【サクラ大戦】迫水&米田【哀愁】
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サクラシリーズ屈指の渋キャラである迫水&米田について語りましょう!! サクラ関連のスレ立てるならすみれの単独スレ立てろよ。
ないじゃねーかすみれスレが そーいやすみれだけ無いな。サニーですらあんのにw
米田・迫水・ジャン・エビヤン。
サクラオサーン四天王イカス。 秘書「大使!スケジュールが詰まってるんですけど…。」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ よねりんに全部!(クイズ●ービー風)
すみれさんのスレできないかな。携帯からだと作れない; >>16ゲームキャラ板にありましたが…
つい最近☆になりましたorz
(ギャルゲー板からゲームキャラ板に避難したらしい。)
すみれさん良いキャラなのに… キャハッ(^O^)人気キャラなら自然とスレが立ちまくると思うけどねー
すみれって花火以下なんだねぇー グランマと迫水はベストカップルになると思うんだが… 此処は今から秘書と迫水のエロSSを書いていくスレになりました。 人気以前な話。
とりあえず既存のサクラスレを使いきろうとは思わないかい? 帝都・巴里・紐育には無いモノを持ってるのが迫水はんと米田はんやないか! なんだか典道が変態オヤジってされてるのが、定着されていて哀しいわ。 実際処構わず口説くからな…そう思われても仕方ないんじゃ 挨拶だろ?
ついて来たら来たで、軽くお茶して世間話して。
なにか困ったことがあったら、教えてくれみたいな。
実は凱旋門支部長兼月組 僕?
うーん。一応護りたいモノには不自由はしていないんでね。 大神君…大事な話があるんだ。帝国華撃団の皆さんは、まだシャノワールにいるかい? 米田はケコーンしてるのか?血潮の時、夜の町へ行きまくってたから…独り身のような希ガス 米田は独身。
その分花組たちを家族のように大切にしている。
イカスじいちゃんだぜ!
迫水は妻子ありそう。なんとなく。 子はないと思うな。
んで、バツイチ
現在は華の独身ライフを満喫中と。 2のクリスマスで大神がヒロインと話してる時「おっこんな所にいやがったのか」って言ってる米田がキモいw 米田のおじちゃんはねぇ、おさけがとぉってもすきなんだよ!
でもねぇ、アイリスしってるんだ。ほんとうは…あやめおねえちゃんのことがだぁいすきなんだって。
ジャンポールがまいごになっちゃったときねぇ、しはいにんしつってところから「あやめぇ…ハァハァ…うっ……くっ……あやめ……はぁ…あやめ………あっ…あやめぇぇぇぇ!!」ってきこえたんだもん。ほんとうだよ!
でも…なんだかすごくせつなそうなこえだったよ…。
そのあと、おにいちゃんとさくらにみつかっておへやにもどったけど………なんだかムズムズしてねむれなかったよ…。
えへへ。アイリスだぁれにもいわないもん!
アイリス、えらいでしょ? 確かにネタ切れだわ。しかぁぁぁぁし!!サクラにはまだまだ渋いサブキャラがいるんだぜ? すん…すん…
だってぇ、うちの秘書が僕の嫌いなピーマンを無理矢理食べさせようとするんだもん…
酷いんだよ大神くん、ピーマンだと分からないようにペーストにしてスープに入れたりするんだよぉ。
だけどここは僕も鉄壁の迫水と呼ばれた男だ、『あれ、なんだかこのスープ…違うような気がするんだが?』って僕が言ったらね、彼女が『フフフ…食べれましたね?もうコレでピーマンが嫌いなんて言えないですよね。』とか言ったんだよ…
それを聞いた瞬間『あぁなんて恐ろしい娘なんだろう!』って思って僕はテーブルを叩いて立ち上がったんだ。
そしたら彼女驚く様子もなく、じっ…と僕を睨みつけたんだ。
僕は背筋かゾワゾワーってしてね、一生懸命なんばんだぶなんまんだぶーって目をつぶって祈り続けたんだ。
そしたら彼女も諦めたんだろうね、気配がスーッと消えた気がしたんだ、『あぁコレで大丈夫だ』って思って僕は目を開けたんだよ…そしたら
目の前に彼女が!!
僕はビックリして逃げ出したよ。
あの時彼女の目が開いていたらあのまま連れていかれちゃったのかなーって。
いやあ、不思議な霊体験だったよ。
つづいて、『生き人形』
アレは去年の…… なんだ妄想か。あの鉄壁と謳われた迫水が泣くわけがない! じゃあ100は頂いた。
もうこのスレは要らないな。 そこまで言うならすべてのスレ住人が語れる栄知(ネタ)をさずけてみせろ! サクラが出る度に米田の声が変わっているって噂があったけどどうなの?活動写真やOVAとかも違うんか? サクラ2で狙撃された直後の米田さんの台詞がちょっと泣けた。 えっと
『なんじゃこりゃあ!
おるぁはまだ死にたくねぇよ…おるぁはまだ死にたくねぇよ!
だっけ? 迫水のリボルバーカノン発射時に気絶したとこバロス
みんなが帰還したときも一人寂しく中で死んでた迫水…かわいそうに… 大神がここまで成長できたのは米田のおかげでもあると漏れはオモタ >>116スレ立った当初から人いない
米田はともかく迫水は人気ないからな。俺はめためた好きだが ばかやろう!
俺も典道タンが好きだぞ!
サクラキャラで唯一抱かれてもいいって思った人だ! あの世って説があるけど、あの描写だったら逆な感じがしないでもない。 歌謡ショウでは隠居して家庭菜園をいじってる。
パラレルっぽいが一応4の後って設定。 中将閣下なのに使用人も置かず
木造の平屋に住み
家庭菜園で茄子や胡瓜を育て
たまに来る客を心からもてなす
偉ぶらず驕らず
自分以外の皆を師と仰ぐ
それが大日本帝国軍人のクオリティー 料理上手の20ぐらい年下の×アリ女性と秘かに同棲しちゃったりなんかしてな。 米田の農作業着はなかなかに似合ってると思う。タオルと軍手もな! >>143
ナカーマ(^ω^)八(^ω^)
で、迫水のどこが好きなの? やっぱり存在感やな
米田にはかなわんけど迫水もなかなかや >>145
迫水タソのどこに存在感があるというのだ!リボルバーカノンの中で気絶して最後の勝利のポーズに参加させてもらえなかった迫水タソに!しかしそのはぶられ具合がカッコヨス ジャン班長から魂のこもったスパナ貰ったぜぃ
早速帝都に帰って紅蘭にやろ ばっかやろう!こんなきたねぇもんとっとと捨てちまえぃ! 山崎「絶対の力がなければ正義は守れん!」
米田「違う!それは違うぞ山崎っ!」
山崎「いいや!人は守るに値しない!」
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会話が噛み合ってない気がするのは俺だけ?w よせやい!こんな老いぼれと一緒にされてたまるかってんだ!
寒気がするぜ! お祖父様ボケてしまいましたの?
ほら、帰りますわよ。 ……またどこぞほっつき歩いとるな、あのヒゲ……
フゥ……、今度寝てるときこっそり剃ってやろうかしら… ここは神聖なる典道タソと一基タソのスレじゃないか!! >>190典道様より典道タソの方が可愛いじゃん(´3`) 呼び名などどうでもいい。ここはそんな事を語るための所か? 典道様に対する愛をつれづれなるままにつづったスレッドレでしょう?
熱く抱き締められたいわぁ。 いや、ストライクゾーンが広いだけだ!
と、思うケドな…… 迫水はメイドキモ神にまで手を出そうとするからな… 普通わかるだろ!
ってつっこみたくなった。
服しか見てないのか、あのオッサンは。 >>198あの体格、あの髪型で女の子って思ってしまう迫水はヤバい
ド近眼なのかもしれないな 突攻精神満点の米田はヤバスwwwwww
4だとミカサ壊したくてたまんないみたいだったなwwwwwwwww いつの間にか大神君は我々を越えていたんですね
ああ失敬
可愛いなぁ、コクリコさんは
なんて心に来ない台詞集なんだ……!!
