場にいて、起こったことを作者がどう感じたか語っているように感じたんだよ。
そういう意味で言っているなら、三人称神視点とも一人称とも違うかなり独特なスタイルだと思うよ。
昔、久美沙織の小説版『MOTHER2』読んだ時、登場人物の心情をそのまま描写するというよりも、まるで作者がその場にいて、起こったことを作者がどう感じたか語っているように感じたんだよ。
そういう意味で言っているなら、三人称神視点とも一人称とも違うかなり独特なスタイルだと思うよ。
624名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 14:29:51.39 まぁたらんたが湧いてる
お前、昔のゲームやりたいならswitch買ってダウンタウンしてこい
お前、昔のゲームやりたいならswitch買ってダウンタウンしてこい
625名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 14:30:16.93626名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 14:32:18.06 「人格的カメラ」=意識を持ったカメラで
描く対象を頭の中で見ている訳だ
その効果は、読者の中にも、
作者が見ているのと同じ像が再現されるということにある
カメラの性能に応じて
描く対象を頭の中で見ている訳だ
その効果は、読者の中にも、
作者が見ているのと同じ像が再現されるということにある
カメラの性能に応じて
627名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 14:36:23.75 極論
ちびまる子ちゃんの間に挿入されるキートン山田のナレーション
ちびまる子ちゃんの間に挿入されるキートン山田のナレーション
628名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 14:36:39.81629名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 14:40:25.85 簡単に言えば、「カメラ」という考え方
それは、まだちゃんと措定(そてい)できていないけどね
それは、まだちゃんと措定(そてい)できていないけどね
630名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 14:43:56.97 映像ではないから、カメラに意識がないと文章には移せないんだよ
文章で撮る訳だからね
でも、機械なんだ
文章で撮る訳だからね
でも、機械なんだ
631名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 14:46:36.18 なぜ、そういう進化が必要かと言うと
映像と互角に戦うためだね
映像と互角に戦うためだね
632名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 14:51:53.08 これは、まあエンタメの方法論だ
文学で書き手が機械では、おかしなことになる
文学で書き手が機械では、おかしなことになる
633名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 14:56:01.06 辺りには硝煙の臭いが立ちこめていた。
人格カメラ機械は、情景をこう撮ったのだ
人格カメラ機械は、情景をこう撮ったのだ
634名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 15:03:01.71 だから、このカメラの性能が問題になる
カメラと言っても、視覚だけではなく
聴覚、嗅覚、味覚、触覚
全てを兼ね備えた「センサーカメラ」だ
カメラと言っても、視覚だけではなく
聴覚、嗅覚、味覚、触覚
全てを兼ね備えた「センサーカメラ」だ
635名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 15:04:27.44 感じる力だけではなく、文章に移す性能も
636名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 15:08:02.40 書く対象のイメージング性能、それを文章に移す性能
637名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 15:35:51.41 東京都大田区の蒲田駅付近は、二十三区の中でもかなり治安の悪い場所だといわれている。しかし実際その辺りに住んでみると、いわれているほど酷いとは思えない。ヤクザも外人もジャンキーもバイヤーも見かけないし、そういったものを期待していると肩透かしを食らう。東京なら歌舞伎町が一番危ないと思う。僕はそこで、酔った勢いで黒人からマルボロ・メンソールの空き箱に入った煙草の形にまとめた大麻を買ったことがある。
酔った勢いといえば、蒲田駅西口の二十四時間営業の居酒屋で深夜友人と呑んでいたら、後ろのテーブルに座っている若い男の集団があまりにもうるさくて切れてしまい喧嘩になりそうになったことがある。僕は酔ったら性格が豹変する性質で、これまでにも色々と困ったことや危なかったことがたくさんあったが、喧嘩は一度もしたことがないし、そういうことを求めてもいない。背も低く力もないので負けることは確定しているし。ただアルコールが入ると豹変するだけだ。
深夜一人で蒲田駅周辺をぶらついても、一度も危険な目に遭った試しはない。若い女性が一人でいるのもよく見かける。ではなぜ治安の悪い場所だといわれるのだろうか。元々そこに住んでいた何人かの人間に話を聞いたことがある。決まってこう言った。
「昔は酷かった」
「昔に比べると、今はマシだ」
僕は元々の住人ではないので、昔のことはわからない。
そこで僕は考えた。蒲田地区の今の現状をまとめれば、偏見がなくなり、そうやっていわれることはなくなるのではないだろうか、と。
「どうでしょうか?」
蒲田駅東口前にあるドトールの二階奥で、僕たちは見合うようにして座っていた。僕の原稿を読み終え、それをテーブルの端に置き、生クリームの乗ったミルク・ティーをストローで飲む。僕もそれに習い、ブラックのアイス・コーヒーをストローを使わずに直に飲む。
「今回は自信があります」という僕の言葉を遮るように、「駄目駄目、駄目すぎるわよ」と言った。少し声が大きかったせいで、まばらに座っていた客が一斉にこちらをちらりと見た。
酔った勢いといえば、蒲田駅西口の二十四時間営業の居酒屋で深夜友人と呑んでいたら、後ろのテーブルに座っている若い男の集団があまりにもうるさくて切れてしまい喧嘩になりそうになったことがある。僕は酔ったら性格が豹変する性質で、これまでにも色々と困ったことや危なかったことがたくさんあったが、喧嘩は一度もしたことがないし、そういうことを求めてもいない。背も低く力もないので負けることは確定しているし。ただアルコールが入ると豹変するだけだ。
深夜一人で蒲田駅周辺をぶらついても、一度も危険な目に遭った試しはない。若い女性が一人でいるのもよく見かける。ではなぜ治安の悪い場所だといわれるのだろうか。元々そこに住んでいた何人かの人間に話を聞いたことがある。決まってこう言った。
「昔は酷かった」
「昔に比べると、今はマシだ」
僕は元々の住人ではないので、昔のことはわからない。
そこで僕は考えた。蒲田地区の今の現状をまとめれば、偏見がなくなり、そうやっていわれることはなくなるのではないだろうか、と。
「どうでしょうか?」
蒲田駅東口前にあるドトールの二階奥で、僕たちは見合うようにして座っていた。僕の原稿を読み終え、それをテーブルの端に置き、生クリームの乗ったミルク・ティーをストローで飲む。僕もそれに習い、ブラックのアイス・コーヒーをストローを使わずに直に飲む。
「今回は自信があります」という僕の言葉を遮るように、「駄目駄目、駄目すぎるわよ」と言った。少し声が大きかったせいで、まばらに座っていた客が一斉にこちらをちらりと見た。
638名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 15:37:28.92 膝までの深さがある沼をずっと歩き続けていた。いや、歩いているつもりになっていた。沼は進めば進むほどより深くなり、気がつけばずぶずぶと、肩のあたりまで沈み込んでいた。しかし、僕はそれでも歩くのをやめなかったし、もうすぐにでも向こう岸に辿りつけると思っていた。そんな僕に主治医ははっきりと、「入院したほうがいいね」と言った。僕は静かに頷いた。そこでようやく僕は歩くのをやめた。
入院は決まったが、かかりつけの病院には入院施設がないので、家から数駅離れた病院に入院することとなった。完全禁煙なのが少し気にかかったが、そこは仕方がない。次の日――つまり二月七日に入院することとなった。そこは有名な作家も入院したことのある、由緒正しい――といっては語弊があるかもしれないが――精神病院だ。
リュックに三日分の着替えを入れ、肩からかけるビジネス・バッグに洗面道具や煙草を詰め込み、アパートを後にした。電車で揺られること二十分、そこから徒歩で十分ほどのところに病院はあった。かなり大きい。僕の地元の市民病院よりも大きかった。受付に、かかりつけの病院でもらった紹介状を提出し、しばらく待つこと十分、白衣を着たひょろながい男性が僕に挨拶をしてきた。
ケース・ワーカーと名乗った。しかし、僕にはケース・ワーカーがなにをする人なのかはわからない。案内されるがまま病室に入る。ケース・ワーカーに、これまでの経緯について簡単に話をした。そこから家族構成など話が飛び、面談は三十分近く経っていた。この時点では、まだ僕が入院するかどうかはわからない。ケース・ワーカーがこれまでのことをカルテにし、また待たされること十分、あご髭を蓄えた、小太りの若い医者が僕に挨拶をした。どうやらこの病院での僕の主治医に当たる人のようだ。
