>>743続き)
 
■ハイスペックたれ

「クオリティー」の件で、全てのサービス提供者が仕入れておかなければいけない『言葉』があります。
昨日の記事で「過剰性能」という言葉が出てきましたが、今日はこの言葉の周辺を深掘りしたいと思います。
 
Wikipedia先生曰く、「過剰性能」とは、利用者が求めるよりも、更に高く持っている性能と、
その性能を持つ機械装置の総称です。 
「過剰」という言葉が指し示すとおり利用者にとっては不要なものであり、時として邪魔となる場合もあります。
いわゆる「宝の持ち腐れ」ですね。
 
「…いやいや、何かが不足しているならまだしも、
利用者が求めている以上のものを搭載しているんだったら、いいんじゃないの?」
と思う人もいらっしゃるかもしれませんが、
利用者が求めている以上のものを搭載する為にかけるコストが絶望的に無駄です。
 
日本の携帯電話業界の末路がまさにこれで、
当時は「他社よりも2グラム軽い!!」みたいな競争をしたりしていました。 
当時の利用者は携帯電話に5gぐらいの「ストラップ」をジャラジャラ付けていたので、
軽量化に努めたエンジニアさんの努力は全くもって無駄です。
そうこうしているうちに、そこそこ重いiPhoneがやってきて、全員を丸飲みしていきました。
 
お客さんの求めているレベルが「80」だとして、サービス開始時の自分のレベルが「0」だった場合、
技術の向上は、そのままお客さんの満足度に繋がります。 
それを繰り返しているうちに「技術を上げる=喜ばれる」という誤った計算式が
自分の中で出来上がってしまい、「80」を超えても尚、
技術の向上に努めるのが二流のクリエイター(二流のサービス提供者)と、
業界を殺すコアファンです。