うぅん、でも良いの。
典道さんは素敵だもの……うん。 エクレールフォルトが大破して凱旋門でみんなと再開するシーンあるじゃん?そこでシー達が救世主が現れたんですよって言うから俺は加山が出てくると予想してたんだ。しかし典道が出てきたからバロス 米田>>>ジャン班長>>>>>>>|越えられない壁|迫水 迫水>>米田>>>>班長>>>>>>>>>>>>>>|越えられない壁|木喰だろ? なんの
カリスマ性は
京極>>>>米田>>>>|越えられない壁|典道
だよな。 花コラ2だかの聖母米田を見た瞬間、凍りついたぞ。
慌てて好きな女の子の聖母姿見て口直ししたよw >>216
時間より…親友より…花コラ2を欲しいと思ってしまった_| ̄|○ [,,,,,,,,,,,,] 隊長、ここに性犯罪者のスレッドが勃ってます
((`Д))) 巴里の日本大使館ごとガソリンぶっかけて丸焼きにしてしまいましょう!
マリア!秘書だけは助けるんだ!!
ヒゲで夏バテしてる屑は燃やしてしまおう! 迫水って、OVAだと妙に生き生きしてない?
ゲームだけだとどの辺が鉄壁なのかよくわからんけど、
実はロベリアを捕らえたりとかしてるんだもんな そんなぬこ水が大っ嫌いだ!
米田の渋さには敵わないな。 巻菱は無いわ…
ヒロインの関係者なら緒方さんが
一番良いな。 なんじゃこのスレはって…
サクラに出てくる
渋いオジサマ達を愛でるスレですわ。 んだんだ。サクラ大戦はヒロインや大神だけで成り立ってるわけじゃないんだ! 花小路は最初敵になると思ってた。
ごめんよ、おじいちゃん。 活動写真の花小路のロングモミアゲめちゃくちゃキモスww そうか
ちょうどよかった。
実はこのあいだ大きなハサミを持った大きなウサギを捕まえてね。
じゃあ大神くん、
ざっくりとさばいてくれたまえ あの爺さんの台詞を絶対飛ばさずに
一語一句聴ける人を尊敬する 耳元で囁く典道さんの愛の言葉の方が
砂糖の100万倍甘いですわ 確かにそうですね。彼の言葉にはハチミツのようなものを感じます 迫水大使・・・いや支配人・・・
3でフォルトが爆発する刹那、救いの神として花組の前に現れたとの事ですが、
毎回このおっさんでどうやってあの状況を突破したのか気になってます。 htp://sports2.2ch.net/test/read.cgi/kouhaku/1146900169/68 正直、最後に米田出すとは思わなかったな
あのシーン見ると泣けてくる _.... ........ .._
. '´ ヽ.
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| | |__/|| | 迫水さんはロリでなく子供好きなんだ。
ただ女児が好きなだけなんだよ。 ちがうちがう
穴があればなんでも……
いや、魅力的な女性なら分け隔てなく愛せるんだよ。 米田が神過ぎる
戦艦の本体つっこませるとか、やってることで本当戦中そのまんま 米田中将閣下は日露戦争の英雄らしいね。
203高地の死闘もいかに困難な作戦とはいえ、
乃木にやらせたせいで甚大な死者をだし児玉に指揮権を奪われて、と散々だったわけだが
あの時、米田閣下が現地にいればと思うと…
米田さんは大神と並んでサクラ大戦の象徴だが
迫水は並べるには明らかに役不足な気もする
両方好きなキャラだけど そういえば迫水は4でも出てきたな。通信で大神に帝劇のブロマイドくれって言ってた希ガス 今日の@ezおしゃべりキネマトロンはグラン・マだ!
ひょっとすると迫水さんや米田さんもいつか来るかも知れんな。 12月2日(土) 記入者:迫水典道
あーあー。うぉっほん。こちら巴里。
通じてますか、帝都のみなさん。
私は駐在武官の迫水です。
いやあ、シャノワールに顔を出したら、グラン・マからこのようなものがあるということを聞きまして。
さっそく、みなさんの書き込みを拝見したところ、
シーさんがもんじゃ焼きの作り方を送ってもらったというじゃないですか。
シーさんも水くさいじゃないですか。
そういうことは、僕に聞いてくれれば良かったのに。
こう見えても、幼い頃は「鉄板の迫水」と、地元ではちょっとした有名人だったんですよ。
いやぁ、懐かしいな。
こんなことを話していたら、僕ももんじゃ焼きが食べたくなってきましたよ。
でも、この巴里で果たして材料がそろうのかどうかが問題ですね。
後で花火さんに聞いてみるとしよう。
おっと、そろそろ仕事に戻らないと秘書に怒られてしまう。
それでは失礼。 迫水さんはどこ出身なんだ?
今あらためて思ったが、当時もんじゃ焼き屋は普通にあったんだろうか。 自称な異名変わってるじゃないか変わってるじゃないかw 鉄板www
もんじゃ焼きなら巴里でも作れると思うぞ
あれってキャベツと小麦粉あればイケるだろ ダシ汁かなんか使ってるんじゃ無かったっけ?
大神が居たら
ダシ→大神
キャベツ→コクリコん
小麦粉→シー
にそれぞれ貰ったら作れるよな。 肉とか魚介系は使わないんかな?お好み焼きなら必須なんだが… つファイルシーク
これをお前ぇに預ける。
お前ぇに持ってて欲しいんだ! 夜のサスペンスに迫水の中の人が出ていたよv
声は相変わらず素敵だったが…何やら頭が怪しかっ(ry 1から順繰りに読んでるとなんというカオスなスレなんだ!
と思わざるをえない。 ちょっと見てみたい。
ちょうちんブルマに白タイツに冠が似合いそうだ。 先日、迫水さんのダンディー画像が欲しくて探したけど…1〜2枚しか見つからなかった(涙)
よねりんは、そこそこあるのになぁ。 同人→エロ→ラブラブはないだろう→つまり鬼畜系→黒迫水
っていう結論から黒迫水が出てきたんだが、偏見だろうか
秘書とラブな感じの同人ならみたいな………けど無いだろうな。 迫水はいいキャラだがロリコンっぽいのがなあ・・・
グランマとは年齢の面でもお似合いと思うがどうだろう 前見た同人誌
シャノワールの地下でエリカ、グリを調教。
…書くのマンドクセ(`A') 前に迫水さんが出てくるドジンシ読んだけど
迫水さんホモだったw しかも大神に片想いw
そんでメルにモギリ服着せて、モギリ服の匂いをクンクンかんだりした後…(以下自主規制)
迫水さんってドジン界では変態扱いか… 俺が読んだやつも明智の妹に手を出そうとしていたw
胡散臭いからなw見るからに
コクリコを変な目でみるオッサンと双璧 秘書! 秘書!
_ ∩
( ゚∀゚)彡
( ⊂彡
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し⌒J
2月17日(土) 記入者:米田一基
おう、将棋のことなら任せとけ。
俺が一から十までここで教えてやらあ。
将棋ってのは、戦術訓練みたいなもんだ。
「天に二日なく、地に二王なし」
の言葉が示す通り、二人の王が盤面で覇を争うのが将棋だ。
そもそも将棋の歴史を話すとだなあ…平安の昔に…
いいっ!米田さんっ!
何やってるんですか。
え?キネマトロンで将棋の歴史ですって?
そんなことよりも、新しい演目の稽古を見に来たんじゃなかったんですかっ。
おうおう大神。
横から茶々を入れるなってんだ。
そうだな、それじゃあ将棋の歴史についてはまた次回ってことにして、
舞台の様子でも見に行くとするか。 米田キタ━―(゜∀゜)━―!!
神隠しにあったんじゃなかったのか… 3月9日(金) 記入者:迫水典道
やあ、みなさん、こんにちは。
フランス料理がうらやましいですって?
たしかにとても美味しいですし、毎日が感動と驚きの日々ですが、やはり日本食が恋しくなることがありますよ。
あの醤油の焦げる匂い、沸き立つような味噌の香り、しゃきしゃきとした食感の漬物。
それらを思い出すたびに、僕は日本人なのだと思いますね。
食は文化といいますが、母国を離れるとそのことを痛感しますよ。
…おっと、もうこんな時間だ。
このあとはグラン・マと昼食に行く予定でした。
では、また。 ふむふむ団の流れに逆らって申し訳ない。
TV版は微妙だったけど、降魔戦争の話とか魔神器を使って山崎に単身挑むところなんて米田の台詞にちと感動してしまった。
なんというふむスレ‥‥
このスレはまちがいなくふむスレ
/ ̄\
【^o^】
\_/ 最後にまともな書き込みがあったのは>>399と>>400かよ!
