サッカーnws「何が足りなかったか?」 ベスト8敗退のなでしこ、高倉監督が苦悩の末に出した回答
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スウェーデンの力強さに屈し、1-3でベスト8敗退
 なでしこジャパン(日本女子代表)は30日、東京五輪女子サッカーの準々決勝スウェーデン戦に臨み、1-3で完敗。高倉麻子監督は試合後、敗因について「なかなか今ここで答えを出すのは難しい」と苦悩の表情で振り返った。
 日本はグループリーグではE組で1勝1分1敗の3位通過。英国やカナダといった強豪と同組だったものの、辛うじて準々決勝へと進んだ。一方のスウェーデンはアメリカを3-0で撃破するなどG組を3連勝し、金メダル候補の最有力候補に推す声も高まっていた。
 その相手に、前半立ち上がりで日本はコーナーキックの二次攻撃から失点。しかし、そこからは盛り返してMF長谷川唯のクロスにFW田中美南が合わせて同点とした。さらに田中が倒されてのPK判定がビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の進言と映像確認で取り消しになる場面があったものの、互角に渡り合う展開で前半を終えた。
 しかし後半に入ると徐々に力の差を見せられる展開になり2失点。残り20分からは前線の選手を増やす交代で勝負をかけたものの、攻撃の機能性は高まらずに反撃の点は奪えなかった。日本は2012年のロンドン五輪(銀メダル)以来のメダル獲得はならず、主要国際大会では19年の女子ワールドカップ(W杯)に続いて決勝トーナメントでの初戦敗退という結果に終わった。
 高倉監督も「今日のゲームに関しては、非常に力のあるスウェーデンと一発勝負。自分たちの武器で戦おうという部分で良い時間帯も作れたが、スウェーデンが非常に良いチームだったので及ばなかった」と、力負けを認めざるを得なかった。
 16年のリオデジャネイロ五輪へアジア予選で敗れて出場権を逃したあとに就任した高倉監督は、何が足りなかったのかという問いに対して、「そうですね……」とひとしきり考えたうえで、「なかなか今そこで答えを出すのは難しいけど、負けたという事実があるので、自分たちの武器以上の何かを持たないといけない」と話す。そして、世界的に女子サッカーの進化が速く、それに対応しきれていない現状をこう話した。
「闘志が前面に出るチームではなかったかもしれないが…」
「女子サッカー自体がすごい速度で進化を遂げているなか、私たちもフィジカル的な要素を積み上げようと、選手も日々努力してくれてレベルアップしているが、それ以上に世界の進化がある。まだまだ努力しないといけない。選手たちは精一杯、戦ってくれた。世界一のチームを追いかける重圧は並大抵のものではなかったと思う。闘志が前面に出るチームではなかったかもしれないが、選手たちに炎は灯っていたし、今日も全力で戦ってくれた」
 2011年の女子W杯を制して世界一になったチームは、精神的な部分も強調されたチームだった。そこと比較される眼は苦しいものだったのではないかと高倉監督は選手たちを思いやっている。一方で、そうした部分以外のところ、技術的なものやフィジカル的な差は開いてきていると言えそうだ。
 今大会で背番号「10」をつけたFW岩渕真奈は、「女子サッカーが発展するうえで代表は強くないといけない」とも話した。地元開催の五輪というビッグイベ