ほとんど話をすることなく、主治医は「入院しましょう」と言った。そして、流れるように担当の看護師が二人やってきた。それからのことは簡単に述べる。検尿し、採血し、心電図をとり、三階へエレベーターであがり、二重の扉の間に位置する面会室にて荷物検査をし――当然持ってきていた数箱の煙草は没収され――六人部屋の入って左側、真ん中のベッドが僕にあてがわれた。荷物を置き、ベンチ・コートを脱ぐと、汗ばんでいた長袖のシャツがひやりとした。よし――と心の中で呟いた。今日から入院だ。時刻は昼の十一時。
入院は決まったが、かかりつけの病院には入院施設がないので、家から数駅離れた病院に入院することとなった。完全禁煙なのが少し気にかかったが、そこは仕方がない。次の日――つまり二月七日に入院することとなった。そこは有名な作家も入院したことのある、由緒正しい――といっては語弊があるかもしれないが――精神病院だ。
リュックに三日分の着替えを入れ、肩からかけるビジネス・バッグに洗面道具や煙草を詰め込み、アパートを後にした。電車で揺られること二十分、そこから徒歩で十分ほどのところに病院はあった。かなり大きい。僕の地元の市民病院よりも大きかった。受付に、かかりつけの病院でもらった紹介状を提出し、しばらく待つこと十分、白衣を着たひょろながい男性が僕に挨拶をしてきた。
ケース・ワーカーと名乗った。しかし、僕にはケース・ワーカーがなにをする人なのかはわからない。案内されるがまま病室に入る。ケース・ワーカーに、これまでの経緯について簡単に話をした。そこから家族構成など話が飛び、面談は三十分近く経っていた。この時点では、まだ僕が入院するかどうかはわからない。ケース・ワーカーがこれまでのことをカルテにし、また待たされること十分、あご髭を蓄えた、小太りの若い医者が僕に挨拶をした。どうやらこの病院での僕の主治医に当たる人のようだ。
ほとんど話をすることなく、主治医は「入院しましょう」と言った。そして、流れるように担当の看護師が二人やってきた。それからのことは簡単に述べる。検尿し、採血し、心電図をとり、三階へエレベーターであがり、二重の扉の間に位置する面会室にて荷物検査をし――当然持ってきていた数箱の煙草は没収され――六人部屋の入って左側、真ん中のベッドが僕にあてがわれた。荷物を置き、ベンチ・コートを脱ぐと、汗ばんでいた長袖のシャツがひやりとした。よし――と心の中で呟いた。今日から入院だ。時刻は昼の十一時。
639名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 15:52:46.01 エッセイだな
640名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 15:55:47.87 人類の発達は文明の発達であり、それに対して僕はただただ感謝の言葉を述べるしかない。しかし、誰に対して言えばいいのかわからないので、とりあえずありがとう、と心の中でつぶやいた。
八月に入り、本格的な暑さが続いている。窓の外からは、必死そうな蝉の鳴き声が聞こえる。当然学校は夏休みなので、一日中涼しい部屋の中でだらだらとできるけれど、残念なことに三年生なので、受験勉強をしなければならない。しかし、そんなものにやる気が出るわけも無い。しなければならないけれど、やらないのだ。
屋外は灼熱地獄だが、室内は過ごしやすい温度を保っている。エアコンからは冷たい風が流れ、それだけでは足りないので、扇風機もセットしている。そんな快適な部屋でアイスをかじりながら、冷蔵庫で冷やしておいたアイスコーヒーを飲む。場合によっては、父親のビールを拝借するのも悪くない。
暑いから夏が嫌い。ただそれだけだ。海へ行ったってプールへ行ったって、水に入っていれば冷たくて気持ちいいけれど、一歩水から上がればただ単に暑いだけだ。と考えたところで、行く相手がいなかっということに気がついた。
そこまで暑さを感じない春頃は、バイトの金で買った原付に跨って色んな所へ行ったりもしたけれど、夏に入るとさすがにそんな気力も無くなってしまい、日々がただ過ぎるのを、涼しい部屋でごろごろしながら待っていた。
高校の夏休みが始まって一週間経ったある日のこと。僕はやはり快適な部屋で、氷が浮かぶアイスコーヒー片手にインターネットに勤しんでいた。いつもなら静かだけれど、今日は弟の誠が友人を連れてきているようで、一階から騒ぐ声が聞こえてくる。その音の中に、階段を昇ってくる足音が入ったのを感じ、僕は慌ててパソコンのモニタの電源を落とした。母親だろう。「勉強しろ」と言われる前に、パソコンの横に乱雑に置かれていた、志望大学に絶対受かる! と表紙に書かれた参考書を手に取った。そのうたい文句が本当かどうかは、読んでいないのでわからない。たぶん永久にわからないだろう。
母親がノックもせず扉を開けた時には、既に僕は参考書を睨みながらノートを取る、受験生へと変貌していた。
「ちょっといい?」
八月に入り、本格的な暑さが続いている。窓の外からは、必死そうな蝉の鳴き声が聞こえる。当然学校は夏休みなので、一日中涼しい部屋の中でだらだらとできるけれど、残念なことに三年生なので、受験勉強をしなければならない。しかし、そんなものにやる気が出るわけも無い。しなければならないけれど、やらないのだ。
屋外は灼熱地獄だが、室内は過ごしやすい温度を保っている。エアコンからは冷たい風が流れ、それだけでは足りないので、扇風機もセットしている。そんな快適な部屋でアイスをかじりながら、冷蔵庫で冷やしておいたアイスコーヒーを飲む。場合によっては、父親のビールを拝借するのも悪くない。
暑いから夏が嫌い。ただそれだけだ。海へ行ったってプールへ行ったって、水に入っていれば冷たくて気持ちいいけれど、一歩水から上がればただ単に暑いだけだ。と考えたところで、行く相手がいなかっということに気がついた。
そこまで暑さを感じない春頃は、バイトの金で買った原付に跨って色んな所へ行ったりもしたけれど、夏に入るとさすがにそんな気力も無くなってしまい、日々がただ過ぎるのを、涼しい部屋でごろごろしながら待っていた。
高校の夏休みが始まって一週間経ったある日のこと。僕はやはり快適な部屋で、氷が浮かぶアイスコーヒー片手にインターネットに勤しんでいた。いつもなら静かだけれど、今日は弟の誠が友人を連れてきているようで、一階から騒ぐ声が聞こえてくる。その音の中に、階段を昇ってくる足音が入ったのを感じ、僕は慌ててパソコンのモニタの電源を落とした。母親だろう。「勉強しろ」と言われる前に、パソコンの横に乱雑に置かれていた、志望大学に絶対受かる! と表紙に書かれた参考書を手に取った。そのうたい文句が本当かどうかは、読んでいないのでわからない。たぶん永久にわからないだろう。
母親がノックもせず扉を開けた時には、既に僕は参考書を睨みながらノートを取る、受験生へと変貌していた。
「ちょっといい?」
641名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 15:57:41.65 つまない自己顕示欲だな
642名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 15:59:13.22 文学賞で認められないからと言って
ここで、ゴリ押し、押し売りはやめたまえ
ここで、ゴリ押し、押し売りはやめたまえ
643名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 15:59:56.57 十二月に入ると街にはクリスマスソングが流れ、カップルが自分たちがどれほど愛し合っているかを見せ付けるかのように、堂々と町中を歩いている。僕はその間、必死で求人誌を睨みつけながら、新たな仕事を探していた。当然一緒に過ごすような女性はおろか、男友達すらいない。
「こんな仕事こっちから辞めてやるぜ」と勢いよく辞めたのはいいけれど、世の中が百年に一度の不況に苦しんでいるという状況を忘れていた。さすがに、高校を卒業して以来まともな就職もしたことが無いような僕がまともな仕事を見つけられるわけでもなく、毎日求人誌を見ては電話をかけ、を繰り返していた。
言い方は悪いけれど、妥協すればこんな田舎でも仕事はいくつもあった。まだ僕は二十歳を過ぎたばかりなので、年齢的にも全然問題が無い。それでも、これまで楽をしてきたせいなのか、仕事を選んでしまう。お陰で全く見つからない。
と半ば諦めかけていたその時、ふと一つの求人が目に止まった。職場は、僕が暮らすアパートから歩いて十五分程度の所にあるらしい。しかし仕事内容は書かれていない。「パソコンが使える方急募!」とだけ書かれた怪しげな求人。この地域でのどのバイトよりも時給が高い。法律スレスレのようばバイトじゃないのか? と心配になったが、時給は高いわ近いわという好条件に負けた僕は、さっそくその番号にかけた。
「あー、はい、もしもし」
何度か呼び出し音が鳴り、若い女性の面倒臭そうな声が聞こえた。会社の名前すら言わない。怪しすぎる。僕は電話用の声色を使い、丁寧な声を出した。
「あっ、すみません。求人を見て電話させていただいたのですが」
「おー、バイト? へぇ、求人とか出してみるもんだねえ」
僕はまるでため息をつくかのように、「はあ」と声を出した。何というこの軽さ。僕が今までやってきたどの仕事にも無い怪しさがあった。と同時に、なぜかそれが魅力的に感じてしまっていた。
「まー、とりあえず今から来てよ。一応履歴書持ってきてね。住所わかる?」
「あっ、はい、大丈夫です」
言うなり電話は切れてしまった。別の意味で大丈夫なのだろうか? 不安な気持ちを打ち消すかのように求人をもう一度眺めるも、書いてあることは変わらない。パソコンが使える方急募!