ふむ そろそろ流れを断ち切らせてもらおうか
藝術の都、巴里。
裏の人間にとっても住み心地の良い街、巴里。
その中心で、今宵も光輝く舞台の幕が上がった。
「ムッシュ米田、ささどうぞ一杯」
「おっ、いやぁすいませんな・・」
シャノワールの貴賓室、蒸気灯の明かりに照らされた三人の陰。
それは支配人のイザベル・ライラック伯爵婦人ことグラン・マ。
次に外交大使、鉄壁の迫水と称される迫水典通。
そして三人目は、帝撃構想の発案者であり大帝國劇場元支配人・・・米田一基。
米田は注がれたワインで口を潤し、聞こえてくるレビュウの歌声に耳を傾けていた。
「ふむ・・巴里のレビュウもいいもんですなァ、帝劇の舞台たぁまた違って・・」
「そうだろうね、巴里には巴里の華やかさってもんがあるから・・でもまだまださ」
米田はグラン・マの言葉に目を伏せ、帝劇のスタァ達・・・いや、娘達のことを思い出していた。
グラン・マの言葉を繰り返す。
まだまだ、そう・・まだまだ彼女達は成長する・・・と。
弐幕へ >>460
「・・俺ぁ、あいつらのいい父親であれたんだろうか・・」
その言葉に迫水は驚きを隠せなかった。
ただグラン・マは、そんな米田にまっすぐな眼差しを向けている。
米田が一瞬見せた表情に迫水が驚くのも無理はない。
対降魔迎撃部隊や帝国華撃団を率いて来た軍人、飄々として大帝国劇場の支配人をしてきた飲んだくれの江戸っ子。
先のはそのふたつにも当てはまらない。
子供を想う、父親の顔だった。
「・・・ムッシュ米田、あなたは今でも・・」
迫水がそう言おうとした時、グラン・マがそれを制した。
言葉にすれば野暮になる、と。
「・・ムッシュもずいぶん酔ったみたいだね」
「ああ・・そうみてェだ」
酔ったことにしたい、今宵のことは。
米田はグラスのワインを一気に飲み干して、思っていた。グラン・マもそれを知っている、言及するでもなく、ただ米田を見つめていた。
「・・ふむ、終わったようですね。」
ふと耳を済ませばレビュウの終わりを告げるメルの声が聞こえる。
迫水は静かにグラスを傾けた。
こうして、巴里の夜は更けていく。
心の内をワインに溶かして、今日も巴里は眠る・・。
幕。 降魔戦争終結直後
帝国陸軍対降魔迎撃部隊の米田一基・藤枝あやめの両人は帝都大学附属病院にいた。
否、二人と云ってしまうと語弊があるかもしれない。正確には三人居たからだ。
真宮寺一馬。彼が隔離病棟の一室で体を休めていた。‥といっても意識は無い。
米田はそのベッド脇のイスに腰掛けて一馬を見つめ、あやめは林檎を剥いていた。
「‥米田中将‥林檎は‥」
「‥ああ、貰うぜ」
あやめはあくまでも凛とした姿勢を取ろうとしていた、それは米田も同じだ。
しかし、やはり二人に遺された傷跡は大きかった。
>>464
降魔戦争が終結したのはつい数時間前のことである。
真宮寺一馬の命を代償として帝都東京を降魔の手より防衛することが出来たのだ。
対降魔部隊での被害者は山崎真之介、真宮寺一馬の二人である。
正確には山崎は行方不明、真宮寺一馬は魔神器を扱った代償として命の大半を削り取ってしまい、残り一週間の命と診断されたのだ。
山崎は冷淡であったが、あやめとは仲が好く米田も目を細めてその仲を見守っていた。
一馬は対降魔部隊壱のしっかり者であり、また米田の好い酒仲間であった。
米田にとっては、大切な息子たちだった。
あやめにとっては、兄のような存在だった。
それだけに心の穴は大きく、虚無が広がっていく。
「あやめ君、・・水を一杯貰ってきてくれないか」
「・・わかりました」
あやめは米田の手前、独り休む事も泣く事も出来なかった。
だから米田が、水という名目を使ってしばしの休息を許したのだ。
あやめが重い扉の外に消え、病室には米田と一馬が残されていた。 >>465
「一馬よ、おめえたぁ良く酒飲みに行ったなぁ・・」
脳裏に浮かぶのは一馬との思い出。
散歩だと神田明神辺りまで足を延ばした事。
酔った自分を背負い、本部まで連れ帰って貰った事。
何より、娘のさくらについて話す一馬は印象深く残っている。
一馬の語る平和の裏には、必ずさくらが居たからだ。
米田はそれを知っていたからこそ、一馬に魔神器を遣わせたくなどなかった。
一馬のやつれた姿を見つめながら米田は呟く。
「・・一馬、おめえの娘さん・・さくら君っていったなあ。・・まだまだおめえが必要だってのに・・」
『・・いえ、さくらは・・私が逝っても・・・強い子ですから・・』
「一馬!おめえ・・」
一馬はいつの間にか目をさましていた。
もしかすると意識を戻すことなく、一週間が過ぎることもあると医師は云っていたのだ。
ましてや数時間前に倒れて、意識を取り戻すまでに至った回復。
これは奇跡であった。
『・・米田中将、後はお任せします・・』
一馬はそういって、もう一度目を伏せた。
それから二日後、真宮寺一馬は死出の儀式を行うために仙台の真宮寺本家へと移った。 >>466
死出の儀式とは、通称黄泉送りとも呼ばれる裏御三家たる真宮寺家伝統の儀式である。
儀式を行う者は身を清め、霊剣荒鷹を手放す儀を行い、その夜は精一杯のもてなしを受ける
次の日、普段着の下に死装束にを纏ってその者は長き死出の旅に出る。
その儀に使われるのは真宮寺の私有墓地に立つ墓標の中でも一際大きいものだ。その地下には、階段がある。
死することが分かった者はこの地下へと下り、冥府へと旅立つのだ。
そしてあちらとこちらの繋がりは紐で結ばれた鈴の音色だけであり、その音色が途絶えた時、その者は冥府に旅立ったこととなるのだ。
米田の対降魔迎撃部隊隊長としての最後の任務が、この儀式を見届けることであった。
「あやめ君・・いよいよ、だな。」
「・・・ええ」
米田は、貸し与えられた部屋であやめと向き合っていた。あと数刻もすれば鐘が鳴る。
今夜は儀の一環として真宮寺の者達は今宵眠ることを許されてはいない。米田はひとりそれに従うつもりだったが、あやめも同じく従っていた。
「・・あやめ君、寝てて構わないんだぞ?」
「いえ、真宮寺大佐のお見送りですから、・・」
言葉少なく、時を過ごして行く。
ただ、この時米田は奇妙な胸騒ぎを感じていた。異様な胸騒ぎを・・ >>468
真宮寺一馬の黄泉送りの儀は恙無く執り行われた。
一馬は墓石のしたへと下ってゆき、深い闇に姿を消した。
もう一馬が戻ってくることはない、そうわかっているのだが足音が聞こえると襖の方に注目してしまう。
「・・・・」
米田はひとり、杯を傾けている。
送り酒だから、と若菜がくれたものだ。
その一杯一杯が重く内臓に染み渡る。
米田は、酒を飲み干すと敷かれた布団に潜った。
しかし、目を伏せた瞬間ドタバタという足音が響いてきたのだ。
「大変でごじぇえます!
