>>743続き)

■才能をもっと他の場所に使えば、大変なことになる説
 
「テレビはオワコンだ」とか言いますが、それは何も、テレビを作っている人の能力が低いわけでも、
テレビに出ている人の能力が低いわけでもなくて、もっともっと「構造上の話」で、
たとえば(今さら言うまでもありませんが)テレビの視聴者の大半は年輩の方じゃないですか?
当然、番組内容はそっちに絞られてきますよね。

そこを相手にしていることが悪いというわけじゃないのですが、
「その圧倒的な才能を、もっと他のことにも使えば、もっともっと面白いものが作れるんじゃないかな?」
と強く思ったんです。 
 
そう考えると、「テレビタレントが、テレビディレクターと結託して、YouTubeチャンネルを作る」というのは、
一つの打ち手だと思うのですが、なんか、それだけじゃなくて…

たとえば、僕、また今月末からニューヨークに行って、ミュージカル『えんとつ町のプペル』の
リーディング公演を観に行くんですけども、ニューヨークのチーム編成をよくよく知っているんですね。
世界中から才能が集まっているわけですから、
たしかに皆メチャクチャ優秀なんですけども、「歌」や「ダンス」とかじゃなくて、
一人のクリエイターとしての立ち回り(「こういう時はこうしない?」という流れの作り方とか諸々)で、
今の日本のテレビタレントさんの才能が負けているとは思えない。

それはアニメーション映画の制作現場でもそう。

タレントさんが、たしかな知識を持って映画制作の会議に参加しているところをイメージしてみたんですけど、
彼らが作り手の一人としていてくれたら、かなりいろんなことが前に進むなぁと思ったんです。