「こんな仕事こっちから辞めてやるぜ」と勢いよく辞めたのはいいけれど、世の中が百年に一度の不況に苦しんでいるという状況を忘れていた。さすがに、高校を卒業して以来まともな就職もしたことが無いような僕がまともな仕事を見つけられるわけでもなく、毎日求人誌を見ては電話をかけ、を繰り返していた。
言い方は悪いけれど、妥協すればこんな田舎でも仕事はいくつもあった。まだ僕は二十歳を過ぎたばかりなので、年齢的にも全然問題が無い。それでも、これまで楽をしてきたせいなのか、仕事を選んでしまう。お陰で全く見つからない。
と半ば諦めかけていたその時、ふと一つの求人が目に止まった。職場は、僕が暮らすアパートから歩いて十五分程度の所にあるらしい。しかし仕事内容は書かれていない。「パソコンが使える方急募!」とだけ書かれた怪しげな求人。この地域でのどのバイトよりも時給が高い。法律スレスレのようばバイトじゃないのか? と心配になったが、時給は高いわ近いわという好条件に負けた僕は、さっそくその番号にかけた。
「あー、はい、もしもし」
何度か呼び出し音が鳴り、若い女性の面倒臭そうな声が聞こえた。会社の名前すら言わない。怪しすぎる。僕は電話用の声色を使い、丁寧な声を出した。
「あっ、すみません。求人を見て電話させていただいたのですが」
「おー、バイト? へぇ、求人とか出してみるもんだねえ」
僕はまるでため息をつくかのように、「はあ」と声を出した。何というこの軽さ。僕が今までやってきたどの仕事にも無い怪しさがあった。と同時に、なぜかそれが魅力的に感じてしまっていた。
「まー、とりあえず今から来てよ。一応履歴書持ってきてね。住所わかる?」
「あっ、はい、大丈夫です」
言うなり電話は切れてしまった。別の意味で大丈夫なのだろうか? 不安な気持ちを打ち消すかのように求人をもう一度眺めるも、書いてあることは変わらない。パソコンが使える方急募!
644名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:00:23.78 ワナビ廃人だな
645中島英雄
2021/11/03(水) 16:01:31.55 考えていても何も変わらないので、事前に書いておいた履歴書を手に取り、求人に書かれた住所を元に行ってみることにした。バイトだしわざわざスーツを着なくてもいいだろう。あの軽さだし、普段着で大丈夫。
あまりの寒さに思わずまわれ右をしそうになる体を抑え、クリスマスソングが流れる街中を歩いて行く。どこもかしこもカップルカップル。幸せそうな顔をして、腕を組んで歩いている。人の気も知らないで! と憤りを感じたが、知らないのも当然だろう。諦めて歩く。
目的地である簡素な住宅街にたどり着いた頃には、寒さはどこかへ消し飛んでしまっていた。額には汗がにじみ、少しばかり息が切れている。この辺りのようなのだが、いくら見渡してみてもただ住宅が立ち並ぶばかり。途方に暮れてしまったので、電柱に寄りかかり、持ってきておいた煙草に火をつけた。煙とも吐息ともつかない白いもやが空へと昇っていき、何も無かったかのように消え去るのをただ静かに眺めていた。吸い終わった煙草を靴底でもみ消し、体を起こすと、面接はまた今度でいいか、なんていう甘い考えが頭の中を過ぎった。そのままぼんやりと空を眺めていると、突然頭に大きな衝撃が走り、目の前が真っ暗になった。
「いやぁ、頭を狙ったつもりは無かったんだけどね」
目を開けると知らない天井が見えた。若い女性の顔が、天井を隠すかのように僕の視界に飛び込んできた。申し訳無さそうな顔をするわけでもなく、僕のポケットから煙草を取り出し、火をつけた。
声を出そうとすると、頭に痛みが走った。
「動かないほうがいいんじゃない? 一応頭冷やしてるから。血は出て無いよ」
「そうですか、ありがとうございます」
女性は僕よりも二三年上に見える。薄茶色のロングヘアーをうっとうしそうにかき上げながら、煙草を持っていない方の手で、僕の頭に乗っていたタオルを裏返した。トレーナーにジーンズというお洒落とは程遠い格好ながら、僕は少し見惚れてしまっていた。細く伸びた指の先には、似つかない物が赤く燃えながら挟まっている。
「多分ですけど、それって僕の煙草ですよね?」
「別にいいじゃん、一本ぐらい」
あまりの寒さに思わずまわれ右をしそうになる体を抑え、クリスマスソングが流れる街中を歩いて行く。どこもかしこもカップルカップル。幸せそうな顔をして、腕を組んで歩いている。人の気も知らないで! と憤りを感じたが、知らないのも当然だろう。諦めて歩く。
目的地である簡素な住宅街にたどり着いた頃には、寒さはどこかへ消し飛んでしまっていた。額には汗がにじみ、少しばかり息が切れている。この辺りのようなのだが、いくら見渡してみてもただ住宅が立ち並ぶばかり。途方に暮れてしまったので、電柱に寄りかかり、持ってきておいた煙草に火をつけた。煙とも吐息ともつかない白いもやが空へと昇っていき、何も無かったかのように消え去るのをただ静かに眺めていた。吸い終わった煙草を靴底でもみ消し、体を起こすと、面接はまた今度でいいか、なんていう甘い考えが頭の中を過ぎった。そのままぼんやりと空を眺めていると、突然頭に大きな衝撃が走り、目の前が真っ暗になった。
「いやぁ、頭を狙ったつもりは無かったんだけどね」
目を開けると知らない天井が見えた。若い女性の顔が、天井を隠すかのように僕の視界に飛び込んできた。申し訳無さそうな顔をするわけでもなく、僕のポケットから煙草を取り出し、火をつけた。
声を出そうとすると、頭に痛みが走った。
「動かないほうがいいんじゃない? 一応頭冷やしてるから。血は出て無いよ」
「そうですか、ありがとうございます」
女性は僕よりも二三年上に見える。薄茶色のロングヘアーをうっとうしそうにかき上げながら、煙草を持っていない方の手で、僕の頭に乗っていたタオルを裏返した。トレーナーにジーンズというお洒落とは程遠い格好ながら、僕は少し見惚れてしまっていた。細く伸びた指の先には、似つかない物が赤く燃えながら挟まっている。
「多分ですけど、それって僕の煙草ですよね?」
「別にいいじゃん、一本ぐらい」
646中島英雄
2021/11/03(水) 16:03:10.06 そうやって微笑まれると、何も言い返せなくなってしまう。気持ちの悪い沈黙がこの部屋を漂い続けていた。じっとこの女性を見つめているのもおかしいと、寝たまま部屋を眺めて見た。六畳ぐらいの広さをしたワンルームのアパート。開いたままの扉の向こうには二メートルほどの廊下があり、壁際に小さな台所がある。廊下の奥は玄関になっている。トイレや風呂はここからでは見えない。部屋の中には本棚と小さなテーブル、その上に電源が入ったままのノートパソコンが光っていた。放置してから時間が経ったのだろう、スクリーンセーバーが画面に模様を描いている。
「じゃあ、痛みが治まったら早速働いて貰おっか」
吸い終わった煙草を灰皿でもみ消しながら笑顔で言う女性をただ見つめていた。持ってきていた履歴書はポケットに入ったままだ。自己紹介も何もしないまま働くのだろうか?