米田様!大変でごじぇえます!」
米田は瞬時に身体を起こす。
その慌て様に酒で虚ろになっていた頭に冷たい雫が走ったような感覚を受けた。
時はもう午前零時をすぎているのだ。
それだけにかなりの大事である可能性が高い。
先に感じた胸騒ぎと同じ感覚がした。 >>469
ストン、と襖が開かれる。
「どうしました!」
米田は肩で息をする権爺に問いかける。
「藤枝あやめ様が・・あやめ様がいらっしゃらないのですじゃ!」
その言葉に米田は驚愕した。
権爺に深く話を聞いてみると、振る舞われた食事のあと散歩に出ると云ってから戻ってないという。
あやめが借り受けていた部屋を覗くと荷物が整えられていた。
その荷に挟まるように、書き置きが一枚残されていた。
「・・これは!」
米田はそれを見た瞬間・・
『死ぬ気だ』
そう直感した。
これで昨夜の胸騒ぎの合点が行く。あやめから生気を、生きる希望を感じられなかったのだ。
それを感じ取れなかった自分の甘さに苦い思いを噛み締める。
・・・チリン・・チリン・・・
一馬の鈴の音が一瞬強く聞こえた気がした。
米田は目を覚ましたかのように、苦々しい邪念を振り切った。
「すみませんが後を頼みます!」
権爺の制止も聞かず、米田はバネのように駆け出した。
それを後押しするかのように鈴の音が静かに響いていた >>470
その頃、あやめは真宮寺家から少し離れた桜の樹の下に居た。
座しているあやめの、その手にあったのは神剣白羽鳥・・ではなかった。
手にあるのは小刀であり、神剣白羽鳥は目の前に置かれている。
あやめは一人で割腹をする気だった。
今までの自分に区切りをつけていたのだ。
そうして、決心すると黒銀に煌めく刃を自らの胸に向け突き刺さんとした・・・
『・・バシッ!』
刹那。風を切る音と共に小石が飛んできて刀を弾かれた。
それを投げたのは言うまでもなく、米田一基その人だ。
「米田・・中将?」
闇の中に光る双眼を見つめてあやめは呟いた。
「あやめ君・・」
米田は近づいて、あやめの前に立った。
そして、あやめの肩を掴んで問い掛けた。
「・・死ぬつもり、だったのか?」
その声は凛としている。スッと筋が通っていた。
「・・・・私は・・自分だけ生き残ってしまった・・それが・・」
米田の声に促され、ポツリポツリとあやめは話し出す。
「・・それが悲しくて・・私は・・」
あやめの声は震えていた。
その言葉を米田はしっかりと聞いている。
あやめが言葉を云い終え・・そして静寂が流れた。 >>471
静寂の内、米田は口を開いた。
「だったら・・死んだつもりで、もう一度俺についてきてくれねぇか・・・」
肩をつかむ米田の手は震えていた、手に力がこもっている。
「・・米田中将・・・」
「どうせ死ぬなら、・・死んだつもりで俺の仕事についてきてくれ・・
・・死ぬな、あやめ君!」
米田の声は震えていた。
強い覚悟を宿した言葉は、あやめの心に届いたのか。
「・・うあぁぁぁっ!」
あやめは、声を上げて泣き出した。
あやめは数日前に目の前で愛する者、大切な仲間を失ったというのに軍人という身分が涙ひとつ流すことを許さなかった。
しかし、米田の言葉があやめの頑なな軍心を解きほぐし、その抑えていたものを解き放った。
米田は泣き崩れるあやめを支え、しっかりと抱き止めた。
それからしばらくして、提灯の淡い明かりが近づいてきた。
米田たちを探しにきた権爺の提灯の明かりであった。 >>472
それから、数年の時が過ぎた。
米田は欧州星組のZeroReportに基づいた都市防衛構想『帝撃構想』を現実のものとし、帝国華撃団を率いていた。
花組のメンバーはあやめが賢人機関の霊力発現調査報告書に則り世界を飛び回って集めた女性達だ。
・・・その協調性については不問とされているが。
米田も神崎すみれの癇癪に巻き込まれたり、はたまた真宮寺さくらの失敗で怪我をしたりといろいろな事があった。
女所帯に男一人というのは苦労が絶えないようだ。
しかし、今日の米田は朝から機嫌が良かった。
花組隊長のマリア・タチバナより提唱され、あやめも賛同した新隊長選任の件がやっと決着し、その者が今日、大帝國劇場に着任するという。
そのため、先刻上野にさくらを送り出したばかりである。
その者を待つ間、米田は一杯酒を煽っていた。 昔の写真を見つめながら・・。
「・・・・・・」
穏やかな笑みを浮かべながら、猪口に注がれた酒を煽る。こんな時の酒は実に旨い。
『コンコン・・・・』
ノックの音が聞こえてきた、どうやらその者が来たようである。
「・・どうぞ」
扉を開き現れた青年、白い海軍服が凛々しい好青年だが着任早々何やらやらかしたらしく頬に赤い紅葉が刻まれていた。
その青年の名は・・・
「海軍小尉大神一郎、ただいま到着致しました!」
幕。 なんだって・・・ちんこ花火SSなんだろ
まだあの巴里こけし出てない序章らしいけどよ >>460>>464
乙でしたー!おもしろかった
対降魔部隊が4人揃っていた時の話も読んでみたいなぁ
時は太正。
大帝国劇場は、春公演『夢のつづき』の稽古真っ只中で明日、初日を迎える。
京極との戦いも終えて、米田は連日久々の酒を楽しんでいる。
『とっと……』
その机に並べられている4つの猪口に注いだ酒をじっと見つめて、ふと昔を思った。
次幕 >>485
陸軍省、対降魔部隊本部。
米田は、珍しく本部に対降魔部隊の隊員を召集した。
『本日、一三○○より我々対降魔部隊は特別任務に就くこととなった。
集合場所は浅草!尚軍服を着てくることは許さん。以上!』
隊員の藤枝あやめと山崎真之介は怪訝な表情を浮かべている。
軍務なのに軍服を着てはならん、という米田の言葉が不思議で仕方がなかった。
しかし、真宮寺一馬は穏やかな微笑みを見せている。
あやめと山崎は益々不思議がるのだった。
次幕 >>487
定刻通り浅草に集まった米田を除く対降魔部隊の面々は皆、それぞれ帯刀してはいるが思い思いの外行き服に着替えている。
山崎は青を基調としたスーツ姿、淡い色合いの中にスッと筋の通った姿で…
あやめは少し華やかな色合いの着物、それには菖蒲の花が描かれている。
一馬は普段通りの落ち着いた着物で、深緑の打掛に紺の帯を締めたスッキリとした姿である。
しかし肝心の米田がいまだに到着していなかった。
『米田隊長…遅いですね。
壱拾五分も遅刻なんて…』
あやめは懐中時計を見つめてぼんやり呟いた。
山崎に至っては冷ややかな表情の内に少なからず苛立ちが垣間見える。
そんな中、やはり真宮寺一馬のみは穏やかで…。
『お〜い、おめェら!
こっちだこっち!』
声のした方を振り向くと、酒屋の暖簾の隙間から赤ら顔を覗かせる米田の姿があった。
鈍色のスーツの中に青いベストを着込み、首を緑色のスカアフで結っていて、片手にしっかりと一升瓶を携えている。
『いやぁ集合場所を指定すンの忘れちまってな、すまねぇ』
高らかに笑い飛ばす米田を、空いた口が塞がらないというような顔であやめと山崎は見つめていた。
次幕 >>489
『おっといけねぇ、コイツを渡さなきゃあならねぇな』
米田は何やらチケットを取り出し、手渡していった。
それを手にしたあやめが驚いたような声を上げた。
『これは…花と散るらむですか!?』
どうやら浅草神崎活劇写真館で上映中の『花と散るらむ』という無声映画のチケットらしい。
あやめも知人から聞いて知っていた。
この『花と散るらむ』とは、海軍将校と病弱ながらも舞台に立ち続けるひとりの女優の愛を描いたラブストーリーで、単なる悲劇だと言われていたが、いざ公開されれば評判はかなり良いものだった。
内容は良く作り込まれており、何より玉梓つわ子の演じる女優と冴木ひなの演じる凛々しい海軍将校の別れが情に脆い江戸っこたちの涙を誘うという。
米田は一升瓶の酒を煽り、懐中時計を覗き込んだ。
『ああ、まあせっかくだからなァ。
おっと……まだ時間がある、昼飯にしようぜぇ。そこに旨い蕎麦を食わせる店があってな!』
こうなってしまうと、最早米田のペースだ。
ずんずん先を行く米田の傍らに一馬が並び、その後ろを山崎とあやめが並んで歩いていった。
次幕 >>490
米田行き着けの蕎麦屋【夕蛍庵】は、修行を重ねた主人が明治元年に創業した店である。
季節ごとに変わる品が通の間でも人気であり、そして希望とあらば、三種類のご飯と20種類以上あるおかずが頂けるとあって食欲旺盛な若い青年達にも人気の店なのだ。
のれんをくぐると、老人達が数人蕎麦をすすっていた。
蕎麦湯の薫り香ばしく、辺りに漂っている。
座敷に腰を下ろした米田達は、注文を聞きにきた女将にお品書きを見て注文してゆく。
『俺ぁもり蕎麦に酒だ』
米田は何時も通りの蕎麦に酒を頼んだ。
米田によると、酒と蕎麦のナントカカントカって成分が相性が良いらしい。
