ポール・シェアード氏の記事をきちんと読むと、MMTとMMTポリティクスを分けた上で、
「日本はMMTを実践していない」
 と、書いています。

 その通り。

 日本はまさに、
「金融緩和と財政出動の一体政策を欠いた」
 結果として、日銀がMBを380兆円も拡大したにも関わらず、インフレ率は上がらない。日本が本気でMMTポリティクスを実践したならば、PB黒字化目標などという頭のおかしい基準は、とっくに撤廃していなければならないのです。

 日本政府が二度の補正予算で、2020年度のPB赤字が70兆円近くに達し、さらに拡大することになるでしょう(しなければなりません)。となると、例により「国の借金で破綻する!」といった財政破綻論というか、MMTという正しい貨幣の説明を無視したおバカ理論が増えてくることになるでしょう。

 というわけで、一度、話を整理しておきたかったのです。MMTとMMTポリティクスは違います。
 日本は、MMTの正しさを証明しましたが、MMTポリティクスは実践していないのです。