ここ20年ぐらいの間に急激に社会が女性化してきているのを強く感じる。
気持ちに寄り添う、心のケア、きめ細やかな対応といった
昔なら一笑に付されていたであろう物事をうじうじと掘り返す世の中になった。
その一方で面倒くさいことは全て自己責任で片付け、ケツをまくる。
精神が弱体化し、ある程度以上の負荷に耐えられなくなったということなのだろう。

その結果として生活が快適になったのは事実だが、
それを享受し使いまわす側の主体の問題が放置されてきたのも確か。
快適さを当たり前のものとして享受することは、
不快に対する拒絶反応を制御する能力を減衰させることにもつながる。
そしてそれは、社会の不条理の中から自分の未来を切り開く意志のない
ただ環境に適応することのみに汲々とする、真の意味での批判力のない
若者を生み出してきた。
良いも悪いもない。
我々はそういう時代を生きているという認識は踏まえておかないと
借り物の体制批判を超えた建設的な批判力は宿らない。