『私は‥【桜】にしようかな』
あやめは春期品の【桜】を頼んだ。
蕎麦に桜餅と三色団子がついてくる、桜を浮かべたお茶もつき、モダンな女性に人気なのである。
少しお足を足した【幽桜】には抹茶が追加される。
『私は、とろろを。』
山崎はとろろ蕎麦を頼んだ、とろろとは山芋をすりおろしたもので、肌につくと痒くて堪らなく厄介だが、その美味さに病みつきになる人も少なくない。
そのとろろがついたのがとろろ蕎麦だ。
『んー…私は梅ざるで』
一馬が頼んだ梅ざるは、ざる蕎麦に梅ぼしがついたもので、さっぱりとした風味の蕎麦である。
米田達は、お茶を頂きながら束の間の休息を楽しんでいた。 >>494
『お待たせいたしました』
注文した蕎麦が運ばれてきた。
米田は猪口に酒を注ぎ、蕎麦に慣れた手つきでまぶしていく。
『あら、桜の香‥美味しい…』
『旨い。』
『な?うめぇだろ?』
蕎麦をすすったあやめと山崎の言葉に蕎麦をすすりながら米田は答えた。
その時である。
「じゃまするぞ!」のれんをくぐり、店内に数人の男が入ってきた。
彼らは帝国陸軍の軍服を着ていた。
『…まったく、かたっくるしい奴らが来やがった。』
『あれは…【嶺諷會】ですね。』
『…?…隊長、嶺諷会とは何でしょうか?』
一馬の言葉に疑問を抱いたあやめが米田に聞いた。
それに、あやめの傍らに居た山崎が口を挟む。
『嶺諷会とは、昨年辺りから活動を始めた若い陸軍将校達の結社だ。
彼らは貴族院の三連総胡伯爵を中心に日本の軍備拡大を訴えている。』
それに米田がつけたして…
『見分け方は…服のどこかから青い御守りを下げてンだ。
…まあ、参謀本部からはあまり良い目で見られとらんのよ。』
ちなみに、三連総胡伯爵は後の太正維新軍によるクーデターを支援したとされ、逮捕されている。
米田達の話が聞こえたらしいのか、男達の内のひとりが軍靴の音 >米田は猪口に酒を注ぎ、
猪口有佳に○○○を注入したに見えた。
>男達の内のひとりが軍靴の音
朝日新聞がまた電波記事でもかいたかオモタ >>496
を響かせながら近づいて来た。
「貴様ら!我らのことを知っているのか!」
この手の軍人は権力を行使したがる傾向がある、此方が下手にでても上手にでてもややっこしい事になるだろう。
米田は男に対してそんな考えをおくびにも出さず、気楽に蕎麦をすすりながら答えた。
『さて?俺ぁしらねぇなあ。』
「何!?」
『そういきり立つな、まあ一杯どうだ?』
猪口を差し出し米田は酒を勧める。
しかし、その男は猪口を叩き落として、言い放った
「貴様!帝国軍人を馬鹿にしているのか!」
その男は、顔を真っ赤にして正に一触即発という状態であった。
連れの男達も集まり出した。
「ジジイ!昼間から酒を飲み、あまつさえ我々帝国軍人に対するふざけた態度!
よって鉄拳制裁を加える!貴様のような輩が日本を腐らせて行くのだ!」
男は米田の襟首をつかみ、無理やり立ち上がらせようとした。
「…貴様のような…!?」
立ち上がらせようとした時、誰かの手が男の腕を掴んだ。
『…やめておけ。』
その手を掴んだのは山崎だった。
冷淡な表情のうちに怒りを秘めたまま、力を強めていく。
「貴様っ…!離せ!」
『お前が手を離すならばな』
男は襟首から手を離した。
>>498
その騒ぎを聞きつけて野次馬も集まってきた。
店主ですら「兄ちゃん!やっちまえー!」という歓声をあげている。
火事と喧嘩は江戸の華、ということだろう。
山崎も腕を離したが、治まる気配もない。
事態が大きくなっては不味いと踏んだあやめは、騒ぎ始めた客達の鎮静に当たり、一馬は周りの男達が手を出さぬようにと目を光らせていた。
しかし、一触即発の状態には変わりない。
こういう時に聞く古くからの諺がある。
古人曰く、待てば海路の日和あり…と。
『貴様ら何をやっとるのだ!』
幸か不幸か、騒ぎを聞きつけた軍人が店に現れた。
嶺諷会の男達が敬礼したところを見ると、上官らしい。
『貴様らは蕎麦屋で何を騒いでおるか!』
背筋をビシリと伸ばし敬礼をする男達のひとりがその上官に答えた。
「ハッ!三隅中佐、この男共が我々を侮辱したのであります!」
万事休すか、あやめが米田の表情を見る。
米田は、笑っていた。
それは好機であった。
『この男共…?』
三隅中佐が四人の顔を覗き込んだ。
あやめの顔を見た時は眉をしかめ、
山崎の顔を見た時は目を見開き、
一馬の顔を見た時は手を震わせ、
米田の顔を見た時には顔から血の気が失われていた。 >>499
「この方は帝国陸軍三隅直之中佐殿だ!」
男達のひとりが自信に満ちた声で三隅中佐を紹介する。
当の本人は顔面蒼白だというのに。
『おう、こいつはご丁寧にどうも。』
米田が立ち上がり、三隅中佐の脇に並んだ。
そして、こう耳打ちした…
『…ここは騒ぎを大きくしたくねぇンでな、このまま連れて帰ってくれ。』
これを聞いた三隅中佐の肩がビクリと跳ね上がった。
そしてすぐさま敬礼した。
『ハッ!了解致しました!
全員帰還後、陸軍省へ出頭せよ!』
「は…?…しかし!」
『質問は無しだ!』男達は不服らしく、反論をしようとしていたが舌打ちしてのれんに手を掛けた。
『おおっと、ちょっと待て!』
渋々帰る男達と震えている三隅中佐を米田は呼び止めた。
『ハッ!何でしょうか!』
『蕎麦代貸してくれねぇか?占めて参圓五拾銭なんだがよ。』
『えっ…は、はい。』
三隅中佐が参圓五拾銭を米田に渡し、敬礼した。
『ついでに、…おめぇら。』
まだ不服そうな顔をしている男達の方を向いて米田が言った。
『軍人が偉いんじゃねぇ。
自分の大切なもののために、命を張って戦える覚悟…それのある奴が偉ぇんだ。
ま、死んじまったら元も子もねぇけどな…』 >>501
今まで不服そうだった男達の背に鋭いものが走った。
幾多の戦線を戦い抜いてきた米田一基の言葉が心に深く染み入ったらしい。
『もう良いぜ、ほらとっとと帰ってくれ。
そんな軍服ちらつかされたんじゃ落ち着いて蕎麦が食えねぇや』
ボーっとしていた男達は、米田の言葉にハッと我にかえり、素直にのれんをくぐり出た。
三隅中佐は最後に敬礼して出ていった。
その頃にはもう野次馬もいなくなり、店内は静かになっていた。
『お見事です、米田隊長』
『戦わずして勝利する…、か。
見事でした。』
あやめと山崎が米田に近づき、褒め称えるような言葉を贈った。
一馬もニッコリと笑っている。
『へへっ…バカヤロ、照れるじゃねぇか』
座敷に戻った米田達は、店主の好意でいくらか乾いてしまっていた蕎麦を作り直してもらい、それをしっかり腹におさめた。
そして、浅草の活動写真館へ向かったのだった。
次幕へ >>502
《幕前舞台》
後日、三隅中佐らは米田一基の下に出頭した。
蕎麦屋の飲んだくれが米田一基だったと知った若い男達は驚きどころではなく、絶望していた。
『ま、座れ。』
木造の椅子の冷たさは絶望感を更に奮い立たせる。
『先日の件だがよ…』
米田が重く口を開いた。
その言葉に、降格か除名かと若い男達は震える。
その時、三隅中佐が手を挙げた。
『米田中将閣下!全ては私に責があります、彼等のことはどうか…!』
三隅中佐が米田に申し出たのは部下達の免罪。
しかし、軍人勅諭では上官の言う事は絶対である。直訴すれば重い懲罰が与えられるのだ。
米田は伏せていた顔を上げた。
『瀧川小佐以下五名に対し、先日蕎麦屋夕蛍庵での素行についての懲罰を与える。
嶺諷會からの脱退及び蕎麦屋夕蛍庵への謝罪を命じる。』
三隅の部下達は胸を撫で下ろした。言わば無罪放免である。青い御守りはその場で外し、米田に敬礼した。
次に米田は三隅に対して…
『次に三隅直之中佐、貴殿へ先日の件の監督不行届及び今の直訴についての懲罰を与える。
…一週間俺の酒につき合う事。』
『は!了解致しま…え?』
三隅は米田の言葉を理解できず戸惑った。
酒につき合え、そんな懲罰が下ったということは聞いたことがない。 >>503
《幕前舞台》
すっとぼけた三隅中佐に、呆れたように米田が口を開いた。
『バカヤロウ、前みたいに呑もうじゃねぇかってことだ。
どうした、不服か?』
「いえ!了解致しました!」
『わかった、もう良いぜ。』
一度敬礼した後、一同は出ていった。
三隅は、その日から一週間米田の酒につき合わされ、いくらか酒に強くなったという。
幕前舞台 完 >>502
神崎財閥の保有する活動写真館であり、座席は八拾席ある。
席種指定のため、料金によって座席を選べるのだ。
米田達が座ったのは二等席で、中段より少し上の真ん中であった。
「フッ…この活動はいつ見ても惚れるわよ
斧彦、覚悟なさい…」
「琴様ったらぁ〜…あたしがそんな安っぽいオンナだと思ってらっしゃるの?」
米田の隣に、異様な客がいた。
