昔、和歌山市で職を失い大阪に行けば仕事にありつけると思い歩いて大阪を目指すも疲れ果てて雨も降ってきて駄目だと思って倒れた瞬間に、
阪堺線みたいな電車が目の前に現れドアが開いたので、気力をふりしぼって乗ってみると、お婆さんが運転していた。そのお婆さんが振り向いて
「坊や、随分大きくなったねえ」と語りかけてきたとき、「あ、このお婆さんは確か自分が学生の時に腰が痛そうにしてたので席を譲ってあげたお婆さんじゃないか?」と思って話を聞いてみると
「人の親切はいつになっても嬉しいものだよ」
とお婆さんに言われた。その後の記憶は全くなく気づいて起きてみるとそこは動物園だった、そして回りには自分と同じような人達で溢れていた。
それからだね、金持ちになるまで大阪で勝負しようと思ったのは。