「課金ゲー」と化す子供教育の実態 小学校の塾代だけで280万円…家庭の経済力に大きく依存
11/14(日) 11:45

受験情報サイト「中学図鑑」などを運営するファルボが昨年10月に発表した会員向けアンケートでは、中学受験をする小学6年生を持つ家庭が学習塾にかける費用は約120万〜140万円。塾通いを小学4年から始めた場合、3年間で約280万円かかるともされている。塾と掛け持ちで家庭教師をつけるなどすれば「課金額」はさらに跳ね上がる。

もちろん中学入学後の進路まで考えた場合、保護者の経済的な負担はさらに大きい。文部科学省の子供の学習費調査によると、私立中学校進学にかかる費用は授業料や学校納付金などだけで年間107万円。一般的には、中学から大学まで私立であれば、塾や予備校などの費用もあわせて1400万〜1500万円はかかるとされている。

ファイナンシャルプランナーの氏家祥美氏は教育費について、「中学から高校までの6年間、子供1人あたり100万円ほどの教育費を毎年の収入から出せない場合は無理に受験しない方がいい」と話す。


一方、高額の費用にもかかわらず、中学受験の浸透はじわじわと進んでいる。文科省の学校基本調査によると、全国の私立・国立中学に通う生徒は2020年段階で約27万人で、全体の8.4%。1980年代前半の3.5%から上昇基調が続く。東京都内に限れば私立・国立中学の生徒は約7万9000人で、全体の26%にのぼる。