いかつい体に野太い声の持ち主と、落ち着いた物腰の軍人が女言葉を使っていたのだから異様で有るという以外ない。
しかし、映画が始まってしまえばそんな疑問はどこへやら。
最後の死に別れる場面、米田にも熱い何かが走った。 >>505
《花と散るらむ 台本》
――――――――
S―156 劇場テラス
――――――――
ト 黒黒なる闇の内、蒸気灯の灯りが煌めく街並。
× × ×
ト 劇場テラスにて雅子を抱きて、暁に染まる街を眺むる一之助。
雅子:一之助さん…。
ト 雅子、一之助に抱えられ一之助の顔をじっと見つめ。
一之助:大丈夫かい?雅子さん
雅子:私…嬉しくて…
ト 雅子、咳き込み。一之助、雅子を下ろさんとす。
雅子:可いの…もう少しだけ…
一之助:なら…あと少しだけ。 >>506
――――――――
S-157 劇場テラス
――――――――
ト 朝焼けが上り、黒たる闇に光が差し。
街並を赤く染める。
× × ×
ト テラスの二人を朝焼けが照らす。輝く硝子。
雅子:ねぇ…一之助さん…
ト 雅子、一之助の頬に手を添わす。
雅子:あなたは…綺麗な目をしているのですね…。
一之助:あなたの目も…澄んでいて美しい。
雅子:そうかしら…?嬉しい
ト 雅子、頬を染め。暫し見つめあった後吐血す。一之助、雅子の血を拭い。
雅子:一之助さん、私…あなたにあえて好かった。
ト 雅子、涙す。一之助、震えながらにも強く抱きしめ。
一之助:雅子さん…女優は何があっても笑顔…だろう?
雅子:そう…笑顔ね
ト 雅子、涙ながらに笑む。微笑みの後、一之助の肩に手を回し、顔を寄せ。
雅子:ありがとう
ト 雅子、一之助の頬に接吻す。微笑んだまま意識を失い。
一之助:雅子さん?雅子さん!
ト 雅子の薄紅の頬には涙が伝い。雅子の亡骸は朝焼けに照らされ。
一之助、叫びの後涙流し雅子を強く強く抱きしめる。
一之助:…ありがとう、雅子さん。
ト 朝焼けの内に抱き合う二人。
―――
暗。
――― >>505
米田達は活動写真を見終わった後、興奮覚めやらぬうち、館内のカフェに居た。
先程の異様な客人達と共に。
『おめぇらが知らねぇのも無理はねぇ。こいつらは通称白百合隊と呼ばれている。』
「私、陸軍大尉の清流院琴音です。」
「私は陸軍軍曹、太田斧彦…ですわ」
一馬達の反応や如何に?
一馬は苦笑い、山崎は怪訝な表情、あやめに至っては絶句。
『まあ世界には色んな奴がいるってこった、ダァーッハッハッハ!』
そんななか、琴音が紅茶のカップを下ろし米田に問い掛けた。
「私達、この後雷門まで行くのですが…如何ですか?
今日は縁日か何かで屋台が出てるはずですから。」
『縁日か…そりゃ好都合だ、なぁ一馬?』
珈琲を頂いている米田は、満足そうに頷き一馬に目を向けた。
『ええ』
どうやら一馬も同意らしい。
多勢に無勢、山崎とあやめも同意した。
「では、浅草の屋台に向かって出発よ!」
斧彦がオペラ歌手ばりの美声(?)を張り上げた。 >>508
浅草雷門。
今夜は屋台が立ち並び、様々な人間が集っている。
そういえば、と米田は思い返した。
対降魔部隊と白百合隊の面々が思い思い行きたい場所に散開してからしばらく経つ。皆は何をしているのだろうか?
今まで立ち飲み屋台で呑んでいた米田は酒徳利を抱えて辺りを彷徨く事にした。
まず見つけたのが射的に興じる対降魔部隊の山崎とあやめであった。
『おう、あやめくん…っく』
『あら米田隊長、…また呑んでますね?』
『良いじゃねぇか、こういう席で呑む酒は縁起酒ってンだ。』
屋台の脇で雑談するあやめたちをよそに、山崎は銃を構え眼を閉じた。
次に眼を開いたとき、銃口は的を捉え、強いバネの音高らかに、的心を射抜いた。
「にいちゃんスゴい腕だな!
ほら、持ってきな!」
テキ屋のオヤジが渡して来た景品は和細工の髪留めだった。
『…あやめ。』
山崎があやめにそっと近づき、髪留めを髪に結い止める。
『俺には要らぬものだ。』
『えっ…その…ええ?』
あやめは照れているらしく、夕闇の内でもその頬が赤く見える。
そんな情景を目の当たりにした米田は、すっとその場を後にした。
>>510
人混みの内を歩いていると、妙に騒がしい一角があった。
どうやら斧彦が屋台の男と一騒動起こしているらしい。
『さぁ…熱〜いチュウをしましょっ!』
『うっ、うわぁ!誰か、誰か助けてくれぇ!』
太田斧彦は極度の接吻魔であり、好い男を見つけるとすぐに接吻しようとする癖がある。
体を見て分かるようにかなりの力もあるため、よりタチが悪いのは言うまでもない。
『ま、ほっといても害はねぇやな…』
ここで斧彦の世話をして、厄介事に巻き込まれたくはない。
屋台の男には申し訳ないが、と米田は心の中で合掌し、足を進めた。 >>512
仲見世を抜けて、少し開けた所に足を向けると、丁度紙芝居をやっていた。
一馬も水飴片手に見入っていたらしい。
「はい、今日はここまで…ありがとね。あ、また水あめ買ってちょうだいね。うん」
どうやら終わりらしく、紙芝居屋は不満の声を上げる子供たちを宥めていた。
『…おや、米田中将。中将も紙芝居に?』
一馬がこちらに気づいた。
『いやな、ちょいとウロついとっただけだ。
珍しいじゃねぇか?おめぇが紙芝居を見るたぁ…』
柔らかくなっている水飴を練りながら、一馬は赤く染まりつつある空を見上げた。
『さくらが見たら喜ぶだろうと…思いまして。』
さくら。
その名を聞いたのは、春の陽気が心地良い日だった。
真宮寺桂に挨拶するため仙台に赴いた米田に、一馬が紹介したのだった。
【これが私の大切なものだ】と…。
『…もう長く会っていません。』
一馬の呟きに、米田はふっと我に返った。
『…そうか、さくらは幾つになる?』
『もう四つでしょうか、…はい』
米田も赤に染まる空を見上げた。
『…なあ、一馬。』
時代を見つめ、戦場を見つめてきた双眼が一馬をとらえる。
『…死ぬんじゃねぇぞ、何があっても…。』
『…ハハッ…、わかりました。』
しばらく二人はそうしていた。
そして、米田は一馬と別れ足を進めた。 >>515
夕焼けが赤々と空を染め、仲見世の蒸気灯や屋台の提灯が灯る頃、小腹の空いた米田は屋台を巡っていた。
『焼き鳥ってのもなかなかうめぇもんだな、…お?』
目線の先には、建物の影から何かを見つめる琴音が居た。
情報将校である琴音の事、ただ事でない場合もある。
知らぬふりで近づき、声を掛けてみた。
『…どうした?』
米田に気づいた琴音は、影に身を隠してこっそりと指で指した。
この二人を端から見たら、ずいぶん怪しい存在だったに違いない。
『あの少年です、…さっきからアクセサリィの辺りをウロウロと…』
米田はずっこけそうになった。
しかし顔には出さなかった。
『…欲しいだけじゃねぇのか?』
米田もその少年に目を移すと、少女のように華奢な少年が小物屋を覗いては離れ、覗いては離れと繰り返していた。
こちらにはまだ気づいてないらしい。
『いえそれだけではないような…
……あの子、何かあるわ…』
『なにか、だぁ?』米田には検討もつかない、少年が好いた子への贈り物にでもするのか。
はたまた、妹や姉、母への誕生日の贈り物か…位しか思いつかなかったのだ。
『そうです、…何かを感じます。
…中将、あの子に接触してみますわ』
艶髪を靡かせ、颯爽と飛び出した琴音。【早まるんじゃねぇ!】と米田は言いかけたが時既に遅し。
仕方なく米田もついていくことにした。 >>516
『…坊や』
琴音が、少年の肩に手を置いた。
少年は反射的にかビクリと体を震わせ、とっさに逃げ出そうと身構える。
しかし、まるで磁石のように琴音の手は掴んだままだ。
そんな様子に異常を感じた、屋台のおっちゃんが声をかける。
「姉さん姉さん、この坊やに何か用でもあるのかね?」
この男、琴音を女性と勘違いしたらしい。琴音が幾ばくか頬を染めた。
『あら…いや、まあ、そうよ』
その時、後ろから人影が現れた。米田である。
「じいさん、この姉さんの知り合いかい?」
米田は、「姉さん」に一瞬眉が引きつったがなんとか取り繕うように話を続けた。
『ま、そんなところだ。
この坊ちゃんにちょいと用があってな、俺が頼んだンだ』
「ならいいんだけどね、ほら最近いろいろ危なっかしいからねえ」
『隣組の目ってのはそういう所で生きてくるンだ、これからもよろしく頼むよ』
「ああ!任せときな!…いかん、客だ!」
屋台にまっしぐらに戻って行くおっちゃんの背を眺める米田。
琴音はどうしていたかというと、米田の巧みな話術に圧倒されていた。
流石陸軍きっての知将、米田一基。話術もお手のものである。
『…さて、ボウズ…ちょいとこの姉さんが話があるそうでな。ついてきてもらえねぇか?』
少年は俯いたままだった。
その時、腹が鳴った。少年である。
『お?腹ぁ減ったか?
