>>974続き)
[19:57]《西野さんはたくさんのプロジェクトチームを抱えているが、チームに取り入れた方がいいことは?》

・「損切りした人間を称える」っていうのはいい。

・CHIMNEYコーヒーに、「がんばるあなたに小さな一息を」というキャッチコピーがあった。
 このコピーって、誰にも刺さってない。なんでかっていうと、コーヒーってそういうものだから。
 コーヒーって頑張ってる人に一息ついてもらう、っていうそういうものだから。

・解像度を上げると、コピーを作った人がコピーの意味を認識してない。
 キャッチコピーがやらなきゃいけないことは、「描写」じゃなくて「解決」。
 
・問題の解決って何かって言うと、新しい価値観の創造とか、そういったものを提案していかなきゃいけない。
 
・あと、コピーっていうのは語感も大事。
 「音楽のある生活を送ろう」よりも、「No music No life」の方が刺さるじゃないですか。

・CHIMNEYコーヒーのスタッフに、「がんばるあなたに小さな一息を」ってコピーはやめませんか、と言った。
 そうしたら「やめようやめよう、ありがとうございます」ってことになったんだが、
 その「ありがとうございます」がメッチャ重要。

・手厳しいことを言うと、「がんばるあなたに小さな一息を」っていうのをベストセラー作家に言わせると、
 言葉を操るのが苦手な人が無理やり絞り出した文章という気がする。
 「一息」にはいろんな意味があるので適切ではない。
 「ひと休み」という意味以外に、「呼吸するだけの短い間」という「一気」みたいな意味もある。
 他には、具合が悪いのは「もう少し頑張る」という意味もある。「もう一息で頂上だ」みたいな。
 そうすると文脈としては、「がんばるあなたにもう少し頑張ってもらう」っていう風にも受け取れる。

・何かを始めるのはバカでもできるが、畳む、損切りが一番難しい。
 僕が知ってる限り、9割9分の人は損切りができない。
 でも損切りした時にチームがドエライ空気になってしまったら損切りしにくくなる。
 だから損切りに対しては拍手することが大事。 (*終わり)