「僕にはもう何がなんだか」全然わからないんですが「どういうことでしょう」
「仕事しに来たんでしょ?」
女性は僕の煙草を一本取り出し、火をつけながら言った。僕は間抜けな顔でそれを眺めている。
「え? 違うの?」
「いやいや、面接しに来ましたよ」
「よかったぁ」
僕の心臓がどきりと動いた。決して女性を魅力的だなんて思ったわけではない……はず。それだけで全てを許してしまいそうな気持ちにな……っては駄目だ。
「仕事は簡単なのよ。パソコンをちょちょっと触るだけ。……さすがにパソコンぐらいは触れるよね?」
求人にも、パソコンが使える人、と書いてあった。僕にだって使うぐらいならできる。
「はい、大丈夫ですよ」
「じゃあ、私ちょっと煙草買ってくるからさ、適当にパソコンいじっててよ」
そう言って玄関へ駆け出す女性の後姿をただ呆然と見つめていた。頭の中では聞きたいことは沢山出ているのにも関わらず、口は思うように動かない。
「あっ、あの」
ようやく言葉を出し、女性の歩みを止める。しかしそれ以上の言葉が何も出ない。女性と目が合い、しばらく時間が止まる。何を言えばいい? 聞きたいことは山ほどある。
「山下陽平です!」
なぜか名前を叫んでしまった。女性がぷっと笑いだし、恥ずかしさのあまり顔が熱くなる。女性との会話に慣れていない証拠だ。
「あ、あの、えっと、お名前は?」
「じゃあ、痛みが治まったら早速働いて貰おっか」
吸い終わった煙草を灰皿でもみ消しながら笑顔で言う女性をただ見つめていた。持ってきていた履歴書はポケットに入ったままだ。自己紹介も何もしないまま働くのだろうか?
「僕にはもう何がなんだか」全然わからないんですが「どういうことでしょう」
「仕事しに来たんでしょ?」
女性は僕の煙草を一本取り出し、火をつけながら言った。僕は間抜けな顔でそれを眺めている。
「え? 違うの?」
「いやいや、面接しに来ましたよ」
「よかったぁ」
僕の心臓がどきりと動いた。決して女性を魅力的だなんて思ったわけではない……はず。それだけで全てを許してしまいそうな気持ちにな……っては駄目だ。
「仕事は簡単なのよ。パソコンをちょちょっと触るだけ。……さすがにパソコンぐらいは触れるよね?」
求人にも、パソコンが使える人、と書いてあった。僕にだって使うぐらいならできる。
「はい、大丈夫ですよ」
「じゃあ、私ちょっと煙草買ってくるからさ、適当にパソコンいじっててよ」
そう言って玄関へ駆け出す女性の後姿をただ呆然と見つめていた。頭の中では聞きたいことは沢山出ているのにも関わらず、口は思うように動かない。
「あっ、あの」
ようやく言葉を出し、女性の歩みを止める。しかしそれ以上の言葉が何も出ない。女性と目が合い、しばらく時間が止まる。何を言えばいい? 聞きたいことは山ほどある。
「山下陽平です!」
なぜか名前を叫んでしまった。女性がぷっと笑いだし、恥ずかしさのあまり顔が熱くなる。女性との会話に慣れていない証拠だ。
「あ、あの、えっと、お名前は?」
647中島英雄
2021/11/03(水) 16:04:10.86 いたずらを覚えた子供のようににやにやと笑い、「内緒」と言った。突然静かになった部屋には、閉まりきれていない水道の蛇口から漏れる水滴の音以外何もしなくなった。重たい空気を取り払うように窓を開け、外を眺めたまま煙草に火をつける。風の冷たさに火照った顔が冷やされる。ノートパソコンは未だにスクリーンセーバーが模様を描き続けていた。
女性はパソコンをちょちょっと触るだけ、と言っていた。誰にでもできる仕事なのだろうか。それにしては時給が高すぎる。それに、ここはどう考えても会社には思えない。では女性が一人でやっているのだろうか? 最近流行りの在宅ワークというものだろうか。しかしあれはかなり単価が安いと聞く。時給を払ってしまうと確実に赤字になるだろう。
様々な考えが頭の中を過ぎる。いつの間にか煙草は指近くまで燃え尽きていた。それをテーブルに置いてある灰皿でもみ消すと、ノートパソコンが突然ポーンという音を立てた。スクリーンセーバーが消え、『新着メール 一件』という文字が現れた。
これは開いてもいいのだろうか? 女性の個人的なメールかも知れないし、仕事の内容が書かれたメールかも知れない。見るのはやめておいた方がいいんじゃないか? という理性に反抗するように、マウスを握った指先は、メールを開くボタンをクリックしていた。見てまずいものならすぐに消せばいいじゃないか。なあ?
『おかあさんのびょうきをなおしてください やなせかな』
メールの内容を見たものの、何が何だかわからない。開くのはまずかったのだろうか? 迷惑メールの類なのだろうか? 何もかもがわからない。この、やなせかなという人がどういうつもりでこんなメールを出したのか、考えても答えは出ない。メールを閉じようとクリックした瞬間、また小さな音を立てて、画面にウインドウが新たに現れた。
『はい・いいえ』
ウインドウには、はいといいえという二つのボタンがあった。メールを削除する際に出る確認のボタンだろうか? それにしては何の説明も無い。無闇にクリックするのは良くないのかもしれない。しかし僕は何かに吸い寄せられるかのように、はいをクリックしていた。次は小さな音ではなく、短い音楽が流れた。そしてまた新しいウインドウが立ち上がった。
『おめでとうございます! やなせかなの願いは叶えられました! 現在叶えた願いは七千三百八十一です! 目指せ一万!』
女性はパソコンをちょちょっと触るだけ、と言っていた。誰にでもできる仕事なのだろうか。それにしては時給が高すぎる。それに、ここはどう考えても会社には思えない。では女性が一人でやっているのだろうか? 最近流行りの在宅ワークというものだろうか。しかしあれはかなり単価が安いと聞く。時給を払ってしまうと確実に赤字になるだろう。
様々な考えが頭の中を過ぎる。いつの間にか煙草は指近くまで燃え尽きていた。それをテーブルに置いてある灰皿でもみ消すと、ノートパソコンが突然ポーンという音を立てた。スクリーンセーバーが消え、『新着メール 一件』という文字が現れた。
これは開いてもいいのだろうか? 女性の個人的なメールかも知れないし、仕事の内容が書かれたメールかも知れない。見るのはやめておいた方がいいんじゃないか? という理性に反抗するように、マウスを握った指先は、メールを開くボタンをクリックしていた。見てまずいものならすぐに消せばいいじゃないか。なあ?
