そのうえSNSが発達した現代社会は、夢のレベルも青天井だ。

「SNSの普及で誰でも『リア充アピール』に夢中になるだけでなく、
レディー・ガガやビヨンセなど、世界のセレブが直接ファンに語りかけるようになりました。
しかし、スターはきわめて希少な存在だから価値があるのであって
同じ立場になれる可能性は限りなくゼロに近い。

加えて知識社会とは、知能や学歴が大きな優位性を持つ『知能格差社会』。
その結果、夢を叶えて自己実現できるのは
ほんの一握りの『上級国民』に限られてしまうのです」(橘さん)

たとえ叶えるのが困難だったとしても、
少しでも夢に近づくべく努力することはできるはずだ。
だが、知能や学力の約半分は遺伝で決まるという残酷な現実がある。

「子供への遺伝を論じることは長らくタブーでしたが、
いまでは知能や学力に遺伝が大きく影響することは行動遺伝学の定説です。
しかもこれまで後天的に身につくとされてきた
『努力できるかどうか』や『集中力』、『やる気』も
最新の知見では半分程度は遺伝が影響している。