○順次、ライトワンス型・ROM型・カード型を標準化
現在、光ディスク市場はBlu-ray DiscとHD DVDの両陣営が主導権争いを
繰り広げているところだが、HVDはその次を狙う規格。同社のHVDは、
CD/DVDと同じようにディスクを回転させて利用するもので、CD/DVDとの
下位互換性も確保できるという。またディスク型のほか、カード型の
「ホログラフィック・バーサタイル・カード(HVC)」も検討されている。
同日、報道向けに行われた会見では、同社の青木芳夫・社長兼CEOが
HVD/HVCの標準化に向けた事業戦略について説明した。
社会の高度情報化が進むにつれ、データストレージ・システムへの需要
は高まる一方だ。同社は、大容量・高速、不正コピーや改ざんができな
い、というホログラム光ディスクの優位性を活かし、データ保存、セキ
ュリティ、データ配布などの分野にフォーカス。まずは業務用から製品
を投入し、その後、コンシューマ市場へも普及させる意向だ。コンシュ
ーマ向けには、最初の製品は2007〜8年にも登場する見込みだが、「実際
に普及するのは2010年くらいでは」(青木社長)と見る。

広範囲なマーケットを狙うために、同社が重視するのは標準化だ。民生
分野の規格としては、いわゆる「デファクト・スタンダード」というも
のも多いが、同社はISOでの標準化を目指しており、国際標準化団体であ
る「Ecma International」( http://www.ecma-international.org/ )に
働きかけ、Ecma内に技術委員会「TC44」の設立に成功。Ecmaでの承認を
経て、ファーストトラックを利用してISOへの提案を行う予定だ。