『おかあさんのびょうきをなおしてください やなせかな』
メールの内容を見たものの、何が何だかわからない。開くのはまずかったのだろうか? 迷惑メールの類なのだろうか? 何もかもがわからない。この、やなせかなという人がどういうつもりでこんなメールを出したのか、考えても答えは出ない。メールを閉じようとクリックした瞬間、また小さな音を立てて、画面にウインドウが新たに現れた。
『はい・いいえ』
ウインドウには、はいといいえという二つのボタンがあった。メールを削除する際に出る確認のボタンだろうか? それにしては何の説明も無い。無闇にクリックするのは良くないのかもしれない。しかし僕は何かに吸い寄せられるかのように、はいをクリックしていた。次は小さな音ではなく、短い音楽が流れた。そしてまた新しいウインドウが立ち上がった。
『おめでとうございます! やなせかなの願いは叶えられました! 現在叶えた願いは七千三百八十一です! 目指せ一万!』
648名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:05:23.06 バーチャル渾身の冒頭文を余裕でぶっちぎったな。
649中島英雄
2021/11/03(水) 16:05:41.18 どうも削除の確認では無いようだ。新手のゲームか何かだろうか。しかしそれにしては何の説明も無さすぎる。もしかしたらやってはいけないことをやってしまったのかもしれない。逃げた方がいいのだろうか。いや、謝るべきだろう。
『宝くじが当たりますように! 篠原和博』
突然のメールにびっくりしてしまい、思わずその反動でメールをクリックしてしまった。するとまた「はい・いいえ」のウインドウが開き、僕は当然のようにはいをクリックした。短い音楽が流れ、同じようにおめでとう! の文字が現れた。
「驚いたでしょ?」
「ふはあああ」
耳元にかかる暖かい息と女性の声に反応して、変な声が出てしまった。また僕の顔が熱くなるのが自分でもわかる。振り返ると、女性の顔が十センチ先にあった。どこを見ればよいか分からず、とりあえず目をきょろきょろと動かした。風に揺られる髪の毛が、僕の頬に突き刺さってこそばゆい。目は僕をしっかりと捉え、樹液に群がる虫のように、僕の意識は薄く口紅を塗った唇へと吸い寄せられるようにして近づいていき……。
「こら!」
頬を掌で叩かれた。別の意味で僕の顔は赤くなっているだろう。ようやく現実に戻れた僕は何とか弁解する言葉を探そうとするが、何も出てこず余計にわけがわからなくなってしまった。全身に気持ちの悪い汗が浮かび、喉は急速に乾いていく。
「あ! こんな簡単に許可しちゃったら駄目じゃない」
女性は僕の体を押しのけるようにパソコンの前に座り、キーボードをカタカタと軽快に叩いた。その間にもメールは留まること無く届いてくる。それを捌きながら煙草に火をつける姿が様になっていた。
「これは……何ですか?」
その姿に見惚れてしまっていた僕がようやく声を出すも、女性の耳には入っていないようだった。未だ忙しそうにキーボードを叩いている。
「これは……何ですか?」
もう一度声を出すと、ようやく女性の手が止まり、顔が僕の方へ向いた。少しどきりとする。
「まあ、仕事をするなら知っておいたほうがいいわよね」
まるで独り言のように呟き、突然真剣な顔に変わった。また僕は少しどきりとした。
「これが仕事なんですか?」
「信じる信じないは別にして言うけど、これって人々の願いが届いてきてるんだよ」
『宝くじが当たりますように! 篠原和博』
突然のメールにびっくりしてしまい、思わずその反動でメールをクリックしてしまった。するとまた「はい・いいえ」のウインドウが開き、僕は当然のようにはいをクリックした。短い音楽が流れ、同じようにおめでとう! の文字が現れた。
「驚いたでしょ?」
「ふはあああ」
耳元にかかる暖かい息と女性の声に反応して、変な声が出てしまった。また僕の顔が熱くなるのが自分でもわかる。振り返ると、女性の顔が十センチ先にあった。どこを見ればよいか分からず、とりあえず目をきょろきょろと動かした。風に揺られる髪の毛が、僕の頬に突き刺さってこそばゆい。目は僕をしっかりと捉え、樹液に群がる虫のように、僕の意識は薄く口紅を塗った唇へと吸い寄せられるようにして近づいていき……。
「こら!」
頬を掌で叩かれた。別の意味で僕の顔は赤くなっているだろう。ようやく現実に戻れた僕は何とか弁解する言葉を探そうとするが、何も出てこず余計にわけがわからなくなってしまった。全身に気持ちの悪い汗が浮かび、喉は急速に乾いていく。
「あ! こんな簡単に許可しちゃったら駄目じゃない」
女性は僕の体を押しのけるようにパソコンの前に座り、キーボードをカタカタと軽快に叩いた。その間にもメールは留まること無く届いてくる。それを捌きながら煙草に火をつける姿が様になっていた。
「これは……何ですか?」
その姿に見惚れてしまっていた僕がようやく声を出すも、女性の耳には入っていないようだった。未だ忙しそうにキーボードを叩いている。
「これは……何ですか?」
もう一度声を出すと、ようやく女性の手が止まり、顔が僕の方へ向いた。少しどきりとする。
「まあ、仕事をするなら知っておいたほうがいいわよね」
まるで独り言のように呟き、突然真剣な顔に変わった。また僕は少しどきりとした。
「これが仕事なんですか?」
「信じる信じないは別にして言うけど、これって人々の願いが届いてきてるんだよ」
650中島英雄
2021/11/03(水) 16:07:40.12 これは夢なんじゃないか、と僕は思い切り自分の頬をつねってみた。ただ痛いだけで少し涙が溢れた。それを見た女性が小さく笑った。
「残念ながら夢じゃないよ。何でもかんでも簡単に許可しちゃったら駄目。厳選しないと」
「あなたは神様ですか?」
馬鹿にしたような顔で僕を見て、盛大に笑う女性をただぼんやりと眺めている。女性が開けた煙草に手を伸ばすと、ぱしりと叩かれた。ちょっと痛い。
「似たようなもんかな?」
何かいたずらを考えたような子供の笑みを浮かべる。思わず僕も微笑み返した。
「神様がこんなところで何をしてるんですか?」
「嘘よ。仕事仕事。結構神経使うんだよねぇ」
「頭の病気か何かでしょうか?」
拳で頭を思い切り殴られた。ものすごい痛い。
「だから信じる信じないはいいんだって。あ、いいのがあった。山下陽平君の願いが届いてるよ」
この女性が僕の名前をどこで知ったのかはわからないが、知っていたところで何の不思議も無い。相手の名前はおろか住所も知らないような業者から当たり前のように郵便物が届いているこの時代、個人情報などと言う言葉はほとんど存在しないと言ってもいいだろう。
「ん? 目の前の女性とセックスがしたい? 馬鹿じゃないのお前!」
笑いながら僕の背中をばしばしと叩く。痛い。まあ、これもトリックだ。年頃の男が、年頃の女を目の前にしてそんなことを思わないわけがないのだ。それに僕はそんなことを願った覚えは無い。今の願いはただ一つ、家に帰りたい、それだけだ。フッ。
「オッケーして欲しい?」
俯き加減の僕の顔を覗き込むようにして、淫靡な笑いを浮かべた女性がマウスをもてあそぶようにいじっている。はいを押せばどうなるんだろうか。恥ずかしながら僕は、この年になってそういうことはおろか、彼女さえできたことが無い。それがこんなクリック一つでどうにかなってしまうものなのだろうか。僕にはわからない。にわかに信じたくは無いけれど、それが本当だったらどうする? なんの準備もできていない。こんなことだったら一応薬局でも行っておくべきだったか? いや、準備万端過ぎるような男も、逆に気持ち悪がられるかもしれない。
「残念ながら夢じゃないよ。何でもかんでも簡単に許可しちゃったら駄目。厳選しないと」
「あなたは神様ですか?」
馬鹿にしたような顔で僕を見て、盛大に笑う女性をただぼんやりと眺めている。女性が開けた煙草に手を伸ばすと、ぱしりと叩かれた。ちょっと痛い。
「似たようなもんかな?」
何かいたずらを考えたような子供の笑みを浮かべる。思わず僕も微笑み返した。
「神様がこんなところで何をしてるんですか?」
「嘘よ。仕事仕事。結構神経使うんだよねぇ」
「頭の病気か何かでしょうか?」
拳で頭を思い切り殴られた。ものすごい痛い。
「だから信じる信じないはいいんだって。あ、いいのがあった。山下陽平君の願いが届いてるよ」
この女性が僕の名前をどこで知ったのかはわからないが、知っていたところで何の不思議も無い。相手の名前はおろか住所も知らないような業者から当たり前のように郵便物が届いているこの時代、個人情報などと言う言葉はほとんど存在しないと言ってもいいだろう。
「ん? 目の前の女性とセックスがしたい? 馬鹿じゃないのお前!」
笑いながら僕の背中をばしばしと叩く。痛い。まあ、これもトリックだ。年頃の男が、年頃の女を目の前にしてそんなことを思わないわけがないのだ。それに僕はそんなことを願った覚えは無い。今の願いはただ一つ、家に帰りたい、それだけだ。フッ。
「オッケーして欲しい?」
俯き加減の僕の顔を覗き込むようにして、淫靡な笑いを浮かべた女性がマウスをもてあそぶようにいじっている。はいを押せばどうなるんだろうか。恥ずかしながら僕は、この年になってそういうことはおろか、彼女さえできたことが無い。それがこんなクリック一つでどうにかなってしまうものなのだろうか。僕にはわからない。にわかに信じたくは無いけれど、それが本当だったらどうする? なんの準備もできていない。こんなことだったら一応薬局でも行っておくべきだったか? いや、準備万端過ぎるような男も、逆に気持ち悪がられるかもしれない。
651中島英雄
2021/11/03(水) 16:08:09.09 しかしそうなれば最悪の可能性もありうるのだ。今の僕に子供を養うことはとてもじゃないけどできない。仕事にだってありつけていない。自分で精一杯なのだ。ということは日を改めてまた、となるか? いや、それなら二人で買いに行けばいいんじゃないか?