よし、このジジイが奢ってやろうじゃねぇか!』
『…?可い…ん…ですか?』
初めて少年から語られた言葉に、琴音と米田は顔を見合わせ…少年に微笑んだ。
かくして、彼らは小さな定食屋に入ったのだった。 >>522
『オヤジ、冷やで!…おめぇらはどうするんだ?』
定食屋に入った米田一行は、少し奥の席に腰を下ろした。
米田の前に少年が座り、少年の隣に琴音が座った。
米田は早速冷やを頼んだ。冷やというのは酒を冷やしたものである。
『私は水とお新香だけで結構です、君は?』
琴音は水とお新香だけにした、脂っこいものも時には良いのだが食べ過ぎは美容の大敵である。
そして少年はというと…
『えっ…その…え……天丼…を』
「あいよっ!うちで天丼を頼むたぁ坊ちゃん通だねぇ、旨ぇの作ってやっからほおっぺた落ちねえように押さえときねぇ!なんだったらじっちゃんとおっかさんにも押さえてもらいな!」
『あの…そ、の……は、は…い…』
江戸っ子オヤジの軽やかな弁に押され気味の少年であった。
それはさておき、少年を名を知らないことに気づいた米田は、聞いてみることにした。
『…おう、ボウズ…おめぇの名前聞いていいか?ボウズじゃあ他人行儀でいけねえや』
少年は少したじろいだが、何故か頬を染め言葉を詰まらせながら呟いた。
『…菊……です』
米田は耳を疑った、菊という女は良く聞くが男ではめったに聞かない。
『え?…ああ、菊か…好い名前じゃねえか』
『ええ、菊は華やかな花ですが…どこか儚げな花、です。
菊つくりは罪つくり…ともいうのよ、菊君。』
琴音が少年を見つめ、そう言った。 >>525
「あ…いえ……」
少年の頬に赤々と紅が差した。
『へいっ!お待ちっ!』
オヤジの威勢がいい声が飛んだ、そういえば先ほどから天麩羅の香ばしい薫りがしていた。つゆの香りもあってか食欲を掻き立てられる。
『おう菊、来たぜ…こいつぁうまそうじゃねぇか!…ヒック』
菊の前に運ばれた天丼をのぞき込みながら本日何本目かの酒を煽る米田。
酒の味も好く、可い具合に冷えているのもあってかするすると手が進んでいる。
『そういえば菊君、何故アクセサリィ屋の前に居たのかしら?』
ふと先程まで新香を摘んでいた琴音が口を出した。
『え!……その…』
菊が言葉を詰まらせた、琴音が耳を寄せて囁くように促すと…
『……が…その……で……え…』
どうやら、昔から女性に対する憧れがなんたらかんたら…だという。
それを聞いた琴音が、腕を組み力強く然し優雅に頷いた。
『菊君、今日は…私達とデートしましょう』 >>526
定食屋で腹ごなしをした米田一行は琴音の考えにより仲見世に繰り出すことになった。
その中で、米田の印象に残ったのは見たのは菊少年の満ち足りた笑顔だったという。
そうして短いようで長い時間が過ぎ、日も落ちた。
彼らが最後に向かったのは少年と出会ったアクセサリィ屋。
琴音の勧めであった。
『…何か欲しいものはあるかしら?』
琴音の問いかけたことばに、少年が肩をふるわせた。
「えっ…えと…母にこれを…」
恐る恐る指差したのが小さな髪留め、百合が鮮やかにあしらわれている。
『わかったわ、店主さん…これを』
琴音が代金を支払い、その品を受け取ると…
「あっ……」
『似合うわね』
琴音の手が菊の髪にその髪留めをつけたのだ。
『これはあなたが欲しかったんでしょう?
…わかるわ、嘘をついてもね』
琴音の不適な笑みに菊は口をパクパクとさせていた。
米田もどうやら気づいていたらしく後ろで笑っている。
真っ赤なりんごになった少年に、琴音がこう囁いた。
『…自分を偽ってはいけないわ。
好きなものは好き、そういえる大人になりなさい、菊乃丞君。』
>>532
女性への憧れ。
琴音達にもあるその感情を、この少年も持っていた。
琴音はそれを感じて声を掛けたのかもしれない。
『あなたもこの私と同じ、これからも仲良〜くしましょうね
あら…菊之丞、可愛いんだからこんな時に泣いちゃ駄目じゃない、女は涙をいざという時の武器にとっとくものよ』
今まで否定されてきたその感情を初めて認めてくれた人の手が、菊之丞少年の頬に伝う雫を拭う。
『…失敗や欠点…それをひっくるめて自分を認めてやれるようになりゃあ1人前だな。』
菊之丞の頭を撫で言葉を掛けた米田、その時の目はとても穏やかな…父親のような瞳だった。
『米田隊長〜!』
ふと背後から聞きなれた女性の声がした。
どうやらあやめらしい、一馬や山崎も共に行動していたらしい。
『おうおめえらか…どした?』
『いや、米田隊長がこの方の子供と一緒に居るのを見たっていう人がいまして』
対降魔迎撃部隊の面々は菊之丞の母親と出会い、子供を探していたというのだ。
背後から姿を表した女性は菊之丞に駆け寄り抱き締めた。
「菊之丞!」
「…お母さん」
暫し抱きあった後、母親が菊之丞の髪に留められた髪留めに気付いた。
途端、母親は声をあげる。静かな怒りを含んだ声だった。
「菊之丞…これは何かしら」
母親の声に戸惑いを見せた菊之丞はとっさに後ろへ退いた。
丁度琴音に寄りかかるような体制になったのだ。
「貴方ですか?これを菊之丞に与えたのは」
この母親はどうやら菊之丞の感情に気づいていたのだろう、しかし世間体を気にしてかそれを否定してきたらしい。
それを掘り返されたのだから母親にしてみればたまったものじゃない。
その怒りの矛先を向けられた琴音は菊之丞を両手で包みこみながら、凛として立っていた。 >>533
『アナタは恐いのねぇ、人と違うということが…』
口を開いたのは琴音だった。
母親の顔が一瞬、動揺に歪んだ。
『人なんざ何人居ると思ってんの、アナタ。
何人も同じ人間がいたら怖いわよ、ねーあやめちゃん』
『たしかに…清流院さんや太田さんが五人もいたら…』
『ちょっと琴様、あやめさんったら御挨拶ねぇ!』
『斧彦、アタシが五人居たら周りの方々の心を奪ってしまうでしょうけど、アナタが五人もいたらアタシだって近寄れないわよ』
『琴様ったらヒドい御言葉…!』
両手で顔を隠してシクシクと涙を流す斧彦を尻目に、琴音は言葉を続けた。
『人と違うことは悪いことじゃないわ、常識なんて所詮多数派の意見よ
…大切なのはそんなことじゃない、他人と違う自分を認められるか…よ』
『…みんな違ってみんな良い…か』
一馬が呟いた言葉にふと山崎が口を挟んだ。
『…真宮寺、それは金子みすゞか?』
『ああ、良い詩だろう?』
『…ああ』
『…ン゙ン』
話が脱線してきたと感じた米田が、咳払いして言葉を続けた
『…世間様の目を気にするのは仕方ねえことだが、自分を押し込めさせるのは良くねえ。
子供達を…かばい、守り、自由にさせるのが親のつとめじゃねえのか?』 >>541
「…っ………」
菊少年を挟んで責め立てられた母親はたじろいだ
彼女にはいくらか被害妄想地味た思考があるのか自分の考えを全て否定されているように感じたらしい。
その時である。
『は…母を苛めないで…ください…っ!』
菊少年が母親の前に立ち、必死に声を張り上げた。
人通りが少なかったのが幸いしてか野次馬もない、否…例え野次馬がいたとしても少年は母を庇っただろう。と米田は直感した、少年の瞳はまっすぐこちらを見つめ返していたからだ。
『ごめんなさいね、言い過ぎたわ…』
沈黙の後、琴音がひしと菊少年を抱きしめた。その瞳はほのかに潤んでいたという。
次に斧彦がその上から抱きついてワンワン泣き出した
『菊ちゃんっ…アナタは乙女の鑑よぉ!
