>>933続き)
 
■「丁寧に仕事をする」という投資

ここから先はオルゴールのBGMを流しながら読んでいただきたいのですが(笑)、
ちょっと個人的な話をさせていただくと、僕が新しく何かを始める時は、何をするにしてもアウェイだったんです。
絵本作家を始める時は「芸人が絵本なんか描けるのか?」という疑いの目を向けられましたし、
映画を始める時も、ミュージカルを始める時もそう。
 
もっとも(ナイショですが)、ミュージカルの時の国内の業界人からの「演出とか、できるの?」に関しては、
小学生の陸上部の子が、プロ野球選手に対して「陸上経験無いですよね? 走れます?」と言っているようなもので、
「陸上経験は無いけど、お前より速いよ」という感じで、「誰が誰に言うとんねん」と思ってましたし、
秒殺してやろうと思ってました。
#鬼西野
 
とは言うものの、やはりどこに行っても「よそ者」で、疑いの目は結果を出すまで消えません。
スタッフさん一人一人と丁寧に向き合って、そこでのパフォーマンスで
「あれ? この人、本物じゃん!疑ってゴメン!」と見直してもらうしかない。
 
そうしてコツコツと、絵本を作り、映画を作り、ミュージカルを作ってきたわけですが、
ここにきて、たとえば昨日の『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』の打ち合わせや、
キングコングの映像作品の顔合わせでもあったのですが、
「プペルをやりたい!」「西野さんとの仕事ならやりたい!」
と言ってくださるクリエイターさん(しかも重鎮)が増えてきたんです。
 
各業界に飛び込んだ時には、まさかこんなことはありえなくて、
あらためて「丁寧に仕事をする」ということの大切さを再確認しました。