「当然ながらいいえをクリックしまぁす。一生懸命何かを考えている山下陽平君は気持ちが悪いでぇす」
女性はけらけらと笑っている。
「そ、そんなクリック一つで何でもできるんだったら、何でもできるじゃないか!」
「何でもできるってわけでもないけどね」
「詐欺だ! トリックだ! こんなのに僕はだまされないぞ! 何を買わすつもりだ? 壷か? 絵か? そんな金は無いね! 今日の晩飯だってどうするかっていう状況なんだ。ローンだって組まないからな!」
一気にまくし立てて息を切らせている僕に、女性が一本煙草を差し出してくれた。一応お礼を言い、火をつける。
「時給は弾むからさ、やってみてよ。ほとんどいいえをクリックすればいいだけだから。あ、またメールが来た」
僕はそのバイトをやることになった。といっても、こんなの信じているわけではないし、この女性に魅力を感じたわけでもない。単純に時給が良かったから、それだけの理由だ。仕事内容もメールを見てクリックするだけだし、その間はジュースを飲んでいても読書をしていても、煙草を吸ってもいいんだ。こんなにいいバイトが他にあるか? いや、無いね。僕はほぼ毎日、朝から晩までこのバイトをした。僕が仕事をしている間、女性はこの部屋にはいない。何をしているのかもわからないし、べつに聞こうとも思わなかった。僕にそういう雑務を任せて、家でゆっくり休んでいるんだろう。たまにサボってないかどうかだけを確認しにくる程度で、会話もあまりしない。一度、その乱暴な喋り方どうにかしたほうがいいですよ、なんてうっかり口を滑らしたばかりに、頬に赤い手形がついたこともあった。それから怖くて話し掛けることもできなくなった。
「当然ながらいいえをクリックしまぁす。一生懸命何かを考えている山下陽平君は気持ちが悪いでぇす」
女性はけらけらと笑っている。
「そ、そんなクリック一つで何でもできるんだったら、何でもできるじゃないか!」
「何でもできるってわけでもないけどね」
「詐欺だ! トリックだ! こんなのに僕はだまされないぞ! 何を買わすつもりだ? 壷か? 絵か? そんな金は無いね! 今日の晩飯だってどうするかっていう状況なんだ。ローンだって組まないからな!」
一気にまくし立てて息を切らせている僕に、女性が一本煙草を差し出してくれた。一応お礼を言い、火をつける。
「時給は弾むからさ、やってみてよ。ほとんどいいえをクリックすればいいだけだから。あ、またメールが来た」
僕はそのバイトをやることになった。といっても、こんなの信じているわけではないし、この女性に魅力を感じたわけでもない。単純に時給が良かったから、それだけの理由だ。仕事内容もメールを見てクリックするだけだし、その間はジュースを飲んでいても読書をしていても、煙草を吸ってもいいんだ。こんなにいいバイトが他にあるか? いや、無いね。僕はほぼ毎日、朝から晩までこのバイトをした。僕が仕事をしている間、女性はこの部屋にはいない。何をしているのかもわからないし、べつに聞こうとも思わなかった。僕にそういう雑務を任せて、家でゆっくり休んでいるんだろう。たまにサボってないかどうかだけを確認しにくる程度で、会話もあまりしない。一度、その乱暴な喋り方どうにかしたほうがいいですよ、なんてうっかり口を滑らしたばかりに、頬に赤い手形がついたこともあった。それから怖くて話し掛けることもできなくなった。
652中島英雄
2021/11/03(水) 16:08:44.00 そして部屋にやってくる頻度も徐々に減って行き、ここ数日はまったく姿を見ることもなくなっていた。最初こそうるさいのが居なくなったと喜んでいたが、何にも無い部屋、代わり映えのしない仕事。徐々につまらなくなってきたんだ。断じて寂しいとか会いたいとかそういう気持ちなんかじゃない。
僕はそんな気持ちを押し殺すように、無理やりメール作業に没頭した。しばらくするとその作業を楽しめるようになった。軽い願いことならはいにしているため、それによって外の世界がどう変化するのかを知りたいようになってきた。
『日本にゾンビの集団が現れてすごいことになりますように。 長谷川真一』
思わず僕は吹き出し、なんとなくはいをクリックした。急いでドアの外へ飛び出すと、目の前にはゾンビ映画さながらの阿鼻叫喚の世界が広がった。泣き叫びながら逃げる人々、それを追い詰め人肉を食らう歩く屍たち……。僕は急いでドアを閉め、その願いをキャンセルした。そしてもう一度ドアを開けると、いつもののどかな風景が広がっていた。
どうやらこれは嘘でもトリックでも無いようだ。うっかり許可してしまっても、キャンセルすれば何事も無かったかのように済んでしまうんだ。今までメールクリックと読書だけという何の刺激も無い日々を送っていた僕は、静かに微笑んで次のメールを待った。
『おねがいです、おかあさんのびょうきをなおしてください やなせかな』
またこの子からのメールか……。あれから毎日届いている。僕はその願いを叶えた。これでかなちゃんのお母さんの病気は、それまでが嘘だったように完治するだろう。そして神様に感謝するだろう。しかしそれが僕のおかげだとは誰も思わない。それが少し虚しくなってしまった。誰にも感謝されること無く、人の願いを判別していく仕事。あの女性が必死に代わってくれと言うのも頷ける。
煙草が切れていたのに気づき、僕は部屋を後にした。女性には、仕事の間は部屋から出ないように言われたが、少しぐらいならいいだろう。部屋の鍵はちゃんとしておくし。
しかし、それが間違っていた。
僕はそんな気持ちを押し殺すように、無理やりメール作業に没頭した。しばらくするとその作業を楽しめるようになった。軽い願いことならはいにしているため、それによって外の世界がどう変化するのかを知りたいようになってきた。
『日本にゾンビの集団が現れてすごいことになりますように。 長谷川真一』
思わず僕は吹き出し、なんとなくはいをクリックした。急いでドアの外へ飛び出すと、目の前にはゾンビ映画さながらの阿鼻叫喚の世界が広がった。泣き叫びながら逃げる人々、それを追い詰め人肉を食らう歩く屍たち……。僕は急いでドアを閉め、その願いをキャンセルした。そしてもう一度ドアを開けると、いつもののどかな風景が広がっていた。
どうやらこれは嘘でもトリックでも無いようだ。うっかり許可してしまっても、キャンセルすれば何事も無かったかのように済んでしまうんだ。今までメールクリックと読書だけという何の刺激も無い日々を送っていた僕は、静かに微笑んで次のメールを待った。
『おねがいです、おかあさんのびょうきをなおしてください やなせかな』
またこの子からのメールか……。あれから毎日届いている。僕はその願いを叶えた。これでかなちゃんのお母さんの病気は、それまでが嘘だったように完治するだろう。そして神様に感謝するだろう。しかしそれが僕のおかげだとは誰も思わない。それが少し虚しくなってしまった。誰にも感謝されること無く、人の願いを判別していく仕事。あの女性が必死に代わってくれと言うのも頷ける。
煙草が切れていたのに気づき、僕は部屋を後にした。女性には、仕事の間は部屋から出ないように言われたが、少しぐらいならいいだろう。部屋の鍵はちゃんとしておくし。
しかし、それが間違っていた。
653中島英雄
2021/11/03(水) 16:09:24.23 一カートンの煙草を脇に抱え、太陽の沈みかかった冷たい風の吹く静かな街を歩く。途中煙草に火をつけ、ぼんやりとしながら歩いていると、小さな公園を見つけた。さすがにこの季節では賑わうわけもなく、人一人いない。吸い寄せられるようにそこへ入り、隅にあるベンチに腰をかける。一組の母娘が公園に入ってきた。まだ年端もいかない幼女を連れながら、ゆっくりとブランコに腰掛ける。娘は母親と公園に来ることがそんなに嬉しいのか、と言うぐらいにはしゃぎ、何かと喋りつづけている。それに微笑みながら頷く母親。あのかなちゃんも同じように喜んでいるんだろうか、僕は良いことをしたんだろうか、などと思い耽りながら、煙草を灰皿へねじ込み、公園を後にした。その瞬間、背後で悲鳴が聞こえた。
目の前で起こっていることが上手く理解できない。母親と娘が悲鳴を挙げながら、何かから逃げようとして、その何かはまるで虫を踏み潰すのように、二人をあっさりと殺した。僕はそれを助けることもできずに、絡まる足を引きずりながら部屋へと返った。息を切らせながらドアを開けると、一人の若い男がパソコンの前に座っていた。
「ここで何やってんだよ!」
僕の声に振り向いた男は気持ちの悪い笑みを浮かばせ、すぐにまたパソコンに目をやった。届いてくるメール全てにはいをクリックしている。僕は頭が真っ白になりそうになるのをこらえながら、急いでパソコンの電源コードを引き抜いた。しかしパソコンは、何事も無かったようにうっすらと光ながら、次々とメールを受信している。そしてそれを笑いながらクリックしていく男。
