■長谷部が現体制では厳しい…協会極秘で聞き取り調査

日本協会はマリ戦の内容にかつてないほどの危機感を覚えた。
団長で、今回監督に就任することになった西野技術委員長(当時)が、同じようにW杯へ危機感を抱いた選手から、聞き取り調査を行っていた。
チーム状況、監督の求心力、そして信頼。何より、縦に速い攻撃一辺倒の戦い方はどうなのか。
その中で、主将の長谷部は、選手の総意として現体制では厳しいと伝えた。

協会トップの田嶋会長自らも動いていた。
強烈なキャラクターと、その歯に衣(きぬ)着せぬ物言いで、危ういハリルホジッチ監督の行く末を案じ
17年12月末には会長自ら、極秘裏にチームをまとめる長谷部と約束を取り付け、クリスマス休暇で帰国した不動の主将と会い、現状を聞き取るなどしていた。

直前、国内組で編成されたハリルジャパンは東アジアE−1選手権で、宿敵・韓国に完敗。
にもかかわらず、開き直ったように「韓国の方が格上だ。試合前から日本より強いと分かっていた」と言い放った指揮官の采配と態度を問題視。
解任の可能性を探り、この時も、西野技術委員長を後任とする案を検討した。

結局当時は、協会幹部の方向性がまとまらず、消極的続投に。
しかし協会と指揮官の溝、そして選手と指揮官の溝は、もはや埋めがたいものになっていた。

解任は時間の問題だった。選手はもう、監督を信じられなくなっていた。
リエージュの夜には、選手の権利さえ取り上げられる“事件”もあった。【八反誠】(つづく)
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