オレの両目がギラギラと輝きを異様に失わない
 それはオレの精神内におけるなにかをそのまま表現している!
自分でも怖くなってくるほどなのである。
 オレは 狂気のさなかに詩の美学を なかば抑圧感に押しつぶされそうになりながら
 不意に思いついたように 見出す瞬間に直面する自分を知る
 狂気は自己の理性の喪失と引き換えに 理性のない世界に芽生える美の光と闇を
その見え隠れする光と闇を
 ひそかに気まぐれを起こして 教えるときがある
そしてオレはそれに酔える 酔えるからこそ詩人なのだと思い嘆いてしまう!
 狂気に恍惚感を覚える、その自身の狂気に揺さぶられて、そっと抱きすくめられてしまいながら それにみずからを抱擁されながら
 オレは 限りなく自己を喪失しながら美に無限に集中するらしいのである!
感覚的にはそのようである
 自己を迷いのさなかに失いながら、美に目覚めるおのれを知る
美がオレを酔わせる オレ自身がオレを忘れるほどに オレは酔いしれる
 空虚な審美の魂 懶惰なエクスタシー
 それらが互いにオレのこのこころのなかで
せめぎ合い オレのなかでなにかを作り出す
 詩的世界の発生を自覚していく
それは吐き気がするほどに澄明で それでいて混然と入り乱れている
 不完全な完全さに満ちた定まらない世界の姿だ
魂が汚れていく 冷たいほどに美しく
 美的にオレの純白の魂が退廃の色調に染まり続ける
それが恐ろしいのだ!
 ああ! あまりにも恐ろしいというものではないか