男に飛びつこうとした僕の頭に、男は右手に持っていたマウスを叩きつけた。ちょうど女性に物を当てられた部分に当たり、背筋に痛みが走る。僕が痛みにもがいている間に、男は部屋から逃げるようにして出て行った。しばらくして痛みは治まったのだが、この事態をどうしていいかわからない。部屋をうろつきながら頭を回転させ、色々考えようとするが、焦りのほうが勝ってしまう。とりあえず玄関と窓の鍵をかける。
目の前で起こっていることが上手く理解できない。母親と娘が悲鳴を挙げながら、何かから逃げようとして、その何かはまるで虫を踏み潰すのように、二人をあっさりと殺した。僕はそれを助けることもできずに、絡まる足を引きずりながら部屋へと返った。息を切らせながらドアを開けると、一人の若い男がパソコンの前に座っていた。
「ここで何やってんだよ!」
僕の声に振り向いた男は気持ちの悪い笑みを浮かばせ、すぐにまたパソコンに目をやった。届いてくるメール全てにはいをクリックしている。僕は頭が真っ白になりそうになるのをこらえながら、急いでパソコンの電源コードを引き抜いた。しかしパソコンは、何事も無かったようにうっすらと光ながら、次々とメールを受信している。そしてそれを笑いながらクリックしていく男。
男に飛びつこうとした僕の頭に、男は右手に持っていたマウスを叩きつけた。ちょうど女性に物を当てられた部分に当たり、背筋に痛みが走る。僕が痛みにもがいている間に、男は部屋から逃げるようにして出て行った。しばらくして痛みは治まったのだが、この事態をどうしていいかわからない。部屋をうろつきながら頭を回転させ、色々考えようとするが、焦りのほうが勝ってしまう。とりあえず玄関と窓の鍵をかける。
654名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:09:31.93 ワイ文芸書籍サロン民。創作文芸板の無法地帯っぷりに震える
655中島英雄
2021/11/03(水) 16:09:51.56 僕は以前あの女性から携帯番号を聞きだしておいたことを思い出し、震えながら携帯を取り出し、その番号にかけてみた。近くで着信音が鳴っている。この部屋にいるのだろうか? 音はトイレに近づくほど大きく聞こえてくる。トイレの前で一旦静止し、一度だけ深呼吸をして、勢いよくドアを開ける。あの女性が僕に向かって倒れてきた。衝撃を受けつつ女性を抱きかかえる。その掌に赤々とした血がこびりついた。背中には包丁が刺さっている。ゆっくりと床にへたり込んだ。
警察に電話をしたところで、信じて貰えないだろうし、殺人事件として取り上げられるだけだ。その前に警察なんかが機能しているかどうかもわからない。次の瞬間、玄関のドアが大きな音を立てて倒れた。同時に外から何人もの男が飛び込んできた。小さな窓からは中年の女が入ってきた。
男女は何かを叫んでいるが「あいつも殺っちまえ!」、何も聞こえないし「世界は俺たちのもんだ!」もはや興味も無い。「私が一番最初に」いつの間にか「やるんだからね!」涙を流していた。「邪魔だどけ!」僕は床に倒れこんだ。「早くはいクリックしなさいよ」ポケットから煙草を取り出して火を付け、「よーし、俺たちが神様だ!」ゆっくりと煙を吐き出した。「ぎゃははははははははははは!」仕事が見つかりますようにっていう願いも「全ての願いを許可しろ!」許可されたんだろうか?
世界は終わるだろう。僕は煙草を近くにあった空き缶に入れ、。男女の笑い声と外から聞こえる悲鳴を聞きながら目を閉じた。
「ぎゃははははははははははは!」
全てを無かったことにするには、受信ボックスの設定を……
完
警察に電話をしたところで、信じて貰えないだろうし、殺人事件として取り上げられるだけだ。その前に警察なんかが機能しているかどうかもわからない。次の瞬間、玄関のドアが大きな音を立てて倒れた。同時に外から何人もの男が飛び込んできた。小さな窓からは中年の女が入ってきた。
男女は何かを叫んでいるが「あいつも殺っちまえ!」、何も聞こえないし「世界は俺たちのもんだ!」もはや興味も無い。「私が一番最初に」いつの間にか「やるんだからね!」涙を流していた。「邪魔だどけ!」僕は床に倒れこんだ。「早くはいクリックしなさいよ」ポケットから煙草を取り出して火を付け、「よーし、俺たちが神様だ!」ゆっくりと煙を吐き出した。「ぎゃははははははははははは!」仕事が見つかりますようにっていう願いも「全ての願いを許可しろ!」許可されたんだろうか?
世界は終わるだろう。僕は煙草を近くにあった空き缶に入れ、。男女の笑い声と外から聞こえる悲鳴を聞きながら目を閉じた。
「ぎゃははははははははははは!」
全てを無かったことにするには、受信ボックスの設定を……
完
656名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:13:12.27 れつだんの文章はかなりいいよな。
ただ、バーチャルのいうエンタメ三人称カメラ視点とはかけ離れている。
まあ、いわゆる純文ではあまり使われない手法だからな
ただ、バーチャルのいうエンタメ三人称カメラ視点とはかけ離れている。
まあ、いわゆる純文ではあまり使われない手法だからな
657名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:18:45.14658名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:20:56.75 ↑
そもそも>>585はただの感想じゃん
そもそも>>585はただの感想じゃん
659名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:22:29.45 れつだんって純文学なの?
660名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:25:03.87 バーチャルはなんでコテ外すんだよ
いちいちレスを読まなきゃいけないから面倒臭えんだよ
「編集長」ってのが恥ずかしくなったのか
いちいちレスを読まなきゃいけないから面倒臭えんだよ
「編集長」ってのが恥ずかしくなったのか
661名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:37:15.19662名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:39:27.36663名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:41:07.38664名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:42:45.77665名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:43:10.35666名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:43:58.30 れつだんは文章はいいかもしれないが内容がゴミ
667名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:45:32.88668名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:45:36.12 精神病非モテが精神病美女に惚れられる話しか書かないからな
669名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:47:50.79670名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:50:06.05671名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:50:20.51 世界よ
全ての文学が暗黒竜と山シゲにひれ伏す時がきたのだ・・・
全ての文学が暗黒竜と山シゲにひれ伏す時がきたのだ・・・
672名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:51:22.95673名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:52:10.82 >>671
この世の終わり
この世の終わり
674名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:52:39.39 人間性と作品の出来が糞な
二人はどうしたら良いですか?