ねっ琴様!』
『そうよ、ここまで清純で勇敢な心を持った少年を連れまわした挙げ句傷物にしたなんて!』
いくらか過剰な表現が出て、米田は少し眉をひそめる。
『…おいおい…
まあ、…おめぇさんがこの坊主に教えてきたことは間違いじゃなかった
…おめぇを庇って、俺達に歯を向けてきたんだぜ…』
米田の柔らかく穏やかな言葉に、母親も泣き崩れて百合組の輪の中に入っていった ID:xbAu+msb0
この上記のヤツにこんなことを言われたよ。
[同一IDのアニオタ登場W
アニオタって、一日5千円以上入れきれない、
チキン野郎だろ
こういう奴って、大抵、羽かサクラやってるが、
早くアニメの世界に帰れよW ]
>>548
しばらくして、泣き止んだ母親と菊少年は祭囃の中に消えていった。
『これで一件落着、だな』
米田は少し離れた林の中でやれやれ、といった感じで対降魔迎撃部隊と百合組の面々を見渡して呟いた。
『…ところで、今回の任務はどのような…?』
あやめが口を開いた。
今回は対降魔迎撃部隊に与えられた任務のために浅草界隈まで出てきたというのに、任務そのものの全容が知らされてはいなかった。
どうやらその事に百合組も興味があるらしく、押し合いへし合い寄ってきた。
『今回の任務…それは』
ずっと秘密にしてきた任務の内容、米田は重く口を開いた。
『たーんに俺が遊びまわりたかっただけだ!
ダァーッハッハッハッ!』
一転、不思議なまでな静寂が当たりに漂った。
任務と言われ気を引き締めていた糸を、切られたようなもの。
脱力感に包まれた状況を米田も感じ取ったのか、眉をひそめていた。 >>561
ふむスレ
DSって迫水でないのかな…… >>553
『‥今日の任務はこれで終いだ、とっとと帰れ。
琴音、斧彦を‥って大丈夫か。
‥山崎、あやめを送ってってやってくれ』
だらけた空気に耐えられなくなった米田が溜め息と共に目を伏せた。
そうして山崎とあやめ、白百合隊が闇に消え、米田と一馬のみが残った。
『‥中将、この任務の真意は‥』
一馬が遠方を見つめ、微笑みながら問い掛けた。
それに答えるかの如く、米田は同じように遠方を眺めていた。
『‥最近戦い詰めだったからな、俺らが護らなきゃならねぇもんを見つめ直すためよ‥』
『‥貴いものほど忘れてしまいがちですから』
一馬は一歩、先に歩み出た。
そして‥
『中将、私が‥‥‥』
強い風と共に、桜吹雪が駆け抜けた >>577
『支配人!支配人!ゲネプロ始まっちゃいますよ!起きてください!』
まどろみのなか、椿の声が聞こえた。
先程見た桜吹雪はない。
ここは支配人室、どうやら一晩眠りこけてしまったらしい。
『やっと起きた、ゲネプロ始まりますよ!』
『お、おぅ。‥わかったわかった。ちっと着替えてからいく、酒くせぇからよ』
『急いで下さいね!あと30分で始まっちゃいますから!』
椿は慌ただしく、支配人室から飛び出していった。
『‥やれやれ‥‥』
半ば自分に呆れるように呟き机の杯に目を向けた。
そのうちのひとつに、桜の花びらが浮いていた。
『‥どこからか入り込んだな』
机の背後にある窓を開く、柔らかな風にカァテンが揺らいだ。
『‥夢のつづき、か』
窓を閉め、着替えを持ち、扉を開く。
一瞬、一馬達が近くにいるような気配を感じ振り返り‥部屋を出た。
窓の外に、桜を纏った風が吹いた
終幕。
なんかふむばっか。
サクラの米田司令と
パトレイバーの後藤隊長は
上司だったらいいかなぁ
と思える。 Bye-bye哀愁でぃと♪鮮やかなぁ〜♪Bye-bye哀愁でぃと♪笑顔見せてよ♪Bye-bye哀愁でぃと♪醒めすぎたぁ♪つぅみぃなぁやぁつぅ〜〜〜〜っ♪ 大神くんには才能があるよ。
こんなにもうまく、
ハトにエサをあげられるなんて。 舞妓Haaan見てたら植木等が4ラストの米田にそっくりだった あ、ダンディー迫水氏にハッピーバースデー言うの忘れてたぜ。 TV版アニメの米田かっこよかったな
山崎と一騎打ちして魔神器まで持ち出す奴 米田中将率いる抜刀師団、どんな編成なのか気になる。 マニアックな質問ですがお願いします。
古い話になりますがセガサターンのサクラ大戦の1
第一作目だと思うのですが、、1996年のサクラ大戦
サクラ大戦のワンですよね?
それと、同じ感じものに思われる「サタコレ」と記入されてるものがあります。
コレとコレは内容的には同じものですか?
もし別物だとするとどこがどう違うのでしょうか?
よろしくお願いします。
サクラ大戦のアニメを見て、はまってしまいました。
少ない予算ですが初期のものから買ってプレイしてみたいのですお願いします
内容データ的に同じならサタコレのほうが安いので教えてください。 祝いの言葉も書いてないとは・・・・・・悲しいスレだな・・・・・・ 迫水さんのように詩人になりたいものだ
大神さんをナンパした時は面白かったよ迫水さん ヒゲがダンディでカッコイイよ、迫水さんは。
是非ともむしりたい ミキの写真をうっかり渡してしまったら
ミキから嫌われた
知られないと思ったのにorz 迫水さんってたまにフランス語でぶつぶつ言うけど、実際にフランス語できる声優やとって
それをアドリブで自由にしゃべってもらってアピールしてもらったのか 本気で出会いたいならハッピーメール
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○にはpを入れてね MAG速とは
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※記事内容を信じないようにしましょう (不快ならブロックリストで非表示に) ギャルゲームじゃないけどお得なネット情報館
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AOFIB 俺 「アイリス可愛いよ。ぺろぺろー。」
アイリス「お兄ちゃん 止めて。ジャンポールが見てる前で恥ずかしいよ。」
俺 「じゃあ次は、アイリスがペロペロしてくれよ。これは隊長命令だ。」ボロン
アイリス「キャー 何これ?。」
俺 「チャラッ♪チャララ♪チャラッ♪チャララ♪あーあー♪これがレビュウ♪」
アイリス「凄い。新サクラ大戦と言えば、やっぱり哲人投資家の大重さんだね。」 サクラ大戦3のリメイクでは迫水ルートが追加されるからな!
20年前迫水に萌え迫水に泣いたお前ら、よかったな! このスレッドは1000を超えました。
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