価格の高い製品がより多く売れると、台数以上に販売金額が伸び、収益性が高まる。ニコンのイメージング事業は、こうした高付加価値路線への転換で復活した。30万円を超える、2017年9月発売のフルサイズ機「D850」がヒットしたからだ。

 ニコンの公式オンラインショップ「ニコンダイレクト」での「D850」の販売価格は税込39万9600万円。ケースや予備バッテリ、メモリカードなどを同時購入したら40万円を超える超ハイエンドカメラだ。

 順位だけみると、決して高くはない。しかし、17年10月〜12月の3か月の合算では、ニコンのカメラ(レンズ一体型のコンパクトデジカメ・レンズ交換型の合計)の中で、販売金額シェアは
エントリ向けの「D5600」に次ぐ、13.4%を占めた。ニコンの現行ラインアップの稼ぎ柱の有力な一つだとわかる。

フルサイズ機にこだわる層に向け、画像数を4000万超の有効4575万画素に、画像処理エンジンやAE/AFセンサはフラッグシップ機「D5」と同等に強化し、「高画素で高速連写」というカメラの基本に立ち返った高性能を盛り込んだ「D850」。
口コミでも絶賛する声は多く、ハイエンド機種のロングセラーとなりそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)

https://www.bcnretail.com/market/detail/20180209_50538.html