二人はどうしたら良いですか?
675名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:53:00.99 山シゲ貼られるのが恥ずかしい、イヤだとか言ってたよバーチャルは
676名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:53:01.27677名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:53:25.85 >>664
えっ、山シゲで恥じるところがないだって?
えっ、山シゲで恥じるところがないだって?
678名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:53:51.59 バーチャル編集長×
結局、お前はこれを言いたいだけ
結論が先に決まった論なのだ
それは論ではない
結局、お前はこれを言いたいだけ
結論が先に決まった論なのだ
それは論ではない
679名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:54:24.14 >>677
酒入っててもあんなの書いて発表できる自身ねぇわ
酒入っててもあんなの書いて発表できる自身ねぇわ
680名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:54:26.72 >>674
まずパンツを脱ぎます
まずパンツを脱ぎます
681名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:55:31.03682名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:56:02.78 >お前はこれを言いたいだけ
そうだよ、おれはそれしか言ってない
論もクソもない
おまえが嫌いなだけ
そうだよ、おれはそれしか言ってない
論もクソもない
おまえが嫌いなだけ
683名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:57:06.40 編集長のパンツを被せてやるぜい!!
684名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 16:57:41.79 >>681
おーいみんなー、BL始まるよー
おーいみんなー、BL始まるよー
685名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:01:31.42 バー編の感性の是非はともかく
創作能力と性格、基礎学力、コミュニケーション能力、就労能力が糞であることは前々からわかってるよ
創作能力と性格、基礎学力、コミュニケーション能力、就労能力が糞であることは前々からわかってるよ
686名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:01:42.48687名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:01:45.00688名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:02:20.26 濃厚な二人の絡みをスレ住人一同は固唾を呑んで見守っていた。
次第に熱を高めていく二人
とうとうらんたが下着を脱ぎ捨てると隠されていた暗黒竜が露わになる。
ごくり、つばを飲み込む音は誰のものだったのか。
おそらくは編集長によるものだろう。
初めて見る逞しき怒張、それを受け入れるための不安によるものだった。
「そんなっ! いきなり暗黒竜だなんて…!」
次第に熱を高めていく二人
とうとうらんたが下着を脱ぎ捨てると隠されていた暗黒竜が露わになる。
ごくり、つばを飲み込む音は誰のものだったのか。
おそらくは編集長によるものだろう。
初めて見る逞しき怒張、それを受け入れるための不安によるものだった。
「そんなっ! いきなり暗黒竜だなんて…!」
689名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:02:47.32 >>687
根拠なし
根拠なし
690名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:02:52.98691名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:03:03.67692名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:04:37.65 >>689
おまえがコピペに頼ってるってのは周知の事実だし
おまえがコピペに頼ってるってのは周知の事実だし
693名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:04:48.55694名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:05:25.91695名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:05:28.08 言葉ばかりの弱々しい抵抗もそこまでだった。
編集長がベッドの上に押し倒されるとあっけなく山シゲが衆目に晒される。
今や、らんたの暗黒竜の前に山シゲが屈服寸前だ。
編集長がベッドの上に押し倒されるとあっけなく山シゲが衆目に晒される。
今や、らんたの暗黒竜の前に山シゲが屈服寸前だ。
696名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:05:35.31 休憩
697名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:05:39.95 >>688
傑作爆誕!
傑作爆誕!
698名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:06:23.05 >>686
バーチャルは女だったのか
バーチャルは女だったのか
699名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:06:33.37 >>696
無職のくせに休憩してんじゃねえ
無職のくせに休憩してんじゃねえ
700名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:06:49.15 編集長!
ホモホモしい文章を貼るのはやめろ!
それともらんたか!?
ホモホモしい文章を貼るのはやめろ!
それともらんたか!?
701名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:07:08.03 汚物と汚物をブレンドするんじゃない!
702名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:08:47.50703名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:10:51.50 >>702
発掘してきた
87この名無しがすごい!2020/05/27(水) 23:39:42.85ID:jBcSbxTn
魔王は林にも似た香が炊き込められ、闇色の緞帳のが雲のように垂れている部屋に案内した。
魔王は生贄の純潔を愛で白磁の肉体を触れ銀髪の髪を梳いた。
生贄は魔王の指に感動を覚えながらゆっくりと服を脱いだ。
魔王も同調するかのように服を脱いだ。互いの鶉が揺れ桜桃を感じあう。
そして生贄の唇を奪い、味を確かめた。生贄の味を確かめると再び魔王は唇を離した。
生贄は共鳴板のように声が反復するだけになった。
魔王は生贄を求愛した。そこには性急さも暴力も一切なかった。
臨界点に達した魔王は生贄の体内に分け入った。
そして生贄の心を弄り、そして心を塗りつぶした。
若者はあまりの感激に体が踊り火を噴いた。
魔王は若者が吐いた感激を存分に啜った。
-----------
即興でBL文書いたけどいかがですかね?
発掘してきた
87この名無しがすごい!2020/05/27(水) 23:39:42.85ID:jBcSbxTn
魔王は林にも似た香が炊き込められ、闇色の緞帳のが雲のように垂れている部屋に案内した。
魔王は生贄の純潔を愛で白磁の肉体を触れ銀髪の髪を梳いた。
生贄は魔王の指に感動を覚えながらゆっくりと服を脱いだ。
魔王も同調するかのように服を脱いだ。互いの鶉が揺れ桜桃を感じあう。
そして生贄の唇を奪い、味を確かめた。生贄の味を確かめると再び魔王は唇を離した。
生贄は共鳴板のように声が反復するだけになった。
魔王は生贄を求愛した。そこには性急さも暴力も一切なかった。
臨界点に達した魔王は生贄の体内に分け入った。
そして生贄の心を弄り、そして心を塗りつぶした。
若者はあまりの感激に体が踊り火を噴いた。
魔王は若者が吐いた感激を存分に啜った。
-----------
即興でBL文書いたけどいかがですかね?
704名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:12:14.96 ごめん、編集長でもらんたでもないんだ。
ようし、俺の即興BLと703の文章で勝負だ!
ようし、俺の即興BLと703の文章で勝負だ!
705名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:15:22.34 林にも似た香がたきこめられって時点で
違和感マシマシだわ。
違和感マシマシだわ。
706名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:24:27.37 闇の中、声は途切れ二人の忙しない息遣いだけが交互していた。
らんたは編集長の丸刈りを愛おしそうに手で梳き
思い出したかのように暗黒竜を前後させる。
編集長の理性は今にも焼き切れようとしていた。
体中から火を噴くような快楽に翻弄され、己がすべきことも見失いかけている。
だが、それはらんたも同様であった。
半ば、求愛のような乱暴さも全ては暗黒竜の虚弱さを押し隠すためのもの。
終わりは突然に訪れる。
暗黒竜が編集長の身も心も染め上げていく。
らんたは編集長が吐いた感激を存分に啜った。
らんたは編集長の丸刈りを愛おしそうに手で梳き
思い出したかのように暗黒竜を前後させる。
編集長の理性は今にも焼き切れようとしていた。
体中から火を噴くような快楽に翻弄され、己がすべきことも見失いかけている。
だが、それはらんたも同様であった。
半ば、求愛のような乱暴さも全ては暗黒竜の虚弱さを押し隠すためのもの。
終わりは突然に訪れる。
暗黒竜が編集長の身も心も染め上げていく。
らんたは編集長が吐いた感激を存分に啜った。
707名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:26:29.23 編集長
らんたのBLとスレ民AのBL文
どっちがいいか白黒つけてくれよ
らんたのBLとスレ民AのBL文
どっちがいいか白黒つけてくれよ
708名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:28:20.82 実はおぢさんも女子中学生なんだよ
Twitterアカウント教えて
Twitterアカウント教えて
709名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:34:01.77710名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:37:26.57 くんくん
708から暗黒竜の匂いがするぜ・・・・
708から暗黒竜の匂いがするぜ・・・・
711名無し物書き@推敲中?
2021/11/03(水) 17:51:02.81 れつだんのうんこは臭そう
バー編のうんこは臭くなさそう
バー編のうんこは臭くなさそう
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