「高倉健や鶴田浩二主演の任侠ヤクザ路線の、たとえば軒先借りての仁義の切り方、弱きを助け強きを挫くのが任侠道であるという建前だけの形式美を評価しすぎた所に三島由紀夫の悲劇があった。
三島はあくまでシノプシスの中のリアルを構築するがゆえに自ら安っぽいB級やくざにも出たことがある。しかし時代は70年安保も挫折し名状しがたい敗北の季節を迎えた。
そこにまるで時代の申し子として『仁義なき…』がアンチテーゼのカタチで登場した…。
あ、アンチテーゼはアンチとテーゼを分けちゃ話にならないよ。そこの知ったか君」
なぜかメタルフレームの眼鏡をかけて登場した伴宙太ゴルゴ