つづき



 やがて力をなくした旅人は、ぐったりと崩れ落ちた。
「やったか?」
「ああ」
 毒々しいまでに赤く染まった顔は、恨みを孕んだ眼差しをこちらに向けている。睨まれているかと思い、太郎は少し心を乱したが、すぐに落ち着きを取り戻した。

 佐吉が言った。
「飯が食えねえよ」
 平治が何か呟いた。



 皆理解していた。
 人を一人殺すということは、非常に精神力を消耗する。体力も。
 本当に、大変なことだ。
 やるなら、復讐されない方法に限る。
 一人ずつ一人ずつ殺していって、敵を排除して……それでどうなる?
 どうなるものでもない。
 平治の胸に